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【新セットレビュー】『ダスクモーン:戦慄の館』各色トップ3

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2024.09.18

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 9月27日発売の最新セット『ダスクモーン:戦慄の館』、全カードが公開されました。 というわけで今回も各色の注目カードトップ3をご紹介していきます! 白トップ3 第3位 《墓所のタイタン》が帰ってきた!戦場に出るか攻撃するたびに能力を誘発させる『基本セット2011』のタイタンサイクルは大人気で、スタンダードはタイタン同士の争いとなっていました。《原始のタイタン》は今でもモダンで現役なほどです。そのタイタンサイクルと同じ能力を持つのが今回の大主サイクル。各色の神話レアで、戦場に出るか攻撃するたびに能力が誘発し、更に本来のコストとは別に、兆候コストで軽く出すことができます。兆候時は、自分の終了ステップに時間カウンターが取り除かれていき、時間カウンターが乗っているかぎり、クリーチャーではありません。つまり、兆候で唱えてまずは戦場に出た時の能力が誘発し、攻撃時の能力はおあずけというわけです。序盤に引いた場合は4ターン目に兆候でとりあえずトークン、中盤以降は7マナと、元祖タイタンとは違った使い方ができます。トークンが2/1飛行なので、その点では《墓所のタイタン》より強力です。《墓所のタイタン》は登場後のスタンダードで大活躍だったカード。《ミストムーアの大主》にも期待してしまいます。兆候カードは《リッチの騎士の征服》と相性が良いので遊んでみたいですね。兆候で並べて生け贄にして一気にリアニメイトしたら熱そうです!   第2位 最初に読んだ時に「え?マジ?」って思いました。強すぎてびっくり。《忘却の輪》のような一時追放エンチャントで、自分のクリーチャーにエンチャントするオーラなため、除去されやすい分1マナ軽い…のですが、エンチャント先に護法(2)がつくので、普通に除去されづらい。更に+1/+0に絆魂と強化もまずまず。ビートダウン対決ではアタッカーを一時的に追放しながらライフを回復できます。しかも《運命に導かれし者、ケイリクス》との相性は抜群。相手のブロッカーを《幽霊による庇護》で排除して、《運命に導かれし者、ケイリクス》の能力で《幽霊による庇護》をコピー。《運命に導かれし者、ケイリクス》にエンチャントすれば除去が難しくなります。《運命に導かれし者、ケイリクス》と《幽霊による庇護》でまずはデッキを組んでみたいですね!   第1位 今回各色に存在するレアの光霊サイクル。かつてあったカードたちが現代版に調整されたとも言うべきでしょうか。最初はクリーチャーですが、死亡するとエンチャントとして戦場に戻ってきます。とてつもなくアッパー調整されたのがわかりますね。その中から最も強力だと思ったのがこの《永劫の無垢》。パワーが2以下のクリーチャーが戦場に出るたびに1ドローは、条件が緩すぎます。1ターンに1回という制限はありますが、《ミレックス》や《噴水港》など相手ターンにも1/1を作る手段があるため、1ターンの間に2枚引けることもザラです。そもそも同じ能力を持つ《歓迎する吸血鬼》は少し前のスタンダードで使われていたぐらいです。戦場に残れば膨大なアドバンテージを生み出す能力なため、まず生き残りませんでした。しかし、《永劫の無垢》は除去してもエンチャントとして帰ってくるので、《歓迎する吸血鬼》のようにはいきません。このカード、普通にめちゃくちゃでは? 青トップ3 第3位 全国10万人の青ファンの皆様!お待たせしました!ついに《対抗呪文》がパイオニアにやってきましたよ!え?全然《対抗呪文》じゃないって?想像してみてください。パイオニアでよく起きていたことを。《ドビンの拒否権》を構えていて《墓地の侵入者》を出されたことはありませんでしたか?でも《ドビンの拒否権》を入れないと《鏡割りの寓話》が通って負けるので、入れざるを得ない。こんな苦悩があったはずです。でももう安心。《今のうちに出よう》はクリーチャーと《鏡割りの寓話》をどっちも消せます。しかももう1つのバウンスモードもなかなか。《海の神のお告げ》を戻してもよし、《一時的封鎖》を2枚戻してその内1枚で全部を巻き込めば、《一時的封鎖》を1枚回収できます。青青とマナシンボルまで《対抗呪文》なのが玉に瑕なので、アゾリウスコントロールでの採用は厳しそうですが、もっと青が濃いデッキでは選択肢になるかもしれませんね。 第2位 エンチャントが戦場に出たり、部屋1つを完全に開放することを違和感と呼びます。このカードは違和感で1ドロー。つまり《アルゴスの女魔術師》、いわゆるエンチャントレス系の1種です。自身が瞬速を持っているのは大きく、相手がフルタップになって除去を構えられなくなった隙に唱え、そこから大量にドローできます。今回はクリーチャー・エンチャントも多いので、思わぬ組み合わせで引けるかも?まずはエンチャントで検索しましょう! 第1位 部屋は新たに登場したエンチャントのタイプ。分割カードのようにいずれかのマナを支払って場に出て、その支払った側の部屋が開放され、能力が発揮されます。戦場にある部屋のうち、開放されていない方を、マナ・コストを支払って開放できるので、1枚で2度美味しいカードです。《鏡の間》は自分がコントロールしているクリーチャーのコピーを生成するカード。3マナのコピーは標準的なスペック。とはいえ構築で使われるレベルではありません。しかし、部屋のもう一方が強力なら話は別です。コストこそ重いですが、開放すればパーマネントの誘発型能力が倍に!この手の誘発倍カードは重く、手札でダブつくのが課題でしたが、《鏡の間》なら軽く、コピー能力は汎用性も高いので、デッキに比較的組み込みやすい。使ってみたい1枚ですね。 黒トップ3 第3位 踏み倒したい系デーモン。普通に唱えるのは9マナとまず無理なので、パイオニアなら《不屈の独創力》あたりで出してみたいですね。土地以外3つという膨大な護法があるので、一度戦場に出れば触るのは難しい。しかも能力でそれらのカードを追放でき、使用可能となるため、護法を払わせて除去を打ち消した場合は、その瞬間に相手の吹っ飛ばした3枚のパーマネントをこちらが唱える、奇跡の0対7交換が行われることになるのです。スタンダードなら普通にリアニメイトで墓地から釣りましょう。それだけでもかなりのプレッシャーになること間違いなし。   第2位 生存は、第二メインフェイズ開始時にそのカードがタップ状態である時に能力を発揮します。第二メインフェイズでタップ状態ということは攻撃した後が普通なので、戦闘を生き残った…というフレーバーなのでしょう。しかし、実は生存する方法は他にもあります。その内の1つが乗り物に乗ること。すなわち機体への搭乗です。安全に生存したいなら機体なのです。そしてその機体を主軸に据えたデッキと言えば、《パルヘリオンⅡ》を《大牙勢団の総長、脂牙》で墓地から吊り上げるアブザンパルヘリオン。墓地に《パルヘリオンⅡ》を落とす手段として《冷笑的な一匹狼》はぴったり!こんなにアブザンパルヘリオンと相性の良いカードが出るとは。墓地に落とすカードはなんでも良いので、フラッシュバックを持つ《未練残り》やリアニ先となる《大牙勢団の総長、脂牙》など、状況に応じて様々なカードをチョイスできるのも魅力。これまでは《パルヘリオンⅡ》《エシカの戦車》《領事の旗艦、スカイソブリン》が定番でしたが、更に限定的な状況でのみ強い機体なども入ってくるかもしれません。 第1位 クリーチャーを破壊して、それをこちらの戦場に戻して、終了ステップに生け贄に捧げる。要するに《脅しつけ》に近いカードですが、生け贄手段を必要としないのがメリット。速攻がつかないのがデメリットというわけですね。《脅しつけ》は生け贄手段があるデッキ専用のカードでしたが、《望まれぬ復活》はとりあえず打って良しの除去なので、かなり強そうです。出た時に何かを行うカードは「除去耐性がある」とされていますが、《望まれぬ復活》だとその戦場に出た時の能力がしっかり誘発するので、相手だけ美味しい思いをさせることはありません。特に《偉大なる統一者、アトラクサ》を除去した時の気持ちよさは格別でしょうね。かなりスタンダードで暴れることを想定し、メタカードを作ったのでは?と思うほどです。 赤トップ3 第3位 タップするだけで次に唱えるインスタント・ソーサリーのコピーを生成できる強力なアーティファクトだが、インスタント・ソーサリーを唱えるたびにカウンターが乗り、7個以上のカウンターが乗ると20点が自分に入るデメリットつき。主な使い方はリソース手段です。除去をコピーしても良し、ドロースペルを2倍使うのもいいでしょう。計画であらかじめカードを追放しておけば、呪われた録画を置いたターンのラグも困りません。 7個目が乗ると20点を喰らいますが、その前に《削剥》で割るなどしておけば問題ないでしょう。それまでに膨大なアドバンテージを稼げていますからね。 第2位 大主サイクルの赤は戦場に出た時と攻撃するたびに4点。一見大したことない能力に思えますが、このカードは素で唱えるコストが6マナと軽い!《業火のタイタン》と同じにするとは。赤いミッドレンジにはとりあえず4枚入るのではないでしょうか?《リッチの騎士の征服》からのワンパン勝利にも貢献してくれそうですね。 第1位 《ボロスの反攻者》を思い出す性能。《叫ぶ宿敵》がダメージを受けると好きなところにダメージを飛ばす能力ですが、これによって対戦相手がダメージを受けると、そのプレイヤーはライフが得られなくなります。しかもこのゲームの間能力は継続するので、一度でも喰らわせれば《跳ねる春、ベーザ》もだいぶ抑えられます。自身がダメージを喰らうと同ダメージを好きな場所に飛ばせるので、実質的にチャンプブロックを無効にしてくれます。2/2でブロックしたら2点分を本体に飛ばせてしまいますからね。 このカードの強さは《ボロスの反攻者》をスタンダードで相手にしたプレイヤーには伝わるはず。その《ボロスの反攻者》が速攻を持つとどうなるか、今から対峙するのが恐ろしいです。 緑トップ3 第3位 ライブラリーから土地が落ちるたびに、その土地をタップ状態で戦場に出す機体。攻撃しながら切削するので、殴って土地を伸ばしていきます。土地が戦場に出る能力自体は、切削とは関係ないので、あらゆる手段でデッキから墓地に土地を落としてガンガン土地を伸ばしていくデッキができそうです。モダンにはなってしまいますが、《面晶体のカニ》とのコンボが話題。自分に対象を取って3枚を削り、その中に土地があれば《面晶体のカニ》の能力が誘発し、その切削で土地が落ちれば…ループしていきます。面白い使い道が他にもあるのでしょうか。いろいろ考えてみたいカード。 第2位 大主サイクルの中でも兆候コストが3マナと軽く、その能力は5色出る土地トークンを場に出すという、先祖である《原始のタイタン》に比べたらマイルドなもの。とはいえ、3マナで土地を伸ばしつつ、6/5が控えるだけでも結構なプレッシャー。《装飾庭園を踏み歩くもの》も以前のドメインではエースでしたからね。出せる土地がすべての基本土地タイプを持っているのも地味に嬉しい。これによって《力線の束縛》は1マナになりますし、《ニショーバの喧嘩屋》のようなカードも使いやすいでしょう。《装飾庭園を踏み歩くもの》は基本土地サーチなので、意識してデッキを構築しないとすぐにサーチするものがなくなりましたが、《ホーントウッドの大主》ならばその問題もありません。スタンダードのドメインにその席はあるのでしょうか。せめてトランプルなどがあれば……とは思いましたが、贅沢な希望かもしれません。 第1位 クリーチャーが全員《極楽鳥》になるエンチャント、《謎の石の儀式》は僕の大好きなカード。それが今回光霊となって帰ってきました。本体サイズが3/3で警戒持ちと、攻撃もできてマナもできる素晴らしいクリーチャーです。すぐに思いつくのはパイオニアの緑単ニクソスでしょうか。《炎樹族の使者》を大量に入れて信心を稼ぎつつ、《永劫の活力》で爆発的なマナを生み出す、なんて使い方ができそうです。本人も緑のダブルシンボルで信心はバッチリですからね。 多色トップ3 第3位 戦場に出た時にリソースを稼ぐカード、嫌いな人はいないでしょう。《希望の光、ニコ》が産み落とす破片トークンは強化版手がかりです。破片はエンチャントなため、違和感を2回達成してくれます。先に紹介した《精体の追跡者》でとりあえず2ドローは誰もが考え付くでしょう。パーマネントの数が即3つ増えるので《威厳あるバニコーン》との相性も良好。更に破片を《威厳あるバニコーン》に変えるなんて使い方もできますね。《威厳あるバニコーン》で攻撃しつつ、相手の攻撃は2つの破片(《威厳あるバニコーン》》で守る、なんてシーンもあるかもしれません。書いてあることは地味かつマルチカラーですが、アグロやミッドレンジなどその居場所はたくさんある、便利なカードに見えます。 第2位 初代《漆月魁渡》と似た能力ですが、こちらはより攻撃的なプレインズウォーカー。忍者を自前で用意して、除去から逃げて、コツコツとアドバンテージを稼ぐ《漆月魁渡》と違い、《悪夢滅ぼし、魁渡》は積極的に殴りながらリソースを確保します。その居場所はやはりディミーアミッドレンジでしょうか。《遠眼鏡のセイレーン》や《フェアリーの黒幕》など、ダメージの通しやすい飛行クリーチャーで忍術を行い、0能力を使いながら攻撃していくのが基本的な使い方となるでしょう。4/5にしてしまえば大体のブロッカーは突破できますし、目の前に立ちはだかるクリーチャーを見てから、プラス能力で紋章を得て殴りにいけるので、思ったより《悪夢滅ぼし、魁渡》はずっと攻撃し続けられる印象です。プラス能力の紋章が機能するデッキだとその破壊力はマシマシ。パイオニアで忍者デッキは成立するのでしょうか?もちろん名誉忍者の《変わり谷》もアップを始めています。   第1位 手札の枚数分のダメージを与えたり、終了ステップにカードを引ける部屋。除去とアドバンテージを兼ねる素晴らしい部屋だと思います。コントロールでぜひ使いたいカード。先に5マナで設置しておいて後から除去としても使えるため、思った以上に使い勝手が良いのではないかと思っています。また、マナ総量の合計が7であるため、《巨智、ケルーガ》を相棒に指定しているデッキに組み込めるのも注目ポイント。《巨智、ケルーガ》デッキの除去の選択肢の一つとなるでしょう。 アーティファクト 第2位 コンボ好きな皆さんの玩具が登場!《パラジウムのマイア》と《ピリ=パラ》がいれば無限マナになりますが、すべて場に揃えなければならないので、《アガサの魂の大釜》でコンボを決めるよりハードルは高そう。ただ、《アガサの魂の大釜》が入るデッキとの相性が恐ろしく良いのは間違いありません。起動型能力を持つクリーチャーが多く採用されているということですからね。真っ先に思いつくのは鱗親和でしょうか。戦場に残るどのクリーチャーの能力を得ても強いので、フリースロットに入れてみたい。イラストも名前もフレイバーテキストも怖い!   第1位 1マナのアーティファクトというだけで、モダン以下のプレイヤーは注目してしまいますよね。そう、《ウルザの物語》でサーチできるからです。そしてこの《除霊用掃除機》は破格の性能。タップで墓地の好きなカードを追放できるので、最低限の墓地対策としての役割は持ちつつ、重要なのは下の能力。6マナを支払い、これを生け贄に捧げることで、《除霊用掃除機》で追放したクリーチャーを、1/1にはなりますが戦場に戻すことができるのです!《ウルザの物語》からサーチできるカードがこんなに強くて良いのでしょうか?びっくりしました。これまで《ウルザの物語》でサーチするカードは、モダンでは《バネ葉の太鼓》《モックス・アンバー》などのマナ加速や、《地獄料理書》などのコンボ用カード、リソースを取る《ミシュラのガラクタ》《ミシュラの研究机》、そして《影槍》が定番でした。レガシーでは、マナさえあれば非常に強力な《改良式鋳造所》がありますが、この《除霊用掃除機》はそれと同じぐらいのインパクトを持つカードだと思います。墓地対策で定番の《魂標ランタン》の代わりに、とりあえず1枚だけメインに入れてみたいと思います。相手の《偉大なる統一者、アトラクサ》や《残虐の執政官》を追放してみたくないですか? 土地 同率1位 新たな友好色土地、そのあまりの強さに驚きました。こんな強い2色ランドは久しぶりに見たかもしれません。まず条件などなくアンタップイン。そしてタップで色マナが出て、もう片方の色が出る条件も緩い。何度もスタンダードに再録されていた《陽花弁の木立ち》などの通称チェックランド(またはM10ランド)の上位互換です。条件なく片方の色マナは出るので、たとえば《グルームレイクの境界》であれば、青マナは更に出しやすくなります。1ターン目に青いカードを唱えるディミーアミッドレンジなどは更に色が安定しますね。逆に1ターン目に《強迫》を打つ際にはこの土地は寄与しません。黒い1マナのカードが大量に入っているラクドスミッドレンジのようなデッキには《ブレイズマイアの境界》はうってつけというわけです。アンタップインの強力な土地が増えるということは、それだけアグロデッキが強くなることを意味します。2色のビートダウン、とりわけグルール果敢は現スタンダード環境でも活躍していますが、この土地の登場でマナ基盤が非常に強固なものとなります。これまでは色マナが不安定だったために枚数が押さえられていたカードたちも、採用枚数が再考されるかもしれません。《亭主の才能》や《蛇皮のヴェール》は強力なカードなので、もう少し枚数が増えるのではないでしょうか。フェッチランドから諜報ランドを持ってくるのが定番の動きとなっているモダンでは、この土地はほぼデュアルランド。ディミーアマークタイドなんかには1枚ぐらい入ってもおかしくないのでは?スタンダードやパイオニアのあらゆる友好色デッキが更に安定するようになりましたが、果たして対抗色サイクルは登場するのでしょうか。   総合トップ5  そして全色を含めたトップ5はこちら! 《咆哮する焼炉》を4枚採用した青赤系コントロール、早速組んでみたいです!また、GOOD GAMEでは現在『ダスクモーン:戦慄の館』の各種ブースター・パックを予約販売中!この機会にぜひご予約ください!(ご予約ページはこちら)  

【今週のピックアップデッキ】ゴルガリ上陸/エスパーパルへリオン/感染

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.09.13

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 ゴルガリ上陸(スタンダード) スタンダードチャレンジ:5位 By HouseOfManaMTG ゴルガリといえば《裏切りの棘、ヴラスカ》+《亭主の才能》の即死コンボを採用したタイプや、《自由放浪団の見張り》+《玉虫色の蔦打ち》の悪事上陸コンボなど、様々な形のミッドレンジが現スタンダード環境にはありますが、今回紹介するのは更にコンボに特化したタイプ。その名はゴルガリ上陸です。デッキの構造は前環境のティムールランプに似ています。《脱出トンネル》と《寓話の小道》でデッキから土地をサーチし、《事件現場の分析者》でそれらを場に戻してマナ加速。ここに《復活した精霊信者、ニッサ》が絡むと大量のマナが出て、《洞窟探検》が絡むと更にマナを生み出していきます。《洞窟探検》と《復活した精霊信者、ニッサ》が揃った時は脅威。4枚の《寓話の小道》や《脱出トンネル》が墓地にあって、それらが場に戻るとまず4マナ、そしてそれぞれが基本土地をサーチして更に4マナ、場に出てきた基本土地4枚で4マナの計12マナが出てくることになります。ここに更に《無慈悲な殺戮》が加わることでループが始まります。《無慈悲な殺戮》を唱えて場に出ているすべての土地を生け贄にして大量にドロー、その中に《事件現場の分析者》か《森の轟き、ルムラ》が見つかれば、再び唱えて大量のマナを生成。たくさん引いた中に《無慈悲な殺戮》があればループが発生します。これだけでは勝利できませんが、《玉虫色の蔦打ち》をループ中に引けば、唱えて《森の轟き、ルムラ》か《事件現場の分析者》で勝利というわけです。《森の轟き、ルムラ》は新たに加わった強力なクリーチャー。《事件現場の分析者》と同じく墓地から土地を場に戻すカードで、しかもエレメンタルなため、《復活した精霊信者、ニッサ》の能力で手札に加えることができるのです。フィニッシャー枠として採用されている《玉虫色の蔦打ち》はコントロール相手には1ターン目に積極的に唱えられるのも強力。毎ターン攻撃しつつ上陸するだけであっという間に相手のライフを削ります。これまでは上陸した後に大量のマナから勝つ必要があったため、赤をタッチして《世界魂の憤怒》を採用していましたが、《玉虫色の蔦打ち》のおかげでその必要がなくなりました。デッキの性質上、大量の墓地に落ちる土地(《寓話の小道》《脱出トンネル》)とそのサーチ先である基本土地が採用されていますが、《泥干潟村》は数少ないバリューランド。戻すカードは《玉虫色の蔦打ち》だけですが、それで十分です。《事件現場の分析者》や《森の轟き、ルムラ》で、生け贄にした《泥干潟村》も戻ってくるので、序盤に出してダメージを数点出した《玉虫色の蔦打ち》を、ほぼタダで回収することができます。ティムールランプが好きな方はこのデッキを気に入ること間違いなし!ちなみに僕も最近はこのデッキがお気に入りですが、《眠らずの小屋》ではなく《地底の遺体安置所》を採用しています!特定のカードを引き込みたいコンボデッキなため、諜報はこのデッキに合っていて、土地を墓地に落とすことで《事件現場の分析者》で場に出せる数が増えるので、好感触です。《玉虫色の蔦打ち》でダメージを与えている時の《眠らずの小屋》も非常に強いので悩みどころですが、ぜひお試しください! エスパーパルへリオン(パイオニア)   墓地に《パルヘリオンⅡ》を落として《大牙勢団の総長、脂牙》で吊り上げるコンボデッキ、アブザンパルヘリオン。 白黒は確定として、残りの1色として、墓地に《パルヘリオンⅡ》を落としつつ《大牙勢団の総長、脂牙》を手札に加えられる《忌まわしい回収》や追加の機体である《エシカの戦車》が使える緑を使うのが定番でしたが、このリストでは青を採用しています。 パイオニアリーグ:5-0 By Kaberb 青採用のメリットはまずはドローです。《考慮》は墓地にカードを送り込みつつドローするだけですが、《染みついた耽溺》と《信仰の繕い》は2ドローしてカードを捨てるので、《大牙勢団の総長、脂牙》を引き込みつつ《パルヘリオンⅡ》を墓地に送り込めます。掘る枚数は《忌まわしい回収》より少ないものの、5枚から土地かクリーチャーしか拾えないより、2ドローの方が価値が高い場合ももちろんあります。《思考囲い》などが欲しい場合がありますからね。更に青を採用することで打ち消しを採用できるのもメリットです。メインから《頑固な否認》がしっかり採用されており、サイドにも《軽蔑的な一撃》や《ドビンの拒否権》で、しっかり青を利用しています。クリーチャーがほとんど入っていないので、コントロールプランを取りやすいのもメリットです。アブザンパルヘリオンは《エシカの戦車》や《忌まわしい回収》などが入っていることから、持久戦はできても、全体除去で盤面をコントロールするプランを取るのは難しい。しかし、エスパーパルへリオンはドロースペルと《パルヘリオンⅡ》と除去で構成されているので、サイド後は全体除去を増やしてエスパーコントロールのように立ち振る舞えます。特にラクドス果敢のような早いデッキにはこのプランは効果的でしょう。アブザンとは一味違った魅力があるエスパーパルへリオン、見た目がとにかくいいですね! 感染(モダン) ナドゥの3ターンキルやルビーストームの2ターンキルなど、『モダンホライゾン3』ではキルターンの早いコンボデッキが生まれてきましたが、実はそれ以前からずっと2ターンキルデッキはモダン環境に存在していました。それが感染です! SCG CON Tampa:12位 By Quinn Reed しかも難しい手順は一切なし!1ターン目に《ぎらつかせのエルフ》を唱えて2ターン目に《厚鱗化》を打って《古きクローサの力》を打つだけ。これでイージーに毒10個達成となります!モダン黎明期から活躍し続けている感染は、『モダンホライゾン3』のカードをメインボードに1枚も採用していない構成で、懐かしさすら感じます。中でも目を引くのは4枚採用されている《ファイレクシアの十字軍》。このカードの真価が発揮されるのは何と言ってもエネルギー相手でしょう。プロテクション赤・白なのでデッキのどのカードでもブロックできず、除去れず、出されたら後はダメージレースを挑むしかなくなります。感染側はただ《ファイレクシアの十字軍》のパワーを10にするだけで勝てるので、対エネルギーの最終兵器と言えるでしょう。ジェスカイコントロールも《空の怒り》以外でこのクリーチャーを触れませんし、《ファイレクシアの十字軍》が現環境に突き刺さっていることが、感染の強みかもしれません。《強大化》や《変異原性の成長》などが入っている印象でしたが、前者は墓地が肥えてないと使えないため序盤に打ちにくく、後者は修正値が低く、このリストでは未採用。その代わりに相手の除去を回避する《巨森の蔦》《顕在的防御》に加え、《強迫》まで採用されており、これまでの感染よりも除去対策が多い印象です。感染をまたモダンで遊んでみたい方はぜひお試しあれ!

【週刊メタゲーム通信】新星・ラクドス果敢の脅威とそこから形成されるメタゲーム

Pioneer ピックアップ

2024.09.12

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今週はパイオニアの最新メタゲームを追っていきます! 圧倒的な強さを誇る新星・ラクドス果敢 前回の【今週のピックアップデッキ】で紹介したラクドス果敢が今週は大暴れ! ラクドス果敢 パイオニアチャレンジ:優勝 By Hamuda 9月8日のチャレンジではトップ3を独占し、もう1つのチャレンジでも2位、翌日の2つのチャレンジでもしっかり入賞を果たしており、その勝利がフロックでないことが明らかとなりました。基本的な動きは赤単アグロ。《僧院の速槍》《精鋭射手団の目立ちたがり》《熾火心の挑戦者》など、インスタントやソーサリーを唱えることで一時的にサイズが上がるクリーチャーを、《タイタンの力》や《巨怪の怒り》で更にサイズアップさせて一気にライフを削り取ってしまうデッキ。 特に《熾火心の挑戦者》は《巨怪の怒り》でサイズを上げながら、自身が対象に取ることで雄姿が誘発し、リソースも稼いでくれる素晴らしいクリーチャー。このカードの存在が今の赤系果敢をメタの上位に押し上げている要因と言えるでしょう。《心火の英雄》は果敢こそありませんが、雄姿でサイズが上がっていくクリーチャー。《巨怪の怒り》《タイタンの力》《弱者の力》《無謀な怒り》がすべて対象に取るカードなので、毎ターンサイズはアップしていきます。この《心火の英雄》は死亡時に自身のパワー分のダメージを対戦相手に与えることができるので、一時的にパワーを上げるカードと相性がとにかくよく、能動的に《心火の英雄》を墓地に送りつつ、プレイヤーにダメージを飛ばす《無感情の売剣》とのコンボは強烈。たとえば3ターン目に《心火の英雄》に《タイタンの力》と《巨怪の怒り》を打って1+1+3+3の8点。《無感情の売剣》で8点。更に墓地に落ちて《心火の英雄》の能力で8点。これだけで24点がわずか3ターン目に入ります。最近のリストでは《戦慄衆の秘儀術師》が入っているのがトレンド。ほとんどの呪文が1マナなので、生き残りさえすればリソースを稼いだり、更なるダメージを叩き出してくれます。そしてこのカードが真価を発揮するのはサイドボード後。《致命的な一押し》や《思考囲い》を使い回す動きは、対アグロ・コントロールに脅威となり、愚直に相手のライフを削る他のカードとは異なる動きを見せることが可能です。ラクドス果敢はパイオニアに現れて瞬く間にその強さを見せつけ、それによってメタゲームは変わりつつあります。白系のコントロールやセレズニアエンジェルといった、赤いアグロを目の敵にしているデッキも勝ち始めており、早速メタられる側へと回っています。今度はいかなる対策を行うか、そして増えている同型に対してどのようなプランを取るか、ラクドスのリストの変化にも注目していきたいですね。 赤を切る正義の天使軍団 さて、その赤殺しのセレズニアエンジェルもパイオニアチャレンジを制しています。 セレズニアエンジェル パイオニアチャレンジ:優勝 By sandoiche 《ラノワールのエルフ》や《希望の源、ジアーダ》から高速で《正義の戦乙女》《輝かしい天使》を出し、大量のライフを得ながら圧倒的な盤面を築いていくデッキです。デッキのキーとなるのは《正義の戦乙女》。天使かクレリックが出るたびにタフネス分のライフを得て、ライフが27以上だと自軍クリーチャーのパワーとタフネスが2つずつ上がるので、一度27になるとそこからライフを落とすことは困難。《翼の司教》から《正義の戦乙女》、そこからクリーチャーという超大量のライフゲインが続く展開は、ビートダウンからしてみれば溜まったものではありません。終了ステップにライフを5点以上得ていると天使が出る《輝かしい天使》もこのデッキでは誘発は比較的容易で、しかも出てきた天使で更にライフが回復するので、たとえライフが一桁に落ち込んでも、たった1ターンで20を超えることも。《正義の戦乙女》+《輝かしい天使》や《輝かしい天使》+《翼の司教》など、クリーチャー同士によるコンボが多いため、複数のクリーチャーが同時に場に出るカードはセレズニアエンジェルと相性がよく、今のパイオニアで最も《集合した中隊》を強く使えるデッキはセレズニアエンジェルです。そのため、《集合した中隊》4枚だけでは足りず、《カイラの再建》もフル投入されています。《カイラの再建》は《集合した中隊》よりマナはかかりますが、能力も強力。見る枚数は7枚で、戦場に出す数はマナを支払うほど多くなります。少しマナフラッドしている時にドローすれば、一挙に4体のクリーチャーを戦場に出すことも。ビートダウン殺しのセレズニアエンジェルが、ラクドス果敢の進軍に待ったをかけることとなりました。 2度の禁止を乗り越えて そんなセレズニアエンジェルにも弱点があります。それはキルターン自体は決して早くないということ。そしてあくまでクリーチャーデッキであり、全体除去を苦手としていること。即ちコンボとコントロールが苦手なのです。 ロータスコンボ パイオニアチャレンジ:優勝 By KingHairy パイオニアではコンボデッキは禁止されてしまいがちですが、そんな中、安定4~5ターンキルかつ劇的なサイドカードである《減衰球》があることで存在を許されている、それがロータスコンボ。《睡蓮の原野》を《森の占術》や《大ドルイドの魔除け》で探し、それを《演劇の舞台》でコピー。2枚の土地から6マナを生み出せるようになったら、《見えざる糸》や《熟読》でマナと手札を増やし、《出現の根本原理》で勝利するというデッキ。《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》、この2枚の土地によるコンボを妨害する手段はほとんどなく、揃ってしまう前に殴りきらなければ、まず敗北してしまいます。逆に、揃って《睡蓮の原野》が並ぶまではほとんど相手に干渉できないことから、ラクドス果敢を非常に苦手としているデッキではありますが、実は先週のチャレンジでは2回優勝を収めています。 ラクドス果敢は厳しいものの、そのラクドスが除去コントロールやライフゲイン要素の多いミッドレンジに狩られるのなら、それらのデッキを食い物にしているロータスコンボの出番というわけです。ラクドス果敢→白系のミッドレンジ~コントロール→ロータスコンボというわかりやすい3すくみですね。ロータスもラクドス果敢に一矢報いるため、様々な工夫を凝らしています。優勝したリストはメインから《跳ねる春、ベーザ》が入っており、《大ドルイドの魔除け》からこれはサーチ可能です。《闇の誓願》からサーチしてそのままキャストできる《危難の道》もメインと、それなりに意識していることがうかがえます。これでも以前としてラクドスがきついのは間違いないでしょうが、きちんと回られてしまったら負けるのは仕方なく、動きが芳しくなかった時に勝てるように調整されています。ロータスコンボはサーチ呪文が大量に入っていることから、デッキ構築が非常に重要なデッキです。たった1枚でもそれにアクセスするカードが複数枚あるので、普通のデッキの1枚とは大きく意味が異なるのです。メタゲームの間隙を突いて優勝する力は健在です!対策をお忘れなく。

【週刊メタゲーム通信】ナドゥと悲嘆亡き後はエネルギー、御霊、そしてエルドラージ!

Modern ピックアップ

2024.08.30

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は禁止改訂で激減した直後のモダンチャレンジから新環境を分析! やっぱり強いボロスエネルギー 《有翼の叡智、ナドゥ》と《悲嘆》が禁止になって、全く新しく生まれ変わったモダン。禁止改訂後に行われたモダンチャレンジを制したのは、ボロスエネルギーでした。 ボロスエネルギー モダンチャレンジ:優勝 By Graciasportanto ボロスエネルギーは『モダンホライゾン3』で生まれた超強力なアグロデッキ。3ターンキルに僅かに間に合わないため、バントナドゥに不利だったものの、その他のほとんどのデッキに強く、ナドゥ亡き後はトップメタであろうことが予想されていました。そして、その予想が的中する形となりました。優勝したのは純正2色のボロスエネルギー。特徴的なのはなんといっても《一つの指輪》の4枚採用です。《一つの指輪》は置いたターンが隙になり、ナドゥにコンボを決められてしまうのが弱点。それを補うため、《一つの指輪》は黒単ネクロの《魂の撃ち込み》やジェスカイコントロールの《緻密》《否定の力》のように、ピッチスペルと合わせて採用するのが基本でした。しかし、ナドゥ亡き今、《一つの指輪》を置くリスクは各段に減りました。それならばエネルギーミラーマッチやコントロールとの対決で強い《一つの指輪》をエネルギーが採用するのに、何も躊躇うことはありません。《一つの指輪》を置く際にライフが少ないのは困るので、ボロスカラーの2色にまとめています。《色めき立つ猛竜》でめくれてしまった際に《一つの指輪》は唱えづらいですが、それも2~3ターン目の話。中盤以降は意識してエネルギーが4つ以上ある時に唱えれば問題ありません。《火の怒りのタイタン、フレージ》も、《有翼の叡智、ナドゥ》の禁止で更に強くなった1枚。《根の壁》もナドゥも3点では焼けず、交換できても《喜ぶハーフリング》が関の山でした。その分ミラーマッチなどでは強いカードだったので、禁止改訂後のメタを見据えてしっかりと4枚採用にしています。《一つの指輪》《火の怒りのタイタン、フレージ》とコンボに弱いカードを数多くメインに採用しているので、サイドには対コンボ、特にストームを意識しています。4枚の《ドラニスの判事》からは凄まじい殺意を感じますね。ミラーを特に意識した素晴らしい構成で、まずは禁止改訂後の最初のモダンを制しました。 《悲嘆》がなくても強い!エスパー御霊 さて、《有翼の叡智、ナドゥ》と一緒に禁止になった《悲嘆》。これによってコンボデッキの活躍が見られるものかと思われましたが、かつて《悲嘆》を採用していたデッキも見事にモダンチャレンジで優勝を収めました! エスパー御霊 モダンチャレンジ:優勝 By HamAndCheese それがエスパー御霊。《偉大なる統一者、アトラクサ》を《御霊の復讐》で吊り上げ、《儚い存在》で場に定着させつつ、一気にリソースを稼ぐリアニメイトデッキ。コンボパーツである《儚い存在》を1ターン目の《悲嘆》想起にも使え、更に《偉大なる統一者、アトラクサ》定着後の余った手札から《悲嘆》を連打して勝ちを確定させる動きはとても強力で、エスパー御霊は《悲嘆》の禁止で弱体化を余儀なくされた…と思われましたが、堂々の優勝。《悲嘆》のスロットに収まったのは《思考囲い》でした。《儚い存在》との相性は消えたものの、1ターン目に唱えて脅威を抜く動きは、むしろ《悲嘆》よりも強力。更にこれまで採用枚数が少なかった《超能力蛙》もしっかりと4枚採用に。《思考囲い》と《超能力蛙》が4枚ずつ採用されており、フェアな動きがより強くなりました。《悲嘆》の禁止によって《偉大なる統一者、アトラクサ》リアニメイト後の0マナの動きが減ってしまいましたが、それでも《孤独》は健在。《否定の力》と《孤独》を構えれば大体の状況は覆されないでしょう。3ターン目に《偉大なる統一者、アトラクサ》を吊り上げてしまえばボロスエネルギーはたまったものではありません。墓地対策が薄ければエスパー御霊側に分があるのは言うまでもなく、更にサイド後は《超能力蛙》4が活き、フェアに立ち回れるようにもなっています。《空の怒り》《毒の濁流》はいずれも《超能力蛙》を生き残らせながら打てる可能性のある全体除去であり、ボロスには高速リアニメイトとコントロール、どちらのプランでも勝てるようになっています。《悲嘆》を失ってのまさかの優勝で、エスパー御霊は一気に意識される立場となったわけですが、果たしてこの後も活躍できるのでしょうか。 禁止改訂後に急上昇!エルドラージブリーチ 以前から一定数は存在していたものの、禁止改訂後で一気に増えたのがエルドラージブリーチ。 エルドラージブリーチ モダンチャレンジ:準優勝 By salvation666 《ウギンの迷宮》と《エルドラージの寺院》から《まき散らす菌糸生物》を高速召喚してマナを伸ばして破壊するエルドラージ的動きと、《裂け目の突破》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》《穢すもの、ウラモグ》を出して滅殺で一気にパーマネントを刈り取るコンボの2つで勝利を目指すデッキです。《穢すもの、ウラモグ》は《運命を貪るもの》ととても相性の良いカード。ゲーム開始時の《運命を貪るもの》の能力は1枚を残して、後のカードは追放するため、その追放された中に《引き裂かれし永劫、エムラクール》があれば一気に15個のカウンターが乗り、一撃で22点を与えられます。《裂け目の突破》はこれまで《引き裂かれし永劫、エムラクール》以外にまともな踏み倒しクリーチャーがいなかったことが課題でしたが、《穢すもの、ウラモグ》の登場で一気に強いカードとなりました。エルドラージで使用すると二度おいしい全体除去の《コジレックの帰還》はエネルギーに、コンボには《三なる宝球》と《石の脳》、コントロールには《世界を壊すもの》など、赤緑エルドラージながらそれぞれの相手にしっかりと強力なサイドカードが用意されています。不器用な以前までのイメージはまったくありません。《運命を貪るもの》で序盤の動きも安定し、土地次第では序盤から強力な展開ができたり、時には即死のコンボもある。相手からすれば非常にやりづらい相手です。妨害がほとんどないため、ナドゥには容易に3ターンキルされてしまっていました。禁止改訂後、最も今勢いのあるデッキと言って良いでしょう。モダンのメタの一角にしっかり食い込んでくるデッキパワーがあると思います!

仲間と一緒に勝ち抜こう!チーム構築戦のススメ

Modern ピックアップ

2024.08.21

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 こんにちは。今回は、先週末に行われたBIG MAGICさん主催のイベント、BIG MAGIC OPENのチームモダンに参加しました。 そこで今回は、チーム構築戦に関するお話と、最後に実際に使用したデッキリストをご紹介します! チームモダンとは チームモダンは、3人のプレイヤーを1チームとしたモダン戦です。3人の内2人が勝つことでマッチ勝利となり、チームメイト同士でプレイの相談なども行えるので、仲の良い友人と一緒にマジックを楽しめる、とても人気のフォーマットです。一番の特徴はなんといってもデッキリストの制限です。基本土地以外の同名カードを一人のプレイヤーしか使用することしかできません。プレイヤーÅが《霧深い雨林》を1枚でも使用したら、プレイヤーBは《霧深い雨林》を1枚も使うことができません。これがモダンでは非常に大きな制限となります。必然的に4色や5色といったデッキを使うことは厳しくなります。大量のフェッチランドを一人のプレイヤーが独占したら、他のプレイヤーは単色か特殊なデッキしか使用できません。そしてそこに、チーム戦ならではの面白さもあります。一人が5色を贅沢に使い、残りの二人がフェッチランドを使用しない特殊なデッキ、たとえばベルチャーやトロンのようなデッキを使うなどです。ベルチャーは中々今のモダンでは見ることができないデッキですが、チーム戦では他とパーツがなかなかかぶらない、素晴らしいコンボなのです。 デッキの考え方 さて、チーム戦について理解してもらえたところで、デッキの振り分け方について掘り下げてみましょう。僕はこういったチーム戦でまず考えるのは、そのフォーマットで強いカードを上から順に挙げていき、それらをなるべく使うことでした。強いデッキを上から順番に並べていき、かぶってないデッキで3つ選ぶのも悪くはないのですが、意外と「こんな強いカードを使っていない!」という事態に後から陥りやすいので、念のためにカード単位で考えています。今回はモダン。そのモダンで強いカードランキングを、僕は以下のように設定しました。1位:《有翼の叡智、ナドゥ》2位:《一つの指輪》3位:《火の怒りのタイタン、フレージ》4位:《ナカティルの最下層民、アジャニ》5位:《ネクロドミナンス》6位:《ウルザの物語》7位:《魂の導き手》8位:《オセロットの群れ》9位:《モンスーンの魔道士、ラル》10位:《悲嘆》 そしてこれらのカードをなるべく多く採用できる組み合わせを考えることで、デッキを決めていきます。特に今回はバントナドゥはあまりに強すぎるデッキなので、この《有翼の叡智、ナドゥ》を使うことはまず確定。この時点で《ウルザの物語》を使う他の候補は消滅。続けて《一つの指輪》ですが、まず第一候補となるのは5位の《ネクロドミナンス》、10位の《悲嘆》を合わせた黒単ネクロ。ですが同時に《一つの指輪》はバントナドゥにも2~3枚は採用したい。 一旦黒単ネクロを保留し、《一つの指輪》をバントナドゥに渡せないかを考えます。《火の怒りのタイタン、フレージ》《ナカティルの最下層民、アジャニ》《魂の導き手》《オセロットの群れ》を使えるボロス(+1色)のエネルギーはほぼ確定しました。上位全部を使用でき、バントナドゥと黒単ネクロ、どちらとも共存できるので、選ばない理由がありません。そして次の候補はというと…9位の《モンスーンの魔道士、ラル》を使用したルビーストームでした。ルビーストームはデッキパワーとしては黒単ネクロとほぼ同じぐらいという印象。サイドボード後に徹底的にメタられてしまいますが、チーム戦では《減衰球》と《ドラニスの判事》が同じデッキに入っていることは少ないので、個人戦より勝ちやすい。それならば《一つの指輪》をバントナドゥにあげて、100%のバントナドゥにしつつ、一定の勝率もあげられるルビーストームが良いと判断しました。 サードデッキという存在 チーム構築戦は「エース2人とサードデッキ」になりがちで、今回の場合はバントナドゥとエネルギーがエース、ルビーストームがサードデッキにはなりましたが、そのサードデッキもかなり強く、エースと遜色なかったので、トリプルエースだったかもしれません。カードプールが広いモダンではこうしてトリプルエースを組める場合もありますが、大体はエースデッキ2つとサードデッキになります。このサードデッキをどのように組み上げるかも、チーム構築線の面白い部分です。サードデッキは、他の2つのエースに比べると少しデッキパワーが落ちます。エースがTier1だとしたら、サードデッキはTier2~3といったところ。そういうデッキは必ず何かしらの大きな弱点を抱えています。たとえばバントナドゥに極端に相性の悪いデッキがあったとします。しかし、バントナドゥ以外のすべてのデッキに強い。本来このデッキは個人戦で勝ち上がることはまずありません。なぜならバントナドゥはたくさんいて、勝つごとに当たる確率が高くなっていくからです。しかし、チーム戦ならどこまで勝ち上がっても当たる確率は三分の一です。それならば、中途半端に強いデッキをサードデッキに選ぶより、こうした極端なデッキを選ぶ方が、チーム戦で勝つ確率が高くなります。さて、たまにあるのがエースとサードでサイドボードにかぶりが発生する場合。こういう時は、エースにカードを譲り、サードはそれの代用品を採用すべきです。そのサイドカードにもよりますが、基本的には強いデッキをとことん強く、余りもののカードでサードデッキを考える方が良いです。 BMO使用デッキ 最後に、チームモダンで実際に使用した3デッキのリストを、軽く解説を交えながら紹介します。 A席:バントナドゥ 個人成績:7勝1敗 By Yuki Matsumoto はい、最強のデッキ、ナドゥです。東西戦の東エリア、モダン神挑戦者決定戦をバントナドゥで制した、BIGSのAさんこと松本 友樹さんに、フルパワーの75枚を使ってもらうことにしました。リスト自体に大きな変更はありません。最近では定番の《タッサの神託者》レスの形ですが、Aさんはプレイスタイル的に《タッサの神託者》が欲しいとのことだったのでそのままに。《タッサの神託者》を使わずとも、《森を護る者》と《忍耐》でライブラリーをループさせて無限マナを作り出すことができ、《破滅の終焉》でフィニッシュしたり、無限に《耐え抜くもの、母聖樹》を起動し続けることができるのですが、《忍耐》か《森を護る者》が追放されると成立しなくなります。《コーの先導》からインスタントタイミングでコンボを決めてそのまま勝利する場合は《タッサの神託者》は便利なので、Aさんはこの使用感を気に入っていました。ミラーマッチで勝つにはメインの《荒れ模様のストームドレイク》は欠かせません。サイドにはチーム戦で多くなるであろうストーム対策として《ドラニスの判事》と《魂なき看守》の両方を採用。エネルギー側のサイドプランはほぼ《過酷な指導者》なので、《ブレンタンの炉の世話人》。《夏の帳》をルビーストームが使っているので、コントロールや黒系に対しては《時を解す者、テフェリー》と《一つの指輪》を多めに用意しています。ちなみにÅさんはチームモダン個人7勝1敗により、大会で使用した際の勝率は驚異の90%でした。本当にマジックの成績かな?   ジェスカイエネルギー 個人成績:6勝2敗 By Sho Usui B席はジェスカイエネルギーでした。プロツアー出場経験もある友人です。実は今回、エネルギーに僕はそれなりに時間を使いました。バントナドゥ、エネルギー、ストームの3つに決まった時に、エネルギーの最適なリストを模索すべく、様々なタイプを回しました。そして《ゴブリンの砲撃》を採用したエネルギーが最も強いという結論に至りました。《ゴブリンの砲撃》があればバントナドゥに対してライフを詰めてワンチャンスをもぎ取れる可能性がある他、チーム戦で頻発するであろうミラーマッチでは置いた方がまず勝ちます。そしてミラーマッチでは、キーとなる《オセロットの群れ》を除去しつつ、盤面に2体のクリーチャーを残せる《オークの弓使い》は最強。というわけで《ゴブリンの砲撃》を多めに採用した《オークの弓使い》が最適解…と直前まで考えていました。しかし、このタイプのマルドゥエネルギーが増えてきて、ミラーで全くエッジを出せなくなってしまいました。更にマルドゥは《血染めの月》が使えないことで、ボロスに比べて悪いマッチがいくつかあり、黒を足す利点はミラーマッチの優位性。しかもそれも相手が同じリストなら無意味で、ほぼ良い点がなくなってしまったのです。そこでこのジェスカイエネルギーです。《イーオスのレインジャー長》はエネルギーが苦手なストームなどのコンボに強く、《一つの指輪》を置いてくるデッキにもある程度抵抗できます。そしてなんと言っても《マネドリ》。《イーオスのレインジャー長》からサーチして《イーオスのレインジャー長》になり、次の《マネドリ》をサーチしつつ、《イーオスのレインジャー長》1枚を生け贄に捧げ続ければ、デッキによっては完全に詰ませることも可能。更に《マネドリ》はブン回りにも寄与します。突然ですが、ここで問題です。《オセロットの群れ》が3体戦場にいて、エンドに1体目の《オセロットの群れ》で昇殿を達成した場合、猫トークンが何体出るでしょうか?正解は14体です。1体目の《オセロットの群れ》でトークンが出て、昇殿達成。トークンがコピーされて猫2体。2体目の《オセロットの群れ》から出たトークンと、1体目から出た猫2体の合計3体がコピーされて6体。3体目の《オセロットの群れ》の猫で7体になり、その7体がすべてコピーされるので、14体生成されます。《ゴブリンの砲撃》があれば3ターンキルというわけです。《オセロットの群れ》だけではなかなか3体を並べることはできませんが、《マネドリ》で実質8枚体制ならそれも現実的です。《ナカティルの最下層民、アジャニ》をコピーして、コピーした《マネドリ》を伝説ルールで生け贄にすることで、オリジナルのアジャニを変身させることも。《色めき立つ猛竜》からめくれると少し残念な気持ちになりますが、逆に手札から《マネドリ》を出して《色めき立つ猛竜》をコピーできて強力。マルドゥの利点だったミラーでの《オークの弓使い》も、《マネドリ》で《オークの弓使い》をコピーできるので、マルドゥVSジェスカイで大きな違いが出ることはないと判断しました。サイドボードの《記憶への放逐》も《一つの指輪》デッキへのサイドボードとして重宝。ジェスカイエネルギーを選択して正解だったと思います。   ルビーストーム 個人成績:7勝1敗 By Yuya Hosokawa C席の僕はルビーストームを使用。リストの詳細などについては今週執筆予定のデッキ解説でご紹介するので、どうぞお楽しみに! チーム戦は魅力がいっぱい 個人戦とは異なり、チーム戦はデッキ構築段階から考えることがたくさんあります!そして実際の対戦も非常に楽しい。アドバイスをお互いに交わしたり、チームメイトの勝利を祈っている時に、チームで戦っているということを実感します。昔はチームスタンダードのプロツアーもあったほどで、個人的にはチーム戦をもっといろいろやってほしいなと思っています。次にチーム戦がいつあるかわかりませんが、その時にはこの記事が参考になるかもしれません!それではまた。

【今週のピックアップデッキ】セレズニアアーティファクト/5色人間/青単ウルザ

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.08.16

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 セレズニアアーティファクト(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By _Cygnus スタンダードには、様々なカラーのアーティファクト・アグロが存在しています。強力なアタッカーを生み出しつつ、除去された時に発見も行う《生命ある象形》は青いアーティファクトアグロの定番で、シミックアグロやアゾリウスアグロなどが結果を残しています。そして今回、そのアーティファクトアグロにセレズニアが加わりました!白の利点は言わずもがなの、手がかりを生み出す《ひよっこ捜査員》。そして手がかりなどをタップして成長する《内なる空の管理人》に、巨大なサイズの《威厳あるバニコーン》などなど。アーティファクトアグロの定番カラー。一方の緑はというと、地図を生み出せる《名もなき都市の歩哨》に《勇敢な旅人、ケラン》の出来事モード、そして何より1マナ域としては申し分ない《生歯の子ワーム》を使えます。ライフゲインと《名もなき都市の歩哨》によって、セレズニアはアグロ同型においては最も強い形と言えます。白緑は不器用なカラー…というのは過去の話。除去は《失せろ》、回避性能をつける《鋼の熾天使》もいるため、一筋縄では攻略できません。特に《威厳あるバニコーン》と《鋼の熾天使》の組み合わせは強力で、アーティファクトアグロの今の定番の組み合わせとなっています。突然凄まじい打点で殴る。そんな爽快感を味わいたい方にオススメ! 5色人間(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By Econ_Neal マジック界でも有数の強力部族、人間。かつてはモダンのプロツアーを優勝するほどの力を持ち、その多くのカードがパイオニアで使用可能です。パイオニアにおける不安要素はマナベースでしたが、《魂の洞窟》が使用可能になってからは、5色土地が12枚体制になり、いよいよ本格的に人間が暴れられるようになりました。《スレイベンの守護者、サリア》《サリアの副官》《カマキリの乗り手》などお馴染みの人間たちに、白系アグロでは欠かせない《輝かしい聖戦士、エーデリン》と、精鋭が揃っています。そしてなんといっても《銅纏いの先兵》です。人間を強化するだけでなく、護法もつけてしまうすごいロード。これまでは4枚確定だった《サリアの副官》が3枚に減っているのも納得です。また、「キミ人間だったの!?」と思わず叫んでしまいそうになる《群れ率いの人狼》。緑単ではお馴染みのこの人狼も実は人間なので、このデッキに居場所があります。《サリアの副官》や《銅纏いの先兵》があれば《群れ率いの人狼》ともう1体の人間だけで簡単にカードが引けます。更にその人間たちをまとめて呼び出す《集合した中隊》ももちろん入っています。回った時の理不尽さはモダンそのまま!モダンで人間を使っていた方、パイオニアで暴れ回ってみてはいかがでしょうか?   青単ウルザ(モダン) モダンリーグ:5-0 By Heir_of_Elendil15 モダンでウルザと言えば、最早《ウルザの物語》が最初に浮かんでしまうかもしれませんが、かつて《最高工匠卿、ウルザ》もモダンで一世を風靡していました。その《最高工匠卿、ウルザ》が再び輝く時が来ました!《最高工匠卿、ウルザ》はアーティファクトから青マナを出せる強力なカード。そのため、必然的にデッキには大量のアーティファクトが入ることになります。このデッキはとにかく《最高工匠卿、ウルザ》を着地させたいデッキ。そのために大量のマナアーティファクトが入っています。そう、《月罠の試作品》に加えて《モックス・アンバー》が3枚採用されているのです。伝説のクリーチャーをコントロールしていなければマナが出ないこのモックス。これまでは《敏捷なこそ泥、ラガバン》と《湖に潜む者、エムリー》が入っているデッキでギリギリ採用できるというレベルでしたが、『モダンホライゾン3』で《知りたがりの学徒、タミヨウ》を手に入れたことで、青単でも使いやすくなりました。1マナの伝説クリーチャーは《モックス・アンバー》と相性バッチリ。もちろん、《知りたがりの学徒、タミヨウ》は《モックス・アンバー》からただマナを生み出すためだけのカードではありません。《ミシュラのガラクタ》や《一つの指輪》が入っているので変身は容易。しかも攻撃時に生み出す手がかりが《月罠の試作品》や《最高工匠卿、ウルザ》のマナに使用できると、至れり尽くせり!ウルザと言えば《最高工匠卿、ウルザ》!再びそうなる日も近いかもしれません。…まあ、《ウルザの物語》も入っているんですが。

【ゆうやんのデッキメモリー】コンボとチューンの原点”ハートビート明神”

ピックアップ

2024.08.15

mtg Yuyan

皆さんこんにちは。 ゆうやんのデッキメモリーは、今年でマジックを初めて21年目になる僕が、思い出に残っているデッキを紹介していく記事です。 昔を知っている方は一緒に懐かしんで、知らない方は昔話にお付き合いください! コンボの原点 今ではすっかりコンボ好きになっている僕が、初めてその手にコンボデッキを握りしめたのは、2006年の時だった。その頃の僕は、フライデーナイトマジックに出れば2回に1回は3戦全勝で優勝、草の根大会では5勝2敗がアベレージと、マジックを始めた頃に比べて自分の成長を実感できる時期。つまり、マジックが面白くなり、ハマる時期だった。マジックの上達方法は、まず大前提として数をこなすこと。たくさんプレイしていくと、段々と勝率が上がっていき、勝つと嬉しくなり、更にマジックをプレイする。プレイすると強くなって更に勝つ。この良いスパイラルに入ることだと思っている。社会人には時間のかかる回る道かもしれないが、学生時代の僕はこのルートを辿っていた。幸い、お金はないが時間だけはあるのが学生だ。まさにそのスパイラルに、当時の僕はいた。その時のフォーマットはチームスタンダード。僕はアメニティドリーム吉祥寺店の常連2人とチームを組み、関東の予選によく参加していた。そして人生で初めてプロツアー予選の決勝ラウンドに残った。忘れもしない、2006年5月4日。板橋区立グリーンホール。競技マジックの、そしてコンボ好きとしての細川 侑也の原点が、この時使用していた「ハートビート明神」だった。 マガシュート ハートビート明神は、一般的には「マガシュート」と呼ばれているデッキの亜種。   プロツアーホノルル:6位 By Maximilian Bracht 《桜族の長老》や《木霊の手の内》でマナを伸ばし、《春の鼓動》を設置。お互いの土地から出るマナを倍にしたところで、《早摘み》をキャスト。土地がすべてアンタップし、大量のマナを生み出し、《交錯の混乱》を変成して《奇妙な収穫》をサーチする。この《奇妙な収穫》を大量のXで唱え、《幻の漂い》たくさんと《現し世の裏切り者、禍我》をサーチ。《幻の漂い》を変成して《早摘み》をデッキからすべてサーチし、大量のマナを注ぎ込んで《現し世の裏切り者、禍我》でフィニッシュというコンボデッキだ。フィニッシャーの禍我からマガシュートと呼ばれている。当時、お金がなかった僕は、「安い」というただそれだけの理由でこのマガシュートを組んだ。このデッキ、《早摘み》を使うため、基本土地しか入れることができなかったのだ。《アダーカー荒原》が1枚1500円していた時代だったので、基本土地しか入っていないだけでもうリーズナブル。更にデッキのキーカードである《春の鼓動》《早摘み》もとても安価で、一番高いのは《師範の占い独楽》なのでは?というレベルだった。お財布事情的に、1つのデッキを組んだらそれを使うしかなかったので、僕はこのマガシュートを使い続けた。そしてその強さと同時に、使っている内に自分の力量が目に見えて上がっていくのが楽しかった。 最初はコンボを決めるだけでも精一杯だったが、何度も対戦していると「このターンまでは絶対に死なないから待っていい」「ここは見切り発車をしなければいけないターン」「サイド後は《春の鼓動》を狙い撃ちされるから、大量のマナを使わないプラン、あるいは相手をフルタップにさせる手段として《万の眠り》を入れよう」などと、様々なことを考えるようになった。これは親和を使っていた頃の僕にはない考えだった。いや、正確に言えば、親和を使っている時も上記のように反省しなければならないのだが、それは当時の僕には難しすぎた。コンボデッキは「コンボが成立したら勝ち」「コンボターンまでは一方的で、コンボで逆転する」とわかりやすかったため、反省点を洗い出しやすかったのだ。コンボデッキのそのわかりやすい強さと、上達した時の奥深さに感動した僕は、今でもそれがコンボの魅力だと思っている。マガシュートに出会ったからこそ、今でも僕は自信を持ってコンボを使えているのだ。そして初めてデッキチューンを行ったのも、このマガシュートが初めてだった。《現し世の裏切り者、禍我》で勝利するためには20マナが必要。しかし、20マナは実際容易ではなかった。土地が5枚ある状態で《幻の漂い》経由で《早摘み》をサーチすると、10マナー6マナで4マナしか増えない。実際、マナが足りなくて敗北するシーンが何度もあった。そこで、少ないマナで勝てるカードはないか?と思い、このリストに辿り着いた。 ハートビート明神 先ほどのリストと違い、クリーチャーがやたらと入っている。《春の鼓動》と《早摘み》でマナを増やすところまでは同じ。しかし、フィニッシュ手段が全く違う。《奇妙な収穫》で《生網明神》、《土着のワーム》×2、《炎の血族の盲信者》をサーチして、《生網明神》からすべてのクリーチャーを展開して攻撃!このリストでは、勝利に必要なマナがたった9とお得なのだ。しかし、もちろんデメリットはある。まずコンボ時以外に必要のない無駄カードを大量に入れなければならないこと。次に相手にブロッカーが立っていたら勝てない可能性があること。そして、《奇妙な収穫》でこれらのカードをサーチしなければならないため、最終的に必要なマナこそ少なく済むが、最初のサーチに大量にマナがかかるのだ。つまりトータルで必要なマナが8になるわけではなく、実際は12~13マナと、さほど通常のマガシュートと変わらない。そんなことは当時の僕は気付きもしなかった。今見返すと、プロツアートップ8のリストは実によくできている。美しさすらある。それと比べると自分のハートビート明神の粗さときたら。とはいえ、そんな粗さも十代の証。人生で初めてのコンボデッキ、そして誰の力も借りないたった一人でのデッキチューンは、その後のマジック人生を大きく左右する経験になったのだった。

【週刊メタゲーム通信】ジャパンオープンを制したのはボロストークン!注目はあの新カード

ピックアップ

2024.08.13

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は大型トーナメント「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2024」の結果をチェック! 継続したアドバンテージと攻めが魅力! 『ブルームバロウ』発売後、初めての大型大会となった「マジック:ザ・ギャザリング ジャパンオープン2024」を制したのは、ボロストークンでした。 ボロストークン ジャパンオープン:優勝 By Yushi Uzuki デッキはコントロール寄りのデッキです。《塔の点火》、《稲妻のらせん》、《太陽降下》、《一時的封鎖》で盤面を制圧し、アドバンテージを稼いで勝利。 アドバンテージを稼ぐと言えば青の専売特許でしたが、『ブルームバロウ』で登場した1枚のカードが、ボロス2色でのコントロールを実現しました。それが《世話人の才能》です。まず最初の段階では、トークンを戦場に出すことで1ドロー。《ウラブラスクの溶鉱炉》でも《太陽降下》でも《忠義の徳目》でも《噴水港》でもカードが引けます。1ターンに1回の制限はあるものの、自分のターンで《ウラブラスクの溶鉱炉》でカードを引き、相手ターンのエンドに《噴水港》でトークンを生み出して引けるので、想像よりもたくさんのカードが引けます。特に《ウラブラスクの溶鉱炉》との相性は抜群。マナを使わずに自動でカードを引きつつ攻められるので、これからの定番の組み合わせになること間違いなし。そして《世話人の才能》と相性の良い《噴水港》ですが、単体で見た時のカードパワーもかなりのもの。《ウラブラスクの溶鉱炉》を生け贄にして毎ターンカードが引けますし、生成するトークンも《世話人の才能》で大きくなればフィニッシャークラスです。起動コストこそ重いですが、それを補うべく、《沈んだ城塞》も4枚投入されています。コントロールデッキの課題と言えばマナフラッドですが、このデッキには《噴水港》に《ミレックス》、《解体爆破場》と様々なバリューランドが採用されており、土地を引きすぎてもそれをリソースに変えたり、相手のカードと交換ができます。土地が強いのは、マジックというゲームの強いデッキの条件の1つです。良質な除去、豊富なアドバンテージ獲得手段とお手本のようなコントロール。まさに王者と呼ぶに相応しいデッキです! 往年の名カードがスタンダードで大暴れ! アゾリウスメンター ジャパンオープン:2位 By Soohan Yoon クリーチャー以外の呪文を唱えるとトークンを生み出す、《若き紅蓮術士》系の1種である《僧院の導師》。そのトークンが果敢を持っているため、少しのトークンもバカにならない強さで、特にピッチスペルや軽いドロースペルが多い下環境で重宝されていました。特にヴィンテージでは各種モックスからとんでもない量のトークンが出てくるので、制限カードに指定されていますその《僧院の導師》をフル活用するのがこのアゾリウスメンター。3マナと重い《僧院の導師》。普通に使うなら、ただ除去をされてしまうともったいないので、4~5マナある状態から《僧院の導師》を出し、除去されてもトークンを残せるようにするのが定番のプレイですが、それだとどうしても相手の早い展開には追い付けません。それならば1マナで《僧院の導師》を出せばいいじゃない、というのがこのデッキ。そう、《救いの手》で墓地から吊り上げるのです。《錠前破りのいたずら屋》や《決定的瞬間》で墓地に《僧院の導師》を落とし、それを《救いの手》で吊り上げて、そこからスペルを連打、あるいは打ち消しで《僧院の導師》を守ってイージーウィン。吊り上げ対象が《僧院の導師》だけでは不安ですが、そこも安心。青単でも活躍した《傲慢なジン》が入っており、こちらも残しておくと即敗北するカードです。前環境もあるデッキでしたが、《未認可霊柩車》や《敬虔な新米、デニック》に苦しめられていましたが、それらはもうスタンダードにはいません!まるで下環境のような爽快感を味わいたい方にオススメ。惜しくもボロストークンに敗れてしまいましたが、見事準優勝でした。 《放浪皇》と《記憶の氾濫》を失っても輝く 前環境ではエスパーミッドレンジと並んで最大勢力だったアゾリウスコントロール。《放浪皇》《記憶の氾濫》というパイオニア級の4マナ域を失ってしまいましたが、その強さは健在です。 アゾリウスコントロール ジャパンオープン:5位 By yoshihiko tokuyama 《マナ漏出》の上位互換である《喝破》、優秀なアドバンテージ源の《推理》はまだ現役ですし、除去も《失せろ》と《太陽降下》。こちらも一線級です。そんなアゾリウスコントロールの新戦力は本日2度目の登場となる《世話人の才能》。《噴水港》や《太陽降下》でドローできる…というのはボロストークンでもご紹介しましたが、アゾリウスコントロールでは《推理》でお手軽2ドローができます。《不穏な投錨地》の地図トークン生成でもカードが引けますし、とにかく置いておくだけでアドバンテージを取れ続けてしまうすごいカード。《世話人の才能》、本当にコントロールにぴったりの1枚。そしてコントロールにぴったりと言えば、このカードの話をしないわけにはいかないですね。《機を見た援軍》内蔵とでも言うべき大鹿。ビートダウン相手ならば、4点ゲインに魚のおまけつき、更に本体のサイズも優秀と、悪夢の一言。1ドローや宝物生成は対ビートダウンでは難しいですが、ミッドレンジ対決では十分に誘発も期待でき、対アグロ以外にも役割がしっかりあるカードです。アゾリウスコントロール、新環境でもその実力をしっかりと示してくれました。 総括 誰もが予想しなかったボロストークン優勝という形で幕を閉じたジャパンオープン。本トーナメントで最多数が選択したゴルガリミッドレンジは、トップ8にこそ残らなかったものの、《裏切りの棘、ヴラスカ》《亭主の才能》の瞬殺コンボは脅威的で、これからのスタンダードも見ることになりそうです。前環境から強かった召集アグロ、ドメインランプもトップ8に入賞していますし、赤単もトップ4と、後少しで栄冠を掴み取るところまで勝ち上がっていました。トップ8には8種のアーキタイプが名を連ね、まさに群雄割拠と呼ぶに相応しい環境となったスタンダード。果たしてここから環境はどのように動いていくのか?注目ですね。

【今週のピックアップデッキ】ラクドスリザード/ゴルガリイグラフード/アスモフード

ピックアップ

2024.08.09

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 ラクドスリザード(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By pavementisrad7 『ブルームバロウ』で登場したいくつかの動物の中で、最も攻撃的な連中。それがトカゲ。《雇われ爪》と《玉虫色の蔦打ち》は共に1マナ域ながら、稼ぐダメージ量は破格。特に《玉虫色の蔦打ち》は後半引けば新生で出してセットランドで2点と、盤面を無視したダメージを与えられます。そしてなんといってもトカゲでまとめあげることの最大のメリットは《鱗の焦熱、ゲヴ》。自分が唱えるクリーチャーが強化されるこのカードですが、トカゲを唱えると対戦相手に1点が入るというオマケつき。あっという間に対戦相手のライフは0になるでしょう。現代に蘇った《炎樹族の使者》こと《炎貯えのヤモリ》との相性も良し。そうなってくるとリソース確保が心配ですが、《火硝子の導師》と《笑う者、ジャスパー・フリント》がその役割を担っています。特に《笑う者、ジャスパー・フリント》は一瞬「無法者!?」と思うかもしれませんが、よく見るとこのデッキは無法者だらけです。実は《大洞窟のコウモリ》以外のすべてがトカゲかつ無法者!トカゲは悪いやつでした。《思考忍びの邪術師》のピーピングハンデスなど、このデッキはアグロながら非常に器用なデッキです。新スタンダードはトカゲ使いになってみませんか? ゴルガリイグラフード(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By BoltTheBirds 発売前から注目されていた《全てを喰らうもの、イグラ》のコンボが、早速結果を残しました。すべてのクリーチャーを食物にする《全てを喰らうもの、イグラ》で、墓地と場の《大釜の使い魔》をループさせる無限コンボです。《パンくずの道標》はゴルガリフード定番のリソース確保でしたが、そこに新たに加わったのが《清掃人の才能》。レベル2になると切削が行えるので、コンボパーツである《大釜の使い魔》を墓地に送り込みつつ、レベル3では《全てを喰らうもの、イグラ》をサーチできる優れモノ。非常にこのデッキと相性が良いクラスですね。《茨越えの餌あさり》もぴったりのクリーチャー。食物が大量に出るので、3ターン目に給餌して《全てを喰らうもの、イグラ》を出すのも容易です。頼もしいサイズの2マナ圏、《蔦刈りの導師》もフードを強化した1枚。出た時と死亡時に食物を生み出すので、《清掃人の才能》と併せて、《パンくずの道標》で食べるものに困ることもないでしょう。スタンダードの頃からファンも多かったゴルガリフード。懐かしい気持ちになった方はまた手にとってみては? アスモフード(モダン) モダンチャレンジ:3位 By GigaChadSigmaMale 奇しくもフードデッキが続くことになりましたが、モダンの主役は《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》。食物を生成する《地獄料理書》をサーチし、生み出した食物で盤面を除去していく人間です。《地獄料理書》とコンボになるのが《楕円競走の無謀者》。《地獄料理書》で《楕円競走の無謀者》を捨てて食物を出すと、捨てた《楕円競走の無謀者》が手札に戻るので、実質タダで食物を作れるようになります。モダンのアスモフードでは基本の動きになります。『ブルームバロウ』で獲得した新たな仲間は《骨蓄えの監視者》。このターンに食物を生け贄にしたりカードを3枚墓地から追放していると1ドローできる1マナクリーチャー。要するに給餌しているとカードを引けるデザインなわけですが、「給餌」とはどこにも書かれていないのがポイント。《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》の能力を起動した際にもドローできるのです。これによって《アガサの魂の大釜》のバリューも上がりました。これまでは《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》か《飢餓の潮流、グリスト》でしたが、ここに《骨蓄えの監視者》が加わり、《アガサの魂の大釜》によって除去・トークン生成・ドローの3つが行えるようになったのです。全国100万人はいる(ゆうやん調べ)アスモフードファンの皆さん、今こそ立ち上がりましょう

【今週のピックアップデッキ】アゾリウス兵士/緑単鱗アグロ/4cヘルガオムナス

ピックアップ

2024.08.02

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 アゾリウス兵士(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By TIMBITS ローテーションにより新しくなったスタンダード環境。 《放浪皇》や《記憶の氾濫》、《策謀の予見者、ラフィーン》に《婚礼の発表》など、スタンダードの顔だったカードたちが消え、環境は文字通り一新しました。その新環境で早速結果を残したのはアゾリウス兵士。かつてはプロツアーでも活躍したデッキでしたが、ここ1年ほどはその名前を聞いていませんでした。アゾリウス兵士は、質の高い兵士クリーチャーと少しのカウンターを入れた白単のアグロデッキ。《毅然たる援軍》でトークンを出し、《イーオスの遍歴の騎士》で攻め手を確保し、兵士を強化する《雄々しい古参兵》で全体強化してフィニッシュ。《先兵の飛行士、ハービン》は強力で、地上が止まった後のフィニッシャーとして活躍してくれます。『ブルームバロウ』から加わった新戦力は《花足の剣豪》。雄姿によってハツカネズミが+1/+0の修整を受ける、1マナ1/2の兵士・クリーチャー。1マナの兵士であり、3マナで1/2と1/1の兵士を場に出せる点が強く、採用されています。雄姿能力自体も《ヨーティアの前線兵》で誘発することができ、新生でトークンも生み出していれば、一気に大ダメージも稼げます。これまで1枚から複数の兵士を生み出すカードはなかったので、このカードの加入は大きい。しかも《微風の歩哨》で戻して再度新生し直す…なんて使い方も。たった1枚のアンコモンでデッキの強さは大きく変わるもの。アゾリウス兵士は、かつての輝きを取り戻せるのでしょうか。 緑単鱗アグロ(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By FRANTICORE +1/+1カウンターの数を1個増やす《硬化した鱗》と言えば、モダンの鱗親和のキーカードとなっていますが、その《硬化した鱗》がパイオニアでも活躍!このデッキは、実にたくさんの+1/+1カウンターにまつわるカードたちで溢れています。まずは《棘を播く者、逆棘のビル》。上陸するとカウンターを付与。そして《金脈のハイドラ》。こちらは戦場に出る時のカウンターの数が増えます。《翡翠光のレインジャー》は探検によって乗るカウンターが増えます。そして一気にカウンターを増やせるのが《アーク弓のレインジャー、ビビアン》。クリーチャー2体に1つずつカウンターを乗せれば2つずつになり、更にトランプルもつくオマケつき!チャンプブロックしようとしていた相手は絶望するでしょう。更にここに加わるのが『ブルームバロウ』の《亭主の才能》。置いた時にはカウンターを乗せるだけですが、強力なのはレベル2。たった1マナでレベルアップし、カウンターが置かれているパーマネントが護法(1)を持ちます。この地味な除去耐性はうっとうしいことこの上なし。しかもレベル3になると、置かれるカウンターが倍になります。《硬化した鱗》があると、1個置かれるカウンターが2個になり、それが倍なので、4つ乗ることに!2マナで出したターンも最低限の活躍をし、レベルを1つあげれば除去耐性付与、レベル3になるとクリーチャーがすべてフィニッシャークラスに変貌と、まさにこのデッキのために生まれてきたようなカード!たくさんの+1/+1カウンターで気持ちよくなりたい方はこのデッキがオススメ!《歩行バリスタ》が禁止なのが残念でなりません。 4cヘルガオムナス(モダン) モダンリーグ:5-0 By RESPECTTHECAT 《孤独》や《力線の束縛》で除去し、《創造の座、オムナス》《一つの指輪》でライフ回復を得ながらアドバンテージを無限に獲得していく4色のコントロール、それが4cオムナス。かつては大人気のデッキでしたが、まずは《空を放浪するもの、ヨーリオン》、この間は《豆の木をのぼれ》と《激情》が禁止され、今ではすっかりモダンで姿を消してしまいました。 そんなオムナスが新たな相棒を引き連れてモダンに帰ってきました!それが《神経質な予見者、ヘルガ》です。マナ総量が4以上のクリーチャー呪文を唱えるたびに自身を強化し、ライフを得て、ドロー。更にタップすることで、マナ総量が4以上のクリーチャーやXのクリーチャーに使用できるマナを、自身のパワー分生み出せるという、オムナスが待ち望んでいたクオリティのカエルです。《創造の座、オムナス》、《孤独》、《緻密》の3種で誘発し、その内《孤独》と《緻密》はピッチスペルなので、手札の消耗を抑えながら0マナで相手に干渉し、その間に《神経質な予見者、ヘルガ》が大きくなっていきます。禁止された《豆の木をのぼれ》のようなカードですね。ライフを得ながら自身を強化していくのは《豆の木をのぼれ》にはない《神経質な予見者、ヘルガ》の強み。《緻密》で誘発するのも大きいですね。4cオムナスはモダンでも非常に人気のアーキタイプ。復権するのか注目ですね!

【ゆうやんのデッキメモリー】初めてのデッキ"ブルードスター親和"

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2024.07.31

mtg Yuyan

皆さんこんにちは。 ゆうやんのデッキメモリーは、今年でマジックを初めて21年目になる僕が、思い出に残っているデッキを紹介していく記事です。 昔を知っている方は一緒に懐かしんで、知らない方は昔話にお付き合いください! マジックとの出会い 僕がマジック:ザ・ギャザリングと出会ったのは、中学生の時だった。 僕の地元は中野駅に自転車で行ける距離で、その日も特に理由もなく、中野で遊ぶことに。常に人で賑わう中野サンモールを、特に何か買うわけでもなく歩き、そのままブロードウェイへ。いつもは2階に上がってそのアングラな雰囲気を楽しむところだったが、その日はなぜか1階をもう少し歩いてみることにした。そして…一件の店の前で立ち止まった。ただでさえ狭い店内に置かれているショーケース。その中にはカードが並び、小さい机では2人の大人がカードゲームをプレイしていた。小学校で遊戯王は流行っていたから、カードゲーム自体はもちろん馴染みがあったが、大人がカードを遊んでいるのを見たのは初めて。なかなかの衝撃だった。そのお店はアメニティドリーム中野店。後に知ることになるのだが、そこで遊んでいたのは、アメニティドリームの社長と副社長。興味津々にショーケースを見つめる僕に、2人は話しかけてくれた。「プロとかもいて、賞金がもらえるんだよ」「うちのお店にもプロが遊びに来てるんだよ」そのお店によく遊びに来るというプロは、日本人初の殿堂表彰者、ローリー(藤田 剛史)さんで、それから20年後にローリーさんと僕が焼肉を食べることになるのだから、人生とはわからないものだ。「プロがいて、賞金をもらっている」その言葉は、中学生の僕には衝撃的すぎた。そして中学生がなけなしのお小遣いでデッキを組むには、それは十分すぎる言葉だった。 ブルードスター親和 「今が一番いい時だよ!今ならめちゃくちゃ強いデッキが安く組めるよ!」今聞くと実に胡散臭い言葉だが、言われるがままに組んだデッキは、今考えてもすごく安くて強く、その言葉通りだったと思う。 悪名高き初代『ミラディン』の代名詞ともいえるデッキ、親和だ。当時トップレアだった《金属モックス》は3000円で当然買うことはできなかったが、それでも十分な強さだった。 このデッキはほとんどのカードがコモンで、レアの《ブルードスター》も1枚80円。確か一番高いカードは《空僻地》で300円程度。その次は150円の《稲妻のすね当て》、100円の《知識の渇望》だったと思う。後は全部10円で買ったはず。デッキコンセプトは単純。アーティファクトを並べて親和を稼ぎ、《金属ガエル》、《マイアの処罰者》、《厳粛な空護り》、《ブルードスター》を高速召喚する。《稲妻のすね当て》で《ブルードスター》を突然走らせたり、0マナで《マイアの処罰者》や《金属ガエル》を出して《踏みにじり》と《分散の盾》を構えるなど、突然死のあるクロックパーミッションだった。特に《分散の盾》と親和クリーチャーの相性の良さは目を見張るものがあった。《マイアの処罰者》を出していればほぼ2マナの《対抗呪文》だし、《金属ガエル》でも《神の怒り》を打ち消せる。《分散の盾》と親和クリーチャーたちの相性の良さに驚き、「似たようなカードですごいことできないかな?」と大人たちに聞いた結果、《流れ込む知識》を見つけた時は感動したものだ。《ブルードスター》で10枚引いたことがある人、友達になりましょう!このデッキを使ってアメニティドリーム中野店に毎日行き、とにかく対戦しまくっていたが、勝率は8割ぐらいあったはず。みんなカジュアルデッキで遊んでくれていたおかげだろうけど。ここでたくさん勝たせてもらったから、マジックというゲームにのめり込んでいったのだと思う。その内、アメニティドリーム中野店以外の場所でもマジックを遊びたくなった僕に、社長は「フライデーナイトマジック」の存在を教えてくれた。僕がマジックに更にのめり込むきっかけになり、そして人生で初めて出たフライデーナイトマジックで《アクローマの復讐》に1対8交換を取られて泣くことになるのだが、それはまた少し先のお話。

【週刊メタゲーム通信】圧倒的ナドゥ環境に切り込む、ルビーストームとマルドゥサクリファイス

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2024.07.30

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は大型トーナメントが行われたモダンのメタゲームをお届けします! 最強デッキは今週も最強だった! 今週行われた大型大会、SCG CON Baltimoreを制したのはバントナドゥ。トップ8に5人、更にはその上位5つを独占と、圧倒的な勝率を誇っています。 バントナドゥ SCG CON Baltimore:優勝 By Derek Pite   バントナドゥは《召喚の調べ》と《召喚士の契約》でクリーチャーをサーチできることから、1枚差しのクリーチャーを多く入れることができ、細かいチューンでも差が出やすいデッキ。最近ではメインの《荒れ模様のストームドレイク》、《陽光浄化者》は鉄板で、《荒れ模様のストームドレイク》に至っては5名すべてが採用しています。《荒れ模様のストームドレイク》はもちろんミラーマッチ対策で、このカードをデッキに入れているだけで、Ⅹ=2で相手の《有翼の叡智、ナドゥ》を奪えるようになるため、コンボを阻害し、逆にこちらが決められるようになります。まずほぼすべてのバントナドゥが採用しているので、相手が《召喚の調べ》を構えていそうな時は、うかつに《有翼の叡智、ナドゥ》を出さないようにしましょう。《森を護る者》を出せるようになるまで待機です。《荒れ模様のストームドレイク》はナドゥミラーでの対策以外にも、疑似的な除去としても使用できます。《偉大なる統一者、アトラクサ》や《濁浪の執政》など、エネルギーを支払いきれない場合でも、交換して生け贄に捧げるだけなので、実質的な除去になるのです。《陽光浄化者》はボロスエネルギーとジェスカイコントロールに効果的な1枚。特にジェスカイコントロールは除去を《電気放出》と《空の怒り》に頼り切っているため、《陽光浄化者》1枚で詰んでしまうこともあります。ジェスカイを使うプレイヤーは《陽光浄化者》を意識して、《至高の評決》や《虹色の終焉》を少し入れた方が良いでしょう。最近では《力線の束縛》を入れたリストも見かけますが、《陽光浄化者》に強いので、個人的にオススメです。呪文枠は《召喚の調べ》4枚、《手甲》4枚、《召喚士の契約》2枚がテンプレで、人によって《手甲》《召喚士の契約》の枚数が1枚減ったりといった程度。残りの枠は何かしらのドローカードが入っています。《時を解す者、テフェリー》は同型では強力な1枚で、《荒れ模様のストームドレイク》に怯えずにコンボを開始できます。《一つの指輪》は同型では隙になりやすいカードですが、エネルギーや黒単などに強い1枚。サイドボードに複数枚入れている人も多いですね。そして《邪悪鳴らし》は0枚か3~4枚に分かれるカード。ここは《根の壁》とスロットを争っています。《根の壁》は《召喚の調べ》を打ちやすくするカードですが、マナを生み出すしか使い道のないカードで、一方《邪悪鳴らし》はコンボパーツを揃えるカード。こちらも落とし子を生み出すため、マナ加速が可能です。これについてはどちらが良いか結論は出ていませんが、個人的には《根の壁》を4枚入れるのは多いと感じています。1マナ域が大量にあるデッキならば《根の壁》+1マナと動きやすく、バリューを出しやすいのですが、現状では《召喚の調べ》を打ちやすくするためだけのカードな印象。《春心のナントゥーコ》もあるので、《召喚の調べ》自体はあまり打ちづらいとは思いません。そのため、今は《邪悪鳴らし》派になりつつあります。意外と2枚ずつとかにしても良いかもしれませんね。   最速2ターンキルの脅威 さて、そんなバントナドゥ祭りのトップ8に名を連ねたのがルビーストーム。『モダンホライゾン3』発売直後のトーナメントで結果を残し、プロツアーでは負け組だったものの、その後じわじわと勝ち始めています。 ルビーストーム SCG CON Baltimore:6位 By Jackson Dillard 《ルビーの大メダル》か《モンスーンの魔道士、ラル》を出して《捨て身の儀式》《発熱の儀式》でマナを増やし、《レンの決意》《無謀なる衝動》でライブラリーを掘り進め、《炎の中の過去》でそれらを再度使い回し、最終的に《願い》からの《ぶどう弾》で勝利するデッキ。特に《モンスーンの魔道士、ラル》はマナ軽減を行いながら、最終的には自身が強力なドロースペルになるという、ストームのために生まれてきたカード。ルビーストームは『モダンホライゾン3』で生まれた強力なデッキの1つです。最速2ターンキルもできるデッキということで、環境初期で活躍しました。その速度はバントナドゥを上回り、更にバントナドゥは干渉手段に乏しいデッキなため、特に先手ではストームが圧倒的に有利です。しかし、ストームはバントナドゥと違って対策しやすいデッキでもあります。《ドラニスの判事》、《減衰球》など大量の対策カードの前に屈し、プロツアーでは沈黙していました。このリストは《探索するドルイド》を採用しているのが特徴的。追加のドローとして機能するだけでなく、フィニッシャーとしても優秀で、特にサイド後は対策カードを無視して《探索するドルイド》で殴りにいく場面も多いでしょう。今はストーム対策が減ってきており、バントナドゥに対しては構成上不利になることはまずありません。メインに少し《有翼の叡智、ナドゥ》を除去できるカードを入れれば、後手でも勝機は十分にあるでしょう。入れるなら個人的には《四肢切断》が良いと思います!《モンスーンの魔道士、ラル》のコインフリップに負けて死んだら…俺を恨んでください。 進化するエネルギー 《魂の導き手》《オセロットの群れ》《色めき立つ猛竜》と、『モダンホライゾン3』の強力なカードを詰め込んだボロスエネルギー。バントナドゥに苦手ではあるものの、その圧倒的なカードパワーの高さから人気を博し、一定の勝率もしっかり出ています。 マルドゥサクリファイス SCG CON Baltimore:8位 By KELLEN PASTORE   そのボロスエネルギーの派生がこのマルドゥサクリファイス。黒をタッチして《オークの弓使い》《マリオネットの見習い》《黄泉帰る悪夢》と、トークンが出るカード+リアニメイト手段を確保し、《ゴブリンの砲撃》を入れています。《ゴブリンの砲撃》は《ナカティルの最下層民、アジャニ》との噛み合いがすさまじいカード。猫を生け贄に捧げることで能動的に《ナカティルの最下層民、アジャニ》を変身でき、《ゴブリンの砲撃》が赤いので、0能力で大量のダメージを飛ばせます。《オセロットの群れ》をはじめ、トークン生成手段は大量にあるので、《ゴブリンの砲撃》を引くだけで一瞬で相手のライフは0になり、従来のエネルギーに加えて早いデッキになっています。 黒が入ったので《電気放出》が抜けて《致命的な一押し》になっていますが、これは《陽光浄化者》の流行を考えると良い変更だと思います。《ゴブリンの砲撃》があれば紛争達成は容易なので、《有翼の叡智、ナドゥ》を除去できるでしょう。ジェスカイコントロールの《空の怒り》は天敵ですが、黒を入れると《敵対するもの、オブ・ニクシリス》を採用できるので心配いりません。《オセロットの群れ》でコピーした日には、その瞬間に投了されることも。バントナドゥにも《過酷な指導者》がありますし、メイン戦でもライフを詰めて《有翼の叡智、ナドゥ》を倒せば勝てるので、決して相性が悪いわけではなく、実際にデータでもこの対戦は勝率50%。実は最強のデッキなのかもしれません!   総括   今週もバントナドゥは圧倒的な勝率を収めましたが、そのナドゥの弱点を突くデッキも徐々に勝ち始めています。特にルビーストームは徐々に入賞数を増やしており、《ドラニスの判事》と《減衰球》が少ない世界なら、天下を取る日も近いかもしれません。そしてアンフェアなモダン環境における最後の(?)良心、ボロスエネルギーも黒を足して進化を遂げています。特に《有翼の叡智、ナドゥ》を除去しづらかった《電気放出》が《致命的な一押し》に代わっているのは大きいでしょう。《貴族の教主》や《極楽鳥》を採用しているリストも増えてきたため、《オークの弓使い》も刺さる状況が増えています。今週もナドゥは勝ち続けるのか?それともナドゥを意識したデッキが勝ち上がるのか?はたまた全く新しいデッキが生まれるのか。カードプールが広いモダンだからこそ、新デッキの活躍を期待できるのもモダンの魅力。また来週のメタゲーム通信でお会いしましょう!  

【新セットレビュー】『ブルームバロウ』各色トップ3

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2024.07.24

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は8月からチャンピオンズカップファイナルの店舗予選も始まる、モダンの最新メタゲームをお届け! 白トップ3 第3位 3マナでクリーチャーを2体場に戻すだけでもそれなりに強いのに、相手にカードを贈呈するだけで3体目を場に戻せてしまうのは破格。 2マナ以下のクリーチャーでデッキを固めれば、場を壊滅されても一瞬でリカバリーできますし、生け贄を駆使したサクリファイスデッキで活用したらもっとスゴいことになるかも? パイオニアのアマリアコンボ…には《陽気な哀歌》の方が優先されそうなので少し厳しいか。   第2位 飛行クリーチャーでデッキを固めずとも、このクリーチャーが死亡するだけでも墓地からマナ総量2以下のクリーチャーを場に戻せるので、それなりに強力。本体のサイズもパワー3で飛行なので優秀ですね。 戻せるクリーチャーが飛行以外で良いというのも素晴らしいですね。   第1位 《修復の天使》を彷彿とさせるクリーチャー。追放されたクリーチャーが帰ってくるのは終了ステップの開始時なので、全体除去避けにも使用可能です。 対象に取ったクリーチャーが飛行カウンターが乗って帰ってきて、自身も飛行があるため、相手からしたらうっとうしいことこの上なし。 青トップ3 第3位   1マナで対戦相手のクリーチャーを戻し、魚を贈呈することで土地以外の好きなパーマネントに対象を変えられるインスタント。 今回登場した贈呈はドローが比較的多く、これは中々のデメリットになりますが、1/1の魚は非常に弱いので渡しても問題なし。 1マナで土地以外の好きなパーマネントを戻せるカードは実はかなり少なく、今でもレガシーのコンボデッキでは《蒸気の連鎖》が使われているほど。相手のサイドからのヘイトカードをバウンスし、そのままコンボを決めるにはマナコストが低ければ低いほど良いので、1マナのバウンスは最高です。 《黙示録、シェオルドレッド》を自分がサイドから入れる場合、《蒸気の連鎖》がデメリットとなるケースもあるので、もしかすると《洪水の大口へ》が使われるかもしれません。 第2位   僅か1マナで1/1の果敢を生み出せるのは強力。そのカードがマナを支払うとリソースを稼ぎ、最終的にトークンを大量に生成できるともなれば、これはもう使いたくなる1枚ですね。 起動コストが重いので、何かしらの方法で生み出したマナを使いたいところ。 《お告げの行商人》 と一緒に使いたい! 第1位 安定のルーター(カードを引いて捨てる)能力を持っているカワウソ。ルーター能力を持つクリーチャーは攻撃するか能力を使うか悩ましいですが、警戒がついているのでその心配はなし。そして果敢もあるので積極的に殴れます。 そして更にインスタントかソーサリーをコピー??さすがに能力つきすぎではないでしょうか。パワー3にするためには2回呪文を唱えれば、2回目の呪文はコピーできるので、条件も全く厳しくありません。 ぜひとも使ってみたいカード。 黒トップ3 第3位 今回登場した季節サイクルで最も使ってみたいと思ったのがこちら。 3体のクリーチャーを生け贄にして3ドローするのが基本的な使い方になりそうでしょうか。死亡しても大して困らないクリーチャーでデッキを構築すれば、相手のクリーチャーを3体除去しながら3枚引く、凄まじいカードになります。 白黒のトークン系デッキを組んでみたいですね。除去とリソースを兼ね備える素晴らしいカードとなるでしょう。   第2位   リアニメイトしたクリーチャーが伝説でなかったらそれのコピーを生成できる、ド派手なスペル。カード1枚を贈呈してもそれ以上のアドバンテージをこちらが得ていれば問題ないでしょう。 《宝物庫生まれの暴君》を吊り上げるのが良さそうですが、トークンが1/1なのは少し寂しい。トークンだから死亡しても《宝物庫生まれの暴君》が出てこないのもちょっとマイナス。 その点、 《嘶くカルノサウルス》はぴったりかもしれません。手札から捨てて3点を撃ち、5ターン目に《とぐろ巻きの再誕》で吊り上げて発見5×2。さすがに勝つでしょう! 第1位 《困窮》、強くなりすぎでは?衝撃を受けました。 ただの手札破壊として使っても及第点。贈呈していれば相手の手札を実質奪い取ることができます。 カードを引かせた後に手札からカードを抜けるので、手札にある一番強いカードを抜けるのは魅力的。 また、他の手札破壊と違い、相手の手札が0枚の時でも機能する可能性があります。カードを贈呈して、その引かせたカードが呪文なら、そのまま奪えますからね。 とりあえず新環境、黒いデッキを組むならまず4枚からスタートします。 赤トップ3 第3位   贈呈すればクリーチャーに2点、コントローラーに3点を与えるすごいカード。 新環境で赤単アグロを使うならまず4枚入れたいカードですが、2点で死ぬクリーチャーが環境に少なければ微妙ですね。 第2位 戦場に出た瞬間にライブラリ―を追放できるので、除去されても大丈夫。このカードが出れば1枚追放できるので、2点はとりあえず飛ばせますね。 既に場にパワー4がいれば4点。もちろん唱えることも可能です。 《荒野無頼団の先駆者》との相性は素晴らしい。3ターン目に計画しておいて、4ターン目に《荒野無頼団の先駆者》から《運命の大嵐、ドラゴンホーク》。カードを引きながら4点与える強ムーブ。 同マナ域には生き残れば最強の《骨集めのドラコサウルス》もいますが、果たしてどちらが使われるのか。個人的には戦場に出た時にとりあえず機能する《運命の大嵐、ドラゴンホーク》推し。 第1位 2マナ2/2速攻・果敢だけで赤単なら十分な性能。 そして雄姿能力もリソースを稼げる優れモノ。ちょうど今のスタンダードには《巨怪の怒り》があるじゃないですか!大量のダメージを与えつつ追加のリソースを稼げるのは素晴らしい。 《精鋭射手団の目立ちたがり》と《熾火心の挑戦者》は次環境の赤単の2マナ域として確定でしょう! 緑トップ3 第3位 マナクリーチャーでありながら強化もでき、マナが余っていればコピーも生成するというフクロネズミ。最近はマナクリーチャーも強くなってきていますね。 育てるのにマナがかからないのはかなり便利で、気付いたら無視できないサイズになっていることでしょう。 個人的には《アガサの魂の大釜》と一緒に使いたいカード。自身に勝手にカウンターが乗るので《アガサの魂の大釜》の能力を使いやすいですし、《アガサの魂の大釜》で《耕作する高原導き》を追放すれば2つの能力を使えるので、どちらでも美味しいカード。 第2位  カードを贈呈するとアドバンテージを失うのが普通ですが、このカードは2枚のアーティファクト・エンチャントを破壊できるので、贈呈させたとしても損しません。 《活性の力》が使いにくいデッキなら《削弱》にもチャンスはあるでしょう。下環境向けのカードですね。 第1位 クラスエンチャントはレベルアップ前の第一段階がどれだけ強いかが重要です。 スタンダードで最も使われたレンジャー・クラスは、出た時に2/2を生み出せて強力でした。 《亭主の才能》はとりあえず置いておけば《光輝王の野心家》相当の性能。しかもレベルアップコストは1マナと軽く、気軽に護法(1)を付与できるのはバカにできません。 レベル3になれば乗せるカウンターも倍になるので、2枚目の《亭主の才能》で一気に強化できるなど、複数枚引いても強い。 緑の定番カードとなること間違いなし。 多色トップ3 第3位   相手がライフを失っていればクリーチャーが強化された状態で出てきます。トカゲしか効果がないと思いきや、どんなクリーチャーも強くなります。 護法もビートダウンで使うなら強力。クリーチャーを除去して2点受けるなら、実質《大歓楽の幻霊》です。 《鱗の焦熱、ゲヴ》を主軸に据えたラクドスビートダウン、まずは組んでみたい。 第2位 クリーチャーを食物に変えちゃう可愛い猫ちゃん。ちょっとデカいけど可愛いです。 《大釜の使い魔》2枚で無限ドレインになるということで注目されています。場の《大釜の使い魔》は食物なので、生け贄に捧げることで墓地から《大釜の使い魔》を戻し、今度は復活した《大釜の使い魔》を生け贄にして墓地から《大釜の使い魔》を戻せば…それだけで無限ドレインです。 単純に相手のクリーチャーを食物にするのも強力。流行の《血管切り裂き魔》ですらただの食べ物です。 ゴルガリフード、組むっきゃない!   第1位 カワウソになったラル。素晴らしい。実に可愛いですね。 クリーチャーでない呪文を唱えると忠誠値が増えていくので、除去と相性が良いプレインズウォーカー。コントロールデッキやキャントリップの多いデッキで使いたいですね。 +で生成されるカワウソはキャントリップの多いデッキならそれだけで脅威。《焦熱の交渉人、ヤヤ》から出る果敢トークンも圧がありました。 ー3も3ドローと非常に強く、忠誠値を上げる自身の能力とも相性良し。 更にー10がほぼ即勝利なのも強力な点。一瞬で忠誠度が上がるので、見た目以上にプレッシャーがあるはずです。 総合トップ5  そして全色を含めたトップ5はこちら! 特に《蠢く機知、ラル》と《全てを喰らうもの、イグラ》は今すぐにでも使いたい! また、GOOD GAMEでは現在『ブルームバロウ』の各種ブースター・パックを予約販売中! この機会にぜひご予約ください!(ご予約ページはこちら)

【週刊メタゲーム通信】ナドゥとネクロを押さえ、ボロスエネルギーが躍動

ピックアップ

2024.07.23

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は8月からチャンピオンズカップファイナルの店舗予選も始まる、モダンの最新メタゲームをお届け! モダンでフェアデッキを使うならこれ! ボロスエネルギー モダンチャレンジ:優勝 By TentacleFan 先週のモダンチャレンジで最もトップ8にその名を連ねたのはボロスエネルギー。『モダンホライゾン3』エネルギー関連のカードがたっぷり入り、そこに《ナカティルの最下層民、アジャニ》と《火の怒りのタイタン、フレージ》が加わったボロスカラーのアグロデッキです。アグロデッキとしてある程度の速度がありながら、ミッドレンジとしても立ち回れる、現代の強いデッキの条件をしっかり満たしたデッキ。プロツアー・モダンホライゾン3から人気のデッキでしたが、最近は《敏捷なこそ泥、ラガバン》が抜けて《オセロットの群れ》が入ったリストが主流となりました。このデッキは極端に不利なマッチアップがあまり存在しないのが特徴。モダンで最強の名を欲しいままにしているバントナドゥに少し不利なのはネガティブな要素ですが、《過酷な指導者》もサイドボードにたっぷり入っていますし、決して必敗マッチではありません。バントナドゥが他のデッキに意識されて勝ち上がってこなければ、ボロスエネルギーの独壇場。《オークの弓使い》をタッチしたマルドゥタイプのエネルギーもあり、まだまだリストも練り込む価値アリ! 圧倒的ドロー量で押し潰す黒単ネクロ 現モダン環境の三強と言えば、ボロスエネルギーの次に名前が上がるのはこの黒単ネクロ。やはり統計でもトップ8に多く入賞しています。 黒単ネクロ モダンチャレンジ:3位 By werhsdnas1414 現代に蘇った《ネクロポーテンス》こと《ネクロドミナンス》を主軸に据えたこのデッキ。《ネクロドミナンス》でたくさんのカードを引いて、溢れる手札から《魂の撃ち込み》をピッチでたくさん唱えるド派手なデッキ。《悲嘆》+《マラキールの再誕》のお馴染みコンボで相手の手札を枯らして《ネクロドミナンス》でカードを補充して勝った時には、「このデッキは最強なのでは?」と思うこと間違いなし。黒単ネクロには大きく分けて2つのタイプがあります。1つがこの比較的にクリーチャーが多めのリストで、《マルコフ家のソリン》が入っています。《マルコフ家のソリン》は《魂の撃ち込み》と非常に噛み合う1枚。即座に《マルコフ家のソリン》を変身させてくれるだけでなく、次に《魂の撃ち込み》を撃つと変身した《マルコフ家のソリン》でもう1度ダメージが入るので、実質《魂の撃ち込み》のダメージが2倍になります。2つ目は《一つの指輪》を採用したタイプ。こちらは《ネクロドミナンス》への依存度が少し下がりますが、《一つの指輪》というカードがバントナドゥに少し弱いのがネック。除去を常に構えたいマッチで4マナを寝かせるのはリスクが高く、プロテクションもナドゥに対して無力なためです。代わりに《一つの指輪》タイプはボロスエネルギーに強いのが魅力。プロテクションが刺さりますし、《ネクロドミナンス》は《天界の粛清》でも触られる一方、《一つの指輪》は《静牢》以外で対処できませんからね。《砕骨の巨人》がボロスに入っているのは《一つの指輪》意識もありますね。ボロスエネルギーとバントナドゥ、黒単ネクロはどちらに寄せるかでリストが大きく変わってくるでしょう。 そして遅れて登場の王者、バントナドゥ バントナドゥ モダンチャレンジ:優勝 By Magicverse さあ、そして三強の最後の一人にして最高のデッキ、バントナドゥ。プロツアーで圧倒的人気アーキタイプになり、そのまま優勝。その後も様々なトーナメントで勝ち続けている、名実ともに最強のデッキです。 最強ゆえに意識されており、入賞数こそ落ち込んでいますが、それでもしっかり勝っています。プロツアーでは《タッサの神託者》不採用型が主流でしたが、マジックオンラインでは無限コンボを省略できないので、《タッサの神託者》が入っています。無限コンボは、《有翼の叡智、ナドゥ》《春心のナントゥーコ》《手甲》のセットが揃った後、最終的に《忍耐》と《森を護る者》を揃えるのですが、《忍耐》か《森を護る者》のいずれかが追放されると無限が成立しなくなるので、意外と紙のマジックでも《タッサの神託者》は役に立ちます。このリストには《邪悪鳴らし》が採用されていますが、これはプロツアーで初めて出てきたテクニック。《有翼の叡智、ナドゥ》《手甲》のどちらにもアクセスでき、トークンが《手甲》のつけ先にもなるので、《有翼の叡智、ナドゥ》コンボが成立しやすくなります。しかも墓地を肥やせるので《変容する森林》の昂揚を満たしやすいという、至れり尽くせりのカード。このリストには《変容する森林》が2枚採用されていますね。《変容する森林》は墓地に落ちた《有翼の叡智、ナドゥ》《手甲》になります。2枚採用していると特に黒単ネクロに強くなりますね。最強のデッキも日々研究が進んでいます。同型が多いと睨むならメインに《荒れ模様のストームドレイク》、エネルギーを意識するなら《陽光浄化者》。今ならメインに《陽光浄化者》かもしれませんね。 総括 モダンの三強、ボロスエネルギー・黒単ネクロ・バントナドゥがそのまま入賞数の上位3トップになりました。とはいえ、モダンはTier2以降のデッキも強力なのが特徴。ブリーチ型のトロンや無色トロン、そしてストームも虎視眈々と上位の座を狙っています。簡単に三強が三強のままでいられないのがモダンの面白いところ。勝ち組だったボロスエネルギーが来週は見る影もない…なんてこともあったりなかったり。三強デッキの中でも、何を意識するかでリストが変わってきます。ボロスエネルギーを使いたいなら、同型対策はとりあえず必須でしょう!《陽光浄化者》をたっぷり入れるのをお忘れなく。

GOOD GAMEメディア、始まります

ピックアップ

2024.07.10

mtg Yuyan

皆様、初めまして。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 このたび、トレーディングカード専門店「GOOD GAME」は新たにGOOD GAMEメディアを立ち上げることとなりました。 GOOD GAMEメディアでは、当店で取り扱っている製品「マジック:ザ・ギャザリング」の様々な記事を掲載していきますので、ぜひ当サイトに足を運んでいってください! GOOD GAMEとは GOOD GAMEは、流山おおたかの森駅から徒歩1分にあるトレーディングカード専門店です。 マジック・ザ・ギャザリング、ポケモンカード、Flesh and Bloodを取り扱っており、通販サイトではマジック・ザ・ギャザリングをメインに販売しています。 ウェブサイトはこちら あなた、誰ですか? ライターを務める僕の自己紹介も必要ですよね。 僕は細川 侑也。マジック界ではゆうやんと呼ばれることが多いですね。 ※画像は公式サイトより引用   マジックを始めたのは、親和が大暴れした初代『ミラディン』。僕が初めて組んだデッキも親和でした。競技大会での実績は グランプリ名古屋2018:準優勝 グランプリ横浜2019:トップ8 グランプリ千葉2019:トップ8 The Final 2019:トップ8 The Last Sun 2022:準優勝 プレイヤーズコンベンションオープン2022:準優勝 チャンピオンズカップファイナル:準優勝 コンボとコントロールが好きで、ビートダウンが嫌いなプレイヤーです。《ドミナリアの英雄、テフェリー》大好き!《ヴェールのリリアナ》は勘弁してください! 面白いデッキを開発したり使うのが好きで、人気のあるデッキを選ばない傾向にあります。そんな競技シーンに20年近く身を置いている僕が、様々な記事をお届けしていきます。 どんな記事があるの? やっぱり気になるのは記事の内容ですよね。というわけで、今後の記事の更新予定をカレンダーに記載しました! 一つずつ、内容を紹介していきます。 週刊メタゲーム通信 週末に行われた大会結果をまとめ、メタゲームに関する考察を行う記事です。 主にパイオニアやモダンを想定しており、時期によってはスタンダードの記事も上がります。 週刊メタゲーム通信を読んで、その週の大会に備えてみてはいかがでしょうか? デッキ解説記事 僕が普段使用しているデッキを紹介・解説する記事です。軽いデッキ紹介から個々のカード選択、基本的なプレイに関するお話などをしていきます。解説してほしい記事があれば、リクエストしてください!全部にお応えすることはできませんが、リクエストからもデッキをチョイスします! 今週のピックアップデッキ 珍しいデッキや新しいデッキを3つほど紹介する記事です。基本的にはそれぞれ違うフォーマットからチョイスする予定です。様々な大会結果から探すので、もしもあなたが珍しいデッキで平日大会を勝ったら、ご紹介させていただくことになるかもしれません! その他 上記以外にも、様々な企画を立案中です!マジックをプレイする時間があまり取れない人向けの効率的な練習方法や、初心者が上達していく道筋など、単なる攻略情報以外もお届けしていきます! 初回の記事は明日から! 早速GOOD GAMEメディアの最初の記事が明日アップされます。「こんな記事を読みたい」「このデッキを紹介してほしい」などの要望がございましたら、ぜひ僕のX(@yuyan_mtg)までお声がけください!それでは皆様、末永くよろしくお願いいたします!