【今週のピックアップデッキ】4色弾薬/エスパースピリット/ナヤスケープシフト

【今週のピックアップデッキ】4色弾薬/エスパースピリット/ナヤスケープシフト

mtg Yuyan

こんにちは。

 

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

 

今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。

 

     

    4色弾薬

     スタンダードチャレンジ : 2位 By CuteChandra19

    MTGアリーナ用インポートデータ

    早速パイオニアでも活躍している《武器製造》がついにスタンダードで暴れ始めました。

    トークンでないアーティファクトが戦場に出るたびに弾薬を生成する2マナのエンチャント、《武器製造》。これが主役となるのが4色弾薬です。

     

    弾薬はアーティファクト・トークンで、戦場から離れた時に好きな対象に2点のダメージを与えてくれます。墓地に置かれた時ではないので、たとえば《ピナクルの星檻》などで追放されても2点のダメージを飛ばすことができます。

    この弾薬を効率的に生成しつつ、有効活用できるのが《再利用隔室》。アーティファクトを生け贄にし、それよりマナ総量が1大きいアーティファクトをデッキからサーチできます。弾薬を生け贄に捧げれば1マナのカードを探せるので、ダメージを飛ばしつつ、万能除去の《薄暮薔薇の聖遺》や、墓地対策の《除霊用掃除機》、そしてリソースを獲得できる《機械仕掛けの打楽器奏者》と、状況に応じて様々なカードにアクセスします。そしてこれらのカードが出ると、また弾薬が生成されます。

    《機械仕掛けの打楽器奏者》は次のターンに《再利用隔室》で生け贄にすれば、ライブラリートップをプレイできつつ、2マナのカードにアクセスできる便利なカード。そしてこの2マナも粒ぞろいです。

    アーティファクトを生け贄に成長する《煌く機械ドレイク》は、弾薬トークンなどを生け贄にして戦うこのデッキと相性抜群。自身が大きくなりながら2点を飛ばすので、思わぬ打点を叩き出してゲームを終わらせてくれます。

    そして第二の弾薬の使い道である《軍団の成形機械》も2マナのアーティファクト。戦場に出た時に2点を飛ばすアーティファクトで、他のアーティファクトを生け贄にすると3/3のゴーレムを生成します。弾薬を生け贄にしてゴーレム生成と、弾薬を美味しく使えるのです。

    『久遠の終端』から加わった注目のコモン、《氷魔法の秘宝》はこのデッキと相性抜群です。《再利用隔室》から出して1枚引きつつ、《再利用隔室》で生け贄にしてもう1枚ドローと、1枚で2度美味しいカード。これまでは1点喰らいながら1ドローしていましたからね。

    面白いのは唯一の4マナ域であるアーティファクト、《魔列車》の採用です。このカードが入ったことで一気にこのデッキは引き締まりました。弾薬を能動的に生け贄にできつつ、高いクロックを持つ《魔列車》は、《再利用隔室》から最終的にサーチするカード。スタートが4/4トランプルなので、複数枚の弾薬がある状態で《魔列車》が攻撃すればあっという間にゲームが終わります。

    たとえば弾薬が4つある状態なら8/8の《魔列車》に弾薬4つで8点。これだけで16点が確定します。更に他にも使っていないアーティファクトがあるはずなので、それらも生け贄に捧げれば、優に20点を超えるのです。

     

    《武器製造》に《軍団の成形機械》、そして《再利用隔室》からの除去サーチなど、このデッキは自分の動きをして場をウィンコンディションに持っていく過程で相手にしっかり干渉していきます。そのため、アグロに対してある程度耐性があり、かつミッドレンジにも《再利用隔室》のバリューで勝利することができます。

    回していてとても面白いデッキなので、ガチャガチャとデッキを回すのが好きな方はぜひお試しください!

     

     

    エスパースピリット

    パイオニアリーグ : 5-0 By ViniBuzo

    MTGアリーナ用インポートデータ

    主戦場はパイオニアとなっている種族、スピリット。メインカラーの青白2色で組まれることもあれば、展開力を《集合した中隊》で補うバント型など、3色にもなることのあるスピリットですが、今回ご紹介するのはそんな3色の中でも黒を足したもの。

    そう、エスパースピリットです。

     

    とはいってもベースはこれまでのスピリットと変わりません。《霊廟の放浪者》から始まり、名誉スピリット(?)の《マネドリ》、2マナ域には除去を避ける《鎖鳴らし》とロードである《至高の幻影》。3マナは呪文を追放しつつクロックを刻む《呪文捕らえ》。パイオニアの戦場を生き残った優秀なスピリットたちです。(スピリットが生命を持っているかはさておき)

    そこに加わった黒要素は《策謀の予見者、ラフィーン》!エスパーパルへリオンからミッドレンジなど幅広く使われていた名カードがスピリットに加わりました。

    これまでのスピリットでは《執着的探訪》などリソースを取るオーラが採用されていたことがありますが、単体除去に弱すぎました。しかし、《策謀の予見者、ラフィーン》なら話は別です。引きすぎた土地や不要牌を捨ててスピリットを強化する動きは強烈です。

    自身に護法がついているのも実にいやらしいですね。除去に多くマナを使わせることで2アクション、つまり除去の二段構えを封じれば、《呪文捕らえ》が突き刺さってくれます。それらの上から《策謀の予見者、ラフィーン》を除去しようとすれば更に1マナがかかるので、対処は困難です。


    そしてもう1つの黒いカードが《悪夢滅ぼし、魁渡》です。

    そう、実は《悪夢滅ぼし、魁渡》はスピリット…ではありません。忍者です。ですがスピリットと《悪夢滅ぼし、魁渡》の相性は悪くありません。

     

    忍術はクリーチャーがブロックされなかった時に起動できる能力なので、飛行クリーチャーであるスピリットは忍術しやすく、1マナクリーチャーたちは再キャストが容易です。《マネドリ》は《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術で手札に戻して別のクリーチャーのコピーになれるのも強力ですね。

    そして《鎖鳴らし》は再利用すれば相手にプレッシャーを与えられますし、場合によっては《呪文捕らえ》を拾うパターンもあります。

     

    《策謀の予見者、ラフィーン》と《悪夢滅ぼし、魁渡》はいずれもドロー能力を持っているのがスピリットとしては実に嬉しいですね。打ち消しや追加のクロックなど、今必要なものを求めにいけるようになりました。

     

    最近では《放浪皇》を入れるなどミッドレンジ風に進化してきたスピリットですが、ここに来てエスパー型が登場したのは面白いですね。

    パイオニアの古株でありながら、スピリットはまだ進化を続けているのでした。

     

    ナヤスケープシフト

    モダンゴールドリーグ : 5-0 By Meltiin

    土地を生け贄に捧げてその枚数だけ好きな土地をデッキから場に出す。エクステンデッドの頃から様々なコンボデッキで使われてきた《風景の変容》。

    6枚の《山》と《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》をサーチすることで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が6回誘発し、18点ダメージを叩き出す。そのため《風景の変容》は1枚で勝てるコンボカードであり、エクステンデッドやモダンでは《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》とずっと一緒に使われていました。

    それから時が経ち、土地を7枚並べるという行為がモダンでは遅すぎるがゆえに《風景の変容》は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》と別れ、《精力の護符》と出会いました。《精力の護符》と《風景の変容》は4枚の土地で勝利できるので、それも当然のこと。《風景の変容》はアミュレットに組み込まれ、今猛威を振るっています。

    そんな《風景の変容》が再び《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》とタッグを組むことになりました。

    デッキ自体は古き良きスケープシフトです。6枚の《山》と《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を《風景の変容》でサーチして勝つためには、7枚の土地がまず必要です。普通に土地を置いていくとこのコンボを決めるためには7ターンかかってしまうので、それを大幅に短縮するために、大量の土地サーチが入っています。

     

    《カルニの心臓の探検》は3個のカウンターが乗っていると土地を2枚戦場に出せるエンチャント。上陸でカウンターが乗っていくので、フェッチランドを使えばすぐに土地サーチに移れます。

    《風景の変容》は7枚の土地が必要ですが、使うマナは4マナで良いのがミソ。つまり4マナある状態で《カルニの心臓の探検》を起動して2枚の土地をタップインし、何らかの手段でもう1枚土地を置けば、その時点でコンボが決まるのです。7マナではなく7枚の土地があれば良いので、想像よりもコンボターンは早め。

     

    《イリーシア木立のドライアド》はこのデッキのためのカードです。追加のセットランドに加えて、土地がすべて《山》になるので、フェッチランドも《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》もすべて《山》になります。これが何を意味するかというと、《イリーシア木立のドライアド》下では《風景の変容》によって即死させるために必要な土地の枚数が1枚減るのです。

    《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》の誘発条件は《山》6枚。《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》自身が《山》なら5枚の土地と《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》で18点が叩き出せます。


    更に《風景の変容》を引いていない時でも、《イリーシア木立のドライアド》があり、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を素引きしていれば、それだけで勝てます。2枚の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》がある状態でフェッチランドを置けば6点、サーチして土地を出して6点。追加セットランドでもう1回フェッチランドを置けば更に12点ですからね。

    この《イリーシア木立のドライアド》をサーチできる《緑の太陽の頂点》は大きく、《ドライアドの東屋》をサーチしても良し、《エルフの開墾者》を持ってきて《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を先に置いて《イリーシア木立のドライアド》からの即死の準備もできます。

    《風景の変容》自体はメインに3枚しか入っていませんが、それは《願い》が採用されているためです。これにより実質このデッキは《風景の変容》6枚体制となっており、かなり安定して《風景の変容》をキャストすることができます。

    更にこの布陣に『久遠の終端』から加わったのが《氷耕しの探検家》。

    追加セットランド権と墓地から土地を置ける《世界のるつぼ》能力を内蔵したこのクリーチャー。スケープシフトが考える最強のカードのようなものが本当に登場したのです。追加セットランドの権利がいくつあっても、手札に土地がなければ置くことはできません。それが《イリーシア木立のドライアド》が抱える弱点でしたが、《氷耕しの探検家》ならフェッチランドが1枚墓地に落ちているだけで、土地を置き続けることができます。

    この《氷耕しの探検家》も《緑の太陽の頂点》でサーチできますし、このデッキはドロースペルこそ入っていませんが、かなり安定した動きが可能です。

     

    《白蘭の幻影》のような土地破壊は効かないので、効果的なのは《血染めの月》《海の先駆け》だけ。しかし、土地をサーチするデッキなので色マナを確保しやすく、それらの月カードを対処するのも難しくありません。

    モダンで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が再び噴火する時が来ました!

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