【今週のピックアップデッキ】オルゾフサクリファイス/ボロスイクイップメント/アスモニュメント

【今週のピックアップデッキ】オルゾフサクリファイス/ボロスイクイップメント/アスモニュメント

mtg Yuyan

こんにちは。

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。

 

 

 

 

    オルゾフサクリファイス

    スタンダードチャレンジ : 6位 By Folero

    カードを生け贄にして様々な恩恵を得るデッキ、サクリファイス。

     

    大釜の使い魔》《魔女のかまど》《波乱の悪魔》によって大量のダメージを与えて勝利するラクドスサクリファイスは今もパイオニアで現役のデッキで、スタンダード時代もこのサクリファイスエンジンは大暴れしていました。

    そんなサクリファイスデッキが、今回はオルゾフカラーで登場しました。

     

    まずこのデッキはサクリファイスによって何を起こすのか。それは大量に入っているクリーチャー陣をじっくりと見ればわかります。

     

    復讐に燃えた血術師》《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》は共に自分のコントロールするクリーチャーが死亡した時に相手のライフを失わせるカード。つまり、このデッキはサクリファイスにより相手のライフを削っていくデッキなのです。

    サクリファイス手段として採用されているのは《バルトロメ・デル・プレシディオ》。最近あまりいない、起動にマナがかからないサクり台で、能力も自身に+1/+1カウンターを置くという優秀なもの。サクリファイスデッキには、このマナのいらないサクり手段は必須です。

    そして肝心なのは生け贄に捧げるものたちです。ただカードを生け贄に捧げてもどんどん損をしていってしまうので、供物には工夫が必要です。

     

    永劫の無垢》は生け贄にするカードとして最上級。死亡するとエンチャントとして戻ってくるだけでなく、クリーチャーを自分がプレイすればカードを引けるので、後続を供給し続けてくれます。

    寄生の賢者》と《入れ子ボット》は共に死亡時に1/1のクリーチャーを戦場に残していくクリーチャーたち。前述の《永劫の無垢》とも相性が良いですね。自分のターンに《入れ子ボット》を出してカードを引き、相手のターンで生け贄にしてトークンを出せばまたカードを引けます。

    環境には赤アグロをはじめ、1ターン目からクリーチャーを展開してくるデッキも多々あるため、《かじりつく害獣》は重宝します。ブロックして死亡時に-1/-1すればタフネス2までのクリーチャーを倒せますし、《バルトロメ・デル・プレシディオ》で生け贄にして能動的にクリーチャーにマイナス修正を与えることも可能です。

    うなる大殺犬》は生け贄に捧げた時のボーナスを持っていませんが、パワー2以下のクリーチャーが戦場に出た時に諜報を行い、クリーチャーを墓地に送り込んだり、引き込みたいカードにアクセスしやすくしてくれます。

    墓地にクリーチャーを送る手段として《ベイルマークの大主》も用意されています。こちらは切削と同時に回収も行えるカードですね。

    なぜ墓地にカードを送りたいのか?その答えはスペル欄にあります。このデッキに入っている唯一のクリーチャー以外の呪文が《過去立たせ》です。

    墓地のパワー2以下のクリーチャー・カードをすべて戦場に戻すので、《ベイルマークの大主》以外のクリーチャーがすべて戦場に戻ってきます。そしてそれらのクリーチャーを生け贄にして、相手のライフを失わせて勝利と、コンボチックな動きができるのです!

     

    更に『霊気走破』からの新人にも注目です。その名は《去りし栄光、ザフール》。

    他のクリーチャーを生け贄に捧げることで諜報1が行え、最高速度を持っていると、トークンでないクリーチャーが死亡するたびに2/2のゾンビを生成してくれます。つまり《寄生の賢者》が死亡すると1/1と2/2が出てくるわけですね。そこに《過去立たせ》が絡めば1ターンで20点のライフを奪うことも容易です。

    ここで問題となるのが、最高速度に到達できるのかという点ですが、それも解決しています。速度を上げるにはクリーチャーで攻撃するしかないわけではありません。相手のライフを失わせれば速度が上がります。つまり、《復讐に燃えた血術師》などの能力でも構わないのです。

    かつてスタンダードで活躍していたラリーコンボを思わせる動きのできるオルゾフサクリファイス、好きな方にはたまらないデッキではないでしょうか?

     

    ボロスイクイップメント

    パイオニアリーグ : 5-0 By  CrusherBotBG

    装備品を主軸に据えたデッキと言えば、モダンのハンマータイムがまず頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?

    今回はパイオニアで装備品主体のデッキが生まれました!

     

    まずこのデッキには装備品が合計18枚!恐ろしい数採用されています。いまだかつてここまで装備品を採用したデッキを見たことがありません。

     

    初手にあると戦場に出した状態からゲームを始められる《力線の斧》、モダンでもよく見る《影槍》。この辺りは構築フォーマットでもよく使われるので、お馴染みでしょう。

    モダンで《ウルザの物語》からのサーチ用として採用されることもある《溶岩拍車のブーツ》は、パワー修正の他に速攻と護法も付与できる便利な装備品。キャストと装備コストがどちらも軽いので使いやすいですね。

    スランの魔力鎧》は正直僕も初めて見たレベルのカードです。装備先のクリーチャーについているオーラや装備品の数だけ+1/+1修正を与える装備品なので、1体につければつけるほどサイズが上がっていく、面白い性能です。こちらも護法がつきます。

    装備品でありながら3点除去になるのが《チェーンソー》。クリーチャーが死亡するたびにカウンターが乗っていき、そのカウンター分がパワーに乗るので、どんどんうなりを上げて成長していってくれます。たくさん装備品を採用したいデッキなので、除去を兼ねてくれるのは非常に嬉しいですね。

    そして《刃砦の戦鞭》はクリーチャーについた状態で出てくる装備品。実質3マナのクリーチャーですね。装備先が二段攻撃を持つ他、これ以外の装備コストを1つ下げてくれます。《溶岩拍車のブーツ》が0マナになり、《スランの魔力鎧》も1マナと、この辺りの装備品は非常に使いやすくなりますね。

    そんな装備品たちをサーチするのが《フェイの血筋のケラン》。装備品をサーチするのが主な役割ですが、装備先としても優秀です。自身が二段攻撃を持つだけでなく、ついた装備品の数だけ他のクリーチャーのサイズも上げてくれるので、みんなで強くなれます。

    装備品はアーティファクトなので、実は相性が良いのが《継ぎ接ぎ自動機械》。装備品を唱えるだけで成長してくれて、護法2を持っているのでなかなか除去されません。装備先が除去されてしまうのがこの手のデッキの一番の負け筋ですからね。《スランの魔力鎧》や《溶岩拍車のブーツ》で護法が重なれば実質呪禁です。

    そろそろこのデッキの主役をご紹介しましょうか。それはもちろん《熱烈な勇者》!赤単で活躍したカードですが、実は《熱烈な勇者》に装備品をつける際、そのコストが3下がるのです。

    力線の斧》も《スランの魔力鎧》も《影槍》も《チェーンソー》も全部つけ放題なのです!まさにこのデッキのためのカード!というか《熱烈な勇者》がいなかったらこのデッキを組もうと思わなかったかもしれませんね。

     

    1体のクリーチャーに装備品をつけまくる!そんなロマン溢れる戦いができるのがこのボロスイクイップメントの魅力。一撃必殺を決めてみませんか?

     

    アスモニュメント

    モダンリーグ : 5-0 By DB_InspiringTimmy

    カードを捨てるたびに様々な効果をもたらす《忍耐の記念碑》。カードを引いたり宝物を出したり3点ルーズさせたりとどの能力も強く、発売前から期待されているカードです。

    この手のカードを使う上で重要なのは、《忍耐の記念碑》を出したターンの隙をどう埋めるかです。3マナで何も盤面に影響を与えないカードを出してターンをパスするのは、スタンダードすら危険な行為です。

     

    それは、3ターンキルが横行するモダンにおいてはタブーと言って良いでしょう。だからこそ、このカードの使い方は非常に難しい。

     

    今回ご紹介するデッキは、そんな《忍耐の記念碑》を実にうまく使ったデッキです。

     

    アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》をご存じでしょうか?カードを捨てたターンにのみ唱えることができ、戦場に出た時に《地獄料理書》をサーチしてきます。

    その《地獄料理書》は、手札を捨てることで食物を生成します。この食物を2つ生け贄に捧げると、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》がクリーチャーを除去してくれるようになります。

    地獄料理書》はタップするだけでカードを捨てられるので、《忍耐の記念碑》と相性が良いですね。

     

    この《地獄料理書》とセットで採用されるのが《楕円競走の無謀者》。アーティファクトが戦場に出るたびに墓地から手札に戻ってくるこのカードは、《地獄料理書》のコストで手札から捨てると、食物生成にトリガーして手札に帰ってきてくれるので、無から料理を作れるのです。

    ここに《忍耐の記念碑》が加わると、手札から《楕円競走の無謀者》を捨てて食物を作りながら1ドローしたりと、凄まじいアドバンテージを生み出します。

     

    信仰無き物あさり》は2枚のカードを捨てられるので《忍耐の記念碑》を2回誘発させてくれたり、《太陽の執事長、インティ》も手札を捨てながらリソースを稼げるので、マナが不自由な時は《忍耐の記念碑》で宝物を作って《太陽の執事長、インティ》で追放したカードをプレイ、なんてことも。

    更に『霊気走破』で登場した《略奪するアオザメ》も、手札を大量に捨てるこのデッキにはぴったり。1ターン目に出して2ターン目には3/3以上となり、あっという間に手をつけられないサイズに成長します。

    これまで《地獄料理書》《楕円競走の無謀者》のコンボは、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》が生き残って食物を投げ続けたり、《太陽の執事長、インティ》を複数回誘発させたり、《ウルザの物語》のトークンのサイズを上げたりなど、活躍の機会自体はあったものの、物足りなさがあったのは否めませんでした。

    そこに新たに加わった《忍耐の記念碑》と《略奪するアオザメ》は、どちらも単体でゲームプランとして成立するレベルに強力で、間違いなくこのデッキは『霊気走破』で大幅にアップデートされました。

    従来のアスモデッキに比べてかなりデッキが速く、粘り強くなりました。《忍耐の記念碑》を使ってみたいならまずこのデッキです!

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