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【今週のピックアップデッキ】ディミーアコントロール/エスパーレジェンズ/純鋼ストーム

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.03.14

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ ディミーアコントロール エスパーレジェンズ 純鋼ストーム   ディミーアコントロール スタンダードチャレンジ : 7位 By TheSandwichKing MTGアリーナ用インポートデータ 現在のスタンダード環境は、エスパーピクシーに各種赤アグロとアグロ全盛期。 とはいっても、ミッドレンジとしてはズアーやゴルガリ、コンボならアゾリウス全知と、どのアーキタイプもメタ上位に存在しています。 一方コントロールデッキはというと、一時は死んでいるとまで思われていたのですが、プロツアー『霊気走破』で活躍し、今ではメタの一角にまで上り詰めました。   それがアゾリウスコントロール。リソース源として《食糧補充》を採用し、打ち消しを少し入れ、除去は《審判の日》、フィニッシャーには《完成化した精神、ジェイス》と、古典的なドロー・全体除去・フィニッシャーのアゾリウスコントロールです。 ここまで読んでお気づきになった方もいるのではないでしょうか?   実はこの青で打ち消してドローして、白で全体除去を打ち、フィニッシャーを叩きつける。この動きは青白だけでなく、青黒でもできてしまうのです!   というか、除去に関しては白より黒の方が良質です。白の2マナの除去は《全損事故》と、タップ状態のクリーチャーにしか使用できませんが、黒ならば問答無用で破壊する《喉首狙い》に《悪夢滅ぼし、魁渡》にも触れる《シェオルドレッドの勅令》、更に1マナの《切り崩し》とよりどりみどり。 《全損事故》はやはりタップ状態のクリーチャーにしか打てないのはかなりのデメリットです。構えていることが見え見えなので、相手はケアして攻撃しないことが容易ですし、《逸失への恐怖》などのシステムクリーチャーにも触りづらい。《喉首狙い》なら先手2ターン目に構えて、相手が出してきた2マナクリーチャーを破壊し、自分のターンで安全に《食糧補充》を打てますからね。 《審判の日》こそ青黒にはありませんが、その代わりに《死人に口無し》を採用できるのはむしろ良いことかもしれません。ただの全体除去である《審判の日》と違い、《死人に口無し》は証拠収集で墓地のカードをライブラリーからすべて抜けるので、アゾリウス全知から《全知》をすべて抜くなど、本来全体除去が効かないマッチでも機能する、素晴らしい全体除去なのです。 打ち消しは少し青白には劣ります。何せ青白には《喝破》がありますからね。コントロールフリークが十年以上も再録を待っている《マナ漏出》の上位互換を青白に与えるなんてずるいですよね。 とはいえないものは仕方ないので、《否認》《三歩先》でなんとか打ち消し枠を埋めています。   《強迫》は青黒だけの強み。事前に《豆の木をのぼれ》を抜いてしまえば実質打ち消しのようなものですし、赤アグロに対しても《巨怪の怒り》などを抜きつつ、手札を見ることでプレイがしやすくなるので、使いやすいカードです。 そしてなんといっても《油浸の機械巨人》!このカードはディミーアコントロールを語る上で欠かせません。 コントロールが求めるサイズの大きな絆魂。エスパーピクシーの《逃げ場なし》に耐えつつ、《この町は狭すぎる》で戻されても、出し直して手札破壊として使用できるので、特に青黒バウンス系のデッキに強いカードです。 もちろん、赤アグロに対しても強力です。手札を見て1枚を抜けるので、《巨怪の怒り》などがないかをチェックしつつ、《魔女跡追いの激情》を抜いて安心してブロッカーとして立たせられます。   青白の《激浪の機械巨人》はコントロールに採用しづらい能力ですが、《油浸の機械巨人》はぴったり。4枚目も検討したくなりますね。   《油浸の機械巨人》が入ったとはいえ、フィニッシャーが《完成化した精神、ジェイス》である点は変わりません。青白も青黒もフィニッシャーが《完成化した精神、ジェイス》になったのは、決してズアーを意識した結果ではありません。 現在のスタンダードにはコントロールで採用できる絶対的なフィニッシャーがいないため、《完成化した精神、ジェイス》を大量に採用しているのです。   絶対的なフィニッシャーとは、生き残るだけでゲームに自動的に勝ったり、速やかにゲームを終わらせられる性能を持つ重いカードです。たとえば《ドミナリアの英雄、テフェリー》は、出してカードを引いているだけでゲームに勝利しますし、《船砕きの怪物》は呪文がすべて通らなくなり、ブロッカーはバウンスされ、7/8がすぐにライフを削り切ります。他には《夢さらい》などでしょうか。 今のスタンダードには、このレベルの強さのフィニッシャーはいません。そこで2枚引けば大体の状況でゲームに勝てて、相手の除去も受けることのない《完成化した精神、ジェイス》が採用されることとなったのです。   エスパーピクシーや赤アグロ相手にもコントロール側は《完成化した精神、ジェイス》をフィニッシャーとします。適当に重いフィニッシャーを出して4回殴るより、《完成化した精神、ジェイス》を複数枚出して相手のライブラリーを削りきる方が簡単なのです。   コントロールデッキを調整する時、まず減らしがちなのが《完成化した精神、ジェイス》だと思いますが、少なくともメインでは4枚の《完成化した精神、ジェイス》を使った方が良いと思います! アゾリウスコントロールに続いてディミーアコントロールも登場し、いよいよスタンダードのコントロールにもバリエーションが生まれました。   環境が成熟していくほど強くなるコントロール、ここからの成長に期待です。     エスパーレジェンズ パイオニアリーグ : 5-0 By  Heilagur MTGアリーナ用インポートデータ 長きにわたってスタンダードで活躍し続けた《策謀の予見者、ラフィーン》。パイオニアでその力を見せつける時がついにやってきました。 エスパーパルへリオンなど、ディスカード手段として採用されることはあったものの、《策謀の予見者、ラフィーン》がメインになるデッキはこれまでパイオニアには存在しませんでしたが、このデッキはエスパーレジェンズ!主役はもちろん《策謀の予見者、ラフィーン》です。   さて、このデッキはレジェンズの名の通り、エスパーカラーの伝説のクリーチャーで構成されています。   1マナ域は良質なサイズの《アクロスの英雄、キテオン》と、クリーチャーを守る《離反ダニ、スクレルヴ》。どちらも定番の強力な伝説たち。 2マナ域の2種はどちらも青黒で、少し珍しいカードが並んでいます。   スタンダードでも使用可能な《闇の中の研究者、ナシ》はリソースを獲得するクリーチャー。こちらは攻撃が通った際に伝説のカードやエンチャントを切削した中から加えられます。このデッキには伝説のパーマネントとエンチャントがたっぷり入っているので、攻撃が通るだけで一気に2~3枚のカードを得られることも。 《顔を繕う者、ラザーヴ》は攻撃するたびに墓地を追放して手がかりを生み出す、こちらもリソースが取れるクリーチャーです。更に手がかりを生け贄に捧げることで、《顔を繕う者、ラザーヴ》を追放したクリーチャー・カードのコピーにできるので、墓地に落ちた《策謀の予見者、ラフィーン》などになることができます。 ただ、それだけでは《顔を繕う者、ラザーヴ》の力は半分しか引き出せていません。《老いざるメドマイ》によってその真価を発揮します。 《老いざるメドマイ》は初めて見た方も多いかもしれません。プレイヤーに戦闘ダメージを与えると追加ターンを獲得し、追加ターン中には攻撃できないこのカード。6マナと通常プレイは重いこの伝説のスフィンクスが、《顔を繕う者、ラザーヴ》と組み合わさってコンボになります。   《顔を繕う者、ラザーヴ》で《老いざるメドマイ》を追放し、手がかりを生成してそれを生け贄にして《顔を繕う者、ラザーヴ》が《老いざるメドマイ》になると追加ターンを得ます。   そして追加ターン中は《顔を繕う者、ラザーヴ》は当然攻撃可能となり、再び墓地を追放して手がかりを出し、それを生け贄にして再び《老いざるメドマイ》になり、また追加ターンを獲得。つまり、墓地にカードがある限り、追加ターンがずっと続くことになります。 さて、そもそもエスパーレジェンズで組む意義はなんでしょうか?スタンダードでは3色をすべてアンタップインで出すために《英雄の公有地》を採用する必要があり、そのためにレジェンズでした。しかしパイオニアでは《闇滑りの岸》などのファストランドと《神無き祭殿》をはじめとしたショックランドが使えるため、《英雄の公有地》頼りではありません。 ならばなぜレジェンズにこだわるのか?それは《モックス・アンバー》です。掟破りの0マナファクトによる爆発的な展開が可能になるのが、エスパーレジェンズ最大の魅力!《アクロスの英雄、キテオン》から2ターン目に《策謀の予見者、ラフィーン》なんてことも容易にできてしまうのです。 《戦闘研究》も忘れてはいけません。普通に使うだけで《好奇心》ですが、エンチャント先が伝説なら+1/+1に護法(1)と超破格! 加えて呪禁付与の《破片魔道士の救出》に対赤アグロの最終兵器《幽霊による庇護》と、クリーチャーを守ることに徹底しているのがこのエスパーレジェンズ。《離反ダニ、スクレルヴ》も合わせると《策謀の予見者、ラフィーン》を倒すのは至難の業でしょう。 《策謀の予見者、ラフィーン》を再び輝かせたい方はこのデッキに決まり!     純鋼ストーム モダンリーグ : 5-0 By SoggyCheerios ストーム。コンボの代名詞とも言えるこのアーキタイプは、かつてのスタンダードにも存在し、レガシーやモダンでは黎明期からずっとメタゲームを脅かしています。 現在ストームと呼ばれて真っ先に思い浮かぶのはルビーストームですが、一昔前に一世風靡したストームデッキがモダンにはありました。   それが純鋼ストームです。   今でこそ《死の国からの脱出》《研磨基地》で実現可能な脱出基地がいるため、珍しくなくなってしまった2ターンキルですが、当時は「2ターンキルできるすごいデッキが出てきた!」と世のコンボ好きは純鋼ストームに注目していました。   その後、長い間すっかり名前を見なくなってしまった純鋼ストームでしたが、最大の相棒……というよりコンボパーツである《オパールのモックス》が解禁されたことで、モダンについに帰ってきました。 デッキ名を冠する《純鋼の聖騎士》が当然キーカード。装備品が戦場に出るたびに1ドローするハンマータイムでもお馴染みのクリーチャー。あちらでは《巨像の鎚》を0マナで装備するのがメインの仕事でしたが、純鋼ストームではドローの方が重要となってきます。 このデッキのアーティファクトを見てください。名前も能力も知らない装備品たちがあります。これらの能力は一旦無視して、マナコストだけを見ましょう。   0マナです。《純鋼の聖騎士》がいればタダで1ドローできるのです。こうして0マナ装備品を大量に出してドローしていき、《撤収》《ハーキルの召還術》で手札に戻し、再び出し直す。こうして大量にカードを引いていき、最終的に《ぶどう弾》で相手のライフを一撃で削りきる。これが純鋼ストームの基本の動きです。 《オパールのモックス》解禁前は《撤収》を打つためのマナを捻出するのがとにかく大変でした。《極楽のマントル》を《純鋼の聖騎士》に0マナで装備してマナを出しても1マナしか増えないので、《羽ばたき飛行機械》と合わせて採用する必要があり、不純物が大量に入ってしまっていました。マナの問題を《オパールのモックス》が解決してくれたので、2ターンキルがかなり現実的に可能なラインになっています。 《河童の砲手》の採用は目から鱗でした。0マナのアーティファクトを並べれば《河童の砲手》の着地は用意ですし、《河童の砲手》を出してから0マナ連打で一瞬でゲームも終わります。 《撤収》《ハーキルの召還術》では《河童の砲手》も手札に戻ってしまいますが、《河童の砲手》を唱える→スタックで《撤収》《ハーキルの召還術》で0マナアーティファクトを戻せば、即席で使用した0マナ装備品を回収しつつ、《河童の砲手》を戦場に送り出せます。 以前までの純鋼ストームは一度コンボをスタートさせた後は、《ぶどう弾》で相手のライフを削りきるまでコンボが途切れないのを祈るしかありませんでした。《撤収》《ハーキルの召還術》で装備品を出し直すループは、カードは引けますがマナは増えないので、最終的に《ぶどう弾》とそれを打つマナ(追加の《オパールのモックス》など)をしっかり引き込む必要があり、止まるリスクもそこそこあったのです。 しかし、《河童の砲手》によってその憂いはなくなりました。コンボが止まってしまいそうでも《河童の砲手》さえ途中で出しておけば、コンボが途切れた時には致死量に近いサイズの《河童の砲手》が戦場にいるはずです。《溶岩拍車のブーツ》で速攻をつけて攻撃することもでき、勝利に必要な条件がかなり緩くなったのです。 これまで0マナの装備品たちを活かす手段がなかった純鋼ストームにとって、《河童の砲手》は最高の相棒です。   2ターンキルするデッキが更に環境に増え、モダンはますます恐ろしくなっていきますね。

【今週のピックアップデッキ】ゴルガリ陰湿な根/エスパー人間/アブザンケトラモーズ

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.03.05

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ ゴルガリ陰湿な根 エスパー人間 アブザンケトラモーズ   ゴルガリ陰湿な根 スタンダードリーグ : 5-0 By Depian MTGアリーナ用インポートデータ 『カルロフ邸殺人事件』で登場した《陰湿な根》。 墓地からクリーチャー・カードが離れるたびに植物を生成し、その後植物すべてが強化され、更にクリーチャー・トークンからマナが出せるようになると、様々な能力が付いたエンチャント。   この《陰湿な根》を主軸に据えたデッキはパイオニアでも活躍実績があり、スタンダードでもたびたびチャレンジャーは現れるものの、まださほど活躍は見せていません。   ですが、『霊気走破』で登場したとある1枚のカードが、《陰湿な根》に革命をもたらし、ついにデッキが完成しようとしています。   それが《脱皮の世話人》。カードを切削する能力はもちろん、墓地のカードを追放することでマナを出せるので、クリーチャー・カードを追放して植物を出しつつマナが出せるようになりました。墓地を肥やしつつ、《陰湿な根》も誘発させ、更に自身がクリーチャーと、《陰湿な根》と非常に噛み合った1枚です。 このデッキは墓地を必要とするため、他にも墓地肥やしが多数採用されています。   モダンでもお馴染みの《ベイルマークの大主》はクリーチャーを回収できる優れもの。切削してその中からクリーチャー・カードを回収できるので、《陰湿な根》もしっかり誘発してくれます。《陰湿な根》こそ拾えませんが、後述の《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》も拾えるので、強力な切削カード。 《蓄え放題》は《陰湿な根》を回収できる便利な切削カード。自身がクリーチャーでないため、墓地に落ちた後は役割を持ちませんが、それでもデッキのキーカードである《陰湿な根》にアクセスできれば十分です。 切削はオマケですが、《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》も一応切削を持つカードです。マナ総量が2以下のクリーチャーを吊り上げられるので、デッキ内の多くのクリーチャーをリアニメイトできるのですが、このカードは常在型能力が《陰湿な根》と噛み合うカードで、むしろそっちが目的で採用されていると言っても過言ではありません。 速攻を持つかのように起動型能力を起動できるようになるので、《陰湿な根》から出たトークンから即マナが出せるようになり、1ターンで《陰湿な根》を何回も誘発させられるようになるのです。   《陰湿な根》はトークンが増えた後に各植物を強化するため、5回誘発すれば5/6, 4/5, 3/4, 2/3, 1/2のトークンが場に並ぶことになります。《陰湿な根》をただ誘発させ続けるだけでも勝ててしまうのです。《陰湿な根》、すごいカード! 切削だけがライブラリーを削る手段ではありません。そう、諜報です。必要なカードをライブラリーに置けるので切削の超上位互換とも言えるこの能力をたった1マナで持つ《瓦礫帯の異端者》は、いぶし銀の存在。墓地から追放してクリーチャーを強化すると《陰湿な根》も誘発するので、引いて美味しい、落ちて美味しい1枚。いぶし銀どころではないかもしれません。 そして《うなる大殺犬》はパワーが2以下のクリーチャーが戦場に出るたびに諜報を行います。デッキ内の多くのカードがパワー2以下なのに加え、《陰湿な根》から出る植物でも諜報できるのです。《うなる大殺犬》を用いたコンボもあります。 そのコンボを説明するために先に紹介しておかなければならないのが《骨術師の達人》。このターン、墓地のクリーチャー・カードを給餌コストを追加で支払って唱えることができるようになります。 給餌は、墓地から3枚のカードを追放するか食物を生け贄に捧げることを指すのですが、このデッキではもちろん墓地を3枚追放して使用します。そう、この給餌でも《陰湿な根》が誘発するのです。 この《骨術師の達人》《うなる大殺犬》《陰湿な根》《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー》が揃うとゲームに勝てます。   まず《骨術師の達人》の能力を起動。給餌でカードを3枚追放して墓地のクリーチャーを唱え、《陰湿な根》からトークンが出ます。そしてトークンが出たので《うなる大殺犬》の諜報が解決。その後、墓地からクリーチャーが帰ってくる際に、もう1度《陰湿な根》が誘発するので、《うなる大殺犬》で再び諜報。 その後、クリーチャーが戦場に出るので、それがパワー2以下ならまた諜報が発生します。このすべての諜報でカードを墓地に送っていれば、それがそっくりそのまま給餌コストになるので、再び別のクリーチャーを唱えられます。マナは先ほど《陰湿な根》でトークンが2体出たのでそこからまかなえます。 《瓦礫帯の異端者》を墓地から唱えれば更に諜報2のオマケがついてきますし、《脱皮の世話人》でも切削が可能なので、繰り返していくことで、プラスマイナス0ではなく、墓地が増えていきます。   諜報で2枚目の《うなる大殺犬》が落ちれば、そこからは各諜報量が倍になるので、ライブラリーをすべて掘ることができるでしょう。最終的には墓地に落ちた《ヴォルダーレンの興奮探し》で相手の致死量のパワーを持つ植物トークンを投げてゲームエンドというわけです。 もちろんクリーチャーがまったく落ちずに《陰湿な根》の誘発ができなくなり、コンボが止まってしまうことはあります。そのため揃った瞬間に確実に勝利できるというわけではありませんが、仮に止まったとしても全体除去以外では対処できない場になります。   緑黒で墓地も場も使ってガチャガチャやりたい……そんな方には超オススメ!     エスパー人間 パイオニアリーグ : 5-0 By  Catervus MTGアリーナ用インポートデータ 一昔前から強化され続けている種族と言えば人間。   人間が作っているカードゲームだからなのか、単にどのエキスパンションにも出しやすいからなのかは定かではありませんが、人間はやたら強化されています。かつてモダン5色人間が暴れ回っていたほどですからね。 そんな人間がパイオニアでも登場しました。もちろん白単アグロを人間と呼んでいるわけではありません。エスパーカラーの人間デッキです。   デッキ自体は言うまでもなくビートダウンデッキ。人間クリーチャーの1マナ域には高スタッツかつ優秀な能力を持つ人間が集まっています。   《徴兵士官》は1マナ2/1な上にマナフラッドした際にはクリーチャーを供給する《サバンナ・ライオン》が裸足で逃げるレベルのハイスペッククリーチャー。《有望な信徒》と一緒に白単人間でも活躍していますね。 《アクロスの英雄、キテオン》も1マナ2/1で、こちらはプレインズウォーカーに変身できますが、伝説なので1枚のみの採用となっています。 あまり見ないのは《古参の生存者》でしょうか。こちらも当然1マナ2/1でメリット付き。《サバンナ・ライオン》だけでなく、昔《サバンナ・ライオン》をお年玉で買った経験のある僕も泣いています。 生存していると墓地を追放できるオマケ付きで、このデッキでは《古参の生存者》を強化して生き残らせることが可能なので、墓地対策にしっかりなってくれます。面白いチョイスですね。   1マナ域はすべて白でしたが、2マナが急にカラフルになります。   まずは《不屈の将軍、ジリーナ》。戦場に出た時に墓地を追放しつつ、自身を生け贄に自分の全人間に呪禁と破壊不能を付ける能力を持ちます。墓地対策と全体除去対策を兼ねる良将軍。 そして一見するとなぜ入っているか理解できない《潜入者、悟》!もちろんこのカードも人間。なのですが、ドローするためにはクリーチャーを唱えずに戦場から出す必要があります。なぜ入っているのかはクリーチャーを見ていても答えは出ません。 スペル欄を見ましょう。そう、《英雄たちの送り火》です!このカードを使って《潜入者、悟》を誘発させることができるのです。 クリーチャーを生け贄に捧げることで、そのクリーチャーよりマナ総量が1多く、共通のクリーチャータイプを持つクリーチャーをデッキから出す。要するに《出産の殻》ですね。1マナの人間を生け贄に2マナの人間をサーチして場に出せるのです。 《英雄たちの送り火》から出たクリーチャーは当然唱えたわけではないので1ドローでき、《潜入者、悟》との相性抜群です。   特に《サリアの副官》はクリーチャーを強化しつつ、自身を《英雄たちの送り火》で生け贄に3マナ域の人間を呼び出せるので、サーチ先筆頭となることでしょう。 《英雄たちの送り火》によって場に出る3マナ域、《輝かしい聖戦士、エーデリン》は白単人間でも活躍する超強力な人間。生成したトークンも人間なので《英雄たちの送り火》で1マナの人間に代わります。 《救出専門家》は《英雄たちの送り火》との相性が抜群。生け贄に捧げたばかりのクリーチャーをそのまま場に戻すので、《サリアの副官》ならカウンターが更に乗り、《魅力的な王子》なら《救出専門家》をブリンクし、更に他のクリーチャーを墓地から復活させます。 そしてマナカーブの頂点となる4には《刃の歴史家》も控えています。《英雄たちの送り火》がひとたび動き出せば、盤面にクリーチャーを並べ、強化し、時にはカードを引き、最終的には二段攻撃と、1枚で完結してしまいます。 人間は干渉手段に乏しいのが弱点ですが、《英雄たちの送り火》から《反射魔道士》《帆凧の窃盗犯》をサーチでき、非常に器用なデッキとなっています。 ただの人間には興味がない。そんなあなたにはエスパー人間が良いでしょう!     アブザンケトラモーズ モダンリーグ : 5-0 By Gavin5499 『霊気走破』のトップレア《新たな夜明け、ケトラモーズ》! 既にモダンではオルゾフブリンクに組み込まれ、《溌剌の牧羊犬、フィリア》や《ちらつき鬼火》で気軽にカードをもたらしてくれますが、今回はそんな《新たな夜明け、ケトラモーズ》を更にフィーチャーしたデッキ、アブザンケトラモーズを紹介します。 どのぐらいこのデッキが《新たな夜明け、ケトラモーズ》に命を懸けているかというと、《テーロスへの侵攻》を採用しているほどです。 このカードを初めて見たという方も多いでしょう。戦場に出た時にライブラリーからオーラや紙や亜神をサーチできるバトルです。そう、当然ながら主なサーチ先は神、すなわち《新たな夜明け、ケトラモーズ》になります。 ここで《新たな夜明け、ケトラモーズ》の能力についておさらいしましょう。あなたのターンに戦場や墓地から1枚以上のカードが追放されるたびに1ドローできる能力です。   最も相性が良いとされているのが《大祖始の遺産》です。オルゾフブリンクにも採用されるようになりましたが、まず上の能力で自分の墓地を1枚追放して1ドロー、その後《大祖始の遺産》の下の能力を使うと、《大祖始の遺産》が自身の能力で追放されて1ドロー、その後墓地が追放されるので1ドロー、最後に《大祖始の遺産》の効果で1ドローと、《大祖始の遺産》1枚で4枚のカードが引けるのです。 しかも墓地対策を兼ねるため、《火の怒りのタイタン、フレージ》も安心。 また相手のクリーチャーを追放するカードとの相性も良好です。《孤独》は当然として、更にその上から《薄氷の上》《骨化》と大量の追放カードが採用されています。 面白いのが《輝晶の機械巨人》の採用です。マナ総量が1以下のアーティファクト・エンチャント・クリーチャーをサーチできるこの機械巨人は、《大祖始の遺産》《薄氷の上》にアクセスできるので、《新たな夜明け、ケトラモーズ》で大量ドローする準備をしてくれます。 《新たな夜明け、ケトラモーズ》が墓地落ちた場合は《死者の神のお告げ》を持ってくるなど、器用なカードです。 そしてここまでカードを見ていて「戦場に出た時に~」と書かれたものがやたら多いことに気が付いたのではないでしょうか?   そんなカードを更に強化するのが《機械の母、エリシュ・ノーン》。 こちらの戦場に出た時の誘発を倍にしつつ、相手の誘発を止めてしまうので、特に同じ《新たな夜明け、ケトラモーズ》を使うオルゾフブリンクに強く、これ1枚でゲームに勝てるほどです。 もちろん誘発が倍になるだけでも脅威で、《孤独》をはじめとした各種除去が複数回誘発し、個々で《新たな夜明け、ケトラモーズ》で更に引けるので、《機械の母、エリシュ・ノーン》が生き残ればゲームセットでしょう。 《新たな夜明け、ケトラモーズ》でもっと気持ちよくなりたいならこのデッキ!!

【今週のピックアップデッキ】イゼットアーティファクト/エスパー記念碑パルへリオン/シミック眼魔

週刊 Modern news Pioneer Standard

2025.02.28

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ イゼットアーティファクト エスパー記念碑パルへリオン シミック眼魔 イゼットアーティファクト プロツアー『霊気走破』 : 7-3 By Rémi Roudier 『霊気走破』で登場したアーティファクト版《出産の殻》こと《再利用隔室》。 このカードによってスタンダードで再注目されたカードと言えば《身代わり合成機》。マナ総量3以上のアーティファクトが戦場に出るたびに、アーティファクトの数分のパワータフネスのトークンを生成するという強力な能力を持っていますが、戦場に出た時に何もしないカードを出すことを3マナで出すことはスタンダードでは許されず、これまではほとんど使われませんでした。 パイオニアやモダンでは0~1マナでマナ総量が3以上のアーティファクトを出すことが可能だったため、《身代わり合成機》を出したターンの隙を埋めることが可能で、それゆえに下環境向けのカードだったのです。   しかし、《再利用隔室》の登場で《身代わり合成機》はスタンダードでも日の目を見ることになりました。《身代わり合成機》を置いたターンに《再利用隔室》を起動し、2マナのカードを生け贄にして3マナのアーティファクトに変えれば、《身代わり合成機》のターンを隙なく終えられるのです。 2マナのカードを《身代わり合成機》にもできるため、実質8枚体制で臨むことができるのも大きく、《再利用隔室》と《身代わり合成機》の組み合わせはスタンダードで息の長い活躍をしてくれそうです。   さて、このプロツアー『霊気走破』のスタンダードラウンドを7勝3敗で終えたイゼットアーティファクトは《身代わり合成機》の相方として赤を選んでいます。   赤と言えば《塔の点火》。アグロの多い今の環境では欠かせない除去です。アーティファクトが大量に出るので協約の達成が容易なのも魅力ですね。 《軍団の成形機械》と《チェーンソー》は共に2マナで戦場に出た時にダメージを与えるアーティファクト。どちらも《再利用隔室》で《身代わり合成機》になる除去です。 3マナのアーティファクトは次のターンに除去にもなります。《爆弾車》は《再利用隔室》から出すと非常にお得なアーティファクト。戦場に出た時に4マナが出るので、3点以上はまず飛ぶでしょう。 《記録の守護者》は《再利用隔室》から出すカードというよりは、むしろ手札から連打するもの。1マナで出して《身代わり合成機》が誘発してくれるので、あっという間に戦場が有利になるでしょう。1マナで出せるマナ総量が5のクリーチャーなので、《再利用隔室》によって《光輝の睡蓮》を場に出せます。 《身代わり合成機》を使うデッキとしては《不気味なガラクタ》《税血の刃》を採用したディミーアや、《帰還航路》を使うアゾリウスなどがありますが、やはり《塔の点火》を採用できるイゼットが一番対アグロ耐性があります。 赤アグロのポジションがまた一段と良くなった現環境、イゼットアーティファクトは今がチャンスかもしれませんね!     エスパー記念碑パルへリオン パイオニアチャレンジ : 3位 By  Kaberb 墓地から機体を吊り上げる《大牙勢団の総長、脂牙》で《パルヘリオンⅡ》を3ターン目に出して攻撃する白黒ベースのデッキ。 かつては《忌まわしい回収》などを採用したアブザン、最近では《税血の収穫者》《逸失への恐怖》《鏡割りの寓話》でミッドレンジプランも取れるマルドゥと様々なカラーのパルへリオンデッキが活躍していますが、今回紹介するのはエスパーカラー。 青が入ることで加わるのはドロースペル。引いて捨てることが得意な青の力は大きく、《信仰の繕い》《染みついた耽溺》はいずれも2ドローして《パルヘリオンⅡ》をディスカードできる優秀なドロー。赤いドローは捨てて引くなので、有効牌を捨てて《パルヘリオンⅡ》を引いてしまうこともありますが、引いて捨てる《信仰の繕い》ならその心配はいりません。 《上げ潮、キオーラ》も2ドロー2ディスカードするクリーチャー。しかも墓地を肥やすデッキなので、スレッショルドも目指せます。 そしてなんと言ってもこのデッキの最大の特徴は《忍耐の記念碑》の採用です。 このデッキには実に様々なディスカード手段が用意されているということで、このカードを捨てるたびに恩恵をもたらすアーティファクトが採用されているのです。《上げ潮、キオーラ》を出すだけで2つモードを選べるので、ドロー&3ライフルーズなど、やりたい放題です。   《忍耐の記念碑》はサイドボード後にその真価を発揮します。   《パルヘリオンⅡ》を《大牙勢団の総長、脂牙》で釣るコンボはサイドボードは防がれてしまうことがほとんどです、墓地を対策されるか、《大牙勢団の総長、脂牙》を除去されるか。いずれにせよほとんど成立しません。 《忍耐の記念碑》は墓地対策と除去がどちらも効かない勝ち手段なのです。特にフラッシュバックがあり2回使える《信仰の繕い》は《忍耐の記念碑》との相性抜群。《忍耐の記念碑》の能力もあり、《信仰の繕い》1枚で6枚のカードが引けるので、そこから次のディスカード手段に辿り着くのは容易でしょう。 そうしてドロー・ディスカードするカードをチェインさせていくだけで、気づけば相手のライフは0になります。サイド後は《忍耐の記念碑》で勝つことが多くなるでしょう。 サイドボード後のサブプランが強いコンボデッキは本物であるパターンが多いです!エスパーパルへリオンがこれから活躍するのか注目です。     シミック眼魔 モダンリーグ : 5-0 By singto12 スタンダードからモダンまで色んなフォーマットで暴れる《忌まわしき眼魔》。 先日のプロツアー『霊気走破』でも《救いの手》で《忌まわしき眼魔》を吊り上げるジェスカイ眼魔がトップ8に残り、モダンでも《発掘》で《忌まわしき眼魔》を場に戻すコンボを搭載したディミーアマークタイドはメタデッキの内の1つです。 そんな《忌まわしき眼魔》デッキがまたモダンで登場しました!   《忌まわしき眼魔》を戦場に出す方法は2種。まず1つ目は《新生化》。これを使った《忌まわしき眼魔》デッキはパイオニアにも存在しますね。 クリーチャーを生け贄にしてそれよりマナ総量が1大きいクリーチャーを出す《新生化》。《とぐろ巻きの巫女》や《氷牙のコアトル》が《忌まわしき眼魔》に生まれ変わります。カードを引くクリーチャーたちが《忌まわしき眼魔》になるのはパイオニアと同様。 もう1つの手段、《出産の儀》はモダンでしか使えません。こちらも2マナのクリーチャーを生け贄にすることで《忌まわしき眼魔》が出るエンチャントですが、3マナのクリーチャーからも《忌まわしき眼魔》を出せるのがミソです。 なぜなら《断片無き工作員》を生け贄にするシチュエーションがそこそこ訪れるからです。2マナでリソースを獲得できるクリーチャーがたくさん入ってるこのデッキに《断片無き工作員》はぴったり。《出産の儀》を続唱でめくって、そのまま終了時に《忌まわしき眼魔》に変わるのは美しい展開。 入っているクリーチャーがすべて青いので《拒絶の閃光》を使えるのは素晴らしい。パイオニアでは1マナを構える必要がありましたが、モダンは0マナでOKです。 《出産の儀》や《新生化》で持ってくる《海の先駆け》も奇襲性が高く、特に《出産の儀》は解決を見た後でフェッチランドを起動しようとするプレイヤーも多いはずなので、フェッチランドを《島》に変えるチャンス! 9枚のピッチスペルにフィニッシャーはほぼ《忌まわしき眼魔》のみと思い切った構成!《忌まわしき眼魔》を守り《忌まわしき眼魔》で勝ちたい。そんな方にオススメのデッキです!

【パイオニア】ディミーアバウンス徹底解説!

Pioneer ピックアップ

2025.02.27

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 先週末は晴れる屋さんで行われた第17期パイオニア神挑戦者決定戦に参加していました。   結果はトップ4。とんでもないミスにより準決勝で負けてしまったわけですが、今回は珍しく大会前から自信がありました。   それは使用したデッキ、ディミーアバウンスが余りに強いデッキだったからです。   というわけで今回はディミーアバウンスの記事となります。         目次 ディミーアバウンスとは デッキリストとカード解説 採用を検討した/見送ったカード デッキの回し方 プレイ指南 TIPS サイドボーディング 終わりに ディミーアバウンスとは 《この町は狭すぎる》《孤立への恐怖》で《稲妻罠の教練者》《海の神のお告げ》を戻してアドバンテージを獲得したり、《逃げ場なし》《勢い挫き》を使い回して相手のクリーチャーを殲滅させていくのが基本戦術となるコントロールデッキです。 《嵐追いの才能》も入っており、レベル2で回収した《この町は狭すぎる》で再度戻すことで、何度もカワウソを生成しながら無限に妨害し続けることができます。   そう、スタンダードでも大人気のアーキタイプのパイオニア版なのです。   というか、このデッキはほぼスタンダードです。   リストをよく見てみてください。《致命的な一押し》《思考囲い》《海の神のお告げ》《食肉鉤虐殺事件》《覆いを割く者、ナーセット》以外のメインの呪文はすべてスタンダードのカードなのです。 いや、それは正確ではありませんでしたね。ディミーアバウンスには、スタンダードでは採用できない大きな……いや、大きすぎる1枚が採用されています。   そう、《空を放浪するもの、ヨーリオン》です。このカードがあるからこそこのディミーアバウンスは成立していると言って良い。《湧き出る源、ジェガンサ》はアグロデッキでたまに活躍する1枚ですが、このデッキにとっての《空を放浪するもの、ヨーリオン》はメイン戦略です。 かつて、《夢の巣のルールス》を採用していた数多くのアグロデッキは、《夢の巣のルールス》が出るまでの間に相手にすべての除去を使わせ、最終的に《夢の巣のルールス》が生き残って勝っていました。これはアグロのメイン戦略の1つとして組み込まれていました。 ディミーアバウンスにとっての《空を放浪するもの、ヨーリオン》も全く同じです。盤面に様々な置物を並べて《空を放浪するもの、ヨーリオン》でアドバンテージを取って勝利する。これを最初から目指しています。   相棒をただの追加リソースではなく、メインプランの1つとして据えることができるのは、それだけでデッキの強みになります。   相棒により再現性の高いゲーム展開を作れるのがディミーアバウンスの魅力なのです。   デッキリストとカード解説 《致命的な一押し》   今更解説することもない、パイオニア最強の1マナ域。黒を使い理由になる1枚。   ラクドスでは血や宝物といったトークンで紛争を達成しやすい一方、従来のディミーアコントロールでは紛争達成が難しいのが悩みどころでした。《廃墟の地》を4枚にしたり、《推理》を採用して手がかりで紛争を行うなど、様々な工夫がほどこされていました。   しかし、このデッキは紛争の達成が容易です。《この町は狭すぎる》によるバウンスでも紛争しますし、《望み無き悪夢》《海の神のお告げ》《勢い挫き》《不気味なガラクタ》はすべて能動的に生け贄に捧げられるパーマネントです。   ほぼ万能除去と言って差し支えません。   《思考囲い》 パイオニア最強の1マナ域、その2。《致命的な一押し》と《思考囲い》を使えるのが黒の最大の魅力と言っても過言ではありません。パイオニアで一番強いカードはこの2枚です。   序盤に相手の攻め札を奪ってしまえば盤面のコントロールは容易になります。《思考囲い》は決して攻めるデッキだけが使うカードではありません。守るデッキが使う《思考囲い》も十分強力なのです。   《嵐追いの才能》 スタンダードではティムールカワウソに始まり、エスパーピクシー、ディミーアバウンスと今では色々なデッキで使われています。   前述のように《この町は狭すぎる》との相性は抜群。レベル2にして《この町は狭すぎる》を拾い、その後《嵐追いの才能》をバウンスすることで、何回でも《この町は狭すぎる》を打てるようになります。   戦場に出た時のカワウソも馬鹿にならない打点を持っており、初手に《嵐追いの才能》が複数枚あればそれだけでビートダウンを完遂させることも可能です。   《嵐追いの才能》はレベル2が強いことからこのデッキで採用されていますが、出てくるカワウソが相手のプレインズウォーカーをけん制したり、ビートダウンを敢行してくれます。相手は本来コントロール相手にプレインズウォーカーを入れたり、リソースを取る手段をサイドインし、除去を抜きます。そんな相手に対してカワウソによる攻めはかなり効果的です。   《嵐追いの才能》というカードの存在が、このデッキを多角的なデッキにしている要因です。出てくるカワウソが相手にプレイやサイドボーディングを難しくさせています。   《この町は狭すぎる》 スタンダードでも《嵐追いの才能》とセットで採用されているバウンス呪文。自分のコントロールしているパーマネントを対象に取っていると2マナで打てるので、使い終わった自分の置物と相手のパーマネントを戻すのが基本的な使い方になります。   自分のパーマネントを2枚戻すこともよくあり、《望み無き悪夢》を戻して一気にライフと手札を奪ったり、《海の神のお告げ》《稲妻罠の教練者》を戻して手札を増やすことも。   《空を放浪するもの、ヨーリオン》を戻したら凄まじいアドバンテージを稼いでくれます。   攻めでも守りでも使えるスーパーカードです。このカードを毎ゲーム引くのが目標です。   《孤立への恐怖》 追加コストとして自分のパーマネントをバウンスする2マナ2/3飛行。本来はデメリットであるはずの追加コストですが、このデッキではメリットに働きます。   先手で《嵐追いの才能》から《孤立への恐怖》と回った時はビートダウンプランも取れます。アグロにもコントロールにも使える良カード。   《望み無き悪夢》 手札破壊と2点ルーズのエンチャント。ライフも手札破壊も1枚程度では効きませんが、このデッキは何度も《望み無き悪夢》を出し入れするので、段々と傷口が広がっていきます。   特に《嵐追いの才能》からカワウソを出している時はビートダウンもできるので、《望み無き悪夢》とカワウソによるダメージで意外とライフが削れてる場合があり、《この町は狭すぎる》で《嵐追いの才能》《望み無き悪夢》を戻して大量の果敢を稼いでのフィニッシュなどもあります。   突然相手のライフをごっそり削れるので、このディミーアバウンスを使う際は殴りを意識しましょう。他のコントロールデッキよりも相手のライフを削る速度は速いです。殴れる時にしっかり殴る。コントロールを普段使っている方は軽視しがちですが、ディミーアバウンスでは重要です。   《逃げ場なし》 スタンダードでもお馴染みのエンチャント除去。《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》で回収して使い回します。   呪禁を剝がせるので《タミヨウの保管》を無意味にしたり、《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》や《墓地の侵入者》の護法を無視できて便利です。   ビートダウン相手にはうんざりするほど何度も出し入れしましょう。《空を放浪するもの、ヨーリオン》を含めて何回か使い回せばすぐにゲームセットです。   《勢い挫き》 『霊気走破』からの新カード。このエンチャントの強さには感動しました。   クリーチャーか機体を生け贄に捧げさせる、いわゆる布告能力は、サイズを問わない除去。このデッキは《致命的な一押し》《逃げ場なし》で除去できないクリーチャーの対処を《この町は狭すぎる》に一任していたので、《勢い挫き》はちょうどいい1枚でした。   生け贄に捧げた際は速度の数値だけライフゲインが可能で、これは赤アグロに対して重宝します。   しかもこのカード、相手がクリーチャーや機体を生け贄に捧げなかった場合は手札破壊になります。先手2ターン目にとりあえずハンデス目的で出せますし、コントロール相手のサイド後でも手札破壊として機能でするので、サイドアウトしません。   コントロールミラーは《金属の徒党の種子鮫》など、除去を抜かれることを前提にクリーチャーをサイドインしてきます。《致命的な一押し》《逃げ場なし》は除去以外に使い道がないので当然サイドアウトすることになりますが、《勢い挫き》ならば、除去すべきクリーチャーが出てこなければハンデスを選べば良いのです。   除去を残して相手がクリーチャーを出してこなかった時に手札で腐るのが許せない。かといって除去をすべて抜いて《金属の徒党の種子鮫》に好き勝手されたくない。   そんな事情をバッチリ解決してくれるのが《勢い挫き》です。2枚程度のリストが多いですが、僕はこのカードを絶対に4枚にすべきだと思います!   ちなみに《望み無き悪夢》の2点ルーズで速度を進められます。   《海の神のお告げ》/《稲妻罠の教練者》 《海の神のお告げ》は《空を放浪するもの、ヨーリオン》のズッ友。青系コントロールのライブラリーが80枚になる時にはいつも採用されていましたね。   出た時に占術2を行ってから1ドローと少し重い定業ですが、戦場に残ってくれるので《空を放浪するもの、ヨーリオン》《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》で回収できるのが魅力。   《稲妻罠の教練者》と比べて見れる枚数は少ないものの、確実に1ドローできる点、更に土地が欲しい場合はこちらの方がより強力です。   甲乙つけがたいので《稲妻罠の教練者》と3・3といったバランスで採用されていることが多いですが、個人的には《海の神のお告げ》の方が強いと考えています。   まず土地が欲しい場面がそこそこあること。土地2枚の初手と《稲妻罠の教練者》でキープして土地が手札に入らないのはそれなりにストレス。《稲妻罠の教練者》のために《ジュワー島の攪乱》や《アガディームの覚醒》を入れようと思ったこともあったほどです。   ほぼ確実に《この町は狭すぎる》《孤立への恐怖》《空を放浪するもの、ヨーリオン》で回収できるのも、《海の神のお告げ》の評価を上げるポイントになりました。《稲妻罠の教練者》はクリーチャーなので除去されてしまいます。特にメイン戦では余った除去を投げつけられてしまうので、《稲妻罠の教練者》は生き残りづらく、バウンスしての再利用がしにくいのです。   《覆いを割く者、ナーセット》 このデッキで唯一の3マナ以上のカード。少し重いですが、それだけの価値があるカードです。   《不浄な別室》に対する回答として一番強く、デッキが軽い妨害で構成されているので、プレインズウォーカーを直接破壊するカード以外で落ちにくいのがポイント。   他のデッキでは2回マイナスを使ったら後は置物ですが、ディミーアバウンスは自分のパーマネントを戻せるデッキ。《覆いを割く者、ナーセット》をリフレッシュして再び使用可能です。   除去除去ナーセットはこのデッキの勝ちパターン。最終的には《空を放浪するもの、ヨーリオン》で《覆いを割く者、ナーセット》をブリンクして相手の心を折ることになります。   《不気味なガラクタ》 《見栄え損ない》ですが、置物なので各種バウンスで使い直せます。   1マナの置物除去はこれまで存在していなかったので使用感が未知数でしたが、使ってみるとその強さに驚き。特に後手番でアグロを相手にした時は強すぎて驚きました。   《孤立への恐怖》を2ターン目に出してブロッカーとして立てるためには1ターン目にアクションをする必要がありますが、《嵐追いの才能》はアクションとしては弱め。カワウソはブロッカーとしては心もとないですからね。   その点、盤面除去をしながら《孤立への恐怖》を出せる《不気味なガラクタ》は素晴らしいカード。回収し直して3ターン目に出しながら2マナのドロースペルに繋げれば勝利目前です。   《食肉鉤虐殺事件》 それなりにゲームが長期戦になるので、何かしらのライフゲイン手段が欲しいとは思っていましたが、良く採用されている《黙示録、シェオルドレッド》はあまり好きではありませんでした。   クリーチャーデッキ相手に欲しいはずなのに重く、強い瞬間は限られます。しかもメインでは相手の腐る除去が当たります。ラクドスデーモン相手に《黙示録、シェオルドレッド》が生き残ることはまずありません。   もちろん、相手の手札が空になってしまえば生き残る確率は上がり、それを目指せるデッキではあるものの、限られた状況でのみ強いカードはなるべく減らしたいと考えました。   そしてライフゲイン手段として白羽の矢が立ったのが《食肉鉤虐殺事件》でした。ラクドスにはX=2で《税血の収穫者》や《鏡割りの寓話》を流せますし、全体除去をメインに採用したいと考えていたので、2つの希望を同時に叶えてくれるカードだったのです。   各種バウンスで使い回せる全体除去というのもポイント。   《神秘の論争》 ここからはサイドボード。   青いデッキにサイドインする……のは当然ですが、特に重く見たのはイゼットフェニックスです。   イゼットフェニックスとの戦いはとにかく軽いことが重要。相手の致命的なスペルを打ち消す場面より、《覆いを割く者、ナーセット》を通すためにカウンターを使うことが多いので、《否認》では重いのです。   《美術家の才能》は消したいカード筆頭ではあるものの、結局後手では《否認》は間に合わずに通ってしまいます。《呪文貫き》は悪くないと考えましたが、今度は《宝船の巡航》に対して弱い。   《神秘の論争》であれば《宝船の巡航》に打つと相手は嫌な顔をします。フルタップになってしまいますからね。《呪文貫き》は割と払われてしまいます。これは《宝船の巡航》を打たれるターンが4ターン目、もしくは4枚の土地が並んでからというケースが多いためですね。   そんな事情でカウンターは《神秘の論争》のみにしました。ちなみにミラーマッチで一番強いのも《神秘の論争》です。《空を放浪するもの、ヨーリオン》に当たるのがとにかく大きい!   《未認可霊柩車》 3枚と多めですが、こちらもイゼットフェニックスを意識しています。   結局《宝船の巡航》さえ封じてしまえば最終的にはこちらが勝てます。アドバンテージ獲得手段が《宝船の巡航》以外にないので、《望み無き悪夢》《勢い挫き》ですぐに手札を枯らせられますからね。   《覆いを割く者、ナーセット》が着地すれば話は早いのですが、相手も《呪文貫き》《神秘の論争》《否認》と様々な打ち消しをサイドインしてくるので、着地は容易ではありません。それなら墓地対策は必須です。   その中で最も優秀なのが《未認可霊柩車》。《除霊用掃除機》は1マナと軽いですが、たった1枚しか墓地を削れないので、《宝船の巡航》のスピードに追い付けません。《未認可霊柩車》は毎ターンキャントリップを打たれ続けても、それに追いつけます。   《未認可霊柩車》でも相手に《宝船の巡航》を打たれてしまいますが、そのタイミングを制限できるのが重要です。土地をひたすら並べられ、《神秘の論争》が当たらない範囲で《宝船の巡航》を仕掛けられるのが嫌な展開なので、それを《未認可霊柩車》で防ぐのが狙いです。   多めに3枚入っているのは、早いターンで引き込んでおきたいからです。   《夢を引き裂く者、アショク》 こちらも《未認可霊柩車》と同じ墓地対策。   メリットはロータスコンボにも採用できる点。今回は《減衰球》を採用していないので、ロータスコンボがとにかく不利マッチです。《夢を引き裂く者、アショク》を入れた程度で有利になることはありませんが、一応の抵抗にはなります。   もちろんイゼットフェニックスにもサイドインします。先ほど《未認可霊柩車》が対策になると話したばかりですが、ゲーム序盤で引き込めなかった場合、《未認可霊柩車》の効力は激減してしまいます。大量の墓地を一度に追放する手段も必要だと考えました。   《夢を引き裂く者、アショク》は墓地をすべて追放した上で、そのまま相手のライブラリーアウトも狙えるので、イゼットフェニックス相手はフィニッシャーになる場合もあります。《宝船の巡航》で大量に引かれてる時もワンチャンス狙えますね。   デメリットはその重さと色。《神秘の論争》が引っかかってしまうのでとにかく通りづらい。《覆いを割く者、ナーセット》が通らないのですから《夢を引き裂く者、アショク》を通すのも大変です。   しかも通した結果がただの墓地追放なので、ゲーム序盤では《未認可霊柩車》以下の活躍です。たくさんの《未認可霊柩車》と少しの《夢を引き裂く者、アショク》がちょうどよいバランスだと考え、この配分になりました。   《悪夢の詩神、アショク》 またアショクの登場です。   こちらはミッドレンジやコントロールに強い1枚。プレインズウォーカー除去があまり使われていない環境なので、特に黒系ミッドレンジ全般には非常に強く、出すとそのまま勝ててしまうほどです。   元々、ミラーマッチで良いカードを探していて見つけたのが《悪夢の詩神、アショク》でした。ミラーで強いカードの条件は「《この町は狭すぎる》で戻されて何もしないカードはダメ」「除去耐性がある」「盤面に干渉するカード」でした。   《悪夢の詩神、アショク》はバウンスされても戦場に2/3のトークンを残せますし、プレインズウォーカーなので除去耐性もあります。2/3が盤面に影響を与えるので、すべての条件を満たしています。2/3というサイズもカワウソに2回の果敢を付けさせる必要があるので、ミラーマッチでは及第点です。   ラクドスミッドレンジにもそこそこ強く、《不浄な別室+祭儀室》から出てきたデーモンをバウンスしつつ、1枚ハンデスする展開が多かったです。もちろんプラスも強力でした。   《絶滅の契機》 主に緑単に対して入れるカード。緑単は《老樹林のトロール》《茨の騎兵》と死亡時に能力を持っているクリーチャーが多く、また《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》などほとんどすべてのカードが奇数なので、《絶滅の契機》が一番刺さります。   単体除去は多いディミーアバウンスですが、後手で除去が追い付かない展開もあるので、少しだけサイドに入れておくと便利です。緑単相手には《食肉鉤虐殺事件》は抜いてしまいますが、他の対アグロでは《食肉鉤虐殺事件》《絶滅の契機》の4枚の全体除去で臨むことになります。   《霊気の疾風》 アグロに対して《思考囲い》4枚を抜く関係上、《絶滅の契機》以外に2枚ほど何かカードを入れたかったのですが、単なる除去の水増しよりは、除去の役割がありながらも違う使い方もできるカードが良いと考えました。   そんな便利なカードが《霊気の疾風》です。疑似的な打ち消し呪文として使えるだけでなく、盤面にも干渉できる強力なスペル。   《逃げ場なし》などの置物エンチャントが主体となっているので、《嵐追いの才能》の2章で拾える除去が少ないのは実は課題でした。《致命的な一押し》《この町は狭すぎる》だけでは少し少なかったのです。《霊気の疾風》はそんな事情も解決してくれるので、かなり好みです。   採用を検討した/見送ったカード 《無駄省き》 パイオニア神挑戦者決定戦前日に突然思いついたのですが、試す時間がなくて断念。   2ターン目に設置して何もしないカードなのでアグロには弱いですが、それ以外のマッチではすべて活躍しそうなので、サイドから《強迫》2枚を追加してディミーア無駄省きになります。   《望み無き悪夢》《思考囲い》《勢い挫き》と手札破壊は大量にあるので、誘発には問題ありません。   イゼットフェニックスの《美術家の才能》がきついので、《無駄省き》を置けばとりあえずルーターを制限できますし、ミラーマッチではお互いの手札破壊に、こちらだけオマケがつくので、アドバンテージ面で勝利できるでしょう。   ラクドスミッドレンジに対しても同プランを採用する予定ですが、ここがどうなるかがカギかなと思います。   僕の想像では結構イケてる気がするので、興味を持った方はぜひサイドボードに4枚入れてみてほしいです。   《最後の望み、リリアナ》 こちらはミラーマッチの最終兵器として投入を検討していました。当初は《悪夢の詩神、アショク》ではなく《最後の望み、リリアナ》を入れる予定でした。   ディミーアバウンスミラーマッチは《空を放浪するもの、ヨーリオン》がカギとなります。盤面にクリーチャーがそこそこ並び、手札も搾り合うので、《空を放浪するもの、ヨーリオン》で《望み無き悪夢》や《逃げ場なし》を使い回してアドバンテージを稼いだ方が勝利します。   ですが、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を拾うタイミングが非常に難しい。《思考囲い》はお互いに温存して、相手が《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収したタイミングで狙います。   だからこそ、《空を放浪するもの、ヨーリオン》は《思考囲い》で相手の手札から《思考囲い》を抜いたタイミングや、8マナ溜めて回収→キャストのいずれかになります。《神秘の論争》がミラーで強いと言ったのはこのためですね。   《最後の望み、リリアナ》があれば、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を《思考囲い》で落とされても回収できるため、プレイがかなり簡単になります。適当な時に回収しておいて《思考囲い》を打たれても、《最後の望み、リリアナ》で拾ってしまえば良いのです。   《最後の望み、リリアナ》自体の場持ちがミラーでかなり良いのもポイント。《孤立への恐怖》はパワーが0になりますし、カワウソトークンはプラスで除去できますからね。黒いので《神秘の論争》を1マナで打たれませんし、3マナという軽さも素晴らしい。   ただ、《悪夢の詩神、アショク》に比べてラクドスミッドレンジには少しイマイチかもしれません。《鏡割りの寓話》に弱いのが致命的ですね。   当日入れなかった理由はフルアート版が晴れる屋に売ってなかったからです。前日に思い付いたせいでこんなことに…。   メインの《空を放浪するもの、ヨーリオン》 ディミーアバウンスの良いところはとにかくデッキが軽く構成されていて、相棒領域に《空を放浪するもの、ヨーリオン》が用意されていることだと思います。   もちろん《空を放浪するもの、ヨーリオン》はデッキの多くのカードと噛み合って強いのですが、軽いアクションで相手の展開を凌ぎ、確定している《空を放浪するもの、ヨーリオン》でマウントを取るのがディミーアバウンスです。   その細かい動きに5マナのカードは合わないですし、そもそも確実に3マナで手札に持ってこれるので、それ以上に必要ないと感じました。1回《空を放浪するもの、ヨーリオン》が出れば大体勝ちますからね。   オーバーキルかつ事故の要因となってしまう《空を放浪するもの、ヨーリオン》はデッキに入れないことにしました。   《悪夢滅ぼし、魁渡》 《孤立への恐怖》を戻して出すと強いですよね。うん、もちろん強いです。でもコントロールデッキなのであんまりデッキに合っていませんでした。たまたま引いた時はオーバーキルか、そもそも役に立たないかのどちらか。   カワウソを忍術して出してもちょっとがっかりしちゃいますし、《稲妻罠の教練者》はそもそも忍術条件を満たすのも難しい。   使っていて全然強いと感じず、すぐに抜けました。アゾリウスコントロールなどにも《失せろ》ですぐ対処されてしまいます。 デッキの回し方 ディミーアバウンスは基本的にはコントロールデッキです。スタンダードの同デッキはアグロ寄りのミッドレンジでしたが、パイオニアのディミーアバウンスはコントロール。これを念頭に置いておきましょう。   コントロールとして立ち回る時の動きは簡単です。《逃げ場なし》や《勢い挫き》で盤面をすべてさばき、隙を見て《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収。出し直せばそれだけでゲームが決まります。 手札破壊カードは他のアクションがあればそちらからにしましょう。手札が少なくなってきてからの方が1枚ハンデスは効果的です。《思考囲い》と《望み無き悪夢》がどちらもあれば当然《思考囲い》から打ちましょう。 もちろん、2ターン目に《孤立への恐怖》を唱えたい場合は《望み無き悪夢》からになりますが。 除去を最優先し、相手の手札が3枚ぐらいになったら《望み無き悪夢》と《勢い挫き》で手札破壊していくことが多いです。 他のコントロールデッキと違うのは、ライフを詰めるスピードが速い点です。   《望み無き悪夢》の2点ルーズは最初はオマケ程度ですが、《孤立への恐怖》などで出し直すと徐々に重くのしかかってきます。 カワウソ、《孤立への恐怖》と合わせて突然攻撃に回れる展開もあるので、細かいダメージはしっかり刻むようにしましょう。相手のライフを削る意識をしっかり持つことが大事です。 《望み無き悪夢》を1回《孤立への恐怖》で拾うと4点。《空を放浪するもの、ヨーリオン》で出し直すと6点。《空を放浪するもの、ヨーリオン》と《孤立への恐怖》で6点とこれだけで12点削れるので、相手がショックランドや《思考囲い》で少しダメージを負っていると、守っている側のはずのディミーアバウンスが相手とほぼライフが一緒なこともしばしば。 守りを基本としつつ、攻める瞬間も意識してください。果敢が乗ったカワウソをブロッカーとして立たせるのは損です!常に殴りましょう!   プレイ指南 手札破壊の順番 《思考囲い》《望み無き悪夢》をどちらも唱える場合、先に使うべきなのは《望み無き悪夢》です。   わかりやすい例を挙げましょう。場には4枚の寝ている土地。手札には1枚の土地と《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《放浪皇》。ここで先に《思考囲い》を受け、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を抜かれたとします。そうすれば当然《望み無き悪夢》で土地を捨てますよね。 これが先に《望み無き悪夢》だったらどうでしょうか?《放浪皇》を捨てて、次のターンの土地+《ドミナリアの英雄、テフェリー》を確定させるかもしれません。もちろん土地を捨てて土地引きに賭ける選択肢もありますがね。   このように、《思考囲い》を後から打った方が相手の《望み無き悪夢》のディスカードで裏目を引かせやすくなります。   先に《望み無き悪夢》でスペルを捨てられて《思考囲い》で土地しかなくてスカる……なんてこともなくはないですが、《望み無き悪夢》で捨てるカードは大体土地でスペルは手札に残ります。《思考囲い》の対象はあることがほとんどです。   《勢い挫き》を上手く使おう 手札破壊も除去もできる《勢い挫き》ですが、2ターン目に《逃げ場なし》《勢い挫き》と持っていた時にどちらから使うか悩ましいですよね。   インスタントである《逃げ場なし》を温存したいでしょうが、僕は《勢い挫き》を手札に残しておきます。 手札の除去がなくなれば《勢い挫き》で除去すれば良いですし、頃合いを見て手札破壊ができるのは便利です。   ただし、相手の手札が5枚ほどある状況でとりあえず手札破壊として使うのはオススメしません。次のターンに《不浄な別室+祭儀室》を開けられてデーモンが出てきて困ったりしますからね。除去が余っていれば良いですが、《勢い挫き》しか除去がないならば、手札破壊はやめましょう。相手が出してきたクリーチャーを除去するのは、実質手札破壊でクリーチャーを落とすのと同じです。手札破壊にこだわる必要はありません。 相手の手札が2枚ぐらいになってきたら、手札破壊で1枚を落としつつ、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を拾って次のターンにブリンクするようにしましょう。   《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》の受け入れ 《望み無き悪夢》と《致命的な一押し》ならばまず除去を優先してその後に手札破壊。先ほどはそう言ったものの、このデッキには《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》が入っています。   これらのカードは自分の場にパーマネントがないと使えないカードなので、2ターン目から唱えることを想定してプレイする必要があります。   手札にそれらのカードがない場合でも、「次のターンに引いたらどうしよう?」と考えましょう。   例えば相手がアグロデッキで、手札に《逃げ場なし》があるなら、2ターン目のアクションはまず《逃げ場なし》になるでしょう。もし《孤立への恐怖》を引いたとしても出す必要はありません。それならば1ターン目に《望み無き悪夢》を置く必要はないので、《湿った墓》や《難破船の湿地》をタップインできます。 しかし、手札に2マナのカードがなく《覆いを割く者、ナーセット》が次の展開になりそうなら、2ターン目に《孤立への恐怖》か《この町は狭すぎる》を打つことは全然ありえます。それならば1ターン目には《望み無き悪夢》を置いた方が良いのです。 初手を開いてある程度ゲームがどう展開されるかを予想しながら1~2ターン目のアクションを決めましょう!アゾリウスコントロールよりこの辺りのプレイは少し難しいです。   《空を放浪するもの、ヨーリオン》を拾うタイミング 《思考囲い》が入っている相手にはかなり慎重に回収しましょう。やることがないからと適当に回収するのはNGです。特にラクドスが1ターン目から《思考囲い》を打ってこない時は、特に注意してください。 回収した次のターンに出してアドバンテージを稼ぐことが多いので、4ターン目に拾いながら1マナアクション、5ターン目に《空を放浪するもの、ヨーリオン》で一斉ブリンクが理想の流れです。   1マナの妨害カードである《致命的な一押し》や《思考囲い》は4ターン目に使うと、《空を放浪するもの、ヨーリオン》の隙を埋めてくれます。2~3ターン目は、4ターン目に3マナ払って回収することを念頭に置いてプレイしたいところ。 とはいえ、《空を放浪するもの、ヨーリオン》が出た時に《逃げ場なし》《勢い挫き》など2種が追放されれば、それだけで盤面は一気に有利になります。なので多少盤面が不利になっても問題はないと言えばないです。 下手なアクションをするよりは《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収しておいた方が良い場合が多く、たとえば《海の神のお告げ》を出すなら先に《空を放浪するもの、ヨーリオン》です。《海の神のお告げ》で探したいカードが除去なら《空を放浪するもの、ヨーリオン》でも同じことができますからね(《逃げ場なし》などが戦場にあれば)   《空を放浪するもの、ヨーリオン》を拾っておき、相手の動き次第で次のターンに出すかを決めれば良いのです。《空を放浪するもの、ヨーリオン》自体は時間が経つとどんどん強くなっていくカードで、一気に不利な盤面も返せるので、ここぞという時に出せるよう、手札に早めに控えていてもらいましょう。   TIPS 《孤立への恐怖》で土地を回収 《孤立への恐怖》は他のカードと違い、珍しくどのパーマネントも戻せるので、セットランドした《天上都市、大田原》《見捨てられたぬかるみ、竹沼》を回収できます。地味ですが意外と起きることなので、見落とさないようにしましょう。   特に《見捨てられたぬかるみ、竹沼》は《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収できるので、魂力する機会はまあまあ多いです。   ディミーアバウンス相手に《廃墟の地》を使う時は、意外と2色ランドよりも《見捨てられたぬかるみ、竹沼》を狙った方が良いです。   《霊気の疾風》《ガイアー岬の療養所》 《霊気の疾風》でライブラリートップに積まれたカードは、相手の手札が0枚なら《ガイアー岬の療養所》で引かせてそのまま捨てさせることができます。   これは本当に見落としやすいので覚えておきましょう!   《孤立への恐怖》は追加コスト 《この町は狭すぎる》と違い、《孤立への恐怖》のバウンスは追加コストです。戻す対象を選ぶわけではないので、相手が除去を挟む余地はありません。   《覆いを割く者、ナーセット》のマイナスを起動して、そのスタックで《塔の点火》を打たれなければ、《孤立への恐怖》で回収して逃げることができます。逆にディミーアバウンスを相手にする時は、しっかり自分のメインフェイズや相手のアップキープ中、起動にスタックして《覆いを割く者、ナーセット》を処理しておくこと!   サイドボーディング VSラクドスデーモン +2《悪夢の詩神、アショク》-2《不気味なガラクタ》 基本的には有利なマッチアップ。お互いにリソースを削り合いますが、こちらには《空を放浪するもの、ヨーリオン》が控えているので、戦場に出れば終わりです。 《思考囲い》で落とされてしまうのは負け筋なので、そこだけ気を付けてください。 《不浄な別室+祭儀室》で出たデーモンは即処理する必要がありますが、《致命的な一押し》《この町は狭すぎる》でしか対処できません。《逃げ場なし》《勢い挫き》を先に使っておき、《致命的な一押し》は温存しましょう。 手札破壊に対するケアは《嵐追いの才能》《この町は狭すぎる》にも言えます。特に《この町は狭すぎる》を拾って打てないタイミングで《思考囲い》で捨てさせられるのが最悪です。《思考囲い》を打たれた時にスタックで《嵐追いの才能》と《海の神のお告げ》など、リソースになるカードを回収できるようにしておきましょう。   《覆いを割く者、ナーセット》の着地もかなり重要です。一度場に残れば部屋だけで勝手に相手が死んでいきます。   VSイゼットフェニックス +3《神秘の論争》+3《未認可霊柩車》+2《夢を引き裂く者、アショク》-4《致命的な一押し》-2《不気味なガラクタ》-2《勢い挫き》 とにかく《覆いを割く者、ナーセット》が生き残るかどうかにすべてがかかっています。メイン戦では特に重要で、《呪文貫き》で打ち消されるなんて愚行は絶対にNGです! 《弧光のフェニックス》を相手が返してきたターンはマナが寝るのでチャンスです。エンド前に《弧光のフェニックス》をしっかり落として、返しで《覆いを割く者、ナーセット》を着地させて除去を構えましょう。この時に手札からの《弧光のフェニックス》で落ちないように、《覆いを割く者、ナーセット》のマイナスは使わないでください。 一度《覆いを割く者、ナーセット》が出れば相手は《弧光のフェニックス》を返すことさえ一苦労です。《手練》《錠前破りのいたずら屋》以外のドロースペルを打てば手札が減るので、仮に《弧光のフェニックス》を返したとしても、手札がすっからかんになります。   意識したいのが無駄なクリーチャーを展開しないことです。《焦熱の衝動》で《弧光のフェニックス》を返すカウントを貯められてしまうのは損です。ブロッカーとして出すぐらいなら手札に持っておきましょう。クリーチャーを無駄に出すのは相手にとって得しかありません。 サイド後も《覆いを割く者、ナーセット》ハメを意識しつつ、墓地対策を大量に入れましょう。 相手が《若き紅蓮術士》などを入れている可能性があるので《食肉鉤虐殺事件》を残していますが、ゲーム2の長期戦で1枚も見なかった場合は、《致命的な一押し》の方が強いので戻しましょう。 《宝船の巡航》を解決させないことが最も重要です。《宝船の巡航》を何度も打たれないためにも、手札破壊では《美術家の才能》を抜きたいですね。   VSグルール/ラクドス果敢 +2《絶滅の契機》+2《霊気の疾風》-4《思考囲い》 基本は除去していくだけで自動で勝てる相手です。除去3枚でキープして《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収して出し直せばゲームセット。 逆にドローばかり引いてると負けてしまいますが、ゲーム1では相手のデッキがわからないのでやむなし。   サイド後も特にゲームプランを変えてくることはないので、こちらも《思考囲い》を抜いて除去を入れるだけです。 ちなみにグルールブリッツやグルール力線などと当たった際は《思考囲い》は少し残すようにしています。これは相手がコンボデッキのような動きをしてくることがあるためです。こういった相手には《思考囲い》で出鼻をくじくのが重要なので、《覆いを割く者、ナーセット》を少し減らします。   VS緑単ニクソス +2《絶滅の契機》+2《霊気の疾風》-2《食肉鉤虐殺事件》-2《逃げ場なし》 《覆いを割く者、ナーセット》がかなり効果的なマッチアップ。《ラノワールのエルフ》から順番に除去していって《覆いを割く者、ナーセット》が勝ちパターンです。 メインは後手を取ってしまい、《ラノワールのエルフ》を打ち漏らして手札破壊もできなければすぐに好き放題されます。サイド後は《絶滅の契機》もあるのでそこまで悲観していません。   VSセレズニアカンパニー +2《霊気の疾風》+2《悪夢の詩神、アショク》-4《望み無き悪夢》 《永劫の無垢》でたくさん引かれるとすぐ負けるのでやはり《覆いを割く者、ナーセット》が重要なマッチ。 2/2クリーチャーが多いので《悪夢の詩神、アショク》のトークンはかなり強いです。   《思考囲い》は《集合した中隊》を抜けるのでそこそこ強いですが、《望み無き悪夢》はほとんど意味がなかったのですべて抜きます。《永劫の無垢》でそこそこ引いてきますし、1枚ハンデスは効果がありませんでした。   VSアゾリウスコントロール +3《神秘の論争》+3《未認可霊柩車》+2《悪夢の詩神、アショク》-2《食肉鉤虐殺事件》-2《不気味なガラクタ》-4《逃げ場なし》 お察しの通り抜くカードが多すぎて、入れる必要がほとんどない《未認可霊柩車》もサイドインしています。一応《記憶の氾濫》がきついマッチなので墓地対策自体に意味はありますが。 《致命的な一押し》は《サメ台風》や《放浪皇》のトークンから《覆いを割く者、ナーセット》を守るために渋々残しています。   とはいえ、相性自体はそこまで悪くありません。というか相手が《告別》を採用していなければディミーア側が有利だと感じました。 多少不利な盤面でも《空を放浪するもの、ヨーリオン》が一瞬でまくってくれるので、エンチャントをとりあえず並べ続けて除去とハンデスを繰り返しているだけで、気づいたら勝っている場合が多いです。《この町は狭すぎる》《嵐追いの才能》が強く、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着を許さないのも大きいですね。   抜くカードが多すぎるメイン戦も結局除去があればゲームが長引き、ゲームが長引くと《空を放浪するもの、ヨーリオン》で勝ててしまいます。   サイド後に《致命的な一押し》は残ってしまいますが、それでも勝つことが多いです。《告別》がたくさん入ってたら厳しそうですが。アゾリウスコントロールが流行るなら《否認》などが必要かもしれませんが、そこまで頻繁に当たることはないと思っています。   VSジャンドサクリファイス +3《未認可霊柩車》+2《霊気の疾風》+2《悪夢の詩神、アショク》-2《不気味なガラクタ》-4《勢い挫き》-1《致命的な一押し》 めちゃくちゃキツいです。《清掃人の才能》はほぼ1キルですし、《大釜の使い魔》《魔女のかまど》だけで普通に20点削られます。 このマッチはテンポプレイが重要で、《嵐追いの才能》《孤立への恐怖》と相手のライフを詰める展開が求められます。《空を放浪するもの、ヨーリオン》を5ターン目に出しつつさっさと殴り勝てるのが理想。《悪夢の詩神、アショク》を入れているのもさっさと殴り勝ちたいからです。 まあそんなことは現実にはなかなか起きないですが。   《清掃人の才能》のレベル3は3マナかかるので、そこを狙って《この町は狭すぎる》でバウンスし、その隙に勝つなど、とにかく相手の大きなアクションの隙を狙いましょう。 《全てを喰らうもの、イグラ》の護法は《逃げ場なし》で剥がせるので実は大丈夫です。   VSロータスコンボ +3《神秘の論争》+3《未認可霊柩車》+2《夢を引き裂く者、アショク》+2《悪夢の詩神、アショク》+2《霊気の疾風》-2《食肉鉤虐殺事件》-2《不気味なガラクタ》-4《逃げ場なし》-4《致命的な一押し》 当然ですがありえないぐらいきついです。メインは必敗です。   サイド後も入れるカードがないので《悪夢の詩神、アショク》をサイドインする始末。   イゼットロータスには《覆いを割く者、ナーセット》や墓地対策が非常に効くので実はまだワンチャンスありますが、バントロータスは絶望的です。《厳しい試験官》が残っているタイプには《致命的な一押し》を4枚とも残すようにしてください。 ロータスが多そうなら《減衰球》を入れてもいいです。   VSマルドゥパルへリオン +3《未認可霊柩車》+1《夢を引き裂く者、アショク》-2《不気味なガラクタ》-2《食肉鉤虐殺事件》 除去が多すぎて《パルヘリオンⅡ》が着地することはあんまりないので基本は有利なマッチアップです。 手札破壊で《パルヘリオンⅡ》を捨てられても、《大牙勢団の総長、脂牙》さえ倒せばOKです。   他のデッキでは《大牙勢団の総長、脂牙》が出てきた時、《パルヘリオンⅡ》を対象に取らせた後に《大牙勢団の総長、脂牙》を除去して《パルヘリオンⅡ》を手札に戻させることが多いですが、このデッキでは《望み無き悪夢》などで捨てられてしまうので、《大牙勢団の総長、脂牙》をすぐに除去し、《パルヘリオンⅡ》を拾わせない方が良いです。さっさと手札を0枚にさせましょう。   VS5色ニヴ +3《神秘の論争》+2《夢を引き裂く者、アショク》+2《悪夢の詩神、アショク》+2《霊気の疾風》-2《食肉鉤虐殺事件》-2《不気味なガラクタ》-1《逃げ場なし》-4《致命的な一押し》 《逃げ場なし》が抜ききれないぐらい入れるものが少ないのですが、それでもまあ有利です。お互いに回るとこちらの方が《空を放浪するもの、ヨーリオン》によるリソースで上回れるので、勝手に勝ちます。 サイド後は相手の《白日の下に》や《ニヴ=ミゼット再誕》を許さなくなるので更に勝ちやすくなります。《逃げ場なし》が手札で腐っても許せます。 《森の女人像》を実は殺せます。どうせ使い道などないのでぜひ《森の女人像》を出していただきたい。《勢い挫き》は手札破壊で使いたいですね。   VSミラーマッチ +3《神秘の論争》+3《未認可霊柩車》+2《悪夢の織り手、アショク》-2《食肉鉤虐殺事件》-2《不気味なガラクタ》-4《逃げ場なし》 重要なのはとにかく《空を放浪するもの、ヨーリオン》。着地できた方が膨大なアドバンテージを獲得してそのまま勝ちます。 《思考囲い》は打たずに必ず《空を放浪するもの、ヨーリオン》を拾われた時まで温存しましょう。2枚持っている場合は1枚を先に打っておくと、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を回収してくれるので、そこで抜いていきます。 サイド後は除去を減らして打ち消しと《悪夢の詩神、アショク》、《未認可霊柩車》をサイドインします。《未認可霊柩車》は《嵐追いの才能》のレベル2を止める役割しかありませんが、それでも十分です。《勢い挫き》にやられてしまう点に注意してください。 《神秘の論争》は《空を放浪するもの、ヨーリオン》に温存したいところですが、《覆いを割く者、ナーセット》などにもバンバン打っていきましょう。通ったら結局《思考囲い》などを手札に加えられたりするので、打たない意味がありません。   終わりに ディミーアバウンスは非常に強いデッキで、クリーチャー主体の今のパイオニア環境にとても合ったデッキです! 今のリストには非常に満足していて、もし明日パイオニアのプロツアーがあったらこのまま持ち込みたいと思うほど。パイオニアの競技イベントがないのが悔やまれます。   興味を持った方はぜひ回してみてください。ちなみに僕はこのデッキをMTGアリーナのエクスプローラーで調整していたので、エクスプローラーで回すのもオススメですよ!   それではまた!

【今週のピックアップデッキ】ディミーアアーティファクト/4c眼魔パルへリオン/オボシュケトラモーズエネルギー

週刊 Modern Pioneer Standard

2025.02.20

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ ディミーアアーティファクト 4c眼魔パルへリオン オボシュケトラモーズエネルギー ディミーアアーティファクト スタンダードリーグ : 5-0 By Melicard 『サンダー・ジャンクションの無法者』のビッグスコアで登場した《身代わり合成機》というカードは、様々なフォーマットでアーティファクト愛好家に親しまれる一方、スタンダードではこれまでさほど活躍できませんでした。 マナ総量が3以上のアーティファクトが戦場に出るたびに、アーティファクト分の修正を持つトークンを生成。このトークンは《ウルザの物語》などから出るものと同じで、非常に大きなサイズで相手を押し潰します。 《身代わり合成機》がスタンダードで今一つな理由は、なんといっても出したターンの隙です。マナ総量が3以上のカードは、ほとんどの場合で《身代わり合成機》を置いたターンには出すことはできません。そのため、《身代わり合成機》を置いてエンドするターンを作ることになり、この1ターンを丸々無駄にする行動が命取りとなってしまうのです。   モダンでは《身代わり合成機》を出してそのまま《金属ガエル》を唱えるなど、この《身代わり合成機》のターンにもう1アクションする工夫がなされています。パイオニアでも《金属製の巨像》を0マナで出せますからね。 そんな事情でなかなかスタンダードで見かけなかった《身代わり合成機》ですが、『霊気走破』でそのデメリットを補うカードが登場しました。   それが《再利用隔室》です。 アーティファクトを生け贄に捧げ、それよりマナ総量の1大きいアーティファクトを場に出せる、アーティファクト版の《出産の殻》です。これが《身代わり合成機》のポテンシャルを引き出してくれます。 まず、2マナのカードを生け贄にすればデッキから《身代わり合成機》を場に出せますし、《身代わり合成機》を出したターンに2マナがあれば、そのまま3以上のカードをサーチして即座にトークンを生成できます。   起動に2マナがかかってしまいますが、そこで役立つのが《奇怪な宝石》。起動型能力に使える2マナを生み出してくれるので、実質《再利用隔室》を0マナで起動できるようになります。 《再利用隔室》のおかげで《身代わり合成機》を置くターンの隙はかなり少なくなります。2マナのカードを生け贄にして《身代わり合成機》を出しつつ、《税血の刃》で除去。この動きは4マナででき、更にターンが帰ってくれば《税血の刃》を生け贄にして更なる《身代わり合成機》を戦場に出しつつ、とりあえず1体目のトークンが生成できます。 《再利用隔室》を採用するにあたって最も考えなければならないのが、生け贄に捧げるアーティファクトについてです。 まずは1マナの《不気味なガラクタ》。こちらは戦場に出た時に-2/-2修正を与える便利なカードで、置けば役割がなくなるので、《再利用隔室》の生け贄に最適です。 2マナは選択肢が多く、除去が欲しければ《税血の刃》、リソースを稼ぐための《蒐集家の保管庫》、更にドローに特化した《毒気の薬》と用意されています。特に《毒気の薬》は出た時にカードを引き、《再利用隔室》で墓地に送ってもドローできるので、非常に便利です。 主役となる3マナ域は《再利用隔室》《身代わり合成機》の他には《スランの蜘蛛》が1枚採用されるのみです。《スランの蜘蛛》は4マナへの繋ぎになりますが、パワーストーンを生み出してくれるので、それが今度は1マナのアーティファクト、すなわち《不気味なガラクタ》《奇怪な宝石》に変わります。 4マナは《力線の斧》。これは《身代わり合成機》から生成したトークンに装備して一撃必殺を狙います。 そのもう1つの主なつけ先となるのが同じ4マナの《油浸の機械巨人》。相手の手札の最も強いカードを抜いてくれて、《身代わり合成機》も誘発するナイスガイ。《力線の斧》の装備先としても申し分ないですね。 その2つから出てくるのは《解剖道具》と《マイトストーンとウィークストーン》。ライフゲインしたいなら《解剖道具》、リソースか除去なら《マイトストーンとウィークストーン》と状況に応じて使い分けることができます。 面白いのが《悪魔の破砕機》の採用です。戦場に出た時にクリーチャーを破壊する機体ですが、親和がついているため、軽くプレイできます。もちろん《身代わり合成機》も誘発するので、手札に複数枚あるとどんどん軽くなっていきますね。この《悪魔の破砕機》は親和で軽くなってもマナ総量は7なので、《再利用隔室》で生け贄にすることで8マナを場に出せます。 そのために《街並みの地ならし屋》が採用されており、早いターンの《街並みの地ならし屋》はマッチアップによっては相手を詰ませられます。 《身代わり合成機》《再利用隔室》の組み合わせは非常に強力で、これからアーティファクトを主体としたデッキがスタンダードで活躍していくなら、この2種に《奇怪な宝石》を合わせた3種は必須となるでしょう!     4c眼魔パルへリオン パイオニアリーグ : 5-0 By  IofTiger 《大牙勢団の総長、脂牙》で《パルヘリオンⅡ》を墓地から吊り上げて勝利するパルへリオンデッキ。 《大牙勢団の総長、脂牙》が登場してすぐにパイオニアで登場し、日々アップデートが続いているアーキタイプ。 《忌まわしい回収》《サテュロスの道探し》で墓地を肥やし、強力な機体である《エシカの戦車》を入れたアブザン。 《逸失への恐怖》《鏡割りの寓話》で手札から《パルヘリオンⅡ》を落としつつ、ミッドレンジとしても戦えるマルドゥ。 様々なバージョンがトーナメントでは勝ってきましたが、今回は4色。しかもなんと《大牙勢団の総長、脂牙》《パルヘリオンⅡ》以外に強烈なコンボを採用しています。   それが《忌まわしき眼魔》《再稼働》。スタンダードのアゾリウス眼魔でもお馴染みの、2ターン目に《忌まわしき眼魔》を吊り上げるコンボです。 《再稼働》は《忌まわしき眼魔》だけでなく《大牙勢団の総長、脂牙》をリアニメイトすることができ、その《大牙勢団の総長、脂牙》が今度は《パルヘリオンⅡ》を連れてきます。 《再稼働》《大牙勢団の総長、脂牙》《忌まわしき眼魔》ととにかく墓地を利用するデッキなので、墓地肥やしとして様々なカードが採用されています。   《錠前破りのいたずら屋》はアゾリウス眼魔にも採用されているカードで、墓地にカードを送り込みつつ、《再稼働》にアクセスできます。 2ターン目に《再稼働》を打つためには1ターン目から墓地を肥やす必要があります。そこで採用されているのが《異世界の凝視》と《秘本掃き》。《秘本掃き》は枚数だけなら破格の5枚切削。一方の《異世界の凝視》は3枚の内好きな数を残せる上、フラッシュバックもついていて、1枚で2度お得なカード。 《信仰の繕い》と《染みついた耽溺》はいずれもカードを引いて捨てるインスタントで、切削と違って手札のコンボパーツを捨てられます。いずれも2ドローでき、引いてから捨てるカードを選べるので便利ですね。 このデッキには3マナ以下のアーティファクトがないため、一見すると《再稼働》より《救いの手》の方が良いのではないか?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は僕も最初はそう思っていましたが、よく考えると《救いの手》はタップインでクリーチャーが出てくるので、《大牙勢団の総長、脂牙》を吊り上げた時に《パルヘリオンⅡ》に搭乗できませんでした。絶対に《再稼働》です! 普通のパルへリオンに飽きてしまった方はぜひ一度、眼魔パルへリオンを手に取ってみてください!     オボシュケトラモーズエネルギー モダンリーグ : 5-0 By NicolasGEM カードを戦場や墓地から追放するたびにドローする《新たな夜明け、ケトラモーズ》。既にモダンでは《溌剌の牧羊犬、フィリア》《孤独》でたくさんカードを引くオルゾフブリンク、そして《超能力蛙》との瞬殺コンボを搭載したエスパー眼魔と、様々なデッキで活躍しています。 そんな《新たな夜明け、ケトラモーズ》の新たな活躍場所はなんとエネルギー!『モダンホライゾン3』の問題児が『霊気走破』のトップレアとタッグを組みました。 まずなんといっても《新たな夜明け、ケトラモーズ》と相性の良い《火の怒りのタイタン、フレージ》。脱出するだけで《新たな夜明け、ケトラモーズ》でカードが引けるなんて夢のようですね。そして引いたカードを使っていくだけで墓地が溜まるので、また《火の怒りのタイタン、フレージ》がすぐ脱出できるようになります。 これまでのエネルギーは一度脱出した後に再び脱出するのは大変でしたが、《新たな夜明け、ケトラモーズ》のおかげで比較的容易になりました。   《ボガートの獲物さらい》《虚無の呪文爆弾》は墓地を追放し、《虹色の終焉》《静牢》はパーマネントを追放し、《鋼と油の夢》も手札と墓地のカードを追放してくれるので、すべて《新たな夜明け、ケトラモーズ》によりドローのオマケがついてきます。このデッキは実に簡単にカードが引けるのです。《新たな夜明け、ケトラモーズ》、すごすぎる! エネルギーに《新たな夜明け、ケトラモーズ》が入るだけでもスパイシーですが、このデッキは更に相棒として《獲物貫き、オボシュ》を採用しています。 デッキに奇数のカードを入れられないという強烈な構築制限を課す《獲物貫き、オボシュ》。エネルギーに入っている偶数のカードと言えば……そう、《ナカティルの最下層民、アジャニ》と《ゴブリンの砲撃》です。 この2つを失ったことでエネルギーデッキは速度を失いました。《ナカティルの最下層民、アジャニ》《ゴブリンの砲撃》《火の怒りのタイタン、フレージ》による直接火力でライフを削りきるのが従来のエネルギーでした。 それができない分、このリストは《新たな夜明け、ケトラモーズ》と除去で盤面をさばきながらリソースを取っていく、コントロール的勝ち方が可能となっています。   《獲物貫き、オボシュ》自体は非常に攻撃的な相棒です。奇数のパーマネントが与えるダメージが2倍になるので、《火の怒りのタイタン、フレージ》が6点火力になってくれます。《栄光の闘技場》から《火の怒りのタイタン、フレージ》が走れば6点×2と12点で一撃24点も可能です。 ただでさえ強いエネルギーが、《新たな夜明け、ケトラモーズ》という新たなリソースカードを手に入れたことで更に強くなる予感がしています。 今後《新たな夜明け、ケトラモーズ》はエネルギーの定番となるのでしょうか?

【今週のピックアップデッキ】オルゾフサクリファイス/ボロスイクイップメント/アスモニュメント

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.02.14

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ オルゾフサクリファイス ボロスイクイップメント アスモニュメント オルゾフサクリファイス スタンダードチャレンジ : 6位 By Folero カードを生け贄にして様々な恩恵を得るデッキ、サクリファイス。   《大釜の使い魔》《魔女のかまど》《波乱の悪魔》によって大量のダメージを与えて勝利するラクドスサクリファイスは今もパイオニアで現役のデッキで、スタンダード時代もこのサクリファイスエンジンは大暴れしていました。 そんなサクリファイスデッキが、今回はオルゾフカラーで登場しました。   まずこのデッキはサクリファイスによって何を起こすのか。それは大量に入っているクリーチャー陣をじっくりと見ればわかります。   《復讐に燃えた血術師》《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》は共に自分のコントロールするクリーチャーが死亡した時に相手のライフを失わせるカード。つまり、このデッキはサクリファイスにより相手のライフを削っていくデッキなのです。 サクリファイス手段として採用されているのは《バルトロメ・デル・プレシディオ》。最近あまりいない、起動にマナがかからないサクり台で、能力も自身に+1/+1カウンターを置くという優秀なもの。サクリファイスデッキには、このマナのいらないサクり手段は必須です。 そして肝心なのは生け贄に捧げるものたちです。ただカードを生け贄に捧げてもどんどん損をしていってしまうので、供物には工夫が必要です。   《永劫の無垢》は生け贄にするカードとして最上級。死亡するとエンチャントとして戻ってくるだけでなく、クリーチャーを自分がプレイすればカードを引けるので、後続を供給し続けてくれます。 《寄生の賢者》と《入れ子ボット》は共に死亡時に1/1のクリーチャーを戦場に残していくクリーチャーたち。前述の《永劫の無垢》とも相性が良いですね。自分のターンに《入れ子ボット》を出してカードを引き、相手のターンで生け贄にしてトークンを出せばまたカードを引けます。 環境には赤アグロをはじめ、1ターン目からクリーチャーを展開してくるデッキも多々あるため、《かじりつく害獣》は重宝します。ブロックして死亡時に-1/-1すればタフネス2までのクリーチャーを倒せますし、《バルトロメ・デル・プレシディオ》で生け贄にして能動的にクリーチャーにマイナス修正を与えることも可能です。 《うなる大殺犬》は生け贄に捧げた時のボーナスを持っていませんが、パワー2以下のクリーチャーが戦場に出た時に諜報を行い、クリーチャーを墓地に送り込んだり、引き込みたいカードにアクセスしやすくしてくれます。 墓地にクリーチャーを送る手段として《ベイルマークの大主》も用意されています。こちらは切削と同時に回収も行えるカードですね。 なぜ墓地にカードを送りたいのか?その答えはスペル欄にあります。このデッキに入っている唯一のクリーチャー以外の呪文が《過去立たせ》です。 墓地のパワー2以下のクリーチャー・カードをすべて戦場に戻すので、《ベイルマークの大主》以外のクリーチャーがすべて戦場に戻ってきます。そしてそれらのクリーチャーを生け贄にして、相手のライフを失わせて勝利と、コンボチックな動きができるのです!   更に『霊気走破』からの新人にも注目です。その名は《去りし栄光、ザフール》。 他のクリーチャーを生け贄に捧げることで諜報1が行え、最高速度を持っていると、トークンでないクリーチャーが死亡するたびに2/2のゾンビを生成してくれます。つまり《寄生の賢者》が死亡すると1/1と2/2が出てくるわけですね。そこに《過去立たせ》が絡めば1ターンで20点のライフを奪うことも容易です。 ここで問題となるのが、最高速度に到達できるのかという点ですが、それも解決しています。速度を上げるにはクリーチャーで攻撃するしかないわけではありません。相手のライフを失わせれば速度が上がります。つまり、《復讐に燃えた血術師》などの能力でも構わないのです。 かつてスタンダードで活躍していたラリーコンボを思わせる動きのできるオルゾフサクリファイス、好きな方にはたまらないデッキではないでしょうか?   ボロスイクイップメント パイオニアリーグ : 5-0 By  CrusherBotBG 装備品を主軸に据えたデッキと言えば、モダンのハンマータイムがまず頭に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか? 今回はパイオニアで装備品主体のデッキが生まれました!   まずこのデッキには装備品が合計18枚!恐ろしい数採用されています。いまだかつてここまで装備品を採用したデッキを見たことがありません。   初手にあると戦場に出した状態からゲームを始められる《力線の斧》、モダンでもよく見る《影槍》。この辺りは構築フォーマットでもよく使われるので、お馴染みでしょう。 モダンで《ウルザの物語》からのサーチ用として採用されることもある《溶岩拍車のブーツ》は、パワー修正の他に速攻と護法も付与できる便利な装備品。キャストと装備コストがどちらも軽いので使いやすいですね。 《スランの魔力鎧》は正直僕も初めて見たレベルのカードです。装備先のクリーチャーについているオーラや装備品の数だけ+1/+1修正を与える装備品なので、1体につければつけるほどサイズが上がっていく、面白い性能です。こちらも護法がつきます。 装備品でありながら3点除去になるのが《チェーンソー》。クリーチャーが死亡するたびにカウンターが乗っていき、そのカウンター分がパワーに乗るので、どんどんうなりを上げて成長していってくれます。たくさん装備品を採用したいデッキなので、除去を兼ねてくれるのは非常に嬉しいですね。 そして《刃砦の戦鞭》はクリーチャーについた状態で出てくる装備品。実質3マナのクリーチャーですね。装備先が二段攻撃を持つ他、これ以外の装備コストを1つ下げてくれます。《溶岩拍車のブーツ》が0マナになり、《スランの魔力鎧》も1マナと、この辺りの装備品は非常に使いやすくなりますね。 そんな装備品たちをサーチするのが《フェイの血筋のケラン》。装備品をサーチするのが主な役割ですが、装備先としても優秀です。自身が二段攻撃を持つだけでなく、ついた装備品の数だけ他のクリーチャーのサイズも上げてくれるので、みんなで強くなれます。 装備品はアーティファクトなので、実は相性が良いのが《継ぎ接ぎ自動機械》。装備品を唱えるだけで成長してくれて、護法2を持っているのでなかなか除去されません。装備先が除去されてしまうのがこの手のデッキの一番の負け筋ですからね。《スランの魔力鎧》や《溶岩拍車のブーツ》で護法が重なれば実質呪禁です。 そろそろこのデッキの主役をご紹介しましょうか。それはもちろん《熱烈な勇者》!赤単で活躍したカードですが、実は《熱烈な勇者》に装備品をつける際、そのコストが3下がるのです。 《力線の斧》も《スランの魔力鎧》も《影槍》も《チェーンソー》も全部つけ放題なのです!まさにこのデッキのためのカード!というか《熱烈な勇者》がいなかったらこのデッキを組もうと思わなかったかもしれませんね。   1体のクリーチャーに装備品をつけまくる!そんなロマン溢れる戦いができるのがこのボロスイクイップメントの魅力。一撃必殺を決めてみませんか?   アスモニュメント モダンリーグ : 5-0 By DB_InspiringTimmy カードを捨てるたびに様々な効果をもたらす《忍耐の記念碑》。カードを引いたり宝物を出したり3点ルーズさせたりとどの能力も強く、発売前から期待されているカードです。 この手のカードを使う上で重要なのは、《忍耐の記念碑》を出したターンの隙をどう埋めるかです。3マナで何も盤面に影響を与えないカードを出してターンをパスするのは、スタンダードすら危険な行為です。   それは、3ターンキルが横行するモダンにおいてはタブーと言って良いでしょう。だからこそ、このカードの使い方は非常に難しい。   今回ご紹介するデッキは、そんな《忍耐の記念碑》を実にうまく使ったデッキです。   《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》をご存じでしょうか?カードを捨てたターンにのみ唱えることができ、戦場に出た時に《地獄料理書》をサーチしてきます。 その《地獄料理書》は、手札を捨てることで食物を生成します。この食物を2つ生け贄に捧げると、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》がクリーチャーを除去してくれるようになります。 《地獄料理書》はタップするだけでカードを捨てられるので、《忍耐の記念碑》と相性が良いですね。   この《地獄料理書》とセットで採用されるのが《楕円競走の無謀者》。アーティファクトが戦場に出るたびに墓地から手札に戻ってくるこのカードは、《地獄料理書》のコストで手札から捨てると、食物生成にトリガーして手札に帰ってきてくれるので、無から料理を作れるのです。 ここに《忍耐の記念碑》が加わると、手札から《楕円競走の無謀者》を捨てて食物を作りながら1ドローしたりと、凄まじいアドバンテージを生み出します。   《信仰無き物あさり》は2枚のカードを捨てられるので《忍耐の記念碑》を2回誘発させてくれたり、《太陽の執事長、インティ》も手札を捨てながらリソースを稼げるので、マナが不自由な時は《忍耐の記念碑》で宝物を作って《太陽の執事長、インティ》で追放したカードをプレイ、なんてことも。 更に『霊気走破』で登場した《略奪するアオザメ》も、手札を大量に捨てるこのデッキにはぴったり。1ターン目に出して2ターン目には3/3以上となり、あっという間に手をつけられないサイズに成長します。 これまで《地獄料理書》《楕円競走の無謀者》のコンボは、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》が生き残って食物を投げ続けたり、《太陽の執事長、インティ》を複数回誘発させたり、《ウルザの物語》のトークンのサイズを上げたりなど、活躍の機会自体はあったものの、物足りなさがあったのは否めませんでした。 そこに新たに加わった《忍耐の記念碑》と《略奪するアオザメ》は、どちらも単体でゲームプランとして成立するレベルに強力で、間違いなくこのデッキは『霊気走破』で大幅にアップデートされました。 従来のアスモデッキに比べてかなりデッキが速く、粘り強くなりました。《忍耐の記念碑》を使ってみたいならまずこのデッキです!

【今週のピックアップデッキ】ジェスカイ眼魔/オボシュバーン/ラクドスリアニメイト

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.01.31

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ ジェスカイ眼魔 オボシュバーン ラクドスリアニメイト ジェスカイ眼魔 スタンダードリーグ : 5-0 By SaltyXD スタンダードからレガシーまで幅広い環境で使われているクリーチャーと言えば。   そう、《忌まわしき眼魔》。 3マナ5/5飛行脅威的なスペックに加えて、相手のアップキープに戦慄予示を行い、放置しておくとクリーチャーがどんどん横並びになっていく、モダンホライゾン産と言われても疑わないパワーを持っています。 デメリットとして唱える際に墓地を6枚要求するので、モダンでは《発掘》、スタンダードでは《救いの手》など、リアニメイトでデメリットを打ち消す使い方が基本です。 そんな《忌まわしき眼魔》をリアニメイトすることに全力を注ぐデッキがアゾリウス眼魔。昨年の世界選手権から今も活躍を続けています。   本日紹介するジェスカイ眼魔は、《救いの手》《再稼働》で《忌まわしき眼魔》を吊り上げるコンセプトはアゾリウス眼魔と同じなものの、似て非なるデッキ。 最も異なるのは《忌まわしき眼魔》を墓地に落とす手段です。アゾリウス眼魔が《錠前破りのいたずら屋》や《第三の道の創設》でライブラリーから直接《忌忌まわしき眼魔》を落とすのに対し、このデッキでは手札からのディスカードしていきます。 《逸失への恐怖》はパイオニアやモダンでもお馴染みのクリーチャー。カードを捨てて引く能力で損をせず、昂揚した状態で攻撃することで追加の戦闘フェイズを獲得できる、便利な2マナ域。 同じ2マナ域の《太陽の執事長、インティ》もディスカード手段。こちらはリソースを稼ぎつつクリーチャーを強化してくれます。《逸失への恐怖》と相性が良く、昂揚を達成していると2回攻撃できるので、《太陽の執事長、インティ》も2回誘発するのです。 《蒸気核の学者》は面白いチョイスです。2ドローした後にインスタントかソーサリーか飛行を持つクリーチャーを捨てるかカードを2枚捨てるかのいずれかを選ぶので、《忌まわしき眼魔》を捨てれば2ドロー1ディスカードとかなりお得なカード。《遠眼鏡のセイレーン》を捨てても良いのでかなり使いやすいですね。もちろんこのディスカードにも《太陽の執事長、インティ》は反応します。 1枚だけ採用されている《上げ潮、キオーラ》も2枚引いて2枚捨てるクリーチャー。こちらはスレッショルド状態で攻撃するとタコが出るオマケつきなので、墓地が肥えてきた中盤以降は脅威となります。 《忌まわしき眼魔》をライブラリーからではなく手札から墓地に送り込むことで何が変わったのかというと、それはクリーチャーを多く採用できる点です。   従来のアゾリウス眼魔は《錠前破りのいたずら屋》《傲慢なジン》《忌まわしき眼魔》のクリーチャー12枚体制がデフォルトでした。《錠前破りのいたずら屋》はただの1/3警戒なので、戦慄予示による当たりは2種類しかなく、大体の場合はただの2/2クリーチャーです。 しかし、ジェスカイ眼魔は違います。《遠眼鏡のセイレーン》は外れとしても、《太陽の執事長、インティ》《逸失への恐怖》《上げ潮、キオーラ》は当たりの部類に入るので、《忌まわしき眼魔》を合わせて12枚は戦慄予示による当たりがあるのです。《遠眼鏡のセイレーン》《蒸気核の学者》も飛行を持っているので、戦慄予示で場に出す外れというわけでもありません。 また、《逸失への恐怖》《蒸気核の学者》《上げ潮、キオーラ》とドローできるカードがたくさん入っているので、《プロフトの映像記憶》も採用しています。《プロフトの映像記憶》はどんなクリーチャーもフィニッシャークラスに成長させるエンチャントなので、サイド後に《安らかなる眠り》を置かれた際には凄まじい活躍を見せるでしょう。 アゾリウス眼魔はアタッカーである《傲慢なジン》と《忌まわしき眼魔》がいずれも墓地依存のカードなので、墓地対策がとても苦手でしたが、このジェスカイ眼魔は墓地対策にかなり耐性のあるデッキです。 赤を使えるのでサイドには墓地を使わないダメージソースとして《ウラブラスクの溶鉱炉》も採用しており、墓地対策を無視しようとする姿勢が伝わってきます。 スタンダードで《忌まわしき眼魔》を出したい方、選択肢はアゾリウスだけではありませんよ! オボシュバーン パイオニアチャレンジ : 5位 By  KO_Mak パイオニアで長きにわたって親しまれていた相棒、《湧き出る源、ジェガンサ》が禁止され、最近は《空を放浪するもの、ヨーリオン》以外の相棒をすっかり見なくなりました。 そんな中、すい星のごとく現れたのがこのオボシュバーン。   奇数のカードしかデッキに入れられないという強力な制限がある《獲物貫き、オボシュ》。その分ボーナスは破格で、戦場に《獲獲物貫き、オボシュ》がいると、奇数のカードによりダメージがすべて倍になります。 《ギトゥの溶岩走り》は2マナ4点になり、《批判家刺殺》は6点火力になる。そんな夢のような相棒です。 奇数しか採用できない点も、バーンなら難しくありません。火力のほとんどは1マナで、《舞台照らし》《批判家刺殺》は3マナながら、絢爛コストは1マナなので実質1マナ。 そう、よく見るとこのオボシュバーンは、デッキ内に入っているカードがすべて1マナなのです。   それゆえに回った時には凄まじい速度です。《僧院の速槍》《損魂魔道士》の果敢持ちクリーチャーを非常に強く使えるデッキでもあります。何せデッキに入っているカードはすべて1マナですから、3連打してパワー4で殴ることもしばしばあるのです。絢爛と相性が悪いのはご愛嬌。 以前までは火力が弱かったため、《ボロスの魔除け》など2マナの火力呪文に頼る必要があり、《獲物貫き、オボシュ》を採用できませんでした。しかし、『ファウンデーションズ』で登場した《稲妻波》により、赤単でデッキが成立するようになったのです。 面白いのはサイドボードの偶数カードたち。   《解き放たれた狂戦士》はプロテクション白を持つので、天敵である《跳ねる春、ベーザ》を無視して殴り、《力線の束縛》をはじめとした白い除去も受け付けません。 そして4枚採用されている《碑出告の第二の儀式》は、相手のライフがちょうど10なら10点を与えるド派手な火力スペル。 これらの偶数のカードをサイドインする時は《獲物貫き、オボシュ》を相棒に指定できませんが、そのデメリットを補ってあまりある力が、この2種にはあります。   赤単バーンは相手のライフを20点削る設計のデッキです。なぜならデッキには1マナ2点や1マナ3点など、ただダメージを与えることしかできないカードが大量に入っているからです。クリーチャーが多いタイプの赤単は火力を除去として使い、クリーチャーでライフを削っていきます。そのため、ライフゲインを苦にしません。 スタンダードのグルール果敢などはその典型ですね。相手が《跳ねる春、ベーザ》を連打してライフが20になっていようと、《心火の英雄》《多様な鼠》《巨怪の怒り》などが絡めばあっという間にライフは消し飛びます。 そのクリーチャーによるダメージをあまり期待できない赤単にとって、ライフゲインカードは非常に厳しい。《跳ねる春、ベーザ》1枚で《火遊び》2枚分と考えると恐ろしいですよね。   だからこそ、サイド後はライフゲインを意識したカードチョイス。ライフを回復するカードは白が多いので、プロテクション白を持つ《解き放たれた狂戦士》、そして1枚で10点を出す《碑出告の第二の儀式》なのです。 赤好きにはたまらないオボシュバーン、ぜひお試しください。 ラクドスリアニメイト Ultimate Guard Open : 7-1 By Christian Rothen モダンでリアニメイトと言えば《御霊の復讐》。 モダンで《残虐の執政官》を出すなら《不屈の独創力》。 その常識を覆すのが、このラクドスリアニメイト。《御霊の復讐》ではなく《頑強》をリアニメイト手段とし、《残虐の執政官》を吊り上げます。 《頑強》は伝説のクリーチャーを釣れないので、強力なリアニ先の《偉大なる統一者、アトラクサ》《穢すもの、ウラモグ》は採用できません。 しかし、伝説以外でも強力な釣り先は存在します。それが《カザド=ドゥームのトロール》です。 スーパー威迫などと呼ばれている《カザド=ドゥームのトロール》。3体以上でしかブロックできないのでほとんどの場面でダメージを通すことができ、非常に早くクロックを刻んでいきます。1ターン目にサイクリングして土地をサーチして2ターン目に《頑強》で場に戻す動きは強力。   《カザド=ドゥームのトロール》はリアニメイトパーツでありながら、1マナで土地に変えられるので、腐ることがほぼないカード。実はリアニメイト要素はこのデッキには《残虐の執政官》と《頑強》しか入っていません。 残るパーツは殴るカードで構成されています。   《ドラゴンの怒りの媒介者》《ネザーゴイフ》は墓地が豪華になると強くなるカードたち。リアニメイトするためには墓地にカードを送る必要があるので、相性が良いですね。 《逸失への恐怖》は自身が墓地にある時は昂揚達成を助け、戦場に出てもカードを捨てて引くので、2つの意味で昂揚に貢献してくれます。もちろん昂揚達成時の2回攻撃のボーナスも強力。 《残虐の執政官》《カザド=ドゥームのトロール》と重いクリーチャーたちを採用しているので、《探偵のフェニックス》は非常に相性が良いカード。証拠収集6は非常に重いコストですが、このデッキなら達成は容易です。 そして《探偵のフェニックス》のバリューも非常に高いのがストロングポイント。《カザド=ドゥームのトロール》につけば《頑強》のパワーマイナス修正を受けても7点あり、しかも飛行3体を用意するのは現実的に不可能なので、事実上のアンブロッカブル。しかも《頑強》で釣り上げたターンに速攻をつけて攻撃もできます。 もちろん、《残虐の執政官》に《探偵のフェニックス》を授与して攻撃すれば大体勝ちですね。   《カザド=ドゥームのトロール》と《残虐の執政官》による一撃の打点が高いので、《逸失への恐怖》による2回攻撃も活きやすく、かなり早いデッキです。 《信仰無き物あさり》でリアニメイトが強化されたとは言われていたものの、これまでは良いデッキがまだ見つかっていませんでした。 このラクドスリアニメイトは《信仰無き物あさり》を再び輝かせるのか、今後の活躍に注目したいですね。

【今週のピックアップデッキ】ラクドスサクリファイス/ディミーアバウンス/ライフネクロ

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.01.24

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ ラクドスサクリファイス ディミーアバウンス ライフネクロ ラクドスサクリファイス スタンダードリーグ : 5-0 By Tomemoc 最近のスタンダードでは《この町は狭すぎる》《嵐追いの才能》のバウンスギミックが大流行していますが、サクリファイスもスタンダードでは定番のギミックでした。 その名の通り、生け贄(サクリファイス)を有効活用するのがラクドスサクリファイス。まずは生け贄にする手段からご紹介しましょう。   《塔の点火》《最後の復讐》は生け贄にして対象を除去するカードたち。《塔の点火》は生け贄にせずとも2点火力なのでそもそも及第点で、今のスタンダードでは引っ張りだこのカードですね。 《最後の復讐》はサクリファイス専用の除去。クリーチャーかエンチャントを生け贄に捧げることで使える1マナの除去で、好きなクリーチャーを追放できます。生け贄という大きな追加コストな分、強力な除去です。 この2種類はいずれも追放除去なので《心火の英雄》を後腐れなく除去できます。 近頃のサクリファイスで欠かせないのが《不穏な笑い》。他のエンチャントかクリーチャーを生け贄に捧げることで2ドローでき、更にこの《不穏な笑い》が生け贄に捧げられた時に戦慄予示を行えます。能動的な生け贄手段になるだけでなく、自身も生け贄時にボーナスがある、まさにサクリファイスのためのカード。 そして忘れてはならないのが《甦りし悪夢、ブレイズ》。終了ステップにカードを生け贄にし、それと同じタイプのパーマネントを生け贄に捧げさせます。その生け贄を拒否すると2点のライフルーズをさせながら自分が1ドロー。基本は相手がコントロールしていないカードタイプを生け贄にするので、ライフを失わせつつリソースを稼ぐスーパーカードです。 強力な生け贄軍団の次は、その供物たちをご紹介しましょう。   《機械仕掛けの打楽器奏者》は1ターン目から攻撃しつつ、生け贄にするとライブラリーのトップをプレイできるカード。生け贄はリソースを失う行為ですが、《機械仕掛けの打楽器奏者》はカードを失うことのない生け贄素材なので、非常に使い勝手が良いですね。 最近ではバウンスギミックのデッキでも大活躍中の《悪意ある呪詛術士》もサクリファイスで活躍します。戦場に出た時に生成される呪われし者の役割はエンチャントなので、実は《最後の復讐》や《塔の点火》で生け贄にできます。本来デメリットであるはずの呪われし者がサクリファイスではメリットに働くというわけですね。 《望み無き悪夢》もバウンスデッキで活躍するエンチャント。バウンスでは何度も使いまわして手札とライフを奪いますが、サクリファイスでは生け贄先として使います。墓地に置かれた時に占術2ができるのはかなり便利です。 サクリファイスは戦場のパーマネントを生け贄に捧げることが多いので、落魄しやすいデッキです。というわけで強力な落魄カードも採用されています。   《鍾乳石の追跡者》は落魄でどんどん成長していくクリーチャー。威迫があるのでブロックされず、生け贄にすることで除去も行える便利な1マナ域です。1ターン目に出した《鍾乳石の追跡者》を毎ターン《甦りし悪夢、ブレイズ》なので強化していくのが理想の流れとなっています。 落魄カードでもあり、エンチャントなので生け贄にもできるのが《迷いし者の骸》。落魄すれば何度も使い回せるので、こちらがライフを詰めにいく展開ではどんどん手札に戻していくことになります。 落魄手段は決して戦場から墓地に送るだけではありません。《逸失への恐怖》のディスカードで墓地にパーマネント・カードを送っても落魄してくれるのは覚えておいて損はないです。 説明不要の強カード、《ウラブラスクの溶鉱炉》は出たトークンを生け贄に捧げてもよし、ターンが経てばフィニッシャーとしてもよしですが、あくまで生成されるのはトークンなので、落魄しない点には注意。それでも十二分に活躍できます。 様々なシナジー満載のラクドスサクリファイス、この手のデッキがお好きな方にはたまらないはず! ディミーアバウンス パイオニアチャレンジ : 4位 By  rasvd スタンダードですっかり一大勢力となっているバウンス系デッキ。先ほども話にあがりましたが、今のスタンダード環境を語るなら欠かせないギミックです。 《嵐追いの才能》を出し、その《嵐追いの才能》と相手のパーマネントを《この町は狭すぎる》で戻し、《嵐追いの才能》を再びキャスト。レベル2になった時の能力で《この町は狭すぎる》を回収することで、マナはかかりますが無限に《この町は狭すぎる》で妨害を行いつつ、カワウソを生成できるようになります。 そんなバウンスタッグがなんとパイオニアでも活躍しています!   パイオニアでも動きに大きな違いはありません。《逃げ場なし》を戻して除去の使い回しを行ったり、《望み無き悪夢》で相手の手札とライフを同時に攻めていきます。 《食肉鉤虐殺事件》は使い回せる全体除去で、置いておくと相手のクリーチャーを除去するだけでライフを得られるので、コントロールにとって嬉しい1枚。 実は《覆いを割く者、ナーセット》もバウンスカードと相性が良いプレインズウォーカー。『灯争大戦』の一部のプレインズウォーカーは強力な常在能力がある代わりにプラス能力が存在しないため、忠誠度がなくなった後は常在型能力を持った置物になってしまいます。《覆いを割く者、ナーセット》もその内の1枚。 しかし、《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》で手札に戻せば《覆いを割く者、ナーセット》を再び再利用できるのです。 手札に戻すことでリソースを獲得できるカードとして《稲妻罠の教練者》も採用されており、《逃げ場なし》を戻す必要のない対コントロールなどでは、《稲妻罠の教練者》と《覆いを割く者、ナーセット》を何度も使い回していきます。 そしてなんといってもスタンダードとの一番の違いはライブラリーの枚数です!ご覧の通り、このディミーアバウンスはメインが80枚。   そう、《空を放浪するもの、ヨーリオン》が相棒なのです。 ディミーアバウンスは、戦場に出た時に効果を発揮するパーマネントをバウンスで何度も出し直して勝利するデッキ。それならば、戦場のパーマネントを一斉に明滅させてくれる《空を放浪するもの、ヨーリオン》との相性は抜群です。   《稲妻罠の教練者》《望み無き悪夢》《嵐追いの才能》《チビボネの加入》《逃げ場なし》は《空を放浪するもの、ヨーリオン》で一時追放するだけで恩恵がありますし、《覆いを割く者、ナーセット》もリフレッシュできます。 更にこの《空を放浪するもの、ヨーリオン》を《この町は狭すぎる》で回収してもう一度使用することができるので、相棒を徹底的に使い倒すことができるのです。今存在しているデッキの中で最も相棒と相性の良いデッキがこのディミーアバウンスなのです。 相棒は必ず手札に加えられるカードなので、戦略に組み込んだ時の強さは恐ろしいものです。ランダム要素の強いマジックというゲームにおいて非常に高い再現性を生み出すのが相棒システムです。   相棒界の王、《夢の巣のルールス》が入ったデッキは、軽いアクションで相手の除去と交換を続け、除去が尽きたところで《夢の巣のルールス》を出して勝利という動きが定番でした。必ずゲーム中に引けるカードは戦略として実に組み込みやすいのです。 パイオニアのディミーアバウンスは《空を放浪するもの、ヨーリオン》によって非常にデッキパワーが高く、これからどんどん活躍していくデッキになると個人的には思っています。 ライフネクロ モダンリーグ : 5-0 By PeanutBrittle ライフをドローに置換することのできる《ネクロポーテンス》。そのリメイク版として『モダンホライゾン3』で登場したのが《ネクロドミナンス》です。 元祖よろしく1点のライフを支払ってカードを引けるエンチャントで、手札の上限枚数が5枚になるなど、デメリットこそありますが、その性能は基本的には《ネクロポーテンス》です。 この《ネクロドミナンス》を活用したデッキが黒単ネクロ。《一つの指輪》《ネクロドミナンス》で大量の手札を確保し、《魂の撃ち込み》を相手に打ち続けて勝利します。 《一つの指輪》の禁止によってリソース確保手段は減ってしまいましたが、それでも《ネクロドミナンス》の強さは健在。今回は形を大きく変えた《ネクロドミナンス》デッキとして、このライフネクロを紹介します。 《ネクロドミナンス》で大量ドローするためにはライフが必要になりますが、その回復手段として黒単でも定番だった《魂の撃ち込み》と《不憫な悲哀の行進》に加えて、《滋養の群れ》も採用されています。 《滋養の群れ》は手札から緑のカードを追放することで、その追放したカードのマナ総量分のライフを獲得できます。《土着のワーム》を追放して15点ゲインできるので、《ネクロドミナンス》15ドロー分を0マナで確保できるのです。 《滋養の群れ》で回復するために《土着のワーム》の上から採用されているのが《一なる否命》です。手札からプレイした際にライブラリーからスピリットを場に出し、死亡時に墓地からスピリットを吊り上げる……なんて能力を使うことは一度もありません。 このカードの価値はそのマナ総量と色にあります。   《滋養の群れ》のコストに使えば12点のライフを得られる他、黒なので《魂の撃ち込み》でも追放できます。要するに黒でもあり緑でもあるカードの中で最も重いカードだから採用されているのです。 ライフゲインカードを大量にデッキに入れたことで《マルコフ家のソリン》を活用できるようになったのもポイント。3点以上のライフを得ることで変身でき、プレインズウォーカーになると、このターンに得たライフの分だけ好きな対象にダメージを与えられるので、《滋養の群れ》で《土着のワーム》を追放すると15点ダメージになります。 《薄暮薔薇の棘、ヴィト》も回復したライフ分、相手のライフを失わせるカードなので、このデッキの《滋養の群れ》は0マナ15点火力となる瞬間が多々あります。 そして《オルサンクのパランティール》。終了ステップの開始時にカードを引くか、切削を相手が選び、切削したカードの中のマナ総量分だけ相手にダメージが入ります。 通常は切削を選ばれますが、このデッキは《滋養の群れ》のために6枚の超高コスト呪文を採用できるようになったので、《オルサンクのパランティール》による切削は時に一撃必殺となるのです。 ギミック満載のアブザンネクロ、その破壊力をぜひ味わってみてください。

【今週のピックアップデッキ】グルール昂揚/シミック眼魔/焼却者バーン

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.01.18

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。         紹介デッキ グルール昂揚 シミック眼魔 焼却者バーン グルール昂揚 スタンダードリーグ : 5-0 By Edel スタンダードでグルールと言えば《心火の英雄》《多様な鼠》《熾火心の挑戦者》の強力な赤のハツカネズミたちを主軸に据えた赤アグロ。 このグルールもアグロデッキではありますが、《心火の英雄》《多様な鼠》《熾火心の挑戦者》の3種のハツカネズミはいずれも採用されていません。 このグルールは、その名の通り"昂揚"によって戦うデッキです。 マジックオンライン以外でも、関西でのリアルトーナメントでも活躍しており、プレミアム予選も突破している、今ホットなデッキ。 昂揚は、4種のカードタイプを墓地に揃えることで達成できます。条件が非常に厳しいため、昂揚になった際のボーナスは強力な場合が多く、このデッキには多くの昂揚ボーナスを持つカードたちが採用されています。 まずは1マナ3/3と破格のスタッツを持つ《継ぎ接ぎのけだもの》。昂揚状態でしか戦闘に参加できませんが、アップキープに切削を行えるので、昂揚を助けてくれます。自身がアーティファクトクリーチャーなので墓地に落ちた際の昂揚カウントにも便利。 下フォーマットでもお馴染みの《逸失への恐怖》は、昂揚で追加の戦闘フェイズを発生させる凄まじいカード。戦場に出た時にカードを捨てて引き、更にクリーチャー・エンチャントなので、昂揚の達成にも貢献します。 《野火の木人》は普通に出しても2マナ3/2速攻で、昂揚時は4/3トランプル。2マナ4/3速攻トランプルは下環境でも通用するスペックです。カカシなのでアーティファクトクリーチャーです。 そして《雑食性ハエトリグサ》。昂揚していると、戦場に出た時や攻撃時に+1/+1カウンターを2個割り振り、更に6種のカードタイプがある状態では乗せている+1/+1カウンターが倍になる、非常に攻撃的な植物です。 昂揚達成時の恐ろしさについてわかってもらえたところで、肝心の昂揚の満たし方についてもお話しましょう。   前述のようにエンチャントやアーティファクトでもあるクリーチャーたちがデッキには大量に入っているので、それらのクリーチャーを《陥没穴の偵察》の探検や《瓦礫帯の異端者》の諜報、《逸失への恐怖》のディスカードで墓地に落としていきます。 《脱走》はこのデッキだからこそ使える強力なスペル。2マナ以下の強力なクリーチャーが多いので、《脱走》で状況に応じて上6枚から選択して戦場に出すことができます。速攻のオマケがつくので、昂揚達成時に《逸失への恐怖》を出して、速攻を付けて他のクリーチャーをアンタップして再アタック、なんてことも。 昂揚さえ満たせればスタンダードとは思えない性能のクリーチャーたちで襲い掛かるこのグルール昂揚。普通のグルールに食傷気味の方はぜひお試しください。 シミック眼魔 パイオニアチャレンジ : 優勝 By  Tunaktunak 原根 健太さんが配信で開発し、直後にパイオニアチャレンジで入賞したのを皮切りに優勝・準優勝ととにかく勝ちまくっている、今激アツなデッキ。   その名の通り、このデッキは《忌まわしき眼魔》に特化している、眼魔による眼魔のための眼魔デッキです。《忌まわしき眼魔》を出す手段と《忌まわしき眼魔》を守るカードばかりでデッキは構成されています。 《忌まわしき眼魔》を出す手段は大きく2つ。1つは墓地を肥やして手札から出す。《ファラジの考古学者》《サテュロスの道探し》で墓地を肥やせますが、それ以外の切削カードは採用されていません。あくまで合法的に《忌まわしき眼魔》を召喚するのはサブプランです。 メインとなるのは、《新生化》によってデッキから直接場に出す方法です。   《新生化》は生け贄に捧げたクリーチャーよりマナ総量が1高いクリーチャーをデッキから場に出すことができます。 これにより、2マナクリーチャーを生け贄に捧げることで《忌まわしき眼魔》を場に出せるのです。 生け贄に捧げる2マナクリーチャーは《新生化》を手札に加える手段が3種採用されています。《ボーラスの占い師》《ファラジの考古学者》《稲妻罠の教練者》はすべて2マナでライブラリーの上3~4枚からインスタント・ソーサリーを1枚手札に加えられます。 2ターン目に《ボーラスの占い師》《ファラジの考古学者》《稲妻罠の教練者》で《新生化》を手札に加え、3ターン目に《新生化》で《忌まわしき眼魔》を呼び出しつつ、1マナを構えるのがシミック眼魔の勝ちパターンです。 《新生化》を防ぐために相手が2マナクリーチャーを除去してきても、2マナクリーチャーは14体も入っているので、次の2マナクリーチャーを用意すればいいだけです。こちらとしてはさほど痛手にはなりません。   《新生化》で《忌まわしき眼魔》を呼び出した後は、今度はこの《忌まわしき眼魔》を守るフェイズに突入します。   パワー4以上のクリーチャーをコントロールしていると《否認》になる強力な打ち消し、《頑固な否認》。《忌まわしき眼魔》を出す前提なら《否認》の上位互換です。 《タイヴァーの抵抗》は1マナで使えば呪禁と破壊不能を付与するインスタント。マナをつぎ込むことでパワーとタフネスにも修正を加えるので、フィニッシュ手段としても優秀です。 モダンの御霊でも採用実績のある《本質の変転》も《忌まわしき眼魔》を逃がせる1枚です。クリーチャーを追放して戦場に戻すので、たとえば戦慄予示で伏せてある《ファラジの考古学者》に《本質の変転》を打つと、表のまま戦場に出るので《ファラジの考古学者》の能力を誘発させられます。 このように3種の《忌まわしき眼魔》を守る手段はそれぞれ違うメリットを持っています。   《消えゆく希望》は優秀なバウンス呪文です。シミックカラーでは除去手段がほとんどないため、《消えゆく希望》による妨害は必須です。 バウンスを自分のクリーチャーに使えるのは《忌まわしき眼魔》のメリットです。戦慄予示で伏せた裏向きクリーチャーにバウンスを打つと自分の手札に戻るので、たとえば《頑固な否認》や《タイヴァーの抵抗》、必要であれば《新生化》を手札に戻せば、使用できるようになります。 戦慄予示で昂揚を達成すれば《ウルヴェンワルド横断》で《忌まわしき眼魔》をサーチしたりなど、様々な手段で《忌まわしき眼魔》を呼び出す、極限まで《忌まわしき眼魔》に特化したデッキ。《忌まわしき眼魔》をとにかく使い倒したいならこのデッキに決まりです! 焼却者バーン モダンリーグ : 5-0 By antonSN5 『ファウンデーションズ』で登場した《稲妻波》により、ついに《溶岩の撃ち込み》8枚体制となったバーン。 しかし、《火の怒りのタイタン、フレージ》《魂の導き手》の強力なライフゲインカードの存在でどうしても活躍できていないのが現状です。 そんなバーンファンの皆様に朗報!今回は新たな形のバーンがモダンリーグで5-0しました!! モダンの定番だったボロスカラーではなくなったのが今回の新たなバーン。2マナ4点の《ボロスの魔除け》すら排除し、デッキ内に入っている本体火力はすべて1マナになっています。 《稲妻波》《溶岩の撃ち込み》《稲妻》《裂け目の稲妻》《批判家刺殺》はすべて1マナの3点火力呪文で、ダメージ効率で言えば最高です。 唯一1マナ2点の《炎の印章》が入っている理由は……この後明らかになります。 2マナの火力は厳選されており、《焼尽の猛火》のみとなっています。上陸しているとクリーチャーとプレイヤーに3点ずつを与えられる火力なので、2マナ6点相当とすさまじい性能です。クリーチャーとのダメージレースになりやすいバーンデッキでは、クリーチャーを焼きつつプレイヤーにもダメージを与えられる《焼尽の猛火》は貴重で、2マナを支払う価値があります。 《乱動する渦》は直接火力ではありませんが、アップキープにプレイヤーに1点のダメージを与えるエンチャント。それだけでなく、呪文を唱える際にマナが支払われていなかった場合に、そのプレイヤーに5点を与えます。《モックス・アンバー》や《ミシュラのガラクタ》のような0マナのカードを唱えても5点を与えられますし、《否定の力》などのピッチ呪文、続唱でめくれた呪文、《孤独》などにも反応して5点のダメージを与えてくれます。 さて、クリーチャーたちも見ていきましょう。まずは《玉虫色の蔦打ち》です。 上陸するたびに対戦相手に1点のダメージを与えるトカゲ。フェッチランドで2点のダメージを与えられ、新生していると2体になるのでフェッチランドが4点火力になってくれます。   これだけでは《ゴブリンの先達》《僧院の速槍》といったバーン定番の1マナ域より弱そうですが、もう1体のクリーチャーがこの《玉虫色の蔦打ち》と噛み合うカード。 それこそが焼却者バーンの主役、《チャンドラの焼却者》です! 6マナ6/6とバーンにとても入るとは思えない重さのクリーチャーですが、安心してください。このクリーチャーは実質1マナ6/6です!   このターンに対戦相手が受けた戦闘以外のダメージ1点につきコストが(1)軽くなるので、たとえば相手が《稲妻》で3点を受けていた場合は3マナになります。 ここで《炎の印章》がなぜデッキに入っているかが明らかとなりましたね。《炎の印章》を1ターン目に置き、2ターン目に《稲妻》を本体に打ち、その後《炎の印章》を生け贄にすると、このターンに相手が5点のダメージを受けているので、《チャンドラの焼却者》が1マナになります。《チャンドラの焼却者》のコストを軽くするには1ターンで相手がたくさんのダメージを受けなければならないので、《炎の印章》は相性が良いのです。 《裂け目の稲妻》もマナを払った次のターンに待機が明けてダメージが入るので、《チャンドラの焼却者》と相性が良いカードです。 先ほど紹介した《玉虫色の蔦打ち》もまた、《チャンドラの焼却者》の2ターン目キャストに貢献します。1ターン目に出しておき、2ターン目にフェッチランドを起動すれば2点が入るので、後3点を与えれば2ターン目に6/6を出せるというわけです。 しかも《チャンドラの焼却者》はただサイズが大きいだけではありません。《チャンドラの焼却者》が戦場にいると、プレイヤーに非戦闘ダメージが入った時に、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャーやプレインズウォーカーに同じ点数のダメージを与えられます。《稲妻》はもちろん、クリーチャーに打てない《溶岩の撃ち込み》なども《焼尽の猛火》になってくれるのです。 2ターン目《チャンドラの焼却者》のブン回りは病みつきになるかもしれませんよ。

【今週のピックアップデッキ】アゾリウス全知/マーフォーク/悟ブリンク

週刊 Modern Pioneer Standard ピックアップ

2025.01.10

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 アゾリウス全知(スタンダード) MOリーグ:5-0 By KidWar 『ファウンデーションズ』では《ラノワールのエルフ》をはじめ、様々な往年の名カードが再録されていますが、実はレガシーやパイオニアで現在も現役バリバリで稼働しているあのカードも収録され、スタンダードに帰ってきています。 そう、《全知》です。 手札から呪文をタダで唱えられるというエンチャント。そのマナコストは10マナと重いですが、マジックを遊戯王に変えるぐらいの能力なので当然です。 この《全知》を《アブエロの覚醒》で墓地から吊り上げるのがアゾリウス全知。最速4ターンキルも可能なデッキとなっています。 デッキのコンセプトは至って単純。《全知》を墓地に落とし、《アブエロの覚醒》で戦場に戻す。ただこれだけです。 墓地に落とす手段は実に豊富です。《ファラジの考古学者》《錠前破りのいたずら屋》はそれぞれカードを切削して《アブエロの覚醒》を手札に加えられるカードたち。その過程で《全知》を落とせます。 《決定的瞬間》《困惑の謎掛け》も同じく、《全知》を墓地に送りつつ《アブエロの覚醒》を手札に入れられるカード。《困惑の謎掛け》は打ち消し呪文としても運用できるので、相手の動きを見てモードを選択できて嬉しいですね。 手札に《全知》が来た場合も問題はありません。《航路の作成》で手札から直接墓地に落とせます。このデッキではリソースはさほど重要ではないため、強襲を達成してから《航路の作成》を打つと、後で引いてきた《全知》を捨てられずに困る場合があります。 《エファラの分散》はクリーチャーをバウンスしつつ、諜報2で《全知》を切削できるので、デッキと噛み合ったカードです。 これらのカードで《全知》を落とし、《アブエロの覚醒》で戦場に戻し、そこからどうやって勝利するのか。その手順をご紹介します。 1.《アブエロの覚醒》で《全知》を墓地から戦場に戻す。1/1の《全知》が戦場に出る。 2.《アルケヴィオスへの侵攻》を戦場に出してサイドボードから《機織りの季節》をサーチ。 3.《機織りの季節》を、1/1の《全知》をコピーしながら、トークンと土地以外をすべて手札に戻すモードで使用。 4.コピーの《全知》以外のすべての非土地パーマネントが手札に戻るので、先ほど唱えた《アルケヴィオスへの侵攻》を再キャスト。サイドボードから《肝冷やしの手》を手札に加える。 5.《肝冷やしの手》で《アルケヴィオスへの侵攻》を手札に戻して戦慄予示を行い、再び《アルケヴィオスへの侵攻》を出して墓地から《肝冷やしの手》を回収する。 6.《アルケヴィオスへの侵攻》が戦慄予示によって戦場に裏向きで出るまで、5を何度も繰り返す。 7.《肝冷やしの手》で2枚目の《アルケヴィオスへの侵攻》が戦慄予示で戦場に出たら、手札から《アルケヴィオスへの侵攻》を出し、墓地から《機織りの季節》を手札に。 8.《機織りの季節》を唱えて、戦慄予示の2/2をコピーしながら全バウンスモードを使用。コピーの2/2と《全知》以外のすべてのパーマネント(《アルケヴィオスへの侵攻》2枚を含む)が手札に戻る。 9.《機織りの季節》で2/2をコピーしながら全バウンスで《アルケヴィオスへの侵攻》が2枚手札に戻り、1枚目で好きなインスタント・ソーサリーを手札に加えつつ、2枚目で《機織りの季節》を回収して再度8を行うことで、無限に2/2を増やしながら、ライブラリー・墓地・サイドボードから任意のインスタント・ソーサリーを手札に加えられるようになる。 10.最終的に無限体の2/2を出して手札を4枚の《困惑の謎掛け》《否認》《失せろ》《エファラの分散》にしてターンエンド。相手のターンで7回の妨害を行い、無限体のトークンで攻撃して終了。 少し長いですが、このような手順で勝利となります。 《アブエロの覚醒》で釣った《全知》が1/1のクリーチャーになるので、《機織りの季節》でコピーを作り出せるというのがミソですね。最初は僕も全然コンボの方法がわからずに、MTGアリーナで画面と格闘していました。《機織りの季節》のテキストを2回読み直してようやく気付くことができましたが。 《全知》を遊戯王と表現しましたが、実際に《全知》が着地してからの勝利手順はまさに遊戯王と言わんばかり!マジックで遊戯王を楽しんでみたいならこのデッキで決まりです! マーフォーク(パイオニア) パイオニアチャレンジ:優勝 By claudioh マジック界随一の人気を誇る種族、マーフォーク。その歴史は非常に古く、黎明期から《アトランティスの王》は活躍していました。 レガシーではかつて最強と言われていて、モダンにおいても度々強化が入って騒がれているマーフォーク。美しいその容姿とは裏腹に、戦術は肉弾戦を得意としています。このギャップもマーフォークの魅力かもしれませんね。 すべてのマーフォークを+1/+1する《アトランティスの王》《ヴォーデイリアの呪詛抑え》《真珠三叉矛の達人》たちで盤面を強化し続けて相手のライフを一瞬で削りきる。これが下環境におけるマーフォークの戦略でしたが、パイオニアでのマーフォークは一味違います。 カラーリングはシミック。緑のカードは3種で、その内2枚はいずれも1マナ。 1マナ2/2の《クメーナの語り部》と、戦場に出た時に探検を行える《陥没穴の偵察》。いずれも非常に優秀なマーフォークなので納得です。 もう1種となるのが《キオーラの追随者》。他のパーマネントをアンタップできるので、一時的なマナ加速が可能なマーフォークなのですが、殴りに向いたクリーチャーではありません。 それならなぜこのカードが入っているのかというと、答えはクリーチャー以外の部分にあります。そう、《深根の巡礼》です。 トークンでないマーフォークがタップするたびに呪禁を持つマーフォークを生成するエンチャント。攻撃するたびにマーフォークを生成していくデザインのカードですが、これが《キオーラの追随者》と組み合わさることで恐ろしいコンボになります。 《キオーラの追随者》を2体出し、Aの能力でBをアンタップし、次にBでAを起こすと……無限にマーフォークをタップできるので、《深根の巡礼》で無限体のトークンを生成できるのです。 とはいっても《キオーラの追随者》が2体並ぶことなど稀。そこで採用されているのが《アガサの魂の大釜》です。 《アガサの魂の大釜》で《キオーラの追随者》を追放すると、+1/+1カウンターが乗ったすべてのクリーチャーが《キオーラの追随者》になるので、非常に簡単にコンボが決められるようになります。 《陥没穴の偵察》は探検でカウンターが乗れば能力が使えますし、《オラーズカの暴君、クメーナ》はすべてのマーフォークにカウンターを乗せられるので、《アガサの魂の大釜》との相性抜群です。 コンボを揃えるためのカードたちも優秀なメンバー揃いです。かつて禁止カードだった《密輸人の回転翼機》は《キオーラの追随者》を墓地に送りながら《アガサの魂の大釜》を引き込めるカードで、搭乗によってクリーチャーをタップできるので、《深根の巡礼》との相性も単純に良いですね。搭乗コストは1ですが、クリーチャー化した《密輸人の回転翼機》に更に搭乗することができるので、攻撃せずに毎ターン、トークンでないマーフォークの数だけ1/1の呪禁を生成可能です。 そして《上げ潮、キオーラ》。こちらは2枚引いて2枚捨てるので効率よくコンボパーツを揃えられますし、《密輸人の回転翼機》《陥没穴の偵察》の探検と組み合わせてスレッショルドを達成すれば、破格のボーナスも得られます。 《上げ潮、キオーラ》による攻撃や《深根の巡礼》+《密輸人の回転翼機》のトークン生成からの《オラーズカの暴君、クメーナ》全体強化と、決してコンボ一辺倒ではないのがパイオニアのマーフォークの魅力。コンボを揃えるカードが非常に強力なのが頼もしいですね。 美しい魚たちが織り成す無限コンボをぜひ一度体感してみてください。 悟ブリンク(モダン) モダンリーグ:5-0 By DB_DackFayden7 クリーチャーを一時的に追放して戦場に戻す能力のことを、マジックでは「ブリンク」と呼ばれています。 《一瞬の瞬き》の英語名、Momentary Blinkに由来し、同じような能力のカード、たとえばこのデッキに採用されている《儚い存在》がブリンクと呼ばれることもあれば、ブリンクカードを駆使したデッキをブリンクと名付けることもあります。 クリーチャーを一瞬だけ追放して戦場に戻す。この一見意味のない能力は、相手が打ってきた除去を回避する役目もありますが、一番の目的はなんといっても、戦場に出た時の能力をブリンクによって何度も誘発させることです。 この悟ブリンクも、実に様々な方法でブリンクを起こし、活用していきます。 まずデッキ名になっている《潜入者、悟》。自身や他のトークンでないクリーチャーが唱えられずに戦場に出た時にドローできる能力を持っています。クリーチャーがブリンクすると1枚引ける、このデッキにとっては凄まじいドローエンジンなのです。さすがデッキ名を冠するだけあります。 ブリンクする方法は様々ですが、まずは先ほども少し名前の出た《儚い存在》。反復がついているので1枚で2回のブリンクを起こすことができ、《潜入者、悟》でお手軽2ドローです。しかもブリンクするクリーチャーも何かしらのアドバンテージをもたらすので、1枚で4枚分の得ができる、アンリコ超えの性能! 《溌剌の牧羊犬、フィリア》は最近ではボロスエネルギーにも入り始めているブリンク犬。相手のパーマネントを選ぶこともできますが、自分のパーマネントをブリンクすると《溌剌の牧羊犬、フィリア》自身が強くなるオマケつき。一時的に相手のブロッカーを排除して攻撃を通すなど、器用なブリンククリーチャー。 元祖ブリンククリーチャーである《ちらつき鬼火》も採用されています。《溌剌の牧羊犬、フィリア》と違い、戦場に出た時のみなので使い切りではありますが、自身が3/1飛行とまずまずのスタッツ。《溌剌の牧羊犬、フィリア》で《ちらつき鬼火》を追放して、《ちらつき鬼火》で他のカードを追放して……と追放リレーをしていくと、《潜入者、悟》で毎ターン大量のカードをドローできます。 ブリンク先となるカードもどれも強力。《ベイルマークの大主》は兆候で唱えてブリンクすることでただのクリーチャーとして戦場に戻ってくるので、ブリンクとの相性が非常に良いカードです。戦場に出て1枚、ブリンクして1枚なので、2枚を回収しながら次のターンから早速攻撃し、更にクリーチャーを回収します。 想起+ブリンクの恐ろしさは《悲嘆》で皆さんご存じですよね。《孤独》を想起で唱えてブリンクすることで、2体のクリーチャーを除去しながら、《孤独》を戦場に着地させられます。《溌剌の牧羊犬、フィリア》では想起状態の孤独をブリンクできませんが、《儚い存在》か、《霊気の薬瓶》から出す《ちらつき鬼火》であれば、想起で唱えた《孤独》を即ブリンクしてクリーチャーとして戦場に出せます。 面白いのが《骨の皇帝》。エスパー御霊などでもおなじみのリアニメイトクリーチャーですが、このデッキでは順応して釣り上げたクリーチャーをブリンクしたり、順応済みの《骨の皇帝》をブリンクしてもう一度順応し直すなど、いろいろな使い道があります。 《骨の皇帝》で《溌剌の牧羊犬、フィリア》をリアニメイトして即攻撃し、順応した《骨の皇帝》を元に戻す、なんてことも。 本来であればリアニメイトしたクリーチャーは終了ステップに生け贄に捧げなければなりませんが、このデッキには大量のブリンクカードが入っているので、最終カウンターもなくなり、墓地から蘇ったクリーチャーは完全にリフレッシュして戦場に戻ってきます。 墓地を肥やす手段としては《ベイルマークの大主》があるため、吊り上げには困らないでしょう。《ベイルマークの大主》を墓地から吊り上げて即攻撃して2回の切削&回収を行い、そこにブリンククリーチャーを見つければ、無限のリソースとなります。 この手のブリンクデッキは攻撃手段に乏しかったのですが、悟ブリンクは《溌剌の牧羊犬、フィリア》《骨の皇帝》など、それなりの攻撃を仕掛けながら、《潜入者、悟》《ベイルマークの大主》でアドバンテージを取っていくので、ただ手札が肥えていくだけのデッキではありません。悠長に構えているとあっという間にゲームに敗北してしまうでしょう。 《霊気の薬瓶》が1ターン目に出てきた時のスピードと展開力は目を見張るものがあります。ブリンクがお好きな方にピッタリのデッキです!

【今週のピックアップデッキ】エスパーピクシー/スゥルタイ眼魔/ディミーアアスモフード

週刊 Modern Pioneer Standard

2024.12.20

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 エスパーピクシー(スタンダード) MOリーグ:5-0 By Trellon 『ダスクモーン:戦慄の館』はエンチャントがメインのセット。そこで生まれたアゾリウスエンチャントは環境初期に活躍し、今でもその姿をトーナメント上位で見かけます。そんなアゾリウスエンチャントとは一線を画した新たなエンチャントデッキが、このエスパーピクシー。デッキ名になっている《養育するピクシー》はもちろんエスパーピクシーの主役。土地かフェアリーでないパーマネントを戻すことで1マナ2/2飛行になるピクシーを活かしたデッキです。どう活かすのか。それはもちろん戦場に出た時に恩恵をもたらすエンチャントとの組み合わせです。《望み無き悪夢》や《嵐追いの才能》、《チビボネの加入》などを使い回し、アドバンテージを得ていきます。エンチャントを出し直すので、違和感を持つカードとの相性は抜群です。《呑気な物漁り》を何度も誘発させることができ、序盤に出していた《養育するピクシー》がどんどん大きくなり、あっという間に対戦相手のライフを削り取ります。《孤立への恐怖》はこのデッキに欠かせない存在です。自身がエンチャントなので違和感を誘発させつつ、先ほど紹介した、戦場に出た時に効果を発揮するカードを戻します。戻すカードと言えばもちろん《この町は狭すぎる》も採用されています。もはや《嵐追いの才能》と《この町は狭すぎる》はセットになりましたね。レベル2で《この町は狭すぎる》を回収して《嵐追いの才能》に打ち、再び唱え直してレベル2にで《この町は狭すぎる》……とこのようにループを形成できます。《この町は狭すぎる》は自分のパーマネントも2枚戻すことができますが、このデッキでは特にその使い方が多そうです。《望み無き悪夢》と《チビボネの加入》を戻して出し直すだけで相手は嫌な顔をすること間違いなし。赤アグロに必殺の《幽霊による庇護》もメインから4枚採用されており、殺意を感じます。普通のエンチャントデッキに飽きてしまった方には特におすすめです! スゥルタイ眼魔(パイオニア) MOリーグ:5-0 By sloth_thopterist 《叫ぶ宿敵》や《悪夢滅ぼし、魁渡》に《ホーントウッドの大主》など、スタンダードやパイオニアで大活躍するカードが多数収録されている『ダスクモーン:戦慄の館』。その中でも最も広い環境で使われているカードと言えば《忌まわしき眼魔》ではないでしょうか。モダンでは《濁浪の執政》より優先して採用されるようになり、ディミーア眼魔というアーキタイプが生まれ、スタンダードでは《僧院の導師》を押しのけてアゾリウスメンターをアゾリウス眼魔に改名させました。そんな《忌まわしき眼魔》が主役となるスゥルタイ眼魔。他のデッキが《忌まわしき眼魔》を《救いの手》や《発掘》でリアニメイトするのに対し、このデッキでは手札から普通に唱えるのが基本です。《忌まわしき眼魔》は6枚の墓地を必要とするので、切削カードが大量に入っています。《サテュロスの道探し》、《アーボーグのルアゴイフ》で墓地を肥やし、《忌まわしき眼魔》へと繋げていきます。《上げ潮、キオーラ》は墓地を肥やしながらスレッショルド達成時には大きな恩恵を受けられるクリーチャー。《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》のマナクリ8枚体制なので、後半これらのカードが不要になり、その際にも《上げ潮、キオーラ》は役に立ちます。もちろん《忌まわしき眼魔》を踏み倒す手段もきちんとあります。まずは《集合した中隊》。デッキに入っているクリーチャーカードはすべて3マナ以下なので32枚のカードがヒットします。《集合した中隊》を強く使うためには「いかに強い3マナクリーチャーをたくさん採用するか」がカギとなりますが、《忌まわしき眼魔》《上げ潮、キオーラ》はいずれも申し分ない性能です。《ホーントウッドの金切り魔》もターン終了時に出てきた際は脅威ですね。そしてもう1つの踏み倒し手段が《異界の進化》。生け贄にしたクリーチャーのマナ総量+2までのクリーチャーをサーチできるソーサリーで、《ラノワールのエルフ》が《忌まわしき眼魔》に進化します。1ターン目に《ラノワールのエルフ》から2ターン目に《異界の進化》で《忌まわしき眼魔》と、2ターン目《忌まわしき眼魔》着地も容易です。かなりの脅威となること間違いなし。墓地を活用するデッキに見えますが、サイドから《安らかなる眠り》などを置かれても特に問題ないのがこのデッキの魅力。《異界の進化》と《集合した中隊》は関係ありませんからね。《墓掘りの檻》はこの2つが止まってヤバいですが、逆に墓地を肥やして手札から《忌まわしき眼魔》を出す分には関係ありません。様々な角度から攻められるデッキで、とても楽しそう!《忌まわしき眼魔》をパイオニアで使い倒したいならスゥルタイ眼魔で決まり! ディミーアアスモフード(モダン) モダンリーグ:5-0 By TBagTom モダンで解禁された4枚の禁止カードたち。その中でも最もインパクトがあるのは、やはり0マナで置けるマナ加速・モックスの1つ、《オパールのモックス》。アーティファクトが3つ戦場にあれば好きな色マナが出せる《オパールのモックス》は、レガシーやヴィンテージでも採用されることがあるほど強力なモックスです。そんな《オパールのモックス》は鱗親和やハンマータイムなど、アーティファクトを主体とするデッキに早速組み込まれ、モダンのトーナメントで活躍し始めています。本日ご紹介するのは《オパールのモックス》を使うデッキの中でも異質な存在、アスモフード。アスモフードの主役となるのは《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》。名前を覚えるのが最も困難なこの伝説のクリーチャーは、戦場に出た時に《地獄料理書》をサーチします。その《地獄料理書》は手札を捨てると食物トークンを生むアーティファクトで、その食物を2つ生け贄に捧げることで、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカールル》の能力でクリーチャーに6点のダメージを飛ばすことができます。手札を失って食物を出す《地獄料理書》は単体ではさほど機能しませんが、《楕円競走の無謀者》とすさまじいシナジーを発揮します。《楕円競走の無謀者》はアーティファクトが戦場に出るたびに墓地から手札に戻ってくるカードなので、《地獄料理書》で《楕円競走の無謀者》を捨てると食物が出て、《楕円競走の無謀者》がそのまま手札に戻ってくるのです。つまり、《地獄料理書》で何も失うことなく食物を生成し続けられます。タダで食物を得られるエンジンが出来上がるとアスモフードの本番は始まります。《地獄料理書》が2枚あれば《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》で毎ターンクリーチャーを除去できますし、アーティファクトがたくさんあれば《河童の砲手》を1マナで出しつつ、毎ターン《地獄料理書》を起動するだけで《河童の砲手》が強くなっていきます。《地獄料理書》は《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》と《ウルザの物語》の2枚でサーチできるため、場に複数枚並べるのは難しくありません。《バシム・イブン・イスハーク》もアスモフードを支える1枚。歴史的な呪文、つまりアーティファクトか伝説のクリーチャーか英雄譚を唱えると、1ターンに1回1ドローできるので、デッキ内のほとんどのカードに反応してくれます。というか《バシム・イブン・イスハーク》でカードを引けないのは《楕円競走の無謀者》と《通りの悪霊》だけ。その他のすべてのスペルでドローできてしまうのです。《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》《楕円競走の無謀者》を引かないとリソースが削られていってしまうだけのデッキだったので、《バシム・イブン・イスハーク》の加入は大きく、これでデッキがグッと引き締まっています。先ほどご紹介した《河童の砲手》もアスモフードを強化してくれました。盤面では強いデッキである一方、早いクロックは《ウルザの物語》しかなかったので、それなりにゲームが長引いてしまうのが弱点でした。《河童の砲手》は超強力なアタッカーで、しかも《溶融》に巻き込まれないので、サイド後は特に活躍します。《湖に潜む者、エムリー》と《河童の砲手》は《溶融》に強いですし、《地獄料理書》は壊れてしまうものの、《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》《バシム・イブン・イスハーク》も《溶融》に巻き込まれないので、《オパールのモックス》を使うデッキの中で最も《溶融》耐性があるデッキかもしれません。アスモフードは一度手にすれば病みつきになるデッキ。もちろん僕もアスモフードファンの一人。このディミーアアスモフードも大好物です。ガチャガチャとカードを動かして勝つのが好きならたまらないデッキです。ピンと来た過多はぜひ回してみてください。

【今週のピックアップデッキ】セレズニアアーティファクト/セレズニアオーラ/4cエレメンタル

週刊 Modern Pioneer Standard

2024.12.13

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 セレズニアアーティファクト(スタンダード) MOリーグ:5-0 By AgrusKos93 スタンダード神挑戦者決定戦で驚くべきパフォーマンスを見せたアゾリウスアーティファクトアグロ。特にデッキのキーカードの1つだった《威厳あるバニコーン》は、その巨大なサイズで攻守に渡って戦場を支配する存在で、今の赤アグロの多いスタンダード環境における回答とも言えるカードでした。そんな《威厳あるバニコーン》が主役となるのが、こちらのセレズニアアーティファクトアグロ。デッキコンセプトはアゾリウスに近く、《ひよっこ捜査員》《内なる空の管理人》《威厳あるバニコーン》と、パーマネントを戦場に出し、それらをタップして強化し、サイズの大きいクリーチャーたちで殴る構成です。緑によって強化されたのはパーマネントの生成能力。《堅いクッキー》はその名の通り(?)非常に手堅いクリーチャー。戦場に出た時に食物を生成するので、パーマネント2枚分になり、更に3マナ支払うとアーティファクトを4/4のクリーチャーにできます。後半引いても4/4のクリーチャーを生成して殴れる、便利なカードですね。《名もなき都市の歩哨》は様々なミッドレンジで採用実績のある強カード。戦場に出るか攻撃するたびに地図を生成するので、出して地図を起動して攻撃するだけで、サイズを上げつつライブラリートップの質を上げられます。警戒もついているので赤アグロにも強いですね。3マナ3/4とそもそものスタッツも優秀。リソースを稼ぐ手段として《勇敢な旅人、ケラン》も優秀です。出来事として唱えれば地図を1つか2つ生成し、クリーチャー面では手札を増やしてくれる可能性があり、両方が活きるセレズニアアーティファクトにぴったりです。もう1つの緑のメリットが《生歯の子ワーム》。アーティファクトが戦場に出るたびに成長していくので、このデッキなら毎ターン大きくなっていきます。《ひよっこ捜査員》《勇敢な旅人、ケラン》《堅いクッキー》《名もなき都市の歩哨》《鋼の熾天使》《薄暮薔薇の聖遺》《未確認浮遊船》とアーティファクトはたっぷり入っています。《鋼の熾天使》は《威厳あるバニコーン》に飛行を付与するもよし、絆魂で赤アグロに悪夢を見せるもよしと、このデッキに噛み合った1枚。《幽霊による庇護》と合わせて《威厳あるバニコーン》に絆魂を付ける手段が6枚もあります。今スタンダードで激熱の《威厳あるバニコーン》を使い倒したい方、このセレズニアもおすすめですよ! セレズニアオーラ(パイオニア) MOリーグ:5-0 By T1_Tinker 《幽霊による庇護》《天上の鎧》と強力なオーラカードが登場したことでスタンダードでもオーラデッキは活躍していますが、元々オーラと言えばパイオニアやモダンのデッキでした。スタンダードと最も違う点はやはりそのクリーチャーたち。 まずは《上級建設官、スラム》。オーラデッキの弱点である「オーラを唱えて手札がなくなる」を克服する能力を持っており、オーラを唱えてオーラを引くオーラ連鎖が発生すると一瞬でゲームが壊れます。特に《天上の鎧》はオーラをつけるほど強化値が上がっていくので、《上級建設官、スラム》が生き残ってターンが帰ってくればあっという間に手をつけられないサイズのクリーチャーが爆誕します。《皇の声、軽脚》も、《上級建設官、スラム》とは違った形でオーラを供給し続けるクリーチャー。こちらはオーラを唱えて戦場に出した時に、そのマナ総量以下の、戦場に同名カードがないオーラをデッキからサーチして《皇の声、軽脚》につけることができます。たとえば《幽霊による庇護》を手札から唱えると、戦場に《天上の鎧》がある場合、《幽霊による庇護》と《天上の鎧》以外の2マナ以下のオーラをデッキから場に出して《皇の声、軽脚》につけられます。好きな1マナオーラからそのまま《天上の鎧》につなげたり、《幽霊による庇護》から《きらきらするすべて》をサーチしたりと、《皇の声、軽脚》が出てオーラを唱えることさえできれば、《皇の声、軽脚》のサイズがすぐに上がっていく寸法です。サイズを上げた後は、トランプルを付与する《無鉄砲》や飛行をつける《グリフの加護》だったり、《ケイヤ式幽体化》を持ってきて《皇の声、軽脚》を除去から守るも良し、《歩哨の目》を持ってくれば、後に墓地に落ちた時に《上級建設官、スラム》や次の《皇の声、軽脚》に再利用できて便利です。こういった「修正値は並だが回避能力を付与するエンチャント」は4枚採用しづらいカードですが、《皇の声、軽脚》のおかげで好きな時にサーチできます。以前までは相手への干渉手段が少なかったオーラですが、《幽霊による庇護》の登場で一気にデッキパワーが上昇しました。《幽霊による庇護》を引かなくとも《皇の声、軽脚》によってサーチできるため、しっかりと相手の盤面に触れるようになったのです。《破片魔道士の救出》はこれまでになかったインスタントのオーラ。《皇の声、軽脚》でもちろんサーチできるので、インスタントタイミングで《天上の鎧》が降ってきたり、《ケイヤ式幽体化》で《皇の声、軽脚》の定着を大きく安定させられるようになりました。除去を一度《破片魔道士の救出》で避けた上で《ケイヤ式幽体化》がつくので、《皇の声、軽脚》を除去するのは至難の業です。《離反ダニ、スクレルヴ》《皇の声、軽脚》《上級建設官、スラム》と12枚の伝説のクリーチャーを採用しているので《モックス・アンバー》を4枚使えるのもポイント。1マナで《破片魔道士の救出》を構えられるので、2ターン目に《上級建設官、スラム》か《皇の声、軽脚》+《モックス・アンバー》で《破片魔道士の救出》を構える動きは強烈。以前はここが《ケイラメトラの恩恵》だったので、デッキはすさまじく強化されていますね。《皇の声、軽脚》に《きらきらするすべて》をつけてデッキから《幽霊による庇護》をサーチする動きは非常に強力!アグロデッキにはこの動きだけで勝ててしまうほどです。正直「オーラデッキは過小評価されているのでは?」と感じています!それぐらいこのデッキは強そう! 4cエレメンタル(モダン) モダンリーグ:5-0 By Traumatismes モダンでも息の長く人気のある種族、エレメンタル。《創造の座、オムナス》や《孤独》など、モダン級のカードはエレメンタルであることが多いので、よくアップデートされるのも魅力ですね。そんなエレメンタルの最新事情を今回はご紹介していきましょう。まずエレメンタルの心臓ともいえる部分を担う《発現する浅瀬》。エレメンタルが戦場に出るたびにライブラリーの上を見て、それが土地ならタップインで場に出て、それ以外なら手札に加わる。要するにエレメンタルを出すとリソースを供給する恐ろしいカードです。《孤独》を想起で唱えても1枚めくれるのであまり損をしません。そしてデッキのカードすべてと噛み合う《発現する浅瀬》と最も相性が良いエレメンタルが《雷族の呼び覚まし》。攻撃するたびに、墓地から《雷族の呼び覚まし》のタフネスよりタフネスが小さいクリーチャー、つまりタフネス1のクリーチャーを攻撃状態で釣り上げます。終了ステップにそのクリーチャーは生け贄になりますが、釣った時点で《発現する浅瀬》が誘発してくれます。そんな《雷族の呼び覚まし》は他にもシナジー盛りだくさん。エレメンタルをデッキからサーチしてライブラリーの上に積む《炎族の先触れ》を釣って常にエレメンタルを積み込み続けたり、《ちらつき鬼火》を釣れば他のクリーチャーを明滅させてアドバンテージを稼げます。ちなみに相棒の《孤児護り、カヒーラ》でタフネスが上がるとタフネス2以下のクリーチャーも場に戻せるので、《孤独》も墓地から場に戻せます。《雷族の呼び覚まし》との相性なら《夕暮れヒバリ》が最高かもしれません。場を離れた時にパワーが1以下のクリーチャーを戦場に戻してくれるので、墓地から《発現する浅瀬》や《炎族の先触れ》を復活できるのです。《炎族の先触れ》によってエレメンタルをライブラリーに積めるので、1枚差しも大量に入っています。置物に触れたければ《仮面の蛮人》か《基盤砕き》。土地が欲しいなら《絡みつく花面晶体》。除去耐性が欲しかったら《不確定な船乗り》。《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》も特定のマッチでは非常に効果的です。フェッチランドがとりあえず使えなくなったり、宝物を生け贄にできなくなります。そうそう、『モダンホライゾン3』で登場した《出産の儀》についても触れなければなりませんね!終了ステップの開始時に、ライブラリーの上7枚を見て、その後にクリーチャーを生け贄にできます。その生け贄に捧げたクリーチャーのマナ総量+1以下のカードを、7枚の中から場に出せます。つまり《復活の声》を生け贄に捧げた場合、マナ総量3以下のカードを場に出せるのです。《雷族の呼び覚まし》で釣ったカードや《復活の声》など、《出産の儀》で生け贄に捧げたいクリーチャーはたくさんいますし、3マナ以下のカードが多いので当たりも比較的多い。更に《炎族の先触れ》でエレメンタルを積めるので、あらかじめ積み込みしておき、《出産の儀》でめくるなんて荒業も可能です。《炎族の先触れ》以外にデッキ内のエレメンタルにアクセスしやすくなるため、この《出産の儀》でデッキがかなり強化されたのではないかと思います。アドバンテージ獲得手段の《発現する浅瀬》《雷族の呼び覚まし》とそれをサーチする《炎族の先触れ》《出産の儀》。攻守に渡って優れる《復活の声》に、持っているだけで安心の《孤独》と、その派手な見た目に反して非常に堅実的な動きができるデッキです。エレメンタルが並べば場も手札もすごいことになるので、面白さ間違いなし!ぜひ回してみてください。

【今週のピックアップデッキ】キャプテンスカベンジャー/セレズニアキャット/エターナルチャント

週刊 Modern Pioneer Standard

2024.12.05

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 キャプテンスカベンジャー(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By Villard_00 墓地のカードを追放してそれのキーワード能力を得るクリーチャー、《魂剥ぎ》。 パイオニアでは活躍の実績もあるこの《魂剥ぎ》と似た性能を持つのが《アーボーグの掃除屋》です。 《魂剥ぎ》が探査によって追放したクリーチャー・カードの能力を得るのに対し、《アーボーグの掃除屋》は戦場に出たり攻撃する際にカードを追放し、それの能力を獲得していきます。スタンダードではなかなか活躍できなかった《アーボーグの掃除屋》。これまではキーワード能力をたくさん持つクリーチャーに恵まれず、せいぜい《偉大なる統一者、アトラクサ》を追放する程度でした。サイズの大きい《偉大なる統一者、アトラクサ》が持つ絆魂は強力ですが、《アーボーグの掃除屋》ではその効果は微々たるものです。しかし、『ファウンデーションズ』で《魂剥ぎ》の心の友と呼ぶべき相棒が帰ってきたことで、《アーボーグの掃除屋》に確変が起きました!《原初の夜明け、ゼタルパ》によって!飛行・二段攻撃・警戒・トランプル・破壊不能とヤサイマシマシニンニクアブラカラメぐらい盛りに盛った能力の数々はさすが8マナ!二段攻撃とトランプルの2つの攻撃性能に加えて破壊不能がつくので、《アーボーグの掃除屋》が欲しかった除去耐性もしっかり付与してくれます。同じく『ファウンデーションズ』からの新カード、《薄暮の聖人、エレンダ》も除去耐性を付与してくれるカード。絆魂は《原初の夜明け、ゼタルパ》にはないので同時に追放しても無駄がなく、インスタントからの呪禁は破壊不能で防げない《苦痛ある選定》のような追放除去からも耐性が付きます。《薄暮の聖人、エレンダ》は4マナと軽く手札から出しやすいのもポイント。問題はいかにして《アーボーグの掃除屋》で《原初の夜明け、ゼタルパ》や《薄暮の聖人、エレンダ》を追放するかですが、そこもクリーチャーが役立ちます。《上げ潮、キオーラ》は2枚引いて2枚捨てるので、《アーボーグの掃除屋》を引き込みながら追放したいカードを墓地に送りこめます。《逸失への恐怖》などの捨てて引くカードと違うので嬉しいですね。同じく引いて捨てるカードの《魅惑の悪漢、マルコム》も入っており、伝説のクリーチャーが大量に入っているデッキながら、手札調整が容易なので、余った2枚目の伝説を捨てられるようになっています。そして伝説のクリーチャーが大量に入っているということは、《英雄の公有地》をの出番です。青白黒の3色デッキなのですべての色マナが出る土地は非常に助かります。……ところでお気づきでしょうか?今ご紹介したカードたちに、伝説以外の共通点があることを。ヒントを出します。《原初の夜明け、ゼタルパ》は恐竜。《上げ潮、キオーラ》はマーフォーク。《魅惑の悪漢、マルコム》は海賊。《薄暮の聖人、エレンダ》は吸血鬼です。まだわかりませんか?デッキ名を見てください。キャプテンスカベンジャー。スカベンジャーは《アーボーグの掃除屋》。それではキャプテンは?その答えは《不気味な船長の玉座》です!タップするとカードを2枚切削するこの伝説のアーティファクト。《アーボーグの掃除屋》のために墓地を肥やせる置物ですが、真の力はその下に書いてある作製です。墓地やパーマネントから該当するカードを追放することで変身できる作製。恐竜とマーフォークと海賊と吸血鬼を要求する、作製カードの中でも随一の難易度を誇るのが《不気味な船長の玉座》。そもそもこの4種のカードをデッキに入れること自体が難しいと思われていました。しかし、このデッキはその作製条件を満たせます。それではほとんどの人が見たことすらないであろう《不気味な船長の玉座》の変身後の姿を見てみましょう。あまりに強すぎる!初見で見た時は僕もびっくりしました。さすが難易度Sの作製カードなだけあり、とんでもない能力を持っています。呪禁の7/7なので対処は難しいですし、攻撃するだけで相手は土地以外のパーマネントを生け贄。更に作製で追放したクリーチャーを攻撃している状態で戦場に出せるので、《原初の夜明け、ゼタルパ》が突然殴りかかることになります!変身したら勝利と言っても過言ではないでしょう。 《アーボーグの掃除屋》だけでも面白いのにそこに更にもう1ギミックが追加されたキャプテンスカベンジャー、味わってみてください! セレズニアキャット(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By Tulio_Jaudy 近年最も推されている部族の1つと言えば猫。どうやらウィザーズにも猫ファンがいるようで、可愛らしい猫や可愛くないほど強い猫がバンバン収録されています。そしてとうとうパイオニアで猫デッキが組めるほどになりました!しんがりを務めるのは《聖なる猫》と《サバンナ・ライオン》。パウパーでも実績のある《聖なる猫》は墓地に落ちても一度トークンとして蘇る、除去耐性のある猫。一方の《サバンナ・ライオン》といえば、黎明期から白アグロを支えた功労者。学生の頃に1枚2000円で買ったのは良い思い出。2マナ域からレアリティが上がります。『ファウンデーションズ』で再録された《フェリダーの仔》はこの中で唯一のコモンではあるものの、生け贄でエンチャントを割れる優れた猫。《不浄な別室》などを割る場面もあるでしょう。レアの2種は、こちらは懐かしの《羊毛鬣のライオン》。アブザンミッドレンジなどでスタンダードでも活躍していた猫で、2マナ3/3といわゆる《番狼》なだけでなく、怪物化するとサイズが上がって呪禁・破壊不能を持ちます。新カードの《空騎士の従者》は他のクリーチャーが出るたびにサイズが上がり、3つ以上のカウンターが乗ると飛行を持つ、とても攻撃的なクリーチャー。すぐに《羊毛鬣のライオン》のサイズを超えていくでしょう。3マナ圏は主役揃い!なにせここには猫を強化するロードが2匹もいるのですから。まず1匹目は《初祖牙、アラーボ》。他の猫を+1/+1しつつ、自身や他のトークンでない猫が出るたびに1/1の猫を生成するという、展開と全体強化を兼ね備えた強力な猫です。続く《猫の君主》も猫に全体強化を与え、プロテクション犬も付与します。パイオニアで使われている犬は《無私の救助犬》ぐらいしか思い浮かびませんが、《変わり谷》にブロックされないのはメリットになるかもしれませんね。《猫の君主》にはもう1つ能力があり、自分の猫がプレイヤーに戦闘ダメージを与えた時に、そのプレイヤーのアーティファクトかエンチャントを破壊することができます。どれだけたくさんの猫で殴っても1枚しか破壊できませんが、全体強化のオマケとしては悪くありません。更にこれらの猫クリーチャーはすべて3マナ以下なので《集合した中隊》を採用できます。《威厳あるカラカル》を除くすべてのクリーチャーが該当するので、32枚が当たりになります。《集合した中隊》で2枚めくるには十分な数でしょう。最後に忘れてはならないのが相棒。そう、最近ではクリーチャーが《孤独》のみのアゾリウスコントロールなどにしか入らず、文字通り孤独だった《孤児護り、カヒーラ》が使えるのです。これは猫デッキの最大の魅力と言っても良いでしょう。全体強化と警戒を付与する相棒は、デッキ外のリソースとしては破格の性能です。いつも更地に出てくる《孤児護り、カヒーラ》も、たくさんの猫に囲まれてニッコリでしょう。猫まみれになりたい方は一度お試しあれ! エターナルチャント(モダン) モダンリーグ:5-0 By Sence17 かつてセプターチャントというデッキが一世を風靡していたのをご存じでしょうか?《等時の王笏》に《オアリムの詠唱》を刻印して相手のアップキープに起動し続けるだけで、相手はインスタント以外のカードを唱えられなくなり、攻撃もできない。一部のデッキはこれだけで完封でした。エクステンデッドで大流行したこのセプターチャント。実は今のモダンでも再現可能なのですが、今回は同じコンセプトを持った別のデッキをご紹介します。このエターナルチャントもセプターチャントと同じく、無限に《オアリムの詠唱》を打つデッキ。しかし、《等時の王笏》に刻印するのではなく、毎ターン手札から唱えます。それを可能にしてくれるのが《永遠の証人》と《儚い存在》のコンボ。《永遠の証人》で《オアリムの詠唱》を拾い、相手のアップキープに唱えます。その後、《儚い存在》を《永遠の証人》を対象にキャスト。明滅した《永遠の証人》で《オアリムの詠唱》を拾いつつ、アップキープの《儚い存在》の反復で《永遠の証人》を再び明滅させ、反復後に墓地に落ちた《儚い存在》を拾えば、これで永遠に《オアリムの詠唱》を打ち続けられます。もちろんこれだけで勝てるデッキはほとんどありません。インスタント除去1枚でこのコンボは止まってしまいますからね。そこで採用されているのが《時を解す者、テフェリー》です。《時を解す者、テフェリー》がこの場に加わることで対戦相手は呪文での妨害ができなくなります。戦場に既にあるカードで対処できないなら、《天上都市、大田原》によるバウンスぐらいしか防ぎようがないでしょう。そして《時を解す者、テフェリー》《永遠の証人》とキーカードが3マナのパーマネントなので、《星界の再誕》は非常にデッキに合っています。インスタントタイミングで墓地から蘇る《時を解す者、テフェリー》は相手の想定外でしょうし、思わぬ角度からコンボが決まることがありますね。コンボが決まるまでの間の延命手段として採用されているのは《空の怒り》。しかしバントカラーでは定番の《電気放出》は使えません。そこで採用されているのが懐かしの《霊気との調和》。かつてエネルギーデッキを支えていた土地サーチがモダンでも採用されることとなりました。《ファラジの考古学者》と《稲妻罠の教練者》は共に《儚い存在》《オアリムの詠唱》などのキーカードを手札に加えつつ、《儚い存在》の対象にもできる素晴らしいカード。《孤独》も想起で唱えて《儚い存在》で一時追放して場に定着させることができますし、このデッキに入っているすべてのクリーチャーは《儚い存在》と相性抜群です。コンボが決まればあのエネルギーすらも封殺!エターナル、この名前にピンと来る方はまず使ってみましょう!

【今週のピックアップデッキ】アゾリウスレイライン/イゼットロータス/シミック鱗親和

週刊 Modern Pioneer Standard

2024.11.29

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 アゾリウスレイライン(スタンダード) MOショーケースラストチャンス:5-0 By D00mwake 『ギルドパクト』で初めて登場した力線サイクル。ゲーム開始時に初手にあると手札から出した状態でゲームを始められるこのエンチャントのサイクルは、墓地対策の《虚空の力線》、手札破壊や火力に耐性がつく《神聖の力線》など、サイドボード後に活躍するものがほとんどでしたが、近年では《ドラコの末裔》とコンボになる《ギルドパクトの力線》と、デッキコンセプトになる力線までもが現れました。そして『ファウンデーションズ』で新しく刷られた力線も、デッキコンセプトになりうる1枚!《力線の斧》です。以前パイオニアのアゾリウスコロッサスで紹介したこの《力線の斧》。初手にあると手札からタダで出せる力線カードで、初めての装備品です。装備先に+1/+1二段攻撃トランプルを付与する装備品は本来唱えるのに4マナ、装備に3マナの合計7マナがかかるので、それが初手にあるだけで3マナで済んでしまうのはかなりお得……というより価格破壊レベル。この装備品のつけ先はなるべくサイズが大きいクリーチャーが良い!そこで選ばれたのが《威厳あるバニコーン》。可愛らしい兎さんは、その見た目とは裏腹に暴力的なサイズを持ちます。土地以外のパーマネントの数だけ大きくなるので、手がかりや地図などがあればあっという間に2マナ5/5。令和の《タルモゴイフ》と言っても過言ではありません。だが残念ながら《威厳あるバニコーン》は能力を持たないバニラ。トークンなどにチャンプブロックされてダメージが通せないのが弱点でしたが、《力線の斧》のおかげで一撃で敵を屠る兎に変貌します。《威厳あるバニコーン》と相性の良いカードが《マネドリ》。クリーチャーを飛行を持った状態でコピーしてしまうので、飛行を持つ《威厳あるバニコーン》として戦場に出ることも可能ですし、手がかりや地図を生み出して《威厳あるバニコーン》のサイズを上げる《ひよっこ捜査員》《遠眼鏡のセイレーン》にもなれます。《鋼の熾天使》も《威厳あるバニコーン》と組み合わせて強いカード。飛行を付与して《威厳あるバニコーン》のダメージを通しても良し、絆魂をつければ一気に大量のライフを回復できます。赤系アグロからしてみたらこの動きはたまらないでしょう。赤系アグロにとって天敵である《幽霊による庇護》ももちろん4枚採用です。これを《威厳あるバニコーン》につけてしまえば、《力線の斧》や《鋼の熾天使》でイージーウィンです。《幽霊による庇護》《鋼の熾天使》+《威厳あるバニコーン》は対赤アグロにおいて必勝ともいえるムーブ!赤いデッキに強いというだけでも、このデッキを選ぶ理由になりそうですね。 イゼットロータス(パイオニア) MOショーケースラストチャンス:5-0 By RNAPBP1 『ファウンデーションズ』では新カードだけでなく、これまで活躍してきた歴戦のカードたちも再録され、スタンダードで使用可能となりました。スタンダードで使えるということは、当然パイオニアでもそれらのカードが使用できるようになったのです!その中でも最もパイオニアへ影響を与えるのではないかと目されていたカード、それが《探検の地図》。ウルザ地形3種を揃えて膨大なマナを出すウルザトロンや、神座をたくさん集めてやはり大量のマナで勝利するクラウドポストなど、様々な土地コンボで採用実績のあるカードが、パイオニアにやってきました。その居場所はもちろん、パイオニアで土地を使うデッキ、ロータスコンボです!これまでのロータスコンボは《大ドルイドの魔除け》《森の占術》を採用した青緑、あるいはそこに《厳しい試験官》を加えたバントが定番でした。《睡蓮の原野》を置かなければ始まらないコンボなので、土地サーチはあればあるだけ良く、その役目を担えるのが緑しかなかったのです。しかし、《探検の地図》の登場でロータスコンボ界にも変革が訪れました。無色で使える土地サーチが出たことで、緑を使わない選択肢も出てきたのです。実は緑を使わないロータスコンボも実は少数存在していましたが、その比率は9:1ほどで、一般的なのは緑型でした。それが《探検の地図》のおかげで飛躍的に安定性が上がり、いよいよ緑の立場を脅かそうとしています。イゼットロータスの特徴はなんといっても不純物が非常に少ないことが挙げられます。通常のロータスコンボは《出現の根本原理》とそのサーチ先などで、およそ6~7枚ほど、重いカードが採用されていました。《出現の根本原理》を打って《全知》を置くことが勝ち手段だったので仕方ありませんが。これらの要素をすべて廃し、《考慮》や《手練》などのキャントリップ呪文、そして《時を越えた探索》を採用し、とにかくドロースペルを連打する構成となっています。《見えざる糸》から《出現の根本原理》を打つのではなく、ドロースペルを連打し、《見えざる糸》でマナを起こし、そのマナで更にドロースペルを打っていく。これがイゼットロータスです。とはいってもドロースペルがいつまでも連鎖するわけではありません。キャントリップ呪文もいつか土地になり、連鎖は終わります。それを防いでくれるのがイゼットフェニックスでも大活躍中の《美術家の才能》です。《美術家の才能》とキャントリップ呪文で不要なカードを弾きつつ、キャントリップを連打していき、最終的に《溺神の信奉者、リーア》に辿り着いてデッキすべてを掘り、《願い》から《タッサの神託者》で勝利。従来のロータスコンボというよりは、ストームに近い感覚のデッキですね。ロータスコンボでは《見えざる糸》を手札破壊で狙い撃ちされて《出現の根本原理》だけが手札に浮いてゲームに負けたり、《全知》や《闇の誓願》だけを引いて負ける。そんなこともありましたが、イゼットロータスではそんなことは起きません。ロータスを飽きるほど回した人でも、このイゼットロータスは新鮮な気持ちで回せるのではないでしょうか。《美術家の才能》とキャントリップと《見えざる糸》でデッキが回る様は美しく、在りし日のピットサイクルを思わせます!ぜひご堪能あれ! シミック鱗親和(モダン) モダンリーグ:5-0 By CarlosZ モダンの数あるガチャガチャデッキの1つである鱗親和。その歴史は2018年にまで遡ります。当時マジックオンライン上でマニアだけが使うマイナーデッキだった鱗親和は、その年のモダンで行われたグランプリ・プラハで優勝を果たし、人気のアーキタイプとなりました。《硬化した鱗》と《電結の荒廃者》による爆発力に魅了されるプレイヤーも多く、今もファンがとても多いデッキです。ちなみに僕も鱗親和を愛するプレイヤーの1人。そんな鱗親和の最新事情はというと、なんと青が足されています。青というスパイスが加わってどんな動きが可能になったかを、デッキの簡単な動きと共に解説していきます。このデッキは《硬化した鱗》にフィーチャーしたコンボ要素の強いアグロデッキ。《硬化した鱗》はカウンターが1つ乗る効果を2つにするので、《微光蜂、ザーバス》《歩行バリスタ》《電結の荒廃者》など、+1/+1カウンターが乗った状態で出てくるクリーチャーがすべて倍のカウンターで戦場に降り立ちます。これだけだと大したことはありませんが、《電結の荒廃者》はアーティファクトを1つ生け贄に捧げると+1/+1カウンターが1個乗るので、これも2個に。場のアーティファクトを3つ生け贄にすれば6個のカウンターが乗り、元のカウンターと合わせて8個。この《電結の荒廃者》を接合して《墨蛾の生息地》にカウンターを移せば、その際にも《硬化した鱗》でカウンターが増え、合計9個が乗り、一撃で10毒を相手に与えられるようになります。《継ぎ接ぎ自動機械》も《硬化した鱗》下ではカウンターが倍になり、恐ろしいサイズの護法クリーチャーが突然爆誕します。勝ちパターンもいろいろとあります。先ほど紹介した《電結の荒廃者》《墨蛾の生息地》による一撃必殺の他に、《歩行バリスタ》もフィニッシャーになります。《オゾリス》がある状態で《電結の荒廃者》の上に乗ったカウンターを《歩行バリスタ》に接合すると、《オゾリス》にも大量のカウンターが乗るので、たとえば8個カウンターが乗ってる《電結の荒廃者》が《歩行バリスタ》に接合することで、もともとのカウンター2+接合で乗るカウンターが8(+1)、そして《オゾリス》の上からまた8(+1)の9個が乗り、ちょうど20点を飛ばせます。そして《電結の荒廃者》《歩行バリスタ》などの強力な起動型能力を持つクリーチャーと相性の良いカードが《アガサの魂の大釜》。《電結の荒廃者》は非常に狙われやすいカードですが、《アガサの魂の大釜》があればすべてのクリーチャーが《電結の荒廃者》になるので安心。もちろん《硬化した鱗》カウンターもしっかり2つ乗ります。ここでようやくタッチ青の話が出てきます。この《アガサの魂の大釜》のバリューを更に引き上げてくれるのが《湖に潜む者、エムリー》です。戦場に出た時に切削4をするので、その中に落ちたクリーチャーを《アアガサの魂の大釜》で追放できますし、《アガサの魂の大釜》で《湖に潜む者、エムリー》を追放すれば、自分のクリーチャーがすべて《湖に潜む者、エムリー》の能力を使えるようになります。《電結の荒廃者》の能力で戦場のアーティファクトを墓地に送りこめるので、《湖に潜む者、エムリー》の能力を5体が使えたとして、それを全部使いきれるのが素晴らしい噛み合いポイント。《溶接の壺》を5回《電結の荒廃者》の能力で食べるもよし、マナがあれば《微光蜂、ザーバス》を何回も墓地から唱え、大量の+1/+1カウンターをばらまけます。これまでの鱗親和に入っていなかったのが不思議なぐらい、デッキと噛み合う1枚、それが《湖に潜む者、エムリー》です。サイドボードを見てもタッチ青はしっかりと活かされており、《記憶への放逐》と《呪文貫き》が採用されています。フェアデッキに強い一方、アンフェアはめっぽう苦手なのが鱗親和。緑単では解決できなかった対アンフェアも、青の力を借りれば攻略可能です。一度回せば虜になる魔力が鱗親和にはあります!ぜひ《湖に潜む者、エムリー》を加えて更に楽しくなったシミック鱗親和を回してみてください。

パイオニア神挑戦者決定戦参戦記~イゼットフェニックス解説~

Pioneer ピックアップ

2024.11.28

Akira Kobayashi

自己紹介  皆様、初めまして。小林 輝(コバヤシ アキラ)です。  XやNoteなどでは「へいか(@enzyutuheika)」という名前で活動させていただいております。  周りからはXのハンドルネームである「へいか」もしくは「陛下」などとよく呼ばれています。 マジック公式の写真館より引用  機会に恵まれ、GOOD GAMEメディアにて記事を書かせていただくことになりました。  どうぞよろしくお願いいたします。  マジック:ザ・ギャザリングを始めたのは2019年の『ラヴニカの献身』。新参です。  初めて組んだデッキは青単テンポ、初めて3-0したデッキは《荒野の再生》のティムールネクサスです!  始めた当時に幸運にもマジック:ザ・ギャザリング公式からインタビューをいただいた経験もあったりします。 マジック公式カバレージより引用    この記事の通り耳が聞こえませんが、ステップカードや対戦相手のご厚意などによって楽しくプレイをさせていただいております。  コロナ禍で休止後に2021年末で復帰し、2022年の日本選手権予選をきっかけに競技の沼に入り込みました。  大きな大会で優勝などはしていませんが、主な実績としては下記のような形になっています。  第9期パイオニア神挑戦者決定戦:トップ4 第25期スタンダード神挑戦者決定戦:準優勝 プレイヤーズコンベンション千葉2023パイオニアオープン:トップ4 チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド3:PT権利獲得  2月に行われるプロツアー・シカゴに参加予定なので、そこでも何らかの形で記事を書きたいと思います!  パイオニアでは青白が板botとして、アゾリウスコントロールやアゾリウスロータスなどのコントロールデッキを好みますが、アグロもミッドレンジも結構好きだったりします。  その一方でコンボデッキはあまり触ってこなかったので、これから勉強していこうと思います。  好きなカードは《荒野の再生》です!! 禁止改訂の時期になる度に《荒野の再生》をストレージから解放する再生解禁botとしても活動しております。  そのうち《荒野の再生》の記事も書くかもしれません。ご期待ください。 パイオニア神挑戦者決定戦の参戦デッキ  さて、今回の記事としては11月23日にパイオニア神挑戦者決定戦で使用したデッキに関する解説になります。  デッキはやはりアゾリウスコントロール……ではなく、イゼットフェニックスです!  青白が板botとして最初に書かせていただく記事がイゼットフェニックスになってしまい大変申し訳ございません。腹を切って詫びます。 なぜイゼットフェニックスなの?  まずパイオニア神挑戦者決定戦に挑むにあたり、アゾリウスコントロールのポジションがかなり悪くなっていたことが始まりでした。  《思考囲い》のみならず《強迫》も複数枚入れ、《不浄な別室》によるとんでもないドローエンジンが強力なラクドスデーモン。  細かく動いてくる上にスペルを唱えるだけで墓地から《弧光のフェニックス》が飛んでくるなど、構造的に不利なイゼットフェニックス。  怨敵たる《スレイベンの守護者、サリア》を擁し、《至高の評決》などを《エイヴンの阻む者》《選定された平和の番人》でズラされてしまうセレズニアカンパニー……  このように、アゾリウスコントロールにとって辛いデッキが環境上位を占めています。とてもつらい。  これに限らずアゾリウスコントロールは以前から苦難の時期が続いており、他のデッキを模索しているところでした。  友人からイゼットフェニックスを借り、回したところ……ものすごく楽しい!!  全てのカードが美しく絡み合っていく感覚、そして何よりドロー、ドロー、ドロー!! 「マジックはドロー」という格言をこれ以上なく体感でき、正直今まで触ってこなかった事を後悔しました。それほど楽しいデッキです。  気が付けば延々と一人回しをしてしまう毎日を過ごしてしまいました。  しかし、イゼットフェニックスに触れてからパイオニア神挑戦者決定戦まで間もない状態。  練度も精度も何もかもが足りない状態です。  そこでヨーロッパのUltra Proのスポンサードプレイヤーであり、各地のRCやPTで好成績を残し続けているチームWorldly Counsel Heavy Playの一員で精力的に活動されているMyra00(@Myra00_mtg)さんからイゼットフェニックスの何たるかをコーチングしていただきました。  正直言って、本記事のかなり深い部分についてはMyra00さんの受け売りです。  こうして記事にすることを快くご許諾いただき、この場を借りて感謝申し上げます。  コーチングなども条件付きで実施されているそうなので、本記事で興味が出てきましたら是非見に行ってください!(ディスコードID:myra00)    Myra00さんからご教授いただく中でイゼットフェニックスというデッキの奥深さを知り、ますます使いたくなってきました。  マジックをしていく上で一番重要な事は「楽しむ事」なのが私の信条。楽しめるデッキを使わない選択肢はありませんでした。  当日は楽しむつもりで友人から借りたイゼットフェニックスを手にいざ出陣!  結果はというと、1-3ドロップ……現実は非情でした。  負けはいずれも悩んだ選択の中で裏目を引いてしまった形になり、イゼットフェニックスの難しさを身をもって知る形となりました。  が、ここで得られた知見なども含めてこれからイゼットフェニックスというデッキを深掘りしていきます。  イゼットフェニックスに興味がある方々には私の屍を乗り越えていっていただければと思います。 イゼットフェニックスについて  さて、改めてイゼットフェニックスについて基本的なことを紹介していきます。  《考慮》《選択》《手練》の1マナキャントリップ、1マナ3点火力の《焦熱の衝動》や《弧光のフェニックス》を墓地に送る手段でもある《稲妻の斧》。  これらインスタント・ソーサリー呪文を3回唱え、墓地からデッキ名にもなっている《弧光のフェニックス》を戦場に戻らせる事を主目的としたデッキです。  このように1マナのスペルが非常に多く、墓地も肥えやすいことから"パイオニアにおける聖域"と謳われるパワーカードである《宝船の巡航》を最も強く使えるのも他にない強みですね。  禁断の1マナ3ドローを味わってしまったらもう戻れません。モダン・レガシーで禁止されているカードは格が違います。 『エルドレインの森』で得た新戦力《錠前破りのいたずら屋》で大きな存在感を発揮していたイゼットフェニックスですが、『ブルームバロウ』で《美術家の才能》を獲得したことでデッキとしての強さが一段階上がったと言っても過言ではありません。  とにかく《弧光のフェニックス》を求めてデッキを掘る必要があるイゼットフェニックスにおいて、「全てのノンクリーチャースペルにルーティングのオマケがつく」効果は強力無比です。  これも2マナと非常に軽く、ラクドスなどの特定カラーは対処しづらいエンチャントである点も強みの一つになっています。  この《美術家の才能》のルーティングによるデッキ掘り能力は凄まじく、探査コストを7枚要求する《宝船の巡航》を1ターンで2回唱えることすら可能としています。  また、どんどんデッキを掘っていく特性上、1枚差しの価値が大きく上がっているのもポイントの一つになります。  メインボードの1枚差しとしては《プロフトの映像記憶》がその筆頭ですね。  これもまたルーティングを繰り返す《美術家の才能》やキャントリップの《考慮》《選択》。(※《手練》は手札に加えるため、ドローにならない点に注意です。)  そして1マナ3ドローである《宝船の巡航》との相性も非常によく、《錠前破りのいたずら屋》にカウンターを乗せることで優秀なサブプランとして機能します。  また、先述した通り「特定のカードへのアクセスのしやすさ」は各マッチアップに対して効果的なサイドボードを引き込みやすい事にも繋がります。  これもイゼットフェニックスの大きな強みの一つであり、総じて「75枚全体で戦う」という感覚が強く感じられるデッキです。 今回使用したデッキリスト 今回はMyra00さんからご提供いただいたリストを使用しました。 メインボード解説(フリースロット)  様々なリストを見ていきましたが、メインボードでは56枚ほど固まっているように見受けられます。残りの4枚がフリースロットですね。  ここではフリースロット部分について言及していこうと思います。    ここは《反逆のるつぼ、霜剣山》《ジュワー島の錯乱》などとの選択ですね。  Myra00さんからいただいたリストでは《島》4枚で、それをリスペクトした形です。  理由もあり、《考慮》《手練》《選択》などのキャントリップを能動的に唱えるにあたって赤しか出ない《反逆のるつぼ、霜剣山》はややリスクがあるように感じました。  サイド後の《無効》《神秘の論争》などが構えられないのも厳しいものがあります。 《ジュワー島の錯乱》も土地として運用するとタップインなのが大きなマイナス点。  追加の1マナ火力であり、セレズニアカンパニーの《永劫の無垢》やラクドス雄姿の《心火の英雄》などに対して追放が有効に働きます。  ミラーマッチでも《弧光のフェニックス》を追放したりと、結構働いてくれる1枚です。  最悪《美術家の才能》《プロフトの映像記憶》で協約が可能な点は忘れないでおきたいところです。  この二枚はセットでの運用ですね。  追加ターンを2回得て複数の《弧光のフェニックス》で一気に削りきるコンボデッキのような立ち回りを可能としています。  この2枚を採用する理由として、《美術家の才能》によって墓地肥やし及びパッケージを探す速度が大きく上がり、このコンボで殴り切るというプランがこれまでより容易になった点が挙げられます。  また、4cズアーなどには長期戦になってしまうと必敗の中、このコンボという明確なゴールが存在することも一つのポイント。  《感電の反復》も1枚の価値が高くなるラクドスデーモン戦で《焦熱の衝動》をコピーして《ドロスの魔神》を対処したり、あるいは《厚かましい借り手》をコピーすることで一気にテンポを取ったり……というように器用な働きをします。 Tips集 《手練》《選択》《考慮》どれから使う?  基本的にソーサリーの《手練》から使っていきます。 《プロフトの映像記憶》に影響がないですし、《選択》《考慮》はインスタントタイミングであるため相手の動きを見て、必要なカードかどうかを判断できるからですね。  ただし、「手札を加える」という特性上、《黙示録、シェオルドレッド》《覆いを割く者、ナーセット》などがいる時は《手練》の価値が大きく上がります。  また、同時に2枚見れるという効果の特性上、欲しいものが明確であれば《手練》を温存するという手もあります。  では《考慮》と《選択》はどうか、と言われれば一般的には《宝船の巡航》の探査、《弧光のフェニックス》が落ちる可能性のある《考慮》の方を優先して使います。  受け入れが狭い(不要なカードが多い)ほど諜報で落としやすくなるのもあり、序盤から使っていきたい1枚でもあります。  基本的には《考慮》でカードを墓地に落とした方が得ですからね。  ただし、《選択》から先に打つパターンも存在します。  土地が欲しい時は《考慮》より《選択》を打つのがベターです。前述の「《考慮》を打つならカードは墓地に落としたい」を前提に考えてみればわかりやすいです。  土地が欲しい=土地は《考慮》で墓地に落としたくないということになるので、(2枚目の土地であれば)ライブラリー内の18枚は引きたいカードですから、そこそこの確率で諜報できずに(諜報によって土地が見えて)ドローしてしまう場合があります。そのままにしてドローするなら《選択》でも《考慮》でも同じ。《考慮》の方が強いカードなのにもったいないですよね。  他には、《真っ白》などの墓地対策をケアするパターンでも《選択》から打ちます。テキストを読み上げるようですが、《考慮》は諜報によって1枚で最大墓地を2枚肥やすことが出来ますからね。  《選択》を先に使い、墓地対策をされた後から《考慮》で1枚多く墓地を肥やすことで《宝船の巡航》に繋がるようにするわけですね。 土地1枚のハンドはキープ可能?  キャントリップ2枚以上であればキープを検討します。  他に《美術家の才能》もあれば2枚目の土地を引いた時のバリューが非常に高いため、まずキープしますね。  また、キャントリップ1枚でも《美術家の才能》に加え、《錠前破りのいたずら屋》などがある強い手札であればキープします。  ただしラクドス雄姿などの序盤の干渉が必要なマッチアップであればマリガンです。  マッチアップによってキープ基準は変わるというわけですね。 《宝船の巡航》の探査  基本的に《焦熱の衝動》の魔巧達成のために土地・エンチャント・クリーチャーから優先的に追放します。  《焦熱の衝動》が関係ないマッチアップではあまり気にしなくても大丈夫です。  《思考のひずみ》が入ってきそうな相手であれば、逆に土地やクリーチャーを残し、打たれても探査コストが残るようにする小テクもありますね。 《美術家の才能》加入の影響 《稲妻の斧》の枚数減少  《弧光のフェニックス》を捨てる貴重な手段であり、1マナ5点と凄まじいマナ効率の《稲妻の斧》。  これまでのイゼットフェニックスではこれは4枚から動かないとされてきましたが、《美術家の才能》の加入によって2~3枚に減量されているリストが散見されます。  理由としては主に下記の二点であると考えています。 1.《美術家の才能》によって捨てる手段が困らなくなった  従来のイゼットフェニックスでは捨てる主な手段として《帳簿裂き》《稲妻の斧》の2種類でした。  《帳簿裂き》は盤面に関わらず謀議さえ誘発してしまえば捨てられますが、相手の除去によって定着は難しくなっています。除去された後に《弧光のフェニックス》を引いたら目も当てられません。  また、《稲妻の斧》は相手にクリーチャーがいなければディスカードすらできません。  その一方で《美術家の才能》は除去されづらいエンチャントであり、回数制限もなく盤面に関係なく使用できるため、《弧光のフェニックス》を捨てられる機会が非常に多くなっています。 2.《稲妻の斧》自体の価値が下がっている  端的に言えば「《美術家の才能》によってカード1枚の価値が上がっている」事が理由です。  《美術家の才能》のルーティングは「先に捨てる」ことになります。  そうすると、手札は多い方が判断材料として分かりやすくなりますね。  しかし《稲妻の斧》はディスカードが求められるため、手札は減ってしまいます。  そうすると《美術家の才能》のルーティングをする幅が狭まってしまい、強みが少し減ってしまいます。  例えば手札が2枚で片方がキャントリップであれば最低限ルーティングはできますが、1枚だけだとルーティングすら出来なくなります。  結果的に《宝船の巡航》などに辿り着く確率も下がってしまうというわけですね。  また、5点も魅力ではあるのですが、ラクドスデーモンなどはこの《稲妻の斧》を意識して《ドロスの魔神》《祭儀室》といったタフネス6のクリーチャーを繰り出してきます。  《稲妻の斧》の当て先の一つである《帳簿裂き》を巡るはずのイゼットフェニックスミラーにおいても、現在は《美術家の才能》型が主流になっていることも向かい風。  上記の理由から《稲妻の斧》そのものの価値が下がり、4枚が鉄板ではなくなったのだと考えられます。  とはいえ、ラクドス雄姿などに対しては信頼おける火力であるのも事実であり、《稲妻の斧》が4枚のリストも多々ありますので、この辺りはメタに応じてチョイスすることになるでしょう。 《帳簿裂き》の不採用  《美術家の才能》が入った事で抜ける枠は《帳簿裂き》になります。  ただし、一概に《美術家の才能》の方がいいとは言い切れません。《美術家の才能》自体は盤面に影響しないという大きな欠点が存在するからです。  例えばラクドス雄姿に対して《美術家の才能》を出そうにも盤面に触れず、タップアウトしてしまうことで、その隙にライフを一気に詰められてしまうリスクが生じてしまいます。  一方で《帳簿裂き》は手札を循環させる謀議も勿論ですが、この謀議によってどんどんサイズが膨れ上がる事による対アグロ性能が魅力。  2/4、3/5と育ってしまえば生半可なクリーチャーでは突破できません。  また、《帳簿裂き》抜きの《美術家の才能》型だとメインボードでは《弧光のフェニックス》《錠前破りのいたずら屋》の8枚しかクロックが存在しないため、これらを追放もしくは除去されると勝ち筋が消滅してしまうなんてことも。  《弧光のフェニックス》に頼らずとも《帳簿裂き》でのビートダウンというもう一つの勝ち筋を作り出せるのも大きな長所です。  これは墓地対策をしてくることが多くなるサイドボードでの軸をずらすサブプランとしても優秀で、デッキとしての太さにも貢献します。  このように、一概に《美術家の才能》の方が優れているとは言い切れない部分もあります。  しかしながら、当然《帳簿裂き》にも欠点が存在します。  それは《致命的な一押し》を筆頭とした除去が刺さってしまう点です。  そうすると手札に来た《弧光のフェニックス》は《稲妻の斧》ぐらいしか捨てられる手段がなくなってしまい、かさばってしまうなんてことも。  特に今はラクドス雄姿の存在によって軽量除去が多く取られているため、《帳簿裂き》はおおよそ出したターンかその次のターンに除去されると言っても差し支えないでしょう。  また、《帳簿裂き》が存在することでサイドボード後に《致命的な一押し》を減らしてこないため、結果的に《第三の道の偶像破壊者》などの他の勝ち筋にも刺さってしまう点もマイナス。  上記の理由から、現在は《帳簿裂き》はなかなか活躍しづらい環境と言えます。  一方で《美術家の才能》はエンチャントであるため、除去が刺さらない点で優れています。  これによるメインボードでの強さは段違いです。システムクリーチャーが置物になったらそりゃ強い。  また、《帳簿裂き》のターンに1回だけの謀議とは異なり、こちらは回数制限が存在しないことからデッキを回す速度は桁違い。  メインボードで墓地対策はほぼされない点、サイドボードでは《帳簿裂き》がいないことで相手の除去が減る=サイドボードのサブプランが通りやすい点なども含め、《美術家の才能》の方がトータル的に良いのでしょう。 サイドボード解説 《第三の道の偶像破壊者》3枚  墓地に依存しない別軸のプランその1。  1マナのスペルを連打するイゼットフェニックスとの相性が非常によく、1ターンで3~4枚のトークンが出てくることもザラ。  出てくるトークンのサイズは1/1と最低限のものですが、《プロフトの映像記憶》の乗せ先としても優秀。 《帳簿裂き》を採用しないこの型では除去を減らしてくることが多く、それに対してこの《第三の道の偶像破壊者》が突き刺さる構図になります。 《神秘の論争》が当たらない《若き紅蓮術士》を採用したリストもありますが、《美術家の才能》や《プロフトの映像記憶》で誘発する《第三の道の偶像破壊者》の方がオススメです。 《厚かましい借り手》2枚  墓地に依存しない別軸のプランその2。  相手の対策を一時的に対処できる万能バウンスであり、瞬速の3/1飛行。  また、飛行に対するブロッカーにもなります。特にセレズニアカンパニーの《エメリアのアルコン》は是非討ち取りたい1枚ですね。  ターンエンドに出すことで、《プロフトの映像記憶》をより強く使うことが出来る点も◎。 《弾けるドレイク》2枚  墓地に依存しない別軸のプランその3。  4マナとやや重いものの、ETBの1ドローでアドバンテージを取りつつ、追放領域まで参照するため、パワーが二桁になることも多々あります。  相手に対応がなければ速やかに試合を畳めるフィニッシャーです。 《プロフトの映像記憶》1枚  墓地に依存しない別軸のプランその4。  ドローすればするほどクリーチャーがどんどん強化されていきます。  各種キャントリップ、《宝船の巡航》《美術家の才能》などの相性が非常によく、回ると+8/+8というとんでもない数値になったりします。  警戒飛行である《錠前破りのいたずら屋》に載せると攻防共に大活躍。  地味に手札制限が撤廃される効果もあるため、クリンナップステップで《弧光のフェニックス》を捨てることが出来なくなる点については注意です。  墓地から帰ってきたばかりの《弧光のフェニックス》に乗せられないことも覚えておきましょう。 《塔の点火》1枚  追加の1マナ火力。  セレズニアカンパニーの《永劫の無垢》に対する回答であり、《心火の英雄》なども追放で対処可能です。  《第三の道の偶像破壊者》もあるので、メイン戦より協約しやすくなります。  この枠については4枚目の《焦熱の衝動》などに差し替えてもいいと思います。 《削剥》2枚  追加の火力であり《未認可霊柩車》への対応札です。  特に今はイゼットフェニックス意識で《未認可霊柩車》の採用が増えているので、2枚は必要だと感じています。  ここの枠を《プリズマリの命令》にしているリストもありますね。これもアーティファクト(《未認可霊柩車》)破壊の役割を担っています。 《無効》2枚  1マナでエンチャントおよびアーティファクトをカウンターできます。  《耳の痛い静寂》《真昼の決闘》《安らかなる眠り》《未認可霊柩車》などの対策カードの大半が置物であるため、これらに対する対策となっています。  また、現在のパイオニア環境では《不浄な別室》《美術家の才能》《鏡割りの寓話》《豆の木をのぼれ》etc……と、エンチャントが強い環境でもあるため、これらもひっくるめて1枚で見れるカード。   初めて見た時は「ほんとに~?」と思いましたが、使ってみると強さが体感できる1枚です。 《否認》1枚  シンプルなカウンターですね。  主にコントロールデッキやミラーマッチで入れる用途になっています。 《神秘の論争》1枚  こちらは青いデッキ全般に。  青い相手に対して、3ターン目にこれをバックアップに《美術家の才能》を唱える動きが非常に強力です。 サイドボードでの戦い方について 墓地に依存しないサブプラン  トップメタの宿命により、墓地対策もしくは《真昼の決闘》《耳の痛い静寂》などのイゼットフェニックス狙い打ちの対策が間違いなく入ってきます。  それに対して先述した通り《第三の道の偶像破壊者》《弾けるドレイク》《厚かましい借り手》《プロフトの映像記憶》など、軸をずらして墓地に依存しない勝ち筋で対応していくというプランを意識するとよいでしょう。  この場合、墓地に依存する《弧光のフェニックス》《宝船の巡航》を減らす形になりますね。  もちろん相手のサイドプランを見越して逆手に取る方法もありますので、各マッチアップでのインアウトはざっくり記載しつつ、大まかな方針を書いていく形にしたいと思います。 《美術家の才能》レベル2  メインボードでは2マナ以上のノンクリーチャー呪文は《美術家の才能》《錠前破りのいたずら屋》《宝船の巡航》《時間への侵入》《プロフトの映像記憶》があります。  しかし、レベルアップに要する3マナがあればその分だけ自分の動きを優先した方が強いことがほとんどで、レベルアップする暇があまりありません。  その一方でサイドボードでは相手の対策カードによってうまく動けなかったり、あるいは1枚のキャントリップ呪文を、必要なカードを探し出すために大事に温存する必要が生じたりします。  そうすると意識的に《美術家の才能》をレベル2にする機会が増える点は覚えておきたいところです。  レベル2になることでサイドから増えてくる2マナ呪文である《厚かましい借り手》《削剥》《否認》なども1マナになり、予想以上に動きやすくなったりします。 主要マッチアップ解説 現時点でのトップメタである、ラクドスデーモン・ラクドス雄姿・イゼットフェニックスミラーとのマッチアップを解説していきます。 VSラクドスデーモン  メイン有利、サイド微不利の印象です。  毎ターン誘発する《不浄な別室》によって長期戦は避けたいところ。  《不浄な別室》《黙示録、シェオルドレッド》《ドロスの魔神》でライフを詰めてくるため、それまでに《美術家の才能》《宝船の巡航》でいかにデッキを回すかが重要になってきます。 ▼キーカード - 《美術家の才能》  重要なカードとしては《美術家の才能》です。  この《美術家の才能》に対して対処できる手段がメインボードには《思考囲い》《強迫》しかなく、2マナの軽さで後引きしてもすぐ出せるなどでラクドスデーモン側は根本的な対応が不可能です。  《不浄な別室》によるドローエンジンが強いと言えども、《美術家の才能》を絡めた動きの方が速く強く、それを咎める手段もないためメインでは有利と捉えています。  ただし、《不浄な別室》《ドロスの魔神》によってライフを詰め切ってくるため、序盤はあまりライフを削られすぎないように留意する必要があります。  《止められぬ斬鬼》はその筆頭で、整ってしまえば《弧光のフェニックス》の無限ブロック・《焦熱の衝動》などで寝かせることは可能ですが、ハンデスなどで1回でも攻撃を通されると急にゲーム感が変わってきます。 ▼サイドアウト候補 《焦熱の衝動》《稲妻の斧》《塔の点火》《弧光のフェニックス》《時間への侵入》《手練》《宝船の巡航》 ▼サイドイン候補 《削剥》《無効》《プロフトの映像記憶》《厚かましい借り手》《第三の道の偶像破壊者》《弾けるドレイク》《否認》  メインボードでは先述した通り《美術家の才能》を絡めて速やかに自分のしたいことである《弧光のフェニックス》複数戻し、《宝船の巡航》連打ができる点などで有利になっています。  しかし、サイドボードでは《未認可霊柩車》《真っ白》《虚空の力線》といった墓地にクリティカルな対策カードが入ってきます。  これによりこちら側は減速を強いられることになります。  このマッチでは《無効》が、《鏡割りの寓話》《不浄な別室》のみならず、サイドボードから入ってくる《未認可霊柩車》にも刺さる頼もしい一枚となっています。  このようにお互いに牽制し合うカードが増える事から長期戦になりがち。  そうすると……先述したように《不浄な別室》が強いわけですね。  それに対して取れるプランが下記のように複数あります。 1.《第三の道の偶像破壊者》2.《弾けるドレイク》3.《プロフトの映像記憶》  ラクドスデーモン側は《致命的な一押し》は減らしたい一枚ですが、《第三の道の偶像破壊者》の存在によって減らし過ぎると裏目が生じることも。  2ゲーム目で《第三の道の偶像破壊者》を暴れさせた後、3ゲーム目では抜いて相手が増やした《致命的な一押し》を腐らせてしまうという大胆なプランも考えられますね。  このように相手のサイドプランを逆手に取ることもでき、逆に言えばラクドスデーモン側はこれに合わせていく必要があります。  特に《プロフトの映像記憶》によって脅威を増やす動きはラクドスデーモンに効果的なので意識したいところ。  《第三の道の偶像破壊者》で増やしたトークンに載せるのもよし、《弾けるドレイク》に載せてワンパンもよしと、墓地に頼らないプランの中核として働きます。  《ドロスの魔神》や《祭儀室》の6/6飛行デーモンを《厚かましい借り手》《洪水の大口へ》のバウンスでテンポを取り、そのまま差し切るというプランを念頭に置きながら動いていきましょう。 VSラクドス雄姿  軽量除去を多く擁するイゼットフェニックス側が有利であると思われがちですが、実は……辛いのではないか……?と思い始めています。  というのも、最近のラクドス雄姿はイゼットフェニックスを明らかに意識しており、タフネスが+2される《立腹》が採用されています。  これによって《焦熱の衝動》どころか《稲妻の斧》すら裏目になるリスクが生じ、さらに対応するダブルアクションが必要になってきます。  そうすると赤い土地も必要になってくるわけですが、火力を探すためにキャントリップも唱えたいので《河川滑りの小道》を赤で置くと、それはそれで窮屈な展開になります。  そして除去さえしていれば勝つわけではありません。序盤を凌いだところで《宝船の巡航》でリソースを回復し、《弧光のフェニックス》などで殴り切る必要が出てきます。  そのためにマナを寝かせる必要があり、その隙を突いて速攻を持つクリーチャーで殴りかかってくるリスクも生じます。《立身+出世》もありますしね。  このようにイゼットフェニックス側の要求値が高い一方で、ラクドス雄姿側は「イゼットフェニックスの火力をいかにかわすか」ことだけ考えていればよく、押し付けやすい形になっているように思います。  総括すると「ラクドス雄姿側がゲーム自体の主導権を握りやすい」というわけですね。《致命的な一押し》が恋しいです。 ▼キーカード - 《焦熱の衝動》《稲妻の斧》等の除去  初手にこれら除去がなければ負けます。マリガンは厳しめにやらなければなりません。  また、先手・後手で《美術家の才能》の評価が大きく変わる点も注意です。  後手だと相手がクリーチャー2体以上+3マナ使える状態になり、タップアウトしてしまうと大きくライフを削られてしまいます。  このように後手での2ターン目《美術家の才能》は出来る限り避けたい一方で、先手であればまだ脅威の度合いが小さいので即出します。  これは2ターン目で大きくライフを詰められるパターンが《心火の英雄》→《巨怪の怒り》or《立腹》or《裏の裏まで》+《無感情の売剣》の15点しかないためです。  ここで設置し、バリューを最大限引き出すようにします。 ▼意識すべき点 ◇先手1ターン目《熊野と渇苛斬の対峙》  このケースで後手1ターン目に《焦熱の衝動》は構える価値がありません。酷い目に遭ったので共有します。  なぜならこの時点の《焦熱の衝動》は魔巧未達成により2点火力であり、2章によって+1/+1カウンターが載った状態で出てくるクリーチャーたちの前には無力だからです。(《心火の英雄》だけは対応可能ではありますが……)  《手練》があれば手札によって必要な札を探しつつ、魔巧達成のために墓地にスペルを溜めていきましょう。   ◇《弧光のフェニックス》をブロッカーに回す  アグロ・クリーチャーデッキ全般にも言えることですが、3回スペルを唱えてしまえば復活する《弧光のフェニックス》は優秀なブロッカーとして機能します。  ただし、《熊野の食刻》はダメージを受けて死亡すると追放されてしまう置換を持つため、《弧光のフェニックス》をブロッカーにするプランであればマスト除去になります。  このようにゲームプランによって除去の優先順位も変わってくるので、難しいマッチアップと言えるでしょう。 ▼サイドアウト候補 《時間への侵入》《感電の反復》《弧光のフェニックス》《美術家の才能》《手練》《呪文貫き》 ▼サイドイン候補 《削剥》《塔の点火》《厚かましい借り手》《第三の道の偶像破壊者》《弾けるドレイク》  ラクドス雄姿は《熱烈の神ハゾレト》《立身+出世》《ウラブラスクの溶鉱炉》などで中盤以降でもそこまで息切れせず攻めてくるため、序盤を凌いだだけでは勝てません。  盤面に影響しないとはいえ、《美術家の才能》は勝つために必要なカードです。先手では2ターン目に置けるバリューがあるため全て残し、後手では全て抜かずに2枚程度減らすという形になると考えられます。  《弧光のフェニックス》は先手後手ともに手札にかさばると敗着に繋がるため、2枚程度減らします。  《巨怪の怒り》でトランプルを付与しない限りトークンの山を突破できないことから、《第三の道の偶像破壊者》は主な勝ち筋でもありながら火力では対処不可な《熱烈の神ハゾレト》への対抗手段にもなります。  また、《厚かましい借り手》がコンバットトリックにバウンス、《精鋭射手団の目立ちたがり》に対して相打ちを取れる点でも頼もしい1枚になっています。  《弾けるドレイク》は隙が大きいものの、ボードをコントロールした後の速やかに終わらせる手段としては最適。  制圧した後は速やかにゲームを終わらせることを意識していきましょう。 VSイゼットフェニックス  メインボードでは各種火力がほぼ死に札であり、《美術家の才能》を対処できるのが《呪文貫き》《洪水の大口へ》しか存在しません。  よってこのマッチでは《美術家の才能》を先に定着した方に大きく天秤が傾くことになります。 《美術家の才能》の2枚目を先に置けたらほぼ勝ちと言っても過言ではありません。 《感電の反復》《時間への侵入》のコンボが非常に強く、《美術家の才能》《宝船の巡航》でデッキをどんどん掘ってこの2枚を探し当てる別ゲーと化します。  逆に相手だけ《美術家の才能》が定着してしまっているケースでも同様で、おそらく《美術家の才能》が無い状態で勝つ唯一の手段もまた《感電の反復》《時間への侵入》となります。  そのため、相手だけ《美術家の才能》がある劣勢な状況であればこのコンボを狙いに行くことになります。 ▼意識すべき点 ◇《弧光のフェニックス》をあえて戻さない選択肢  墓地に《弧光のフェニックス》が1枚しかない時は、戦場に戻らせること自体リスクが生じることがあります。(火力の打ち先になってしまったり、《塔の点火》を当てられたり)  2回目のスペルを唱えた後、第二メインフェイズまで行ってから3回目のスペル唱えて《弧光のフェニックス》をあえて戻らせない工夫も、時として必要になってきます。 ▼キーカード - 《美術家の才能》  正直《美術家の才能》がない7枚のハンドよりも《美術家の才能》がある5~6枚のハンドの方が強いと感じています。  相手がイゼットフェニックスと分かっているならば、マリガンのリスクを背負ってでも《美術家の才能》を探しに行くリターンは間違いなくあります。(キャントリップが潤沢にあり、探しに行けるハンドであればキープでもよいとは思いますが)  マリガン後、弱い6枚よりも《美術家の才能》がある5枚の方が強いため、最悪《美術家の才能》を求めてダブルマリガンまで検討に値するでしょう。  それほど重要な1枚です。 ▼サイドアウト候補 《焦熱の衝動》《稲妻の斧》(相手が《帳簿裂き》型の場合は残す) ▼サイドイン候補 《無効》《否認》《神秘の論争》《プロフトの映像記憶》《塔の点火》《削剥》(《未認可霊柩車》が見えた場合) 《稲妻の斧》の有無については《帳簿裂き》型かどうかによって変わります 《帳簿裂き》型であればこれを対処できる《稲妻の斧》を残すことになります。  同じ《美術家の才能》型であれば火力は《塔の点火》以外を全て抜き、《美術家の才能》に対応できる《無効》《否認》を入れていきます。  サイド後はお互いに《美術家の才能》を意識することになります。  キープ基準も変わり、メインボードでは《美術家の才能》が重要になってきますが、お互いに対処手段が増えるサイドボードでは《美術家の才能》がなくとも、《無効》などの《美術家の才能》を対処する札および《宝船の巡航》などのリソースカードがあればキープに値します。  下手に《美術家の才能》を唱えてしまうと弾かれた後に返しで《美術家の才能》を通されて最悪ですから、何らかのバックアップと共に唱えることになります。  この辺りはかつて《かき消し》《鏡割りの寓話》があったグリクシスミッドレンジミラーと同じような考え方になりますね。  回答と墓地肥やしの両方を兼ねる《錠前破りのいたずら屋》もまた重要な1枚です。  特に序盤においては《手練》などで下手にタップアウトしてしまうと《錠前破りのいたずら屋》を通されてしまうリスクがあるので、お互いに構え合う展開になりやすい印象があります。  上記のリストでは入っていませんが、ミラーでは《美術家の才能》《宝船の巡航》を完封する《覆いを割く者、ナーセット》が非常に効果的です。  ただし、3マナのソーサリータイミングであるため、《神秘の論争》などのバックアップつきでないと安心して唱えられない点には留意してください。 最後に  ここまでイゼットフェニックスを解説させていただきましたが、魅力が少しでも伝わりましたでしょうか?  このデッキはとにかくスペルを連打、ドローもしまくりと爽快感がとてもあります!  それだけ選択肢も多岐に渡り、この迷路の中で正解に辿り着くパズルのような要素もあって非常に楽しいデッキとなっています。  「トッププロですら80%もポテンシャルを引き出せれば上出来」と言われるほど高難易度のデッキ、極めてみたくありませんか?  このイゼットフェニックスについて様々なことをコーチングいただいたMyra00(@Myra00_mtg)さんに改めて感謝を申し上げます。ありがとうございます。  これからこういった記事をGOOD GAMEメディアで執筆させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

【今週のピックアップデッキ】セレズニア上陸/カワウソ隆盛/赤単エルドラージ

Modern Pioneer Standard

2024.11.22

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 セレズニア上陸(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By Oppa 《復活した精霊信者、ニッサ》《事件現場の分析者》タッグがまたスタンダードに現れた!!土地を置くとマナが出て、2回目のセットランド時にエルフかエレメンタルを手札に加える能力を持つ《復活した精霊信者、ニッサ》は、実質的に1ターンにセットランドを2回行える《寓話の小道》などとの相性が抜群。そして墓地に落ちた土地をまとめて吊り上げる《事件現場の分析者》はエレメンタルなので《復活した精霊信者、ニッサ》からサーチもでき、大量のマナを生み出せるため、この2枚のコンボはかつてスタンダードでティムールアナリストという名前で暴れ回っていました。 ……という話をついこの間パイオニアでした気がしますね。それぐらいこのコンボは人気でファンも多いのです! ローテーションで《記憶の氾濫》などの墓地から使えるリソースと、《斡旋屋一家の潜伏先》をはじめとした墓地に落ちる土地を失い、デッキは瓦解しましたが、今回は緑白で復活しました。『ファウンデーションズ』で再録された《フェリダーの撤退》の力で!久々に再録されたこのカード。というか僕はこのリストを見るまで《フェリダーの撤退》が再録されたことを知りませんでした。土地を置くたびに2/2の猫を生み出すか、または全クリーチャーに+1/+1カウンターを乗せて警戒を付与するかを選べるこのエンチャントは、最初は猫を出していき、たくさんの猫が出たところで全体強化できるため、自己完結しているカードと言えます。5回上陸すれば2/2を4体作ってその後に全体強化してすべて3/3……そう考えるとかなり強いカードに思えてきませんか?今までの《復活した精霊信者、ニッサ》系デッキに比べると、この《フェリダーの撤退》がキーとなるため、かなり攻撃的なのが今回のセレズニア上陸。とにかく《フェリダーの撤退》を引かなければ始まらないため、集めるためのパーツは多め。《蓄え放題》は《フェリダーの撤退》を拾いつつ、墓地に土地も落とせる良いカード。再録組の《ビビアン・リード》はプラス能力で《事件現場の分析者》《復活した精霊信者、ニッサ》にアクセスできる他、マイナス能力は《忌まわしき眼魔》や《偉大なる統一者、アトラクサ》、《力線の束縛》などに触れて何かと便利。もちろん緑でマナを使うデッキなので《ラノワールのエルフ》も入っています。2ターン目《復活した精霊信者、ニッサ》はこれまでの上陸デッキができなかったムーブですし、かなり圧力ありますね。2ターン目《復活した精霊信者、ニッサ》から3ターン目に《進化する未開地》を置いて4マナから《フェリダーの撤退》、《進化する未開地》起動でトークン生成と、すさまじい回りを見せることも。《事件現場の分析者》と同じ能力を持つ《森の轟き、ルムラ》が1枚のみに押さえられているのは、調整の結果なのでしょうか?気持ちよくなるために3~4枚ほど個人的には入れたくなってしまいますね。緑白なのでメインから大量に除去が入っており、サイドからは更に《エルズペスの強打》《跳ねる春、ベーザ》が増えます。赤いアグロ対策もバッチリなので、焼かれる前に土地の圧力で潰してやりましょう!! カワウソ隆盛(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By KillerN 《渓間の洪水呼び》を出すと古参のマジックプレイヤーはひとしきりテキストを読んだ後、「《ジェスカイの隆盛》みたいなことするやつね」と言ってきます。体感5割なのでぜひ周りのおじさんで試してみてください。そんな《渓間の洪水呼び》が本家《ジェスカイの隆盛》とタッグを組みました。スタンダードの頃からジェスカイトークンや無限コンボなど、数多のプレイヤーに親しまれてきたエンチャント、《ジェスカイの隆盛》。最近のマジックプレイヤーに馴染みがないカードかもしれないので、簡単にコンボと一緒にご紹介しましょう。非クリーチャー呪文を唱えるたびにクリーチャーがアンタップして+1/+1の修正を受け、更にカードを1枚引いて1枚捨てる。クリーチャーをたくさん入れないと恩恵を受けられない能力なのに、誘発させるためには非クリーチャーを要求するため、デッキ構築がかなり難しいカードでしたが、クリーチャー生成手段をトークンにすることで、デッキ内のほとんどのカードが《ジェスカイの隆盛》を誘発させ、しかもばらまいた1/1たちが大きくなるので、スタンダード時代のジェスカイトークンは、その見た目と動きの美しさで、人気を博していました。このデッキでは純粋な無限コンボのキーパーツとなります。《ジェスカイの隆盛》を貼った状態で、クリーチャー・《モックス・アンバー》か《トーモッドの墓所》《撤回のらせん》の3枚が揃うと無限になります。《撤回のらせん》でクリーチャー(この場合は例として《侵攻の伝令、ローナ》)を対象に取り、その後《侵攻の伝令、ローナ》をタップして《モックス・アンバー》を手札に戻し、それを再び場に出します。すると《ジェスカイの隆盛》の能力で《侵攻の伝令、ローナ》がアンタップするので、再び《モックス・アンバー》をバウンスできます。これにより《侵攻の伝令、ローナ》が無限パワー&無限青マナ&無限ルーティングが完成します。《トーモッドの墓所》の場合は青マナは出ませんが、ルーティングの途中で《モックス・アンバー》を引き込めばそこからは切り替えて無限に突入します。最終的には致死量のサイズになった《侵攻の伝令、ローナ》を《トレイリアの抹消者、ローナ》に変身させればトランプルが付くので、チャンプブロックも許さずに勝利となります。 《侵攻の伝令、ローナ》以外のクリーチャーだった場合はトランプルはつきませんが、無限青マナが出せる状態を作れば勝利できます。 たとえば《稲妻罠の教練者》に《撤回のらせん》を打って無限パンプ&無限ルーターを繰り返し、道中で引いた《湖に潜む者、エムリー》か《侵攻の伝令、ローナ》をプレイ。その後《モックス・アンバー》で無限マナになります。 無限マナを作った後は手札の青と無色のカードがすべてフリースペルに変わるので、《稲妻罠の教練者》に付与された《撤回のらせん》のバウンス能力を、手札の青いカード分だけ繰り返し打つことができ、すべてのブロッカーを排除して勝利となります。 この場合は少し手札とマナが必要になる点に注意。 ちなみに《湖に潜む者、エムリー》《ジェスカイの隆盛》《トーモッドの墓所》でも無限パンプ・無限ルーターが決まります。 《湖に潜む者、エムリー》で墓地の《トーモッドの墓所》を唱えると《ジェスカイの隆盛》でアンタップするので、その後《トーモッドの墓所》を相手に使うことで再び《湖に潜む者、エムリー》で唱え……これでもやはり無限パンプ・無限ルーターが完成。《撤回のらせん》を使わない唯一のルートですね。 無限に0マナアーティファクトを墓地から出し入れできればコンボは決まるので、《トーモッドの墓所》の代わりに《モックス・アンバー》が合計2枚あっても決まります。これまでも存在していたアーキタイプでしたが、《渓間の洪水呼び》と《稲妻罠の教練者》のカワウソたちが入り、コンボとビートダウン、両方の性能が上がりました。《渓間の洪水呼び》は非クリーチャー呪文を唱えた際にカワウソたちがアンタップする能力を持っているので、自身や《稲妻罠の教練者》を起こすとことができます。つまり疑似的な《ジェスカイの隆盛》として機能するので、《渓間の洪水呼び》に《撤回のらせん》を打ち、《モックス・アンバー》を戻して出し直すことで無限パワーになるのです。《ジェスカイの隆盛》と違いルーティング能力こそありませんが、もはや《渓間の洪水呼び》は追加の《ジェスカイの隆盛》と言っても過言ではありません!そしてコンボパーツを探す目的で採用されている《稲妻罠の教練者》も当然カワウソ。《渓間の洪水呼び》によって強化されるので、このカワウソたちが少し並んだ状態で《ジェスカイの隆盛》を置くと、1回のスペルを唱えるごとに+2/+2が発生し、あっという間に致死量の打点を叩き出してくれます。《稲妻罠の教練者》が入ったことで、これまで腐りがちだった《撤回のらせん》の運用方法が増えたのも地味に素晴らしい点です。クリーチャーがいないと使えず、しかも使用先もコンボ以外では相手のクリーチャーを戻す時間稼ぎしかできませんでしたが、《稲妻罠の教練者》でクリーチャーの数が増えただけでなく、《稲妻罠の教練者》を戻すことで再び再利用し、コンボパーツを探しにいけるようになりました。個人的に思い入れもあり大好きなデッキなので回してみたい! 赤単エルドラージ(モダン) モダンリーグ:5-0 By Zoza 最近のエルドラージは《まき散らす菌糸生物》でマナを伸ばして《約束された終末、エムラクール》などに繋げるグルールランプ型が主流ですが、このエルドラージは古き良き殴るタイプのエルドラージです。トップ8に6人がエルドラージだった通称「エルドラージの冬」。《ウギンの目》が禁止となる原因を作った本トーナメントで活躍していたエルドラージに近い見た目とコンセプトなのが、今回ご紹介する赤単エルドラージ。と言っても当時から活躍していたエルドラージは最早このデッキには2種類しか入っていません。今でも現役バリバリで働いている《難題の予見者》に、最近ではあまり見なくなった《現実を砕くもの》。この2種類が登場したのが『ゲートウォッチの誓い』で、「すごいエルドラージがやってきた!」とプレイヤーたちが沸いていたのははるか昔。彼らも今ではすっかりベテラン。他の20枚はすべて新人です。《運命を貪るもの》はエルドラージに欠かせないキーカード。《エルドラージの寺院》《ウギンの迷宮》でマナ加速できるかが重要なエルドラージデッキにとって、ゲーム開始時のライブラリートップ4枚を操作できるのはあまりに大きい。そのまま《ウギンの迷宮》に刻印できるので非常に嚙み合っています。無色のクリーチャーを強化しつつ、マナ総量7以上の無色呪文のコストを軽減してくれる《終わりを告げるもの》は、《エルドラージの寺院》《ウギンの迷宮》で1ターン目から出せる強力なクリーチャー。X=5以上の《コジレックの命令》や《全ては塵》も軽くなります。そしてレガシーではすっかりお馴染みの《まばゆい肉掻き》も殴るエルドラージなら当然4枚採用。あっという間にトークンが沸いてきてライフを削ってくるので、見た目以上に速度を出してくれます。出てくる落とし子は《終わりを告げるもの》で強化されます。これらのエルドラージが《エルドラージの戦線破り》によって速攻で殴ってくるのも恐ろしいところ。《まばゆい肉掻き》でトークンが並べば《エルドラージの戦線破り》の修正値も上がるので、このコンビが揃うと非常に危険ですね。この『モダンホライゾン3』産エルドラージたちと共にデッキに入った新人が《七つの死の種父》。7マナ7/7に能力を7つ持ち、護法も7点のライフを要求と、徹底した7攻めのエルドラージ。とにかくライフを削るデッキなのでこの護法は非常に重く、問答無用に対戦相手を叩き潰します。エルドラージは《記憶への放逐》に苦しめられるデッキですが、この赤単エルドラージは《魂の洞窟》を4枚採用しているので、完全に腐らせる展開もあります。これは既存のエルドラージランプにはない魅力ですね。エルドラージ好きには、《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》などの巨大エルドラージを叩きつけるのが好きな方もいれば、《現実を砕くもの》でビートするのがたまらないというプレイヤーもいるはず!このデッキは後者の皆様に超おすすめ!『モダンホライゾン3』でバッチリ強化された赤単エルドラージで《現実を砕くもの》をもう一度走らせてみましょう!

【週刊メタゲーム通信】カナダ地域CSではデーモンが大暴れ!そして突如現れたアサーラックコンボとは!?

週刊 Pioneer ピックアップ

2024.11.20

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今回は先週末に行われた、カナダ地域チャンピオンシップの結果から、最新のパイオニア環境を分析していきます! メタゲーム カナダの地域チャンピオンシップ、トップ8はこれまでとは大きく異なる結果となりました。ラクドスデーモン:2イゼットフェニックス:1アサーラックコンボ:2セレズニアカンパニー:14色エニグマ:1オルゾフデーモン:1ヨーロッパ地域チャンピオンシップで大活躍だったサクリファイスはトップ8から姿を消し、デーモンがトップ8に3人!まずはサクリファイスに対するガードの高さがリストから見て取れますね。ラクドスカラーで採用できる最も強力なサクリファイス対策は《碑出告が全てを貪る》で、優勝者のリストには採用されており、トップ8のもう1人のラクドスデーモンは《虚空の力線》。いずれもサクリファイスに刺さるカードで、《虚空の力線》はイゼットフェニックスの対策も兼ねるカードです。途中で引いても《鏡割りの寓話》や血で捨てることができ、ラクドスデーモンは《虚空の力線》が使いやすいデッキと言えます。そしてなんといっても今回はトップ8にアサーラックコンボが2人!これにはさすがに驚きました。実は各地の地域チャンピオンシップでギリギリトップ8ラインなどまで勝ち進んでいたデッキだったのですが、今回ついに2人をトップ8に送り込む大躍進!更に最近では4cズアーにお株を奪われそうになっていた《奇怪な具現》も、《空を放浪するもの、ヨーリオン》の相棒を引き連れてトップ8入賞。ここからは個別にデッキ解説をしていきます。 ラクドスデーモン カナダ地域チャンピオンシップ :優勝 By Randall Litman カナダ地域チャンピオンシップを制したのはラクドスデーモン!気づけばデーモンと言えばこのラクドスが主流となってきました。デーモンと名はついていますが、その実態はラクドスミッドレンジ。手札破壊と除去で脅威を取り除き、《税血の収穫者》《止められぬ斬鬼》《鏡割りの寓話》で殴りながら、《不浄な別室》でアドバンテージを取っていくデッキです。《鬼の刃》などが入ったリストもある中、この優勝者の75枚はとてもすっきりしている印象を受けます。クリーチャーは12体のみで、手札破壊は定番の6枚、除去も環境に合わせたチョイスとお手本のようなリスト。最近では2マナの確定除去枠として《無情な行動》が採用されていますが、これはミラーにおける《ドロスの魔神》を意識したものです。《ドロスの魔神》の油カウンターを《無情な行動》で全部取り除くことで相手を敗北させることができるので、特にミラーでは重要となります。一方、《心火の英雄》をほぼ倒せなくなってしまうので、その辺りは一長一短といったところ。《心火の英雄》には他の除去を当てて、《無情な行動》は《精鋭射手団の目立ちたがり》などに打てば良いという考えでしょう。《塔の点火》はラクドス果敢の《心火の英雄》を意識したものです。サイドボードもオーソドックスな作り。《碑出告が全てを貪る》はジャンドサクリファイスに強い1枚。《清掃人の才能》をとても触りづらいカラーですが、《碑出告が全てを貪る》なら《魔女のかまど》や食物ごと《清掃人の才能》を吹っ飛ばせます。《未認可霊柩車》が3枚と多いのは対イゼットフェニックスを見据えてのことでしょう。見事決勝ではそのイゼットフェニックスにストレートで勝利を収めています。もし今週ラクドスデーモンを使うならこのリストをオススメしたい!それぐらい完成度の高い75枚だと思います。 アサーラックコンボ カナダ地域チャンピオンシップ:3位 By Dustyn Nogueira さあ、皆さんお待ちかねのアサーラックコンボです。このデッキは《アーチリッチ、アサーラック》を使用した無限ダメージデッキ。まず《アーチリッチ、アサーラック》について簡単におさらいしましょう。3マナ5/5の伝説のクリーチャーで、攻撃するたびに相手がクリーチャーを生け贄に捧げないとゾンビを生成する……ってめちゃくちゃ強いことが書いてありますが、当然そんな彼にはデメリットがあります。戦場に出た時に、自分が《魂を喰らう墓》を踏破していないと、《アーチリッチ、アサーラック》は手札に戻り、ダンジョン探索を行う。つまり《アーチリッチ、アサーラック》を何度も出して《魂を喰らう墓》を踏破し、ようやくこのクリーチャーが戦場にきちんと着地するというカード。しかし、逆に言えば《魂を喰らう墓》を踏破しない限り、《アーチリッチ、アサーラック》は何度も手札に戻り、そのたびにダンジョンを進み、踏破し、またダンジョンに入れるカード、ということになります。もしもこのカードを0マナで出し入れできたら、《魂を喰らう墓》以外の2つのダンジョンを無限回潜れるのです。それを実現したのがこのアサーラックコンボ。まずは《ガイアの眼、グウェナ》。クリーチャー呪文か起動型能力限定で2マナを生み出す強力なマナクリーチャーですが、パワーが5以上のクリーチャー呪文を唱えると自身が成長し、しかもアンタップします。《アーチリッチ、アサーラック》のパワーは5なのでアンタップし、再び2マナを生み出せるので、実質《アーチリッチ、アサーラック》が1マナで唱え放題になります。そしてここに《正直者のラトスタイン》が加わることで、正真正銘0マナの《アーチリッチ、アサーラック》が無事爆誕。後は無限に《ファンデルヴァーの失われた鉱山》を走り続けて相手のライフが0になって勝利。《正直者のラトスタイン》はコンボパーツを墓地から拾いつつ、自身もコンボパーツとなる素晴らしいカードですね。最後の1枚は《正直者のラトスタイン》の代わりに《伝説の秘宝》でも達成できます。《アーチリッチ、アサーラック》は戦場に出た時に手札に戻る能力が誘発するので、能力にスタックして《伝説の秘宝》からマナを出せば、そこで出た1マナと《ガイアの眼、グウェナ》の2マナで《アーチリッチ、アサーラック》を出し、また《伝説の秘宝》で《アーチリッチ、アサーラック》をタップしてマナを出し……これでもループが完成。《眷者の神童、キナン》も生み出すマナを1つ増やせるので、《ガイアの眼、グウェナ》1枚から3マナを出すことができ、《アーチリッチ、アサーラック》の無限が決まります。《伝説の秘宝》を用いた他の無限パターンもあります。《侵攻の伝令、ローナ》《正直者のラトスタイン》《伝説の秘宝》と揃っていれば、《アーチリッチ、アサーラック》ループが行えます。《伝説の秘宝》で《侵攻の伝令、ローナ》をタップし、《伝説の秘宝》からもマナを出して、《正直者のラトスタイン》で1マナ軽くなった《アーチリッチ、アサーラック》をプレイ。 またさっきのように能力にスタックで《アーチリッチ、アサーラック》をタップして《伝説の秘宝》からマナを出しておき、《アーチリッチ、アサーラック》のキャスト時にアンタップした《侵攻の伝令、ローナ》を再度《伝説の秘宝》で寝かせてマナを出すと2マナが発生するので、これにて無事《アーチリッチ、アサーラック》が無限鉱山の旅に出ることになります。《ガイアの眼、グウェナ》を使わないこちらのパターンは《伝説の秘宝》しか起動型能力を使用しないため、すべてのクリーチャーがこのターンに戦場に出てもよく、更地から勝つこともあります。コンボパーツが3マナに偏っているのでマナクリーチャーを7枚採用し、更に2マナ域にはこれらのマナクリーチャーから追加で1マナを生み出す《眷者の神童、キナン》まで入っています。《眷者の神童、キナン》は起動型能力も強力で、《アーチリッチ、アサーラック》か《偉大なる統一者、アトラクサ》をライブラリーから場に出してくれます。ちなみに《ガイアの眼、グウェナ》から出るマナはクリーチャーにしか使用できませんが、《眷者の神童、キナン》がいる時に追加で新たに出るマナについては、クリーチャー以外にも使用できます。《眷者の神童、キナン》は《伝説の秘宝》で伝説のクリーチャーを寝かせた際のマナは増やしてくれないので注意しましょう。こうしてよく見ると、アサーラックコンボはコンボパーツが個々でそこそこ強いものばかりです。《侵攻の伝令、ローナ》は起動型能力で必要なパーツを集めてくれますし、《正直者のラトスタイン》はクリーチャーを拾ってコンボ達成を助けます。《ガイアの眼、グウェナ》も《偉大なる統一者、アトラクサ》の高速召喚に役立つので、コンボ成立時以外で引いて困るカードは《アーチリッチ、アサーラック》自身しかありません。最速3ターンキルもあり、長期戦も《湧き出る源、ジェガンサ》《偉大なる統一者、アトラクサ》でドンと来い。今後の活躍にも注目していきたい、とても良いデッキですね!

【今週のピックアップデッキ】アゾリウス眼魔キオーラ/レイラインコロッサス/ネオブランド

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.11.15

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 アゾリウス眼魔キオーラ(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By HelpfulHobo 『ファウンデーションズ』がついに本日発売!既にテーブルトップでは使用可能でしたが、マジックオンライン・MTGアリーナでも解禁され、早速各種フォーマットで使われ始めています。スタンダードでは、あのアゾリウス眼魔にアップデートが入りました!アゾリウス眼魔は、その名の通り《忌まわしき眼魔》に特化したアゾリウスカラーのアグロ。《錠前破りのいたずら屋》や《第三の道の創設》で《忌まわしき眼魔》《傲慢なジン》を墓地に落とし、《救いの手》で釣り上げるリアニメイト要素を搭載しています。墓地が肥えていくので手札から《忌まわしき眼魔》も出しやすく、ブン回った時には2ターン目に《忌まわしき眼魔》が墓地から出てくる、スタンダードらしからぬ動きもできるデッキです。そんなアゾリウス眼魔に新たに加わったのが《上げ潮、キオーラ》。まずはテキストからおさらいしましょう。《上げ潮、キオーラ》は戦場に出た時にカードを2枚引き、2枚捨てます。不要牌を捨ててもよし、これからリアニメイトするクリーチャーを墓地に送りこむのも良いでしょう。そしてスレッショルドを達成している状態で《上げ潮、キオーラ》が攻撃すると、8/8のトークンが場に出てきます!地味ながら有用な能力と、派手で強力な能力を併せ持つ3マナ3/2、それが《上げ潮、キオーラ》です。前述のようにアゾリウス眼魔は墓地を肥やせるので、スレッショルド達成は容易。生き残ればすぐに8/8を生成してくれるでしょう。相手からしてみればすさまじいプレッシャーです。《錠前破りのいたずら屋》と《第三の道の創設》は共にカードを4枚切削しますし、《上げ潮、キオーラ》は出た時に墓地にカードを2枚送れるので、《上げ潮、キオーラ》が最も相性が良いデッキと言えます。吊り上げるクリーチャーが《忌まわしき眼魔》と《傲慢なジン》しかいなかったため、これまでのリストでは《救いの手》が4枚、《再稼働》は1枚から多くて2枚といったところでしたが、このリストには大量の3枚採用。《上げ潮、キオーラ》が新たに釣りあげる対象となり、更にその《上げ潮、キオーラ》によって手札のクリーチャーを捨てたり、余ったリアニメイトスペルを捨てても良いため、《再稼働》を大量に採用しやすくなりました。元々スタンダードで活躍していたアゾリウス眼魔、《上げ潮、キオーラ》の登場で更なる強化を果たしたのか?この後の活躍に注目したいですね。 レイラインコロッサス(パイオニア) パイオニアリーグ:5-0 By Franticore 以前に紹介した《金属製の巨像》デッキを覚えているでしょうか?《身代わり合成機》を最大限に活用したデッキで、特に《真鍮の拳》が《身代わり合成機》と《金属製の巨像》と相性抜群で、4ターン目に圧倒的な場を作り出すことが可能となっています。このデッキがなんと今回大きな強化を受けました!『ファウンデーションズ』から加わった新人がこちら!4マナの装備品で、二段攻撃とトランプルを付与する装備品。ここまで書くとリミテッドで強そうな装備品という印象ですが、最初に大きな一文があります。「このカードがあなたのゲーム開始時の手札にあるなら、これが戦場に出ている状態でゲームを開始してもよい。」そう、《力線の斧》は史上初めてとなる装備品の力線。ゲーム開始時に出すことができるのです。これによってどうなるか、もうお分かりですね?そうです。《力線の斧》は実質タダで置ける4マナのアーティファクト。《金属製の巨像》と相性抜群なのです。0ターン目に《力線の斧》、1ターン目に《ポータブル・ホール》で除去。2ターン目に《アイレンクラッグ》か《加工鋳造所》。3ターン目に《身代わり合成機》を出すと、場の合計のアーティファクトのマナ総量は4+1+2+3の10。余った1マナで《金属製の巨像》が出て、《身代わり合成機》から6/6!3ターン目に圧倒的な場が出来上がります。そして《力線の斧》が付与する二段攻撃とトランプルも非常に嬉しい。《金属製の巨像》は高速召喚できたとはいえ、ただのバニラクリーチャー。しかしこれに《力線の斧》がつくだけで11/11、二段攻撃、トランプルの化け物へと生まれ変わります。《金属製の巨像》のキャストを早めるだけでなく、フィニッシャー性能も格段に引き上げてくれる《力線の斧》はこのデッキのために生まれたといっても過言ではないカード!以前紹介した時より確実にパワーアップしてると思いますので、ぜひお試しください!! ネオブランド(モダン) モダンリーグ:5-0 By wefald 全カードゲームプレイヤーの憧れと言えば、それはやはり「1ターンキル」でしょう。先手1ターン目に相手がまだセットランドすらしてないのに勝利する。レガシーでは1ターンキルができるデッキもありますが、モダンではこのネオブランドのみです。手順はこうです。まずゲーム開始時に《絡み森の大長》を公開。そして青マナをセットランドして、《アロサウルス乗り》を0マナでキャスト。 《絡み森の大長》の緑マナと青マナから《新生化》で《アロサウルス乗り》を生け贄にし、《グリセルブランド》をデッキから場に。《グリセルブランド》で14枚ドローし、その中から《滋養の群れ》をピッチでキャスト。追放するのは《土着のワーム》。これで15点のライフを得るので、更に14枚ドロー。こうして《滋養の群れ》を使いながら《グリセルブランド》でライブラリーのほとんどのカードを引き、最終的に《モックス・アンバー》を2回出して黒マナを2つ作り、《マルコフ家のソリン》を召喚。このターンに《滋養の群れ》で大量のライフを得ているので変身し、そのままマイナス1能力で勝利!ネオブランド自体はそこそこ昔からあるアーキタイプでしたが、『モダンホライゾン3』が出るまではフィニッシャーにとにかく困っていました。この手のデッキでは《タッサの神託者》が定番ですが、《グリセルブランド》は7枚ドローしかできないので、たとえば初手7枚+《グリセルブランド》7回起動だとライブラリーが4枚余り、《タッサの神託者》では勝てません。更に《モックス・アンバー》では《グリセルブランド》から黒マナしか出せないので、《タッサの神託者》を出す手段も大変です。色マナを変換するためだけのカードを採用する必要がありました。それが『モダンホライゾン3』で《マルコフ家のソリン》が加入したことで、一気に楽になりました。《モックス・アンバー》2枚と《マルコフ家のソリン》さえ引けばライブラリーを掘り進める必要がなくなり、更に色マナ問題も一発で解決。無駄なカードを入れるスロットを削り、更に安定して勝てるように!ネオブランドにとって夢のようなカード。《フレイアリーズの信奉者》も地味な強化です。《アロサウルス乗り》を出すためになるべく緑のカードをたくさんデッキに入れたいので、アンタップインで緑マナが出せる緑のカードは貴重です。6マナとそこそこ重いので、《滋養の群れ》で追放するカードとしても最低限の働きをしてくれます。エネルギーやベルチャーに飽きて刺激を求めている方、1ターンキルを味わってみませんか?

【週刊メタゲーム通信】今週はイグラが大活躍!最新のパイオニア環境は黒大活躍!

Pioneer ピックアップ

2024.11.12

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今回はヨーロッパ地域チャンピオンシップの結果から、最新のパイオニア環境を分析していきます! メタゲーム トップ8の内訳は以下のようになりました。ラクドスデーモン:3人ジャンドサクリファイス:2人ゴルガリフード:1人イゼットフェニックス:1人4cズアー:1人まずは黒いデッキ大活躍!というのが第一印象でしょうか。そしてラクドス果敢がトップ8に0!使用率は全体で2位、13.2%だったことを考えると、今回の負け組であることは揺るぎない事実。速度と粘り強さを持ったデッキではありますが、クリーチャーに強化スペルを打って勝つデッキである以上、徹底的に対策されてしまうとさすがに勝てませんね。そして《全てを喰らうもの、イグラ》を使用したデッキにも注目です。《全てを喰らうもの、イグラ》と《大釜の使い魔》の無限コンボを擁したサクリファイスデッキは南米地域チャンピオンシップに続いて、ヨーロッパでもトップ8に3人を送り込みました。しかもサクリファイスデッキは上位トップ9に入っておらず、使用者は少なかったにも関わらずのこの結果。今回の勝ち組デッキと言って良いでしょう!その理由としては、ヨーロッパ地域チャンピオンシップのメタゲームがサクリファイスにとって非常に良いものだったことが挙げられます。 こちらが今回のメタゲーム。イゼットフェニックス・ラクドスデーモン・セレズニアカンパニーに強く、ラクドス果敢とも五分に戦えるデッキで、厳しいマッチであるアゾリウスコントロールやロータスコンボより、それらの数が圧倒的に多かったのです。イゼットフェニックスは《美術家の才能》で大幅に強化され、ラクドスデーモンはラクドスミッドレンジの亜種。パイオニアで長く強力なデッキだったラクドスミッドレンジを使い続けていたプレイヤーは、そのままラクドスデーモンに移行する可能性が高く、この2つのデッキは特に多いであることが予想できました。上手くメタゲームを読んで《全てを喰らうもの、イグラ》を持ち込んだプレイヤーに拍手! ゴルガリフード ヨーロッパ地域チャンピオンシップ:優勝 By Marc Tobiasch 《全てを喰らうもの、イグラ》でトップ8に入賞した中で、唯一ゴルガリカラーを選択したのがMarc Tobiasch。元プロプレイヤーにして稀代のデッキビルダーでもあるMarc Tobiaschが見事栄冠を勝ち取ったゴルガリフードは、従来のゴルガリフードとは一線を画した仕上がりとなっております。まずはこのデッキの動きについて簡単におさらいしましょう。《全てを喰らうもの、イグラ》は自身以外のクリーチャーすべてを食物に変えるクリーチャー。これにより、《大釜の使い魔》が場と墓地にいると、《大釜の使い魔》を食物として食べて墓地の《大釜の使い魔》が戻ってくるので、無限ライフルーズが発生します。2枚の《大釜の使い魔》を集めるのはなかなか大変。そして《全てを喰らうもの、イグラ》も5マナと結構重い。そんなこのデッキの事情をたった1枚で解決してくれるのが《清掃人の才能》です。まず置いておくだけで、クリーチャー死亡時に食物生成。実質《魔女のかまど》のようなエンチャントで既に強いのですが、レベルを上げると、カードを生け贄にした際に切削を行うことができます。《魔女のかまど》で《大釜の使い魔》を生け贄にして食物を出し、食物を生け贄にして《大釜の使い魔》を戻す。これだけでカードを4枚切削できるのです。更に更に、レベルをもう1つあげると、終了ステップ開始時に土地とこれ以外のパーマネントを3つ生け贄に捧げることで、自分の墓地からクリーチャーを戦場に戻せます。これで重い《全てを喰らうもの、イグラ》を場に戻せるのです。しかも最後の生け贄でも当然切削でカードを6枚墓地に送れるので、《大釜の使い魔》がそこで落ちるかもしれません。まさに《全てを喰らうもの、イグラ》コンボのためのカード、それが《清掃人の才能》です。これらを軸にしたデッキがジャンドサクリファイス、そしてこのゴルガリフードなのです。このリストの最大の特徴は《パンくずの道標》が入っていない点です。《魔女のかまど》《大釜の使い魔》と組み合わせて継続的にパーマネントを拾い続ける《パンくずの道標》は、《清掃人の才能》《魔女のかまど》《大釜の使い魔》《全てを喰らうもの、イグラ》を探すカードとして、2~3枚はほぼ採用されていました。しかし今のパイオニアは高速環境。《パンくずの道標》を回している暇がなく、これが「《全てを喰らうもの、イグラ》を使うならジャンドサクリファイス」になる理由の1つ。継続的なリソースではなく、展開しながら手札を調整できる《鏡割りの寓話》や盤面に触れる《波乱の悪魔》になったのです。Marc Tobiaschはこのスロットに《蓄え放題》を採用することにしました。パーマネントを拾いながらカードを墓地に落とせるので、《全てを喰らうもの、イグラ》を落としつつ《清掃人の才能》といった動きができます。《清掃人の才能》と《蓄え放題》で墓地を肥やせることから《ウルヴェンワルド横断》に目を付けたのも素晴らしいの一言。《全てを喰らうもの、イグラ》を手札か墓地に加えなければ始まらないデッキなので、引き込む確率を上げつつ、手札から《全てを喰らうもの、イグラ》を出しやすくもなっています。ここが単純に土地ならばマナフラッドしやすくなり、他のスペルなら《全てを喰らうもの、イグラ》を出すのは難しいでしょうそして《ウルヴェンワルド横断》のバリューはそれだけにとどまりません。《魂の洞窟》を採用して猫を指定し、《全てを喰らうもの、イグラ》を確実に通せるようにしたり、3枚採用されている《耐え抜くもの、母聖樹》にもアクセスできます。「なぜ《耐え抜くもの、母聖樹》がこんなに入っているのか?」その疑問の答えは《全てを喰らうもの、イグラ》を見ればわかります。《全てを喰らうもの、イグラ》は他のすべてのクリーチャーを食物にします。アーティファクト・食物。そう、《全てを喰らうもの、イグラ》がいる時は他のクリーチャーはアーティファクトでもあるので、《耐え抜くもの、母聖樹》で除去することができるのです。《金のガチョウ》によるマナ加速や土地からのダメージがジャンドに比べて低い点など、環境が速いことにしっかり適応したこのゴルガリフード、優勝も納得! ラクドスデーモン ヨーロッパ地域チャンピオンシップ :2位 By Sergio Gimenez ヨーロッパ地域チャンピオンシップでイゼットフェニックスに次いで2番目に人気だったのがこのラクドスデーモン。デッキのコンセプトは黒単デーモンとほとんど同じです。《思考囲い》《致命的な一押し》で手札や場に触り、《不浄な別室》でリソースを稼ぎつつ、《止められぬ斬鬼》や《黙示録、シェオルドレッド》でフィニッシュするミッドレンジデッキ。赤い部分は当然《鏡割りの寓話》が入ります。手札破壊と除去、そしてクリーチャーがバランスよく入っているミッドレンジは当然《鏡割りの寓話》との相性が抜群。相手によって不要なカードを捨てて有効牌に変えていけるためです。黒単デーモンとの大きな違いは2マナ域の強さでしょう。《税血の収穫者》はラクドスだからこそ採用できる超強力な2マナ域。2マナ3/2という攻撃的なスタッツと除去性能、そして血は手札を循環させるのに使えます。このカードが使用できるのは、《鏡割りの寓話》と同じぐらい大きいですね。《税血の収穫者》を採用できるラクドスは、黒単に比べて攻撃的な構成となっています。それがよくわかるのが《鬼の刃》の採用です。黒単では採用されていないカードですが、黒単の場合は《税血の収穫者》クラスの2マナ域がなく、《鬼の刃》だけがポツンと2マナ域のクリーチャーとして浮いてしまいます。ラクドスは複数の2マナ域を採用して2ターン目からしっかり殴っていけるからこそ、《鬼の刃》を採用しているのです。この《鬼の刃》はその名の通り鬼、デーモンなので、《不浄な別室》でしっかり2点ドレインしてくれます。ただの3/1威迫なだけでなく、《鏡割りの寓話》のトークンや《税血の収穫者》に装備してデーモンにさせるのも便利。序盤から終盤までずっと殴れる良クリーチャーです。手札破壊、除去、《鏡割りの寓話》、フィニッシャーとその顔触れはほぼラクドスミッドレンジなので、パイオニアで長きにわたって隆盛していたラクドスミッドレンジの正統後継者と言っても過言ではありません。今後もパイオニア環境に残り続ける強デッキです!長い付き合いになると思うので、皆さん回しておきましょう。 4cズアー ヨーロッパ地域チャンピオンシップ:7位 By Max Penzkofer ここ最近流行の兆しだった《永遠の策謀家、ズアー》入りの《奇怪な具現》……かと思いきや、なんとこのデッキは《奇怪な具現》が採用されていません!4cエニグマレスズアーと言ったところでしょうか。《奇怪な具現》やその周りのサーチ先をデッキから抜いたため、60枚に収まっています。《豆の木をのぼれ》は5マナ以上のカードを唱えた際にカードを引けるエンチャントなので、3種入っている大主すべてで誘発します。兆候で誘発するので《豆の木をのぼれ》と大主は相性抜群ですね。3種の大主はそれぞれクリーチャー展開、マナ加速、ドローと違い、それらの大主を《永遠の策謀家、ズアー》で一足早くクリーチャー化してしまおうというのがこのデッキのコンセプト。《永遠の策謀家、ズアー》の常在型能力で他のクリーチャー・エンチャントに呪禁がつくので、一度起きた大主を倒すのは非常に困難。まず《永遠の策謀家、ズアー》から倒さなければならないので、複数の除去を要求されます。特に《ミストムーアの大主》は出た時と攻撃時に2/1飛行を2体生成と非常に凶悪な性能なので、1ターンでも除去が遅れれば十分致命傷になりえます。《思考囲い》や《マナの合流点》などでライフが減っていくため、アグロデッキは辛そうに見えますが、そこでも《永遠の策謀家、ズアー》が活躍します。クリーチャー・エンチャントは絆魂がつくので、《永遠の策謀家、ズアー》さえ残ればダメージレースを一気に覆せるのです。メインから12枚の除去が入っており、しかもその内8枚は追放なので、《心火の英雄》も後腐れなく対処できますし、《永遠の策謀家、ズアー》と大主によって攻めるのも早いため、ラクドス果敢が除去デッキ相手に行うサイドプランである《ウラブラスクの溶鉱炉》も、この4cズアーには比較的効きづらい。見た目よりラクドス果敢ともしっかり戦えるデッキです。5c白日のようなたくさんリソースを稼げるコントロールが好きな方なら、きっとこの4cズアーも気に入るはず!しっかり強いので、試してみてはいかがでしょうか?

【今週のピックアップデッキ】イゼットヘルレイザー/スゥルタイ上陸/ジャンド森林ギフト

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.11.07

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 イゼットヘルレイザー(スタンダード) スタンダードリーグ:5-0 By TOPrift 赤の除去と青のドロー・打ち消しを組み合わせたイゼットコントロール。そこにプチコンボ要素を取り入れたのが、このイゼットヘルレイザー。まずはヘルレイザー、《気まぐれな厄介者》のテキストからおさらいしてみましょう。このカードは墓地にカードが9枚以上あるとたった3マナで唱えられる4/4飛行。そして戦場に出た時に、自分の墓地のカードをランダムに3枚追放し、その追放した3枚の中から土地かクリーチャー以外のカード1枚をマナ・コストを支払わずに使用できるというもの。つまり墓地のカードを踏み倒せる能力を持っているのですが、特定のカードを踏み倒したい場合、まずそのカードを追放する必要があります。墓地のカードが3枚なら踏み倒したいものがそこにあれば確実に追放でき、唱えることができますが、3マナで唱えるには墓地が9枚以上なければならないので、その際は希望のカードが追放できるかはわかりません。このちょっと使いにくい《気まぐれな厄介者》が主役となるこのデッキ。まず基本的な動きはイゼットコントロール。《塔の点火》で除去したり、《三歩先》で打ち消したり、《間の悪い爆発》でリソース確保や全体除去を行います。更に《苦々しい再会》《鉄面提督のトンネル掘削機》で不要牌を捨ててカードを引き、墓地を9枚以上溜めたら準備完了。3マナで《気まぐれな厄介者》をキャストし、墓地のカードを踏み倒します。この時の大当たりとなるのが《機織りの季節》!クリーチャーのコピーを2回生成できるので、これで《気まぐれな厄介者》を追加で2体戦場に出すことができます。そうすれば墓地のカードを更に2回追放できるので、ほぼ好きなカードを2度踏み倒せるのです。この《気まぐれな厄介者》をコピーする手段は《三歩先》でもOKです。こちらは追加の3マナを支払う必要がある点に注意。墓地を貯める手段として優秀な《鉄面提督のトンネル掘削機》ですが、変身時の能力も強力。《灼熱の裂け目、テクトラン》から出したマナでパーマネント呪文を唱えると、そのマナ総量に等しい値の発見を行うことができます。《気まぐれな厄介者》や《希望の標、チャンドラ》など、重くて強力なパーマネントが採用されているので、発見の値も大きい!《希望の標、チャンドラ》も《気まぐれな厄介者》でめくれて嬉しいカードですね。一度戦場に出てしまえば、《機織りの季節》が倍になって一気に大量のアドバンテージを獲得できます。《鉄面提督のトンネル掘削機》を変身させるには落魄を達成させる必要があります。クリーチャーの死亡や切削で溜まりがちな落魄ですが、このデッキでは第三の手段として、手札からパーマネントを捨てることで達成を目指します。《苦々しい再会》《美術家の才能》《間の悪い爆発》は落魄に貢献してくれるカードたち。《決定的瞬間》でも落魄を達成できる他、《塔の点火》で《咆哮する焼炉+蒸気サウナ》や《美術家の才能》などを生け贄に捧げても落魄するので、覚えておきたいですね。特に《苦々しい再会》は出してパーマネントを捨てて落魄し、自身を生け贄にしても落魄するので、落魄したいこのデッキにはぴったりです。《気まぐれな厄介者》《希望の標、チャンドラ》《機織りの季節》によるド派手な勝利は普通のコントロールデッキではなかなか味わえません! スゥルタイ上陸(パイオニア) NRG Series:5-2 By Anand Kinra スタンダードで大活躍だった《復活した精霊信者、ニッサ》がパイオニアに新たな風を吹き込みました。このデッキは《復活した精霊信者、ニッサ》《水蓮のコブラ》の「土地を置くとマナを生み出せるクリーチャー」を活用したコンボデッキ。《斡旋屋一家の潜伏先》などの土地は2回上陸を行うので、2マナを生み出せます。ここに《洞窟探検》が絡むと出せるマナが3マナになります。そうして出たマナを使って唱えるのが《肥えた緑甲羅》。パワーよりタフネスが大きいクリーチャーが戦場に出るとライブラリートップをめくり、それが土地ならタップ状態で戦場に出し、それ以外なら手札に入ります。土地なら戦場に出るので、《復活した精霊信者、ニッサ》で更にマナが伸ばせます。パワーよりタフネスが大きいクリーチャーは《肥えた緑甲羅》・《事件現場の分析者》・《森の女人像》・《災厄の占い師、グラルブ》に相棒の《空を放浪するもの、ヨーリオン》を加えた5種とそれなりに誘発の機会はあります。特にマナ総量が4以上のカードや土地をライブラリートップから使用できる《災厄の占い師、グラルブ》は便利ですね。《森の轟き、ルムラ》は《復活した精霊信者、ニッサ》《水蓮のコブラ》下ですさまじいマナを生み出せるクリーチャーで、《災厄の占い師、グラルブ》によってライブラリーから唱えることもでき、フィニッシャーにもなってくれる頼もしい熊。この《肥えた緑甲羅》と《森の轟き、ルムラ》はどちらもエレメンタルなので、《復活した精霊信者、ニッサ》によって手札に加えられるのもポイントです。相棒に指定されている《空を放浪するもの、ヨーリオン》はこのデッキでは膨大なアドバンテージを生み出します。《肥えた緑甲羅》が戦場にいる状態で《空を放浪するもの、ヨーリオン》を出すとまず1回誘発。その後、戦場の《肥えた緑甲羅》や《森の女人像》を追放すると、ターン終了時に戻ってきて《肥えた緑甲羅》がそれぞれ誘発するのです。ちなみに無限コンボも搭載されています。《洞窟探検》がある状態で《森の轟き、ルムラ》が場と墓地にあれば、《カーフェルの港》で墓地の《森の轟き、ルムラ》を吊り上げて生け贄にした《カーフェルの港》を場に戻しつつ、伝説ルールで片方が墓地に落ち、それを再び《カーフェルの港》で釣り上げることで、ループできます。《カーフェルの港》を起動するための6マナは《復活した精霊信者、ニッサ》や《水蓮のコブラ》をコントロールしていれば解決してくれます。《斡旋屋一家の潜伏先》《寓話の小道》などは能動的に墓地に落とせるので、合計で5枚あれば、《森の轟き、ルムラ》を吊り上げ続けられます。このループによってライブラリーが切削されていき、最終的にはライブラリーが0枚になり、デッキ内の土地がすべて落ちるので、《森の轟き、ルムラ》《カーフェルの港》で無限マナが発生し、その過程で落ちた《イプヌの細流》を無限回相手に起動し、ライブラリーアウトで勝利となります。上陸が好きな方や派手なデッキが好きな方にはぴったり!《肥えた緑甲羅》で気持ちよくなりましょう! ジャンド森林ギフト(モダン) モダンリーグ:5-0 By DDMeelow 『モダンホライゾン3』で収録されてからたびたび怪しいコンボデッキのお供になっている《変容する森林》が、また新たな仲間とともにモダンに殴り込んできました。今回《変容する森林》が変身するのは《王神の贈り物》。墓地のクリーチャーを追放して、それの4/4のコピーを生成する7マナのアーティファクトに変わります。《王神の贈り物》で追放するクリーチャー、まずは《残虐の執政官》。トークンは速攻を持つので非常に相性が良く、これだけでも勝てるマッチ多数。しかし、真の主役は《穢すもの、ウラモグ》でしょう。《王神の贈り物》で《穢すもの、ウラモグ》を追放してコピーを生成すると、そのコピーには10個のカウンターが乗ります。そう、《穢すもの、ウラモグ》を追放してコピーが出るので、追放領域にある一番重いカードは《穢すもの、ウラモグ》になるのです。《骨の皇帝》もこれらのクリーチャーを墓地から吊り上げることができるので、決して《王神の贈り物》に頼り切りではありません。面白いのは《逸失への恐怖》。自身がクリーチャー・エンチャントなので墓地に落ちた時の昂揚先として優秀な他、手札に来た《王神の贈り物》を捨ててカードを引く、潤滑油的な役割も果たします。そして《王神の贈り物》で追放する価値があるクリーチャーというのも大きなポイント。攻撃すると追加の戦闘フェイズを加えるため、《王神の贈り物》が更にもう1回誘発するのです。墓地に落ちてよし、引いてよし、釣ってよしと三拍子揃ったパーフェクトカード!《邪悪鳴らし》《ウィザーブルームの命令》で墓地を肥やして《変容する森林》を置くだけでコンボが成立するので、この動きに干渉できないデッキには安定して勝てるのは魅力の一つと言えますね。スタンダードの頃から活躍していた名カード、《王神の贈り物》。ついにモダンでも強力な贈り物を届けてくれるようになりました。