【週刊メタゲーム通信】ナドゥとネクロを押さえ、ボロスエネルギーが躍動

【週刊メタゲーム通信】ナドゥとネクロを押さえ、ボロスエネルギーが躍動

こんにちは。

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。

今回は8月からチャンピオンズカップファイナルの店舗予選も始まる、モダンの最新メタゲームをお届け!

    モダンでフェアデッキを使うならこれ!

    ボロスエネルギー

    モダンチャレンジ:優勝 By TentacleFan

    先週のモダンチャレンジで最もトップ8にその名を連ねたのはボロスエネルギー。

    『モダンホライゾン3』エネルギー関連のカードがたっぷり入り、そこに《ナカティルの最下層民、アジャニ》と《火の怒りのタイタン、フレージ》が加わったボロスカラーのアグロデッキです。

    アグロデッキとしてある程度の速度がありながら、ミッドレンジとしても立ち回れる、現代の強いデッキの条件をしっかり満たしたデッキ。

    プロツアー・モダンホライゾン3から人気のデッキでしたが、最近は《敏捷なこそ泥、ラガバン》が抜けて《オセロットの群れ》が入ったリストが主流となりました。

    このデッキは極端に不利なマッチアップがあまり存在しないのが特徴。モダンで最強の名を欲しいままにしているバントナドゥに少し不利なのはネガティブな要素ですが、《過酷な指導者》もサイドボードにたっぷり入っていますし、決して必敗マッチではありません。

    バントナドゥが他のデッキに意識されて勝ち上がってこなければ、ボロスエネルギーの独壇場。

    オークの弓使い》をタッチしたマルドゥタイプのエネルギーもあり、まだまだリストも練り込む価値アリ!

    圧倒的ドロー量で押し潰す黒単ネクロ

    現モダン環境の三強と言えば、ボロスエネルギーの次に名前が上がるのはこの黒単ネクロ。やはり統計でもトップ8に多く入賞しています。

    黒単ネクロ

    モダンチャレンジ:3位 By werhsdnas1414

    現代に蘇った《ネクロポーテンス》こと《ネクロドミナンス》を主軸に据えたこのデッキ。《ネクロドミナンス》でたくさんのカードを引いて、溢れる手札から《魂の撃ち込み》をピッチでたくさん唱えるド派手なデッキ。

    悲嘆》+《マラキールの再誕》のお馴染みコンボで相手の手札を枯らして《ネクロドミナンス》でカードを補充して勝った時には、「このデッキは最強なのでは?」と思うこと間違いなし。

    黒単ネクロには大きく分けて2つのタイプがあります。1つがこの比較的にクリーチャーが多めのリストで、《マルコフ家のソリン》が入っています。

    マルコフ家のソリン》は《魂の撃ち込み》と非常に噛み合う1枚。即座に《マルコフ家のソリン》を変身させてくれるだけでなく、次に《魂の撃ち込み》を撃つと変身した《マルコフ家のソリン》でもう1度ダメージが入るので、実質《魂の撃ち込み》のダメージが2倍になります。

    2つ目は《一つの指輪》を採用したタイプ。こちらは《ネクロドミナンス》への依存度が少し下がりますが、《一つの指輪》というカードがバントナドゥに少し弱いのがネック。除去を常に構えたいマッチで4マナを寝かせるのはリスクが高く、プロテクションもナドゥに対して無力なためです。

    代わりに《一つの指輪》タイプはボロスエネルギーに強いのが魅力。プロテクションが刺さりますし、《ネクロドミナンス》は《天界の粛清》でも触られる一方、《一つの指輪》は《静牢》以外で対処できませんからね。《砕骨の巨人》がボロスに入っているのは《一つの指輪》意識もありますね。

    ボロスエネルギーとバントナドゥ、黒単ネクロはどちらに寄せるかでリストが大きく変わってくるでしょう。

    そして遅れて登場の王者、バントナドゥ

    バントナドゥ

    モダンチャレンジ:優勝 By Magicverse

    さあ、そして三強の最後の一人にして最高のデッキ、バントナドゥ。プロツアーで圧倒的人気アーキタイプになり、そのまま優勝。その後も様々なトーナメントで勝ち続けている、名実ともに最強のデッキです。

    最強ゆえに意識されており、入賞数こそ落ち込んでいますが、それでもしっかり勝っています。

    プロツアーでは《タッサの神託者》不採用型が主流でしたが、マジックオンラインでは無限コンボを省略できないので、《タッサの神託者》が入っています。

    無限コンボは、《有翼の叡智、ナドゥ》《春心のナントゥーコ》《手甲》のセットが揃った後、最終的に《忍耐》と《森を護る者》を揃えるのですが、《忍耐》か《森を護る者》のいずれかが追放されると無限が成立しなくなるので、意外と紙のマジックでも《タッサの神託者》は役に立ちます。

    このリストには《邪悪鳴らし》が採用されていますが、これはプロツアーで初めて出てきたテクニック。有翼の叡智、ナドゥ》《手甲のどちらにもアクセスでき、トークンが手甲のつけ先にもなるので、有翼の叡智、ナドゥコンボが成立しやすくなります。

    しかも墓地を肥やせるので《変容する森林》の昂揚を満たしやすいという、至れり尽くせりのカード。このリストには《変容する森林》が2枚採用されていますね。

    変容する森林》は墓地に落ちた有翼の叡智、ナドゥ》《手甲になります。2枚採用していると特に黒単ネクロに強くなりますね。

    最強のデッキも日々研究が進んでいます。同型が多いと睨むならメインに《荒れ模様のストームドレイク》、エネルギーを意識するなら《陽光浄化者》。今ならメインに《陽光浄化者》かもしれませんね。

    総括

    モダンの三強、ボロスエネルギー・黒単ネクロ・バントナドゥがそのまま入賞数の上位3トップになりました。

    とはいえ、モダンはTier2以降のデッキも強力なのが特徴。ブリーチ型のトロンや無色トロン、そしてストームも虎視眈々と上位の座を狙っています。

    簡単に三強が三強のままでいられないのがモダンの面白いところ。勝ち組だったボロスエネルギーが来週は見る影もない…なんてこともあったりなかったり。

    三強デッキの中でも、何を意識するかでリストが変わってきます。ボロスエネルギーを使いたいなら、同型対策はとりあえず必須でしょう!《陽光浄化者》をたっぷり入れるのをお忘れなく。