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【週刊メタゲーム通信】頂点に立つナドゥを脅かすコンボとコントロール

Modern

2024.08.20

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は大型トーナメントやマジックオンラインの結果から、モダンの最新情報を分析! モダンで吹き荒れる赤い嵐 マジックオンライン上の大会では、近頃ルビーストームの入賞率が急激に上昇しています。 ルビーストーム モダンチャレンジ:5位 By danro さて、まずはルビーストームについて簡単に解説しましょう。ルビーストームは、赤をメインカラーに据えた、最速2ターンキルも可能な超高速のコンボデッキです。《ルビーの大メダル》や《モンスーンの魔道士、ラル》でマナを軽減し、《レンの決意》《無謀なる衝動》でライブラリーを次々と追放していき、《捨て身の儀式》《発熱の儀式》でマナ加速。こうしてライブラリーを掘り進めながらマナを増やしていき、最終的には《願い》から《ぶどう弾》や《タッサの神託者》で勝利します。メインボードに入っているカードは赤のみですが、サイドから《夏の帳》を入れたり、《火の怒りのタイタン、フレージ》を採用したりなど、カラーバリエーションも様々。『モダンホライゾン3』発売当初に大流行したものの、ありとあらゆるカードで意識され続けた結果、プロツアーでは凄まじく低い勝率を叩き出し、その後メタゲームから消えた…と思われていましたが、近頃また活躍し始めています。その大きな要因として、まず1つがエネルギーアグロの躍進にあるでしょう。エネルギー系のデッキはルビーストームを大の苦手としており、サイドボードに少し対策カードは入っているものの、メイン戦はほぼ敗北してしまうため、マッチ単位で見た時の勝率がかなり厳しい。対策を増やせば改善はできますが、エネルギーが見なければならないもう1つの相手にナドゥが存在します。ナドゥに《過酷な指導者》などで枠を割かれており、他にもミラーマッチやトロンなどを考えると、ストームに割けるスロットはそう多くはないのです。そして2つ目は、バントナドゥに対して少し有利である点です。《モンスーンの魔道士、ラル》か《ルビーの大メダル》を2ターン目に出して場に残ればそこそこの確率で3ターンキルできるため、バントナドゥに対してそれなりの勝率を担保できます。バントナドゥに不利ではなく、エネルギーに有利。これがルビーストームの復活した要因と言えるのではないでしょうか。 なお、ルビーストームに関しては僕もかなり回しているので、今週解説記事をアップする予定です! そちらもお楽しみに! モダホラ3で強化されたコントロール 参加者200名を超える大型モダントーナメント、MXPLAでは、バントナドゥがトップ8に4名と圧倒的な勝率でした。 そしてそのトーナメントで惜しくも2位とはなったものの、トップ8に2人を輩出したのが、ジェスカイコントロール。 ジェスカイコントロール MXPLA:2位 By robert seder 『モダンホライゾン3』の恩恵を大きく受けたデッキであり、《電気放出》と《空の怒り》によって、凄まじいコントロール力を見せます。特に《空の怒り》はコントロール待望の1枚。《ウルザの物語》や各種クリーチャーをまとめて、たった2マナで倒せるという破格の全体除去。これまでの他の除去にはなかった《対抗呪文》を構えながらの全体除去を行えてしまうのです。そしてフィニッシャーとして採用されているのは《火の怒りのタイタン、フレージ》。墓地から帰ってきて、クリーチャーに触りながらライフを得て、そのまま相手を殴り倒すその様はまるで《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を見ているよう。というかフレージはほぼウーロなんです。コントロールのウーロは殴ってドローし、その引いた除去で盤面を制圧していきます。フレージはドローする代わりに除去しているので、ほとんどやっていることが変わらないのです。《火の怒りのタイタン、フレージ》の登場でコントロールデッキは《一つの指輪》が更に使いやすくなりました。最早、《一つの指輪》のダメージに怯える必要もなくなったのです。バントナドゥに一矢報いる力があることは、このトーナメントで証明されました。先週は勝ち組となりましたが、今週末は果たして。 最強のデッキは今週も大型大会を制す そして同大会を制したのは、前述の通りバントナドゥ。 バントナドゥ MXPLA:優勝 By Paul Green もうどのリストもほぼ固定になっており、細部の1枚や《邪悪鳴らし》の有無程度しか違いがありません。最強のデッキは、行き着くところまで到達したということでしょう。「明日モダンのトーナメントで勝ちたいならバントナドゥを使うべきか?」そう訊ねられたら、「YES」と答えるしかない。それぐらい支配的な強さです。さて、リストに関するお話です。《邪悪鳴らし》を採用する場合は、昂揚を達成しやすいので《変容する森林》の枚数が2枚になっています。1枚差しにたまに採用されている《造物の学者、ヴェンセール》は、《召喚の調べ》で相手の致命的な呪文やパーマネントを戻す際に使用できるだけでなく、無限コンボを決めた後のフィニッシャーとしても活躍します。(最終的に相手のパーマネントがすべて手札に戻る)サイドボードの《巻き添え》は同型対策として今最も注目されているカード。《裂け目掃き》もたまに採用しているリストがありますね。こちらは《石の脳》などのナドゥを追放された際の対策となっています。今週使用するのであればストームが多そうなので、《ドラニスの判事》と《魂なき看守》に加えて《耳の痛い静寂》や《減衰球》もオススメです!

【今週のピックアップデッキ】セレズニアアーティファクト/5色人間/青単ウルザ

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.08.16

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 セレズニアアーティファクト(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By _Cygnus スタンダードには、様々なカラーのアーティファクト・アグロが存在しています。強力なアタッカーを生み出しつつ、除去された時に発見も行う《生命ある象形》は青いアーティファクトアグロの定番で、シミックアグロやアゾリウスアグロなどが結果を残しています。そして今回、そのアーティファクトアグロにセレズニアが加わりました!白の利点は言わずもがなの、手がかりを生み出す《ひよっこ捜査員》。そして手がかりなどをタップして成長する《内なる空の管理人》に、巨大なサイズの《威厳あるバニコーン》などなど。アーティファクトアグロの定番カラー。一方の緑はというと、地図を生み出せる《名もなき都市の歩哨》に《勇敢な旅人、ケラン》の出来事モード、そして何より1マナ域としては申し分ない《生歯の子ワーム》を使えます。ライフゲインと《名もなき都市の歩哨》によって、セレズニアはアグロ同型においては最も強い形と言えます。白緑は不器用なカラー…というのは過去の話。除去は《失せろ》、回避性能をつける《鋼の熾天使》もいるため、一筋縄では攻略できません。特に《威厳あるバニコーン》と《鋼の熾天使》の組み合わせは強力で、アーティファクトアグロの今の定番の組み合わせとなっています。突然凄まじい打点で殴る。そんな爽快感を味わいたい方にオススメ! 5色人間(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By Econ_Neal マジック界でも有数の強力部族、人間。かつてはモダンのプロツアーを優勝するほどの力を持ち、その多くのカードがパイオニアで使用可能です。パイオニアにおける不安要素はマナベースでしたが、《魂の洞窟》が使用可能になってからは、5色土地が12枚体制になり、いよいよ本格的に人間が暴れられるようになりました。《スレイベンの守護者、サリア》《サリアの副官》《カマキリの乗り手》などお馴染みの人間たちに、白系アグロでは欠かせない《輝かしい聖戦士、エーデリン》と、精鋭が揃っています。そしてなんといっても《銅纏いの先兵》です。人間を強化するだけでなく、護法もつけてしまうすごいロード。これまでは4枚確定だった《サリアの副官》が3枚に減っているのも納得です。また、「キミ人間だったの!?」と思わず叫んでしまいそうになる《群れ率いの人狼》。緑単ではお馴染みのこの人狼も実は人間なので、このデッキに居場所があります。《サリアの副官》や《銅纏いの先兵》があれば《群れ率いの人狼》ともう1体の人間だけで簡単にカードが引けます。更にその人間たちをまとめて呼び出す《集合した中隊》ももちろん入っています。回った時の理不尽さはモダンそのまま!モダンで人間を使っていた方、パイオニアで暴れ回ってみてはいかがでしょうか?   青単ウルザ(モダン) モダンリーグ:5-0 By Heir_of_Elendil15 モダンでウルザと言えば、最早《ウルザの物語》が最初に浮かんでしまうかもしれませんが、かつて《最高工匠卿、ウルザ》もモダンで一世を風靡していました。その《最高工匠卿、ウルザ》が再び輝く時が来ました!《最高工匠卿、ウルザ》はアーティファクトから青マナを出せる強力なカード。そのため、必然的にデッキには大量のアーティファクトが入ることになります。このデッキはとにかく《最高工匠卿、ウルザ》を着地させたいデッキ。そのために大量のマナアーティファクトが入っています。そう、《月罠の試作品》に加えて《モックス・アンバー》が3枚採用されているのです。伝説のクリーチャーをコントロールしていなければマナが出ないこのモックス。これまでは《敏捷なこそ泥、ラガバン》と《湖に潜む者、エムリー》が入っているデッキでギリギリ採用できるというレベルでしたが、『モダンホライゾン3』で《知りたがりの学徒、タミヨウ》を手に入れたことで、青単でも使いやすくなりました。1マナの伝説クリーチャーは《モックス・アンバー》と相性バッチリ。もちろん、《知りたがりの学徒、タミヨウ》は《モックス・アンバー》からただマナを生み出すためだけのカードではありません。《ミシュラのガラクタ》や《一つの指輪》が入っているので変身は容易。しかも攻撃時に生み出す手がかりが《月罠の試作品》や《最高工匠卿、ウルザ》のマナに使用できると、至れり尽くせり!ウルザと言えば《最高工匠卿、ウルザ》!再びそうなる日も近いかもしれません。…まあ、《ウルザの物語》も入っているんですが。