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こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 紹介デッキ ディミーアコントロール エスパーレジェンズ 純鋼ストーム ディミーアコントロール スタンダードチャレンジ : 7位 By TheSandwichKing MTGアリーナ用インポートデータ 現在のスタンダード環境は、エスパーピクシーに各種赤アグロとアグロ全盛期。 とはいっても、ミッドレンジとしてはズアーやゴルガリ、コンボならアゾリウス全知と、どのアーキタイプもメタ上位に存在しています。 一方コントロールデッキはというと、一時は死んでいるとまで思われていたのですが、プロツアー『霊気走破』で活躍し、今ではメタの一角にまで上り詰めました。 それがアゾリウスコントロール。リソース源として《食糧補充》を採用し、打ち消しを少し入れ、除去は《審判の日》、フィニッシャーには《完成化した精神、ジェイス》と、古典的なドロー・全体除去・フィニッシャーのアゾリウスコントロールです。 ここまで読んでお気づきになった方もいるのではないでしょうか? 実はこの青で打ち消してドローして、白で全体除去を打ち、フィニッシャーを叩きつける。この動きは青白だけでなく、青黒でもできてしまうのです! というか、除去に関しては白より黒の方が良質です。白の2マナの除去は《全損事故》と、タップ状態のクリーチャーにしか使用できませんが、黒ならば問答無用で破壊する《喉首狙い》に《悪夢滅ぼし、魁渡》にも触れる《シェオルドレッドの勅令》、更に1マナの《切り崩し》とよりどりみどり。 《全損事故》はやはりタップ状態のクリーチャーにしか打てないのはかなりのデメリットです。構えていることが見え見えなので、相手はケアして攻撃しないことが容易ですし、《逸失への恐怖》などのシステムクリーチャーにも触りづらい。《喉首狙い》なら先手2ターン目に構えて、相手が出してきた2マナクリーチャーを破壊し、自分のターンで安全に《食糧補充》を打てますからね。 《審判の日》こそ青黒にはありませんが、その代わりに《死人に口無し》を採用できるのはむしろ良いことかもしれません。ただの全体除去である《審判の日》と違い、《死人に口無し》は証拠収集で墓地のカードをライブラリーからすべて抜けるので、アゾリウス全知から《全知》をすべて抜くなど、本来全体除去が効かないマッチでも機能する、素晴らしい全体除去なのです。 打ち消しは少し青白には劣ります。何せ青白には《喝破》がありますからね。コントロールフリークが十年以上も再録を待っている《マナ漏出》の上位互換を青白に与えるなんてずるいですよね。 とはいえないものは仕方ないので、《否認》《三歩先》でなんとか打ち消し枠を埋めています。 《強迫》は青黒だけの強み。事前に《豆の木をのぼれ》を抜いてしまえば実質打ち消しのようなものですし、赤アグロに対しても《巨怪の怒り》などを抜きつつ、手札を見ることでプレイがしやすくなるので、使いやすいカードです。 そしてなんといっても《油浸の機械巨人》!このカードはディミーアコントロールを語る上で欠かせません。 コントロールが求めるサイズの大きな絆魂。エスパーピクシーの《逃げ場なし》に耐えつつ、《この町は狭すぎる》で戻されても、出し直して手札破壊として使用できるので、特に青黒バウンス系のデッキに強いカードです。 もちろん、赤アグロに対しても強力です。手札を見て1枚を抜けるので、《巨怪の怒り》などがないかをチェックしつつ、《魔女跡追いの激情》を抜いて安心してブロッカーとして立たせられます。 青白の《激浪の機械巨人》はコントロールに採用しづらい能力ですが、《油浸の機械巨人》はぴったり。4枚目も検討したくなりますね。 《油浸の機械巨人》が入ったとはいえ、フィニッシャーが《完成化した精神、ジェイス》である点は変わりません。青白も青黒もフィニッシャーが《完成化した精神、ジェイス》になったのは、決してズアーを意識した結果ではありません。 現在のスタンダードにはコントロールで採用できる絶対的なフィニッシャーがいないため、《完成化した精神、ジェイス》を大量に採用しているのです。 絶対的なフィニッシャーとは、生き残るだけでゲームに自動的に勝ったり、速やかにゲームを終わらせられる性能を持つ重いカードです。たとえば《ドミナリアの英雄、テフェリー》は、出してカードを引いているだけでゲームに勝利しますし、《船砕きの怪物》は呪文がすべて通らなくなり、ブロッカーはバウンスされ、7/8がすぐにライフを削り切ります。他には《夢さらい》などでしょうか。 今のスタンダードには、このレベルの強さのフィニッシャーはいません。そこで2枚引けば大体の状況でゲームに勝てて、相手の除去も受けることのない《完成化した精神、ジェイス》が採用されることとなったのです。 エスパーピクシーや赤アグロ相手にもコントロール側は《完成化した精神、ジェイス》をフィニッシャーとします。適当に重いフィニッシャーを出して4回殴るより、《完成化した精神、ジェイス》を複数枚出して相手のライブラリーを削りきる方が簡単なのです。 コントロールデッキを調整する時、まず減らしがちなのが《完成化した精神、ジェイス》だと思いますが、少なくともメインでは4枚の《完成化した精神、ジェイス》を使った方が良いと思います! アゾリウスコントロールに続いてディミーアコントロールも登場し、いよいよスタンダードのコントロールにもバリエーションが生まれました。 環境が成熟していくほど強くなるコントロール、ここからの成長に期待です。 エスパーレジェンズ パイオニアリーグ : 5-0 By Heilagur MTGアリーナ用インポートデータ 長きにわたってスタンダードで活躍し続けた《策謀の予見者、ラフィーン》。パイオニアでその力を見せつける時がついにやってきました。 エスパーパルへリオンなど、ディスカード手段として採用されることはあったものの、《策謀の予見者、ラフィーン》がメインになるデッキはこれまでパイオニアには存在しませんでしたが、このデッキはエスパーレジェンズ!主役はもちろん《策謀の予見者、ラフィーン》です。 さて、このデッキはレジェンズの名の通り、エスパーカラーの伝説のクリーチャーで構成されています。 1マナ域は良質なサイズの《アクロスの英雄、キテオン》と、クリーチャーを守る《離反ダニ、スクレルヴ》。どちらも定番の強力な伝説たち。 2マナ域の2種はどちらも青黒で、少し珍しいカードが並んでいます。 スタンダードでも使用可能な《闇の中の研究者、ナシ》はリソースを獲得するクリーチャー。こちらは攻撃が通った際に伝説のカードやエンチャントを切削した中から加えられます。このデッキには伝説のパーマネントとエンチャントがたっぷり入っているので、攻撃が通るだけで一気に2~3枚のカードを得られることも。 《顔を繕う者、ラザーヴ》は攻撃するたびに墓地を追放して手がかりを生み出す、こちらもリソースが取れるクリーチャーです。更に手がかりを生け贄に捧げることで、《顔を繕う者、ラザーヴ》を追放したクリーチャー・カードのコピーにできるので、墓地に落ちた《策謀の予見者、ラフィーン》などになることができます。 ただ、それだけでは《顔を繕う者、ラザーヴ》の力は半分しか引き出せていません。《老いざるメドマイ》によってその真価を発揮します。 《老いざるメドマイ》は初めて見た方も多いかもしれません。プレイヤーに戦闘ダメージを与えると追加ターンを獲得し、追加ターン中には攻撃できないこのカード。6マナと通常プレイは重いこの伝説のスフィンクスが、《顔を繕う者、ラザーヴ》と組み合わさってコンボになります。 《顔を繕う者、ラザーヴ》で《老いざるメドマイ》を追放し、手がかりを生成してそれを生け贄にして《顔を繕う者、ラザーヴ》が《老いざるメドマイ》になると追加ターンを得ます。 そして追加ターン中は《顔を繕う者、ラザーヴ》は当然攻撃可能となり、再び墓地を追放して手がかりを出し、それを生け贄にして再び《老いざるメドマイ》になり、また追加ターンを獲得。つまり、墓地にカードがある限り、追加ターンがずっと続くことになります。 さて、そもそもエスパーレジェンズで組む意義はなんでしょうか?スタンダードでは3色をすべてアンタップインで出すために《英雄の公有地》を採用する必要があり、そのためにレジェンズでした。しかしパイオニアでは《闇滑りの岸》などのファストランドと《神無き祭殿》をはじめとしたショックランドが使えるため、《英雄の公有地》頼りではありません。 ならばなぜレジェンズにこだわるのか?それは《モックス・アンバー》です。掟破りの0マナファクトによる爆発的な展開が可能になるのが、エスパーレジェンズ最大の魅力!《アクロスの英雄、キテオン》から2ターン目に《策謀の予見者、ラフィーン》なんてことも容易にできてしまうのです。 《戦闘研究》も忘れてはいけません。普通に使うだけで《好奇心》ですが、エンチャント先が伝説なら+1/+1に護法(1)と超破格! 加えて呪禁付与の《破片魔道士の救出》に対赤アグロの最終兵器《幽霊による庇護》と、クリーチャーを守ることに徹底しているのがこのエスパーレジェンズ。《離反ダニ、スクレルヴ》も合わせると《策謀の予見者、ラフィーン》を倒すのは至難の業でしょう。 《策謀の予見者、ラフィーン》を再び輝かせたい方はこのデッキに決まり! 純鋼ストーム モダンリーグ : 5-0 By SoggyCheerios ストーム。コンボの代名詞とも言えるこのアーキタイプは、かつてのスタンダードにも存在し、レガシーやモダンでは黎明期からずっとメタゲームを脅かしています。 現在ストームと呼ばれて真っ先に思い浮かぶのはルビーストームですが、一昔前に一世風靡したストームデッキがモダンにはありました。 それが純鋼ストームです。 今でこそ《死の国からの脱出》《研磨基地》で実現可能な脱出基地がいるため、珍しくなくなってしまった2ターンキルですが、当時は「2ターンキルできるすごいデッキが出てきた!」と世のコンボ好きは純鋼ストームに注目していました。 その後、長い間すっかり名前を見なくなってしまった純鋼ストームでしたが、最大の相棒……というよりコンボパーツである《オパールのモックス》が解禁されたことで、モダンについに帰ってきました。 デッキ名を冠する《純鋼の聖騎士》が当然キーカード。装備品が戦場に出るたびに1ドローするハンマータイムでもお馴染みのクリーチャー。あちらでは《巨像の鎚》を0マナで装備するのがメインの仕事でしたが、純鋼ストームではドローの方が重要となってきます。 このデッキのアーティファクトを見てください。名前も能力も知らない装備品たちがあります。これらの能力は一旦無視して、マナコストだけを見ましょう。 0マナです。《純鋼の聖騎士》がいればタダで1ドローできるのです。こうして0マナ装備品を大量に出してドローしていき、《撤収》《ハーキルの召還術》で手札に戻し、再び出し直す。こうして大量にカードを引いていき、最終的に《ぶどう弾》で相手のライフを一撃で削りきる。これが純鋼ストームの基本の動きです。 《オパールのモックス》解禁前は《撤収》を打つためのマナを捻出するのがとにかく大変でした。《極楽のマントル》を《純鋼の聖騎士》に0マナで装備してマナを出しても1マナしか増えないので、《羽ばたき飛行機械》と合わせて採用する必要があり、不純物が大量に入ってしまっていました。マナの問題を《オパールのモックス》が解決してくれたので、2ターンキルがかなり現実的に可能なラインになっています。 《河童の砲手》の採用は目から鱗でした。0マナのアーティファクトを並べれば《河童の砲手》の着地は用意ですし、《河童の砲手》を出してから0マナ連打で一瞬でゲームも終わります。 《撤収》《ハーキルの召還術》では《河童の砲手》も手札に戻ってしまいますが、《河童の砲手》を唱える→スタックで《撤収》《ハーキルの召還術》で0マナアーティファクトを戻せば、即席で使用した0マナ装備品を回収しつつ、《河童の砲手》を戦場に送り出せます。 以前までの純鋼ストームは一度コンボをスタートさせた後は、《ぶどう弾》で相手のライフを削りきるまでコンボが途切れないのを祈るしかありませんでした。《撤収》《ハーキルの召還術》で装備品を出し直すループは、カードは引けますがマナは増えないので、最終的に《ぶどう弾》とそれを打つマナ(追加の《オパールのモックス》など)をしっかり引き込む必要があり、止まるリスクもそこそこあったのです。 しかし、《河童の砲手》によってその憂いはなくなりました。コンボが止まってしまいそうでも《河童の砲手》さえ途中で出しておけば、コンボが途切れた時には致死量に近いサイズの《河童の砲手》が戦場にいるはずです。《溶岩拍車のブーツ》で速攻をつけて攻撃することもでき、勝利に必要な条件がかなり緩くなったのです。 これまで0マナの装備品たちを活かす手段がなかった純鋼ストームにとって、《河童の砲手》は最高の相棒です。 2ターンキルするデッキが更に環境に増え、モダンはますます恐ろしくなっていきますね。
こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 先週末はアメリカとオーストラリアでそれぞれ地域CSが開催! 早速最新メタゲームを分析していきます! 目次 メタゲーム 脱出基地 ホロウワン 無色エルドラージ メタゲーム アメリカ 優勝:脱出基地2位:脱出基地3位:ボロスエネルギー4位:脱出基地5位:脱出基地6位:アミュレットタイタン7位:脱出基地8位:脱出基地 アメリカ 優勝:無色エルドラージ2位:ホロウワン3位:脱出基地4位:脱出基地5位:ディミーアマークタイド6位:無色エルドラージ7位:エルドラージランプ8位:ディミーアマークタイド まずは圧倒的な脱出基地の勝率! 参加者1000人超えの大型大会となったアメリカではトップ8に6人の脱出基地が残り、オーストラリアでも2人。最強のデッキと言われ、メタられる立場となり続けても、高い勝率を誇っています。 特に脱出基地はアーティファクト・エンチャント破壊、墓地対策など、あらゆる対策カードが突き刺さるデッキ。ボロスエネルギーと違い、アンチカードが大量に存在するデッキであるにも関わらず、ここまで勝ち続けられるのは、脱出基地が本物のデッキであるという証明に他なりません。 そんな最強のデッキの対抗馬となっているのは、モダン最強の一角と言われていたボロスエネルギー。 本大会でトップ8にも入賞しているボロスエネルギーは、全体の勝率で見ても脱出基地に勝ち越している他、このトップ8入賞プレイヤーも対脱出基地に6勝2敗となっております。 早いクロックと対策カード、更にメインからの《イーオスのレインジャー長》によって脱出基地には有利なデッキとなっているボロスエネルギーは、今注目のデッキの1つです。 脱出基地とエネルギー、そしてアミュレットタイタンと言わずと知れた強デッキたちがトップ8を独占したアメリカとは対照的に、興味深い結果となったのがオーストラリアの地域CS。 トップ8に2人が残り、更に1人が優勝した無色エルドラージは、これまでに見たことがないデッキで、本大会で誕生したデッキです。 更にたびたび地域CSには登場するものの、勝ちきれなかった印象のあるホロウワンも準優勝を収めており、そのポテンシャルを世に知らしめました。 ボロスエネルギー SCG CON Charlotte : 3位 By Joe Leo 脱出基地の海を泳いで勝ち進んだボロスエネルギー。最後は脱出基地に敗北してしまい、夢潰える形となってしまいましたが、十分な成果と言えるでしょう。 『モダンホライゾン3』発売後のモダンの歴史を語る上で、このボロスエネルギーは欠かせません。 《魂の導き手》《オセロットの群れ》《ナカティルの最下層民、アジャニ》《色めき立つ猛竜》《火の怒りのタイタン、フレージ》の『モダンホライゾン3』5人衆で突如モダン環境に現れた怪物。しかし、《有翼の叡智、ナドゥ》という真の化物に最強の座を奪われてしまいました。 その後、《有翼の叡智、ナドゥ》が禁止となり、ボロスエネルギーはモダン環境を大暴れします。その結果、《湧き出る源、ジェガンサ》《色めき立つ猛竜》《一つの指輪》の3種の禁止を出す結果となりました。 しかし、これで止まらないのがエネルギーの恐ろしさ。そもそもエネルギーの強さの根幹を支える部分は、デッキ外リソースの《湧き出る源、ジェガンサ》でもなければ、リソースを大量に稼ぐ《一つの指輪》でもなかったのです。 《オセロットの群れ》《魂の導き手》《ナカティルの最下層民、アジャニ》による最序盤からの上質なクリーチャーたちによるビートダウン、そして諜報ランドと《火の怒りのタイタン、フレージ》による中盤からの打点。これらの展開が非常に早く、かつ安定していることこそが、ボロスエネルギーの強みだったのです。 この部分にメスが入っていないボロスエネルギーは、禁止改訂後も活躍を続け、長くトップメタに君臨していました。 そのメタゲーム事情が変わったのがここ数週間。脱出基地がだんだんとその数を増やして勝ち続け、エネルギーは減る一方に。 しかし、これで終わるわけではないのがボロスエネルギー。何せデッキの根幹が強力なため、残りの自由なスロットでメタゲームに応じてデッキを組み換えられるのです。 このリストは脱出基地を強く意識した作りとなっています。それが顕著なのが、メイン4枚の《イーオスのレインジャー長》です。 脱出基地相手に盤面で有利を取るのは容易なので、《オセロットの群れ》《魂の導き手》をさっさと並べて《イーオスのレインジャー長》で蓋をする。これが主な勝ち手段となります。 サイド後も《石のような静寂》《オアリムの詠唱》《摩耗+損耗》と大量の対策カードが入ります。 これらの対策カードを見て気づく点としては、サイドから入ってくるであろう《アノールの焔》をしっかりと警戒していることでしょうか。《ドラニスの判事》をサイドボードに入れたくなってしまうところですが、クリーチャーによる対策は《アノールの焔》で2ドローされながら焼かれるので、あまり頼れないのです。 一方、《石のような静寂》は《自然の要求》でしか対処できませんし、《損耗+摩耗》は《ウルザの物語》《研磨基地》《死の国からの脱出》を破壊できる強力な置物破壊。いずれも相手のサイドボード後に影響なく力を発揮できます。 脱出基地のサイド後は《紅蓮地獄》などの全体除去が入ってくることもありますが、ボロスエネルギー側はそこも織り込み済み。サイド後は《オセロットの群れ》などの軽く横並びするクリーチャーを減らし、《火の怒りのタイタン、フレージ》《栄光の闘技場》で相手のライフを一撃で削るゲームプランを取ります。 大量の対策カードを入れて、諜報ランドでそれらを探しながら墓地を肥やし、相手が対処不能の《火の怒りのタイタン、フレージ》で勝利。このボロスエネルギーのサイドプランに対し、やはり脱出基地側は対策カードを用意していません。 サイド後に脱出基地がどんなカードをサイドボードと入れ替えて、どんなゲームを展開してくるのか。それを的確に予想し、効果のないサイドボードプランを取ることが可能となっているのです。 脱出基地キラーとして見事トップ4まで勝ち進んだ、素晴らしいボロスエネルギーです。 ホロウワン ANZ Super Series Cycle 8 : 2位 By Nicholas Talbot そのデッキ名の通り、《虚ろな者》を主軸に据えたラクドスカラーのビートダウンデッキ、ホロウワン。 カードを1枚捨てるごとに2マナ軽くなる《虚ろな者》は、カードを3枚捨てると0マナでキャストできるようになります。そのため、1ターン目に《燃え立つ調査》を唱えれば《虚ろな者》を複数体並べることも可能です。 そんな《虚ろな者》は禁止改訂によって《信仰無き物あさり》を手に入れて、大幅に強化されました。《燃え立つ調査》は0マナで《虚ろな者》を出せる代わりに、捨てるカードはランダムですからね。《虚ろな者》が捨てられて悲しむ展開もありません。 そして最新セットでホロウワンは更に《略奪するアオザメ》を手に入れました。カードを捨てるたびにそれと同じ数の+1/+1カウンターが乗る凄まじい能力を持っています。以前はこのスロットに《炎刃の達人》が入っていたことを考えると、ものすごい進化です。エンド時までプラス修正だったものが、そのままカウンターとなるのですから。 《探偵のフェニックス》はホロウワンで最も輝くカード。《虚ろな者》《通りの悪霊》は5マナと重くどちらも墓地に落ちやすいので、証拠収集6という重い条件をあっさりクリアできるのです。 《虚ろな者》《略奪するアオザメ》《ネザーゴイフ》とこのデッキのクリーチャーはスタッツは優れている一方、回避能力はありません。そのため《探偵のフェニックス》による飛行付与は非常に強力で、突然致死量の打点を出してくれるのです。 面白いのは《オークの弓使い》。実は《新たな夜明け、ケトラモーズ》の影響により需要が上がっているカードですが、ホロウワンではプチコンボも内蔵されています。 そう、《燃え立つ調査》です。《オークの弓使い》を出している状態で相手に3枚引かせて3点……と望まないオークを誘発させることができます。 以前からホロウワンは存在していましたが、《信仰無き物あさり》によってランダム要素が少なくなり、爆発的な展開を毎ゲーム起こしやすくなりました。《逸失への恐怖》の昂揚、《探偵のフェニックス》の墓地からの証拠収集など、噛み合わないと弱いカードが多いホロウワンをまとめ上げたのは、やはり《信仰無き物あさり》。このカードの解禁は大きすぎますね。 かつて強すぎて次世代のマジックと呼ばれていたホロウワンは、『モダンホライゾン3』でも置いていかれることはなく、現代モダンの最前線でも活躍しています。 無色エルドラージ ANZ Super Series Cycle 8 : 優勝 By Thomas Bot オーストラリアの台風の目となったのがこの無色エルドラージ!なんと会場に2人でトップ8に2人!そして1人が優勝と、素晴らしい戦果をあげています。 このデッキの一番の強みは脱出基地に強い点でしょう。《虚空の杯》《大いなる創造者、カーン》の8枚によって脱出基地のコンボを防ぐことができます。 これまではエルドラージは緑型のランプが主流でした。《楽園の拡散》《まき散らす菌糸生物》でマナを伸ばし、《邪悪鳴らし》で墓地を肥やし、最終的には《約束された終末、エムラクール》でゲームエンドというのが緑型のエルドラージランプ。 一方、無色エルドラージは全く違うゲーム展開となります。4枚の《オパールのモックス》から2ターン目に4マナを生み出して《大いなる創造者、カーン》を出したり、《ウルザの物語》の2ターン目起動など、マナを伸ばすというよりは、早いターンで少し多いマナを出して脅威を展開するのが無色エルドラージです。 《まばゆい肉掻き》はレガシーのエルドラージではお馴染みのクリーチャー。無色の呪文を唱えるたびに落とし子を生み出し、無色のクリーチャーが出ると1点のダメージを与えるエルドラージ。このカードは、大量に0マナのカードを採用する理由になります。 《エルドラージの寺院》《ウギンの迷宮》から2ターン目に《まばゆい肉掻き》を出して《オパールのモックス》《ミシュラのガラクタ》と展開すれば、落とし子が2体出て2点、更に次のターンにはセットランド+《コジレックの命令》X=4以上と、3ターン目にして凄まじい展開を作り出せます。 《オパールのモックス》《ミシュラのガラクタ》など大量の軽いアーティファクトが入っているので、《神秘の炉》が運用しやすいのも魅力的です。緑型のエルドラージランプはマナを伸ばして重いカードを出すデッキなため、《神秘の炉》で大量にカードをめくるのは難しいですが、この無色エルドラージなら容易です。 《まばゆい肉掻き》も《神秘の炉》と組み合わせることでより強力となります。《神秘の炉》でカードをプレイし、《まばゆい肉掻き》でトークンを出しつつダメージを与え、その落とし子トークンでマナを出してライブラリートップのカードを唱え続けます。そうしていくうちに《まばゆい肉掻き》が増え、そのまま相手のライフを削りきれるのです。 ランプに比べてコンボ要素が強く、また重いカードがさほど入っていないため、《溶鉄の雨》が効きにくいのも特徴です。 同じエルドラージではあるものの、無色エルドラージとエルドラージランプは別のデッキです。脱出基地により強いのは間違いなくこの無色エルドラージで、反面エネルギーなどには少し弱いので、今のメタゲームに適したデッキと言えます。 その力を存分に発揮してオーストラリアを制しました!これからメタデッキの一角となるのか、注目ですね。
皆さん、こんにちは! 「へいか」こと 小林 輝(@enzyutuheika)です。 今回は『霊気走破』ドラフトの記事になります! 初プロツアーに出場する上で重要なのはこのプロツアーに向けてどう調整していくかです。 プロツアー「霊気走破」のフォーマットはスタンダードに加えてドラフト。 特にプロツアーという舞台での卓ドラフトは未知の領域で、そもそも卓ドラフトの経験も数えるほどしかありませんでした。 そんなある時、私の友人であり、リミテッドにおいて屈指の実力を持つ道民さん(@doumin0)が私の白単コントロールの記事をご拝見いただき、12月末に開催された蒼紅杯で同デッキを使用し見事優勝。 その会話の流れで1月からプロツアー「霊気走破」に向けてリミテッドのいろはを教えていただくことになりました。 教えていただいた内容は極めて有益で、私自身のMTGに関する実力の底上げにも繋がりました。 というわけで今回は、今回のプロツアー調整で得た、リミテッドの基礎から『霊気走破』ドラフトの戦略などを記事にいたしました! リミテッドの学び方 リミテッドに関する基礎講座 ・リミテッドでのアーキ分類・ピック方針の考え方・カード単体のバリュー評価について・リミテッドにおける強いデッキとは 大きく分けて上記の4つに関して、まず道民さんから叩きこんでいただいた。 特筆すべき点は、デッキに対する考え方だろうか。構築でも同じことが言えることだが、リミテッドにも「アグロ」「ミッドレンジ」「コントロール」といった大まかな分類が存在する。 かの名著「Who's The Beatdown?」にも記載されている通り、必ずどちらかが攻める側・守る側になり、リミテッドではそれがより変動しやすい。 もちろんクリーチャーが存在しないガチガチのコントロールが組めることはほぼないが、ゲームプランの立て方・考え方としてコントロール戦略は成立する。 そしてこれらは色の組み合わせ方によって影響する部分であり、ピック時の指針にも繋がってくる。 そして霊気走破のコモン・アンコモン含めた全カードを一枚ずつ見て評価し、アウトプットしていった。 このように一枚ずつ評価することで自然とカードを覚えることができ、ピック時に「このカードは何だっけ?」とテキストを確認する手間を無くすようにした。 また、霊気走破における色/アーキごとの評価などもまとめた。これから順番に解説していくので、リミテッドの参考になれば幸い。 なお、これは2月中旬頃の環境初期にまとめたものであり、現在では評価が変わっている可能性があることに注意。 練習方法 単色デッキ5種、二色アーキデッキ10種のサンプルデッキで対戦。主にコモン・アンコを中心に構築。 レアの強さは言うまでもなく、ピックの大半がコモン/アンコであるためここの評価を改めて洗い直す意味で構築。(これに関しては全て道民さんに実施していただいた。大変感謝!) また、度々言及される勝率についてはリミテッド統計ツール「17lands」より引用している。(2025年2月14日現在) 勝率自体は17landsユーザーの統計であり、全体的な勝率としては55.9%となっておりこれがボーダーラインとなっている。 これより下の勝率については平均以下であることを認識するとわかりやすい。 以上をふまえ、各色について解説していく。 白 シナジーとしてはマルドゥのエンジン始動、エスパーのアーティファクト、ナヤの機体/乗騎。 例年ならばあるチャージこと全体+2/+1、リングこと3マナ追放除去置物がコモンに存在しない。追放除去置物は一応アンコモンに6/5/5機体である《拘留戦車》が存在しているが、除去としては重すぎる。 コンバットトリックも+2/+2の《光盾での受け流し》しかない。 除去もクリーチャー/機体の数参照である使いづらい除去《免れぬ激突》、タップ状態で2マナになる5マナ追放除去《全損事故》、タフ4以上除去の《勇敢な一撃》の3点でいずれも使いづらさを感じる。 また、エンジン始動の関係で飛行の価値が上がったことによるものなのか、例年より多いプレイアブルな到達(特に4/4/4到達トランプルの《砂丘の危険》)によって飛行ビートも厳しい。 マルドゥカラーのエンジン/機体を軸とした攻めっ気のあるカードと、エスパーカラーのアーティファクトを軸とした受け身なカードが存在しておりこれが相反するのもマイナス点。 上記の理由から、白を軸としたアグロ戦術が成立しづらい点を留意する必要がある。 優秀なコモンも少なく、コモンが流れているからと言って白に入るべきではないと言える色だろう。 ボムレアであったり、優秀な白絡みのマルチアンコモンが複数流れてきた時にようやく検討するぐらいの位置であると思われる。 ポイント:緑に対する対抗策 まず生半可なアグロ戦術だと緑のレンジに辿り着いた時点でほぼ敗北する。4/4/4到達トランプル、5/9/7、6/6/6到達4点ゲインと普通にポン置きされるだけで白は終わる。 よって到達が出てくる4マナまでにはある程度ライフを削っておきたい。が、シンプルな2マナ域ですら相打ちになることが多く乗り越えづらい。2/3/3に関しても2/2/1接死、2/3/2バニラなどで相打ちになってしまう。 白を軸にしたアグロ戦術の場合、緑に対して残された時間は少なく、到達クリーチャーを除去/バットリでどかして飛行で攻めるプランぐらいしかないと言えるだろう。 安定な選択肢として乗騎/機体に飛行付与できる《峡谷の跳躍者》はもちろんだが…… 2点飛行クロックになれる《煌々野の滑空騎》、3/2/2飛行に加えて絆魂/破壊不能で乗騎のメリット能力を活かせる《睡蓮守りの信奉者》は可能性を感じた。 到達さえいなければ継続的な2点クロックを刻んでくれる。特に3/2/2の《睡蓮守りの信奉者》はエンジン速度上昇の役割を担いつつも絆魂+破壊不能によるライフレースにも貢献するため見た目以上に強い。 4/3/3飛行である《速翼の襲撃者》も場合によっては渋々採用せざるを得ないかもしれない。 アンコモンになってしまうが、白を使わざるを得なくなった場合は到達持ちクリーチャーに対してほぼ対応可能な《勇敢な一撃》は是非ピックしたい。(2/3/3到達レアの《網撃の精鋭》以外は全てタフ4以上) 《移動放送機》は白コモンの中では追放除去の《全損事故》に次ぐ勝率2位(56.2%)で評価が高い一枚。 出す1/1が飛行機械なのもありがたく、白青アーティファクトであれば1枚で2枚アーティファクトを出す点も評価できる。 本体も5/4と攻めっ気のある性能で突破力もあり、《峡谷の跳躍者》で飛行を付与したい。 緑 次はそんな最強色の緑のお話。 間違いなく環境を定義する色。 シナジーとしてはバニラ、ゴルガリの墓地利用、ティムールの消尽、ナヤの機体/乗騎。 まずコモンでのアンプレイアブルなカードが存在しない。 コモンの中で一番評価が低いのが最低限の3/3/3である《ロクソドンの偵察員》の時点で察するに余りある。 2/3/2バニラの《雑食のジビリック》ですらバニラシナジーがあり、緑単色のコモン・アンコモンでは唯一の2マナパワー3であることから壁役および搭乗役になれることで普段より評価が高い。 そして環境を定義するクリーチャーこと《砂丘の危険》。 444到達トランプル、そして7/7になる7マナの消尽能力。 信じられないでしょうが、これがコモンです。 非緑デッキはまずこの一枚を乗り越えられる方法を用意したい。下手なデッキであればこれ1枚でビタ止まりしてしまう。 そして勝率60.5%のガチトップコモンである《渡りをするケトラドン》。 6/6/6到達に加えて4点ゲイン。序盤に引いても2マナサイクリングのオマケつき。繰り返しますがこれがコモンです。 なんとかライフを残り1桁まで削ったところに出てくるこれは悪夢の一言。 このように、コモンだけでも十分にサイズという暴力である程度デッキになる色であるため、これらのコモンが流れてきたら緑を触る動機になれるだろう。 これはコモンが弱くコモンから入れない白と大きく違う点。 先述した通り白軸のアグロ戦術が取りづらく、かつサイズに優れる緑が非常に優位な環境であるということは中速環境の証左にもなり、膠着しやすい環境である事は留意したい。 膠着しがちな中で重要なのはやはり「システム」であろう。 《獣乗りの先兵》はコモンながら膠着したらアドバンテージを取れるシステムクリーチャーでありながら2/2/2と及第点な2マナ域でもあるため、流れてきたら拾っておきたい一枚。 また、1/1/1である《突進する小走り足》は6/6/6到達4点ゲインこと《渡りをするケトラドン》の勝率60.5%に次ぐ60.2%の強さを誇るので覚えておきたい。 合計5マナで2/2+3/3の5/5と悪くなく、消尽シナジーも絡むのも◎。 特に消尽の一回制限を撤廃する《エルフの補給者》と組み合わせることで延々と3/3を産み出すシステムクリーチャーにもなり得る。 さて、ここまで語りつくしたかに見えるが……まだコモンである。 2/2/2の最低限のスタッツを持ち、1マナのトランプル付与によって先述してきた緑のサイズを最大限に活かすことができる《緑地帯の守護者》。 4マナ消尽も+3/+3と破格の性能を誇り、2マナながら5/5にもなれるトップアンコモンの一つ。 消尽の1回制限を撤廃する消尽シナジーの中核となる《エルフの補給者》。除去されなければ延々と消尽能力起動によって差がついていくことになるだろう。 自身も2マナで+1/+1を乗せ続けるため自己完結している点が素晴らしい。 《牙ドルイドの召喚士》もまた4/2/4到達と非常に守備的なスペックでバニラクリーチャーを山札だけでなく墓地からもサーチしアドバンテージも得るいぶし銀な一枚。 そして上記の《牙ドルイドの召喚士》の4マナから綺麗に繋がる5マナであり9/7というただただ暴力を体現するサイズを押し付ける《大地の暴君、テリアン》。 6マナで5/5+3/3の盤面支配力に加えて騎乗して殴るとさらに3/3を産み出すシステムクリーチャーでもある《僭王マンモス》。 このようにアンコモンも十二分に恐ろしいラインナップであり、まさしく「王」を名乗れるだけの色であると言えるだろう。 事実17landsの指標においては緑絡みの二色が勝率TOP4を独占している。 卓に3人いても許容されるため、霊気走破のドラフトにおいては「緑に入れそうなら入る」が基本方針となるだろう。 赤 シナジーとしてはティムールの消尽、マルドゥのエンジン始動、ナヤの機体/乗騎。 アグロしきれないことで苦戦している白とは異なり、こちらは4種の除去がありいずれもプレイアブル。 ただし攻めの線はやや細め。コンバットトリックが+X/+0の先制攻撃である《アクセルべた踏み》、+2/+0トランプルを付与する機体の《燃焼ロケット》ぐらいと貧弱。全体+2/+0ことラッパもなし。 テンポカラーだが3マナ域が弱めで速度が足りずに押し切れないことも多い。 意識すべき点としては序盤にいかにライフを詰められる状態にするかどうか、そして最終的に機体のサイズなども活かして詰め切る事が出来るかどうかの二点。 総じて白に次いで弱い色と言える。 緑と絡むと一気に強くなるが、それは緑(とマルチ)が強いだけとも言える。 トップアンコモンとしてはこの《グリスレンチのゴブリン》。勝率58.7%。 1/2/1と攻撃的なスタッツに加え、消尽シナジーおよびディスカードシナジーと噛むのが強み。3マナと軽く2枚もルーティングできるため事故回避にも貢献し味がかなりする一枚。 次点で勝率が高いのは57.9%の《雷頭の砲手》。 4/5到達の頼もしいスタッツに加え、自ターンに1回とはいえ0マナのルーティングは破格の一言。コモンとは思えない一枚。 緑の項で先述した通り、膠着しやすい環境であることからシステムクリーチャーの価値が大きく上がっているため、その一種でありながら4/5到達というスペックを持つ《雷頭の砲手》は環境に噛み合っていると言えよう。 一方で《稲妻の一撃》は例年であれば高い評価が今環境ではやや低い点には留意すべき事項。(17lands勝率55.1%、平均が大体55.5%程度) 従来ならば2マナ3点で3-4マナ域を討ち取れるテンポ面で非常に優秀なカードだが、環境を定義する4/4/4到達トランプルの《砂丘の危険》であったり、黒のアーティファクト軸のキーカードである《契約人形の恐怖》もまた4/3/4とタフネス4~が多いのも難点。 緑が中心となるこの環境において、3点に従来ほどの信頼感がなく場合によっては《稲妻の一撃》より優先すべきカードが多いことは気を付けておくべきだろう。 が、もちろん序盤を攻め切る事を目的とするアグロデッキにおいては有力な選択肢であることは忘れないようにしたい。 青 シナジーとしてはティムールの消尽、エスパーのアーティファクト、イゼットのディスカード。 一言で言えば無難な色。 消尽によるアドバンテージ、十八番の飛行、テンポを取れるバウンスの《跳ね弾き》《道路脇の爆発》などがある。 生物/ファクトに4マナ要求する2マナカウンターもあり、総じて青の良さが詰まっている。 だが、カード単体で見るとややパワーが物足りず、青を中核を据えるというよりも他の色とのシナジー前提な色という印象が強い。 消尽、アーティファクト、ディスカードシナジーはいずれも単体で強いわけではなくシナジー前提である。(消尽に関しては緑自体が強いのだが) 青黒は緑が絡まないアーキタイプでは上位の強さであり、ほぼ卓一前提な青赤に関しては専用カードが多いものの青は汎用パーツで賄える。 そういった意味でも緑には入れなかった場合の選択肢として青軸は次善の選択肢と言えるだろう。 勝率トップは61.5%の《レインジャーズの給油機》。 消尽シナジーカードでありながら自身も消尽能力を持ち、4/4のアーティファクトクリーチャーになりつつ誘発による1ドローと自己完結しているのが強み。 3/2/3警戒の2マナ消尽で+1/+1とルーティングを行う《機敏な海賊》は先にこの《レインジャーズの給油機》の誘発能力によるドローを行ってから消尽のルーティングを解決するため、相性がよい点も見逃せない。 消尽軸の緑青は暫定的なTier1アーキの一つであり、これを見かけたら是非ピックしたい。 5/4/4のボディにバウンスがついており、オマケに相手の速度を下げる効果も持つ勝率61.3%の《棘甲羅の追い立て屋》もまた有力な一枚。 アーティファクトシナジーがあるのも嬉しく、長期戦思考の白青や青黒のアーティファクトデッキに必要な全てが詰まっており噛み合っている。 次いで勝率が高いのが59.1%の《運送の魔道士》。上記の5マナファクトである《棘甲羅の追い立て屋》との相性はもちろん、青黒アーティファクトでキーとなる《契約人形の恐怖》をサーチできる。 3マナのこれから4-5マナのアーティファクトに繋がるのもマナカーブの観点でも素晴らしく、トップアンコモンの一つ。 3マナタップ除去である《エンジン水没》は例年であればやや評価が低めな傾向にあったが、今環境ではエンチャント破壊もコモン・アンコモンでは《壊れた翼》のみで裏目が同じ青のバウンスぐらいであるため勝率58.0%と優秀。 特に緑のサイズに対して対抗できる手段であるため、後半でこれが流れてくるようであればピックしておきたい。 黒 シナジーとしてはマルドゥのエンジン始動、エスパーのアーティファクト、ゴルガリの墓地肥やし。 ピック方針としては最優先である緑軸、次善の青軸に次ぐか並んで黒軸が重要と考えられる。 というのも、黒のエンジン始動およびアーティファクト関連のカードはいずれも優秀でデッキの中核になり得るためである。 その筆頭がこの《残骸の木人》。 一見すると2/1/3飛行の諜報2と普通の優秀なコモンに見えるが、シナジーという観点から見ると…… ・エンジン始動 2/1/3飛行クロックによる最高速度への貢献 ・アーティファクト 2マナドロップできるアーティファクトクリーチャーであり、長引かせたいファクトシナジーにおけるタフネス3飛行のブロック力 ・墓地利用 諜報2による墓地肥やし と、いずれのシナジーとも全て噛み合う良コモンであることがわかるだろう。序盤はもちろん中盤以降に引いても諜報2が非常に嬉しく、間違いなく黒のトップコモンであると言える。 またリミテッドでよくある1/1/1接死もこの環境では評価が高く、勝率も58.7%とトップコモンの一角として君臨している。 攻撃したとしても所詮1点。通常の環境であればスルーが定石だ。しかし最高速度が絡むなら話は別。 例えばエンジン速度3の状況で4/4/4到達トランプルの《砂丘の危険》が立っているとしよう。 ネズミの横には最高速度に達すると2/2ゾンビを終了ステップに出す《甦りし屍執政》がいる状態で《エンジンのネズミ》で攻撃したらどうするだろうか? 普段ならばスルーだが、このケースだと通してしまうと最高速度になり2/2が出てしまうし、他のエンジン始動持ちカードが最高速度というバリューを得てしまう。 そのため4/4/4到達トランプルの《砂丘の危険》でブロックして1/1/1接死の《エンジンのネズミ》と相打ちをするという通常ならばあり得ないはずの選択が産まれる。接死というキーワード能力に大きな価値が産まれるのである。 また、何度も言及した通りサイズに優れる緑最強環境において接死は非常に有用であることは言うまでもない。 膠着した時にはやや重めだが6マナで2点というシステムクリーチャーとしての飛び道具まで持ち合わせている。 環境に恵まれた良コモンの一枚であると言えよう。これだからリミテッドは面白いのだ。 エンジン始動が絡むことで価値が産まれるカードとしては《限界突破出力》もまたその一枚。 この手のコンバットトリックにしては57.7%と高勝率を叩き出している。 相手が下手なブロックをすれば接死+破壊不能によって一方的に討ち取ることができる。かと言ってこれをケアして通してしまえばエンジンの速度が上がってしまう。 緑の優秀なサイズを押し付ける緑黒においても強いカードの一つで、例えば5/9/7の《大地の暴君、テリアン》をコンバットで討ち取るためには複数のブロックが必要になる。そこに対して破壊不能が強く刺さるというわけだ。 こういったブロック側が抱えるジレンマを強く押し付けられるのも環境的に強いと言えるだろう。 そして忘れてはいけないのがこの《契約人形の恐怖》。 青黒、白青タッチ黒のエスパーカラーにおけるアーティファクトシナジーで重要となる一枚。《ネットワーク呪詛》ほどではないが、これあるなしでは完成度が違ってくる。 レアや強アンコモンなどが取られていく6~8手目辺りでこれが流れてくればアーティファクト関連の席は空いていると見ていいだろう。 エンジン始動絡みでもドレインによって確実に速度上昇に貢献するため、黒を軸にするのであればこれのピックの優先度は上げておきたい。 10種アーキタイプ評価 白青アーティファクト 鍵となるのは《帰還航路》と各種アーティファクトシナジー。 意外と重要なのは2マナでドローする3マナアーティファクトの《霊気吸引機》と5/3/2飛行機体でETB2ドローの《船体漂い》。 というのも、親和やコスト低減などでテンポよくアーティファクトを並べることによって盤面を掌握するわけだが、サイズ自体はそこまで大きくないため膠着しがちなアーキタイプだからだ。 そうすると膠着した時に必要なのは打破するための回答を探し出すドローエンジンおよび強いレア。 そこの役割を担うのが3ドローの《帰還航路》、2ドローかつクロックとなる3/2飛行である《船体漂い》、そして継続的なドロー手段であり最高速度に達するとフィニッシャーへと変貌する《霊気吸引機》の三点。これらが必要となる。 ただし、アーキタイプとしての強度ははっきり言って下の部類と言える。 要求されるアンコモンが多い割にはシナジーに寄っていてカードパワーも低く、ちゃんと組み立てられたとしても速やかにゲームを畳めるほどの速さもない。 膠着するということは《ルクサの体現、サブ=スネン》などのボムを引かれやすくなってしまうという事にも繋がる、などと弱点の多いアーキタイプ。 基本的には《帰還航路》が後の順位で流れてくる、白青の強いレアを引けた時ぐらいしか入らないと思われるが、そうなった場合はこの三点について特に意識しておくとよいだろう。 緑黒リアニメイト 緑の優れたサイズにそれをサポートする黒。Tier1候補。《ブルードハート・エンジン》《軌道修正》でサイクリングしたコモンの《渡りをするケトラドン》をリアニメイトするだけでも強力。 中盤以降になればサイズの大きいクリーチャーを連打するだけでも脅威であるし、相手が除去してきたら先述したリアニメイトでお代わりして圧殺……という非常に太いプランを取れるのが最大の強み。 特に《轟雷のブルードワゴン》は下手なレアよりも強力でありながら、クアドラシンボルによってほぼ緑黒専用となっているため卓の状況によっては流れてきやすいのがポイント。 6/5威迫の攻め筋に加えて到達の守り、そしてETBで4マナ以下のパーマネント破壊の攻防一体な除去。 極めつけにはリアニメイトと相性のいいサイクリングまでついていて隙が一切ない。 リアニメイトもしくは回収手段をピック出来たならば、墓地を肥やしつつ素キャストのための土地を確実に伸ばす手段でもある《道穴のモグラ》は是非欲しい一枚。 同じくリアニメイトがテーマであったダスクモーンの白黒とは異なり、「デカブツが素キャストでも普通にプレイアブルである」「リアニメイト手段も1/1操縦士というオマケがついており強い」「そもそもリアニメイトに頼らずとも強い」などと強い要素が詰まっている。 正直リアニメイト要素がなくとも、緑主軸に黒の《スピン・アウト》といった除去を入れるだけでも普通にサイズに優れるミッドレンジとして強い。まさにTier1と言える強さである。 青赤ディスカード ディスカードシナジーを中核に据えたアーキ。 ただ単体のカードパワーはいずれも低く、シナジー前提。 特にディスカードすることで恒久的に強化される《略奪するアオザメ》《たかり空エイ》はほぼ必須と言ってよい。 次点で明らかにディスカードシナジー以外ではアンプレイアブルなカードの《溶岩族の砲兵》も複数重ねるとシステムクリーチャーとして有効になってくる。 このようにディスカードが前提となっているカードに加え、ディスカードするために各種サイクリングやルーティング手段を集めねばならない。 その中でもカード単体のパワーが高い《雷頭の砲手》は是非確保したい一枚。 その結果引きムラに左右され、先述したシステムクリーチャーを引けなければただ手札を捨てるだけで特にアドバンテージも得られないという弱い動きになってしまう。 もちろんシステムクリーチャーを出せたとしても除去されてしまえば同じ結末になりがち。 しかし、ディスカード前提となるクリーチャーをしっかり集め、その周りをディスカード関連のカードで固められると急に構築のような動きで圧倒することができる。 その力は緑絡みのTier1群を凌ぐほど。 ただこれができるためにはアンコモンを多数要求されるなどハードルも高く、卓内で競合相手が1人でもいると瞬く間に紙束デッキが出来上がる。 ディスカード関連のカードはほぼ他のアーキには入らないことで専用カードとなっているため、遅めの順目に《たかり空エイ》などのキーカード流れてきたら拾っておき、マルチなども複数流れるなどの卓一のサインを見逃さないようにしたい。 緑白乗騎/機体 サイズに優れる緑に白の乗騎シナジーが入った形。 白軸のピックはしたくないため、緑軸から《アラクリアの魂、ラゴリン》や《歴戦の獣騎兵》らマルチや白のレアをピックして自然と緑白になる形が望ましい。 特にマルチのパワーは非常に高く、17landsでも《歴戦の獣騎兵》は勝率61%台を叩き出している。また、これらのマルチはタッチされづらいのも評価点の一つ。 アタックすることでリターンを得られる乗騎を飛行でサポートできる《峡谷の跳躍者》はぜひ欲しい一枚。 乗騎によるコンバットも多く、そう言った意味では+4/+4トランプルの《偉大なる贈り物》であったり、+2/+2を付与する生物である《牙の守護者》などのコンバットトリックをうまく使うことが鍵の一つと言える。 総括すると緑のサイズを押し付ける戦略をさらに後押しするアーキタイプ。とにかく攻勢を緩めないのが大事。 万が一白を主軸としたピックの場合、マルチ頼りになる部分が大きい。 《睡蓮守りの信奉者》や《峡谷の跳躍者》+《煌々野の野生馬》など、白内で完結するシナジーの組み合わせは意識すべし。 サンプルとして2/15に行われたドラキチ合宿で組んで2-1した緑白を。 1-1《危険な罠》、1-2《アラクリアの魂、ラゴリン》、1-3と1-4が《栄光荒野のオオヤマネコ》で白軸にピック。 2-1が《激浪の機械巨人》だが、アーティファクトシナジーをあまり拾えなかったため1マナ格闘である《進路開通》などを拾っていった。 3パック目で《歴戦の獣騎兵》が2枚流れ、果てには《輝晶の機械巨人》まで流れてきたため白に緑白マルチを入れた形。 やっていって分かったことだが、2枚目の《免れぬ激突》より2枚目の《光盾での受け流し》の方がよかった。 あくまでもコンバットをメインとするアーキであり、+2/+2のコンバットトリックを強く使える場面が多いためである。 青黒アーティファクト 緑に次ぐTier2候補。 鍵となるのはやはりアーティファクトシナジーのゴールである《ネットワーク呪詛》。 アーティファクトが3枚あるだけで5点ドレインとライフレースにおいて破格の力を持つ。 また自身含めたアーティファクトが出ると1点ドレインする《契約人形の恐怖》もアーティファクトシナジーを後押しする。 上記の《ネットワーク呪詛》と組み合わせることでコンバットに頼らないダメージ源になり、特に緑に対して有効な飛び道具になる。 そう言った意味ではアーティファクトカウントであり序盤を支える3/3でもある《真夜中の圧搾車》は同じくファクトシナジーである白青と同様に強く使える一枚だろう。 上記の《不気味なガラクタ》《残骸の木人》は他のカラーでも採用されるカードのため、ピックできる時はしておきたい。 黒軸でこういった優秀なカードを集める中で、キーである《ネットワーク呪詛》《契約人形の恐怖》が流れてきたら青黒に参入……という流れが自然だろう。 青白の3点ゲイン3ドロー《帰還航路》や《ガイドライトの道拓き》などタッチ白も検討できるため、白黒/青白土地があったら拾っておきたいところ。 どのカードも強い緑とは異なり、良くも悪くも《ネットワーク呪詛》ありきの色であるが、《契約人形の恐怖》を重ね引きしていればなくても何とかなったりする。 ドラキチ合宿で組んだ青黒で2-1。 レンジが遅い相手にはゴルガリのレアとリアニメイトを入れる想定。 1パック目は1-1《レインジャーズの給油機》1-2に《悪魔の破砕機》、1-3には《ブルードハート・エンジン》。 スゥルタイカラーでピックしていったところ、2パック目で《ネットワーク呪詛》と《運送の魔道士》。《契約人形の恐怖》もピックできたこともあり、そのまま青黒に入った流れ。 負けは2-0で迎えた最終戦で2ターン目《アラクリアの魂、ラゴリン》×2回によって敗北。理不尽。 緑青消尽 緑黒と並ぶTier1のひとつ。 とにかく緑のサイズに加えて青の消尽によるアドバンテージで圧殺していくアーキタイプ。 飛行接死で盤面を睨みつつ、4マナの消尽で+1/+1と土地2枚を増やす《探し求める空蛇》によって多色化しやすい。 その場合は消尽自体もティムール軸であるため、大半は赤絡みのマルチを入れたティムールになることだろう。《竜航技師》はよき相方。 もちろんタッチ先は白・黒でもいい。強いマルチやレアなどを入れよう。 各種消尽クリーチャーを集めつつ、これら消尽をアドバンテージに変えていくシステム機体である《レインジャーズの給油機》《レインジャーズの霊気蜂巣》があるとより盤石な強さとなる。 消尽の1回制限を撤廃する《エルフの補給者》も突き放すために欲しい一枚。 総じて緑のサイズに加えて消尽でさらに大きくなっていき、システム生物によってアドバンテージまで獲得するためアグロが弱い中速環境においてはTier1の強さを誇る。 このように先述してきた通り消尽によって中盤以降の強さは随一であり、序盤を乗り切ってしまえば大きく勝ちに近づくためこういった低マナ域はしっかり確保しておきたい。 白赤機体/乗騎 17landsでは平均勝率55.9%の中ドベの52%と最弱の組み合わせとされている赤白。事実弱いの一言。可能であれば入りたくはない。 変に丸く組もうとしないことが重要。「ミッドレンジ」は意識してはいけない罠の一つ。 白や赤の項でも記載した通り、緑のサイズに対して乗り越える手段が少ないため「アグロ」にとにかく寄らせることが大事。 具体的には1-2マナ域を多めに採用してテンポよくライフを詰めていき、減ったライフを中盤以降に詰め切れるような組み合わせを考えたい。 《無謀なヴェロシタウルス》はプレミアドラフトにおいて勝率50.1%とドベの数字だが、+2/+0とトランプル付与は最後の一押しとして欲しい性能。 特に《流浪者の刃》と《無謀なヴェロシタウルス》は両方ともアンコモンの組み合わせだが、安めの巡目で拾えつつ4/2二段攻撃トランプルと強力なシナジーを持つ。 これも勝率50.3%とかなり低めだが、強さの上限がある程度決まっている卓ドラフトではこういったカードのシナジーも駆使していく必要がある。 しかし、ここまで苦慮したところで緑の優秀な到達やサイズの前に止まってしまうことも多々ある。 ボムレアである《危険な罠》、《竜航技師》、《灯を追う者、チャンドラ》などをピックできていて、かつ流れ的にも赤白をやらざるを得ない場合に備えて引き出しとして覚えておく程度でいいだろう。 赤緑消尽 やや防御的な緑青とは異なり、こちらは攻撃的な消尽。 マルチアンコモンの《ロケッティアの爆走バギー》はクリーチャー化かつ攻撃誘発で宝物形成、《起爆学者》はトランプル付与といずれも攻撃に関わるもの。 《起爆学者》によってマナコストが減った消尽でテンポよくサイズアップし、そのままサイズ差を活かして押し切るというアーキタイプ。 その特徴上、3マナながら+4/+4にトランプルがつく《偉大なる賜物》は見た目以上に強く使える重要なコンバットトリック。 先制攻撃がつく《アクセルべた踏み》も同様で、他のアーキタイプよりもコンバットトリックを強く使えるアーキタイプであることは意識したい。 だが、赤の弱さもあり緑絡みのアーキタイプでは緑黒・緑青と比べると劣るのも事実。ちゃんとマルチアンコモンが回ってくるなどのサインを見て入りたいところ。 白黒エンジン始動 当初は白赤と並んで避けたいカラーの一つとして考えていたが、実際の勝率としては青黒・黒赤に次ぐ真ん中程度。 マルチアンコモンの《不朽の高位僧》を中心としたエンジン始動シナジーで、方向性がいずれもエンジンの最高速度に向かっているのも要因の一つであろうか。 また、白の欠点である緑のサイズの前には止まるという点についても黒の確定除去などでカバーできるという事もありそうだ。 ピック方針としてはやはり白軸ではなく、黒軸のピックをしていく最中でマルチアンコモンが複数流れてくる・赤黒/青黒の流れがないなどの理由で参入するという流れになるだろう。 事実、17landsのトロフィーデッキを見ても黒の優秀なカードが中心であることが大半だった。 毎ターン2/2のゾンビを産み出し続ける《甦りし屍執政》、5/3/3飛行速攻絆魂によってダメージレースを破壊してしまえる《駆け抜ける油吸い》、強力なシステムクリーチャーと化する《不朽の高位僧》がおり最高速度というゴールが明確なのも〇。 その一方でこれらの最高速度というゴールがないと中途半端になりがちなため、意識してピックしたい。 優秀な黒の除去で道を開いていき、エンジンの速度を上げていくことで相手に対して不自由な選択を押し付ける事を意識するといいだろう。 また、エンジンの速度上昇に貢献する《契約人形の恐怖》も強く使える。黒軸であればピックしたい一枚。 黒赤エンジン始動 青黒と並ぶTier2の一つ。 とにかく前のめりに行きたいアーキタイプ。 出た時点で速度上昇が確定するマルチアンコモンの《ガスタルのスリル探し》がとにかく強く、個人的に構築級レベルであると考えている。 赤と黒の豊富な除去で相手のクリーチャーをどかしながら最高速度に達し、そのまま最高速度のバリューを押し付けていくという撹乱アグロのお手本のようなアーキタイプ。 特に緑のサイズに対して破壊不能と接死を付与する《限界突破出力》、確定除去である《スピン・アウト》の存在によって赤に不足していた突破力をカバーできる点も〇。 パワー2以下をブロックされないだけでなく絆魂もつけられるシステム機体である《黙示録の爆走車》もダメージレースに勝ちつつ最高速度を目指す事が出来ることからアーキタイプの方向性と合致している。 本体も6/5とそこそこ大きく、本体で攻めていくプランも取れるのも評価点。 もちろん白黒と同じくエンジン始動がテーマである黒赤にもこの《契約人形の恐怖》が強く使えることも留意したい。 どんどん攻め立てていく以上、2マナで+1/+1のパンプによって安易にブロックさせない《ミュータントの偵察員》もピックする価値が上がると言える。 まとめ と、各色とアーキタイプについて理解を深めたところで、実際の戦略を交えながらまとめてみよう。 ▼色の強さ 緑>黒≒青>赤>白 ▼ピックの方針 主軸は緑か青。 1.ティムール消尽、緑黒リアニメイト2.青黒アーティファクト 時点で黒。 1.黒赤エンジン2.青黒アーティファクト ・白をやらなければならない時は 1.緑白2.白黒3.赤白/白青(ちゃんとマルチ/方向性通りにピックすることを意識) ▼全体の雑感 ・カード単体のパワーは低めなアーキタイプ環境・緑のサイズへの対抗手段は必要・マルチアンコモンがレア級の強さなのでサインを見逃さないようにする・ただしエンジン始動絡みで2マナドロップはかなり重要 ▼主に勉強したこと ・全カード/色の事前評価および把握・全コンバットトリックの暗記・各アーキタイプの評価・各アーキタイプにおける優先順位の把握・ピック方針の策定 知識を詰め込んでいざ実戦 ……と、以上のようにリミテッドに関する知識を詰め込みました。 これが2月14日までの話ですね。ちなみに2月11日がアリーナ・マジックオンライン先行実装日、2月14日が紙の販売日です。 これを毎回やっているプロプレイヤー、プロツアー常連の方々の凄さを身をもって知りました。 2月15日、16日の週末にはBIGsもりしょーさんやはまさんの繋がりでBIGs加茂さんが主催されている「ドラキチ合宿」に泊まり込みで参加しました。 メンバーもアリーナの王である齋藤慎也さん、リミテッド巧者の松本友樹さんを筆頭とした実力者揃い。プロツアーに向けた卓ドラフトの練習の場としては申し分ありません。 その結果としては2-1を7回、1-2を1回、0-3を1回と3-0は勝ち取れなかったものの通算で15-12と勝ち越しはでき、手応えを感じました。 卓ドラフトをしていく中で気づいたのは緑がそこまで強くないこと。 もちろん色単体で見れば緑は最強カラーと言って差し支えませんが、これが共通認識となっている卓だと緑が常に3-4人いるという状態になります。 そうすると混んでいる緑は必然的に弱体化し、非緑で卓一のアーキタイプが生まれやすくなるという状態になります。 事実、卓ドラフト13回中3-0したのは緑が3回、非緑が10回という結果になりました。特に非緑の10回中青が絡んでいるのがなんと8回。 しかし、2-1には緑の姿も多く、この辺りはやはり緑の地力の強さを感じる結果となっています。 卓一緑>卓一非緑>卓2人-4人の緑>卓2人の非緑 構図としてはこうなっているという認識で、プロツアーとなれば緑は間違いなく競合するため卓一の緑はあり得ません。 そうなると実質的に最強である卓一の非緑に座るという事が重要になってきます。 まず基本方針として緑の有力なカードを複数拾えるなど入れそうなら緑。 その上でマルチアンコモンや各種アーキタイプで優先度の高いカードが流れてくるサインを見逃さないことが重要だという結論に辿り着けたのが最大の収穫でした。 ドラキチ合宿後は17landsでの勝率を確認し、プレイアブル/アンプレイアブルのカードを把握しつつ、特に絶妙なラインにいるカード群を覚えていきました。 また環境に存在するコンバットトリックも全て暗記しました。 結果としては一日目1-2、二日目2-1の3-3で勝ち越しとはなりませんでしたが、ドラフトの内容としては上出来だったかなと感じています。 この経験は代え難いもので、今後のMTG人生において大いに役に立つ財産になると確信しています。 『霊気走破』のドラフトはもちろん、リミテッドの奥深さ、そして何より面白さを知る良い機会にもなりました! 次回はプロツアーで使用したエスパーピクシーのお話になります!