赤アグロをやっつけろ!"アグロキラー"の異名を持つ白単コントロールを徹底解説!

赤アグロをやっつけろ!"アグロキラー"の異名を持つ白単コントロールを徹底解説!

Akira Kobayashi

 皆さん、こんにちは! 「へいか」こと 小林 輝(@enzyutuheika)です。

 記念すべき第一弾であるパイオニアのイゼットフェニックス記事についてご好評いただきありがとうございました。

 今回はスタンダードのプレミアム予選で使用してきた白単トークンについて解説していきます!

白単トークンってどんなデッキ?

 まずこの白単トークンについて簡単に紹介します。

 ソーサリーの《剣を鍬に》こと《軍備放棄》を筆頭に、《失せろ》《魂の仕切り》《太陽降下》といった優秀な各種除去で相手の脅威に対して対応。

 ついでに《人参ケーキ》《跳ねる春、ベーザ》でライフもゲインしてゲームをとにかく引き延ばします。

 そして《人参ケーキ》《噴水港》などの各種トークン生成手段で《永劫の無垢》《世話人の才能》のドローエンジンを動かし、引き込んだ除去で相手の脅威を延々と対処し続けます。

 そのまま相手が息切れしたところにアドバンテージ差をつけて圧し潰す……というボードコントロールデッキですね。
 利点としては、やはり白単色で色事故とは無縁なところ、そして現在スタンダード環境で大きな存在感を示している赤アグロデッキに強い点が挙げられます。

 特に4枚積みされている《跳ねる春、ベーザ》は1枚で4/5、1/1、1/1が並ぶだけでなく4点もゲインすることから、赤アグロには一つのゴールになり得る一枚です。
 一方で欠点は、固定枠が多すぎることと、白単色による幅の狭さによってゲームプランが固定されてしまっているところ。そして物理的に時間が足りない点です。

 デッキとしてのゲームレンジは非常に低速で、クリーチャーも1/1のトークンや2/1の《永劫の無垢》などの低パワーが中心のため、速やかに終わらせるようなプランを取ることもほとんどできません。

世話人の才能》レベル3による+2/+2もトークンがある程度数揃っている必要があり、レベル3まで5マナかかるなど相応にお膳立てが必要です。

血滾りの福音者》やタッチ赤で《イモデーンの徴募兵》を入れ、ゲームを畳みに行くプランを取ったリストも考えられますが、中核となる「耐え忍んで後から勝つ」というプランとマッチしておらずデッキ全体の完成度が落ちてしまいます。
 このように軸をずらすという器用なことがしづらい不器用なデッキです。大変かわいいですね

 そのため不利な相手にはとことん不利で、具体的にはスケール負けする4cズアーや、コンボを止めづらいティムールカワウソなどを苦手としています。

メインボードのリストおよび解説

 プレミアム予選で使用したリストは下記の通りになります。

 メインに《エルズペスの強打》2枚、《別行動》1枚で赤アグロおよびディミーアミッドレンジへのガードを上げている形です。

 採用しているカードを一つ一つ解説していきましょう。

エルズペスの強打

 1マナで3点かつ追放するいわゆるレンジストライク。

心火の英雄》《永劫の好奇心》を1マナで追放できるのは素晴らしいの一言です。

 一般的に白単トークンのメインボードでは1マナインスタント除去を採用していないため、赤アグロが《巨怪の怒り》をリスクなく唱えられてしまう点がどうしても気になりました。

 特に後手を取ってしまうといかに有利と言えども1マナ除去がない時にブン回られてしまうと押し切られてしまう事もしばしば。

 そこでサイドボードから2枚メインボードに移しました。同じく最多勢力の一角であるディミーアミッドレンジに対しても強い一枚ですしね。(《永劫の好奇心》を追放できるのがえらい!)

 競合先としてはファウンデージョンズで追加された1点ゲインのおまけがついている《突き通し》ですが、先述した通り、追放できる点を考えるとやはりこちらの方に軍配が上がりそうです。

軍備放棄

 白単にする最大の理由です。このデッキでは《噴水港》《沈んだ城塞》以外は全て平地であるため、ほぼ1マナの追放除去として機能します。

 育ってしまった《心火の英雄》に対する最高の回答と言えます。

 3点を回復させるデメリットも、ボードをコントロールしてから捲り返すこのデッキではほとんど気になりません。

 動きがもっさりしがちなこのデッキにおいて、3ターン目に《軍備放棄》で対処しつつ《失せろ》《魂の仕切り》《人参ケーキ》などのダブルアクションに繋げられるのも高評価点です。

 赤アグロはもちろん、勝ち手段をクリーチャーに依存しているミッドレンジ系にも有効な一枚。これが4枚から動くことはほぼないでしょう。

失せろ

 アーティファクトがほとんど採用されない現環境においてはほぼ万能除去として機能します。(厳密に言えば《除霊用掃除機》などは存在しますが、白単トークンには入れてこないので考慮しないものとしています)

 対処できなくて困るのは《ウラブラスクの溶鉱炉》ぐらいいでしょうか。

 地図トークンを与えるデメリットはあれど、サイズに関係なく対処できる除去ばかりなのでそこまで気にならない……と言いたいのですが……

 赤アグロには《心火の英雄》と《熾火心の挑戦者》の雄姿を誘発させてしまいます!! これは小さくないマイナス点です。

 とはいえこれより強い除去もないですし、《叫ぶ宿敵》や《悪夢滅ぼし、魁渡》などに対する貴重な対処手段でもあるので、これも同じようにほぼ4枚固定と言ってもよいです。

魂の仕切り

 追加の《失せろ》として2枚ほど入っています。

 赤アグロの《ウラブラスクの溶鉱炉》を対処できる数少ないカードでもあります。

 2マナ多くなる代わりに再度唱えられてしまうのですが、白単トークンとマッチしていることから採用されています。

 というのも、この白単トークンは序盤さえ乗り切ってしまえば後から《永劫の無垢》《世話人の才能》でいくらでもアドバンテージを稼ぐことができます。

 2マナインスタントでテンポも取れる《失せろ》《魂の仕切り》は序盤を凌ぐのにうってつけな一枚であるため、この部分が評価されているというわけですね。

 自分のパーマネントも対象に取れるため《跳ねる春、ベーザ》を対象にして再利用したり、相手の除去に合わせて実質バウンスのような用途としても利用できます。

人参ケーキ

 ブルームバロウのリミテッドではトップコモンの一つとして数えられており、構築でもこの白単トークンで重宝されています。

世話人の才能》および《永劫の無垢》との相性が最高によく、1/1兎トークンは先述した2枚とも誘発のトリガーにもなり、占術でこの2枚や除去などその時に欲しいカードを探し出すことができます。
※トークン生成と占術は一連の流れであるため、《世話人の才能》《永劫の無垢》がいる時は先に占術で確認してからドローすることになります。

 起動能力ではインスタントで同じ効果を誘発させつつ、序盤を乗り切るための3点ゲインも行います。

 このようにデッキとしての方向性・シナジー共に全て噛み合っている一枚です。デッキの基幹となるため、4枚から動きません。

世話人の才能

 白系トークンというアーキタイプを成立させたカード。もちろん4枚です。

 1ターンに1回の制限があるとはいえ、トークンを出す全ての効果に「1枚ドローする」という一文がつく強さは皆さんもおわかりでしょう。

 これらに加えてレベル3の+2/+2によってフィニッシャーとしての役割も兼ね備えています。

 ただし、3ターン目に出すと盤面に影響を与えることなくターンが終わってしまうため、4ターン目でレベル2も解決してトークンをコピーしつつ、1ドローまでするという形が望ましいです。

 そのため3ターン目のアクションとしては《沈んだ城塞》のタップイン処理or《軍備放棄》+《人参ケーキ》、もしくは《永劫の無垢》などでお膳立てするとよいでしょう。

 ちなみにレベル3にするとトークンが3/3になってしまい、パワー2以下が条件である《永劫の無垢》でドローできなくなる点は留意したいところです。

永劫の無垢

 出すトークンがいずれもパワー2以下であるため、《世話人の才能》と合わせて8枚のドローソースになります。

 《世話人の才能》と異なるのは本体が2/1絆魂のスタッツを持つところで、壁にもなりつつ除去耐性を持ち合わせているため3ターン目のアクションとしても最適です。

 ティムールカワウソには追放除去である《塔の点火》があるため、エンチャント破壊がないメインボードではチャンプブロックになってでもエンチャントにしておくことをお勧めします。

別行動

 主に赤アグロを見て《太陽降下》1枚をサイドボードに移して投入。

 赤アグロには《太陽降下》が間に合っていないのが最大の理由で、《一時的封鎖》ではこちらのトークンごと巻き添えになってしまったり《叫ぶ宿敵》が倒せなかったりしたのでこちらを採用しました。

 ディミーアミッドレンジに対して《幻影の干渉》をケアしつつ唱えられる点も評価しています。

大天使エルズペス

世話人の才能》《永劫の無垢》の下で継続的にトークンを出せる手段として採用しています。

 +1からスタートすれば忠誠度が5とそこそこ硬く、出てくるトークンも絆魂を持つためゲームを長引かせるという目的にフィットしています。

 ただ《世話人の才能》《永劫の無垢》ありきであり、この2枚が絡まないと弱いと感じることが多く、元々は2枚だったのですが1枚に減らしました。

 ディミーアミッドレンジに対してブロッカーとして機能する2/1飛行を二体出せる《ミストムーアの大主》に枠を譲った方がいいかなと感じています。

跳ねる春、ベーザ

 赤アグロに対する一つのゴールであり、ゲームプランの中核として働きます。

 4点ゲインする上に4/5のサイズは《巨怪の怒り》込みでないと突破できず、何らかの手段がない限りは相打ちに持って行くことができるためアクションを強要させることが出来ます。

 手札に《跳ねる春、ベーザ》がある場合、《人参ケーキ》から出る兎トークンをチャンプブロックさせるなどクリーチャーの数を調整することを常に考えていく必要があります。

 また《軍備放棄》で相手をゲインできるため、先に《軍備放棄》でライフやハンドを調整するなどで最大限バリューを取っていく動きを心掛けていきましょう。

 土地が相手より少ない時に出る宝物トークンを忘れやすいので、まず土地の枚数を確認する癖を身につけておくと良いです(戒め)

 ミッドレンジに対しても強いため4枚採用としていますが、最近は《跳ねる春、ベーザ》が強いマッチが赤アグロとゴルガリミッドレンジぐらいになっているため、サイドに1枚散らしているリストも散見されます。

ミストムーアの大主

 2/1飛行トークンを二体出す効果はシンプルながら強力。壁役として活用してもよし、《世話人の才能》レベル2でコピーしてもよし、レベル3で4/3飛行にしてもよし。

 兆候4もとにかく長引かせるこのデッキにはフィットしており、《太陽降下》で荒地にした後に顕現させるとほぼゲームが終わります。

 上記のリストでは採用枚数が1枚となっていますが、飛行が多いディミーアミッドレンジに対して強く、このデッキがトップメタになりつつある現在では2-3枚に増量すべきでしょう。

太陽降下

 スタンダード最強の全体除去。

 追放と同時に「培養トークン」を出すため、なんと《世話人の才能》でドローします!

 盤面除去とアドバンテージを両取りできるためミッドレンジ系に対して非常に強いカードです。培養トークンはアーティファクトなので《喉首狙い》が刺さらないのも嬉しい点。

 その一方で赤アグロには5マナの重さで間に合っていないため、私がプレミアム予選に参加した際は、赤アグロが多いと読んでメインに3枚・サイド1枚としています。

 追放のため《永劫の無垢》との相性がやや悪く、《太陽降下》を打ちそうな時はチャンプブロックしてでもエンチャント化させるなどの工夫が必要になります。

忠義の徳目

アーデンベイルの忠義》で出てくる2/2騎士トークンは《世話人の才能》でコピーしても嬉しいですし、インスタントタイミングでトークンを出せるのも他にない価値があります。《世話人の才能》は相手のターンでも誘発するので美味しいです。

 また、マナフラ受けおよび蓋としても機能する《忠義の徳目》はトークンを並べるこのデッキにとってもマッチしており、ゲームを畳む役割も担います。

 が、クリーチャーを並べられないと+1/+1を乗せる効果も薄く、その点では《世話人の才能》のレベル3と被ります。

 よって、これを採用していないリストも多々あります。フリースロットの一つですね。

人形作家の店+陶磁器ギャラリー

 個人的なイチオシです!

 2マナの《人形作家の店》では攻撃すると1/1の玩具・アーティファクトトークンを生成し、《永劫の無垢》《世話人の才能》とシナジーがあります。実質0マナでトークンを生成できる手段はかなり貴重。

 《人参ケーキ》《噴水港》などで生成した1/1トークンを無視して殴ってくるのがほとんどで、それに対して裏目を作らせることができます。

 それ以降もアタックするならどんどん生成していくぞ、と圧を作り出すことも出来ますし、ドローに変換できる《噴水港》との相性も非常によいです。

 6マナの《陶磁器ギャラリー》はこちらのクリーチャーが《穴ぐら守りの導師》のようにパワー・タフネスがクリーチャーの数と等しくなります。

 例えば1/1が4体いる時に《陶磁器ギャラリー》を解放すると4/4が4体になり、そのままアタックすると《人形作家の店》が誘発し玩具トークンが生成。5/5が5体……と、雪だるま式に膨れ上がっていきます。

 もちろん欠点もあります。《人形作家の店》は「玩具でない」クリーチャーであるため、これで生成した玩具トークンで攻撃しても誘発しません。

 攻撃誘発も《陶磁器ギャラリー》もクリーチャーがいる事が前提であるため、これ単体では仕事しない点もマイナス点ですね。

 よって入れたとしても2枚までで、1枚ぐらいが適正ではないかと感じています。《陶磁器ギャラリー》による奇襲性は高いので私は好きです。

 ちなみに《陶磁器ギャラリー》を解放している状態で《跳ねる春、ベーザ》を出した際、盤面に《永劫の無垢》しかいなければ2/2として出るためドローが誘発します。覚えておきましょう。

噴水港

 白単トークンを大きく支える土地です。

 トークン生成手段が豊富なため、《世話人の才能》《永劫の無垢》や除去などを求めてトークンを生贄に捧げてドローが容易ですし、1点ダメージを受けるとはいえ3マナの軽さで1/1のトークンを出せるのも素晴らしい。

世話人の才能》《永劫の無垢》のドローはターンに1回の制限がありますが、この《噴水港》によって相手のターンにも引くことができます。

 4マナで宝物トークンを出せるのも《世話人の才能》とフィットしていますし、ダブルアクションがしやすくなる点も◎。

 無色土地と言えども文句なしの4枚です。

沈んだ城塞

 確定タップインであり平地を参照する《軍備放棄》とも相性が悪いのですが、それ以上に土地の起動能力限定で2マナ出る唯一無二の能力のメリットは大きい。

 《噴水港》をひたすら酷使させるこのデッキにとって1枚で2マナが出る《沈んだ城塞》はかなり相性がよく、これによって余った1マナで《軍備放棄》《失せろ》などとダブルアクションを可能としています。

 が、序盤で重ね引きしてしまうと先述した通りタップインかつ《軍備放棄》が強く使えなくなるデメリットがメリットより上回ってしまうため、採用枚数は3枚になっています。

サイドボード解説

エルズペスの強打

 上でも解説した通り、主にアグロ系およびディミーアミッドレンジへのサイドボードになります。

 サイドボード後では1マナ除去が《軍備放棄》と合わせて8枚体制になることでより有利になる認識です。

領事の権限

 赤アグロ狙い撃ちのサイドカードです。

 白単トークンは除去が多いものの、《軍備放棄》《別行動》を筆頭に《永劫の無垢》《人参ケーキ》などソーサリータイミングカードばかりなのが短所です。

 その隙を狙ってくる《熾火心の挑戦者》といった速攻クリーチャーを無効化できることに大きな価値があります。

別行動》とも相性がよく、この《領事の権限》によってタップ状態で出てくる《多様な鼠》を攻撃してきたクリーチャーもろとも《別行動》でまとめて除去することができます。

 また、対処しづらい《ウラブラスクの溶鉱炉》もこれ1枚で完封できるのも◎。一生1点ゲインしてくれるかわいい置物になります。

救済の波濤

エルズペスの強打》をメインボードに2枚移動したことで空いた枠ですが、赤アグロへのアウトに対してイン枚数が足りなかったので試験的に入れた枠です。

噴出の稲妻》および《叫ぶ宿敵》のダメージ無効化・《跳ねる春、ベーザ》絡みのコンバットなどを補助する1枚で、奇襲性は非常に高いですがその分使い処がかなり限定されます。

叫ぶ宿敵》でゲインを禁止されるのが赤アグロへの大きな敗着になり得るので採用する価値は感じつつも、今後入れ続けたいかと言われるとそうでもないかな……というのが所見です。

 ボロスアグロ・アゾリウスアーティファクトのようにクリーチャーを呪禁で守る用途で効果的な場面がこのデッキではあまり起こらないというのもあります。

 ここは素直に追加の《領事の権限》でよさそうです。

悪魔祓い

 ゴルガリミッドレンジの《不浄な別室》、カワウソの《豆の木をのぼれ》《永劫の活力》、ミラーマッチでの《世話人の才能》《永劫の無垢》など幅広く当たる対策です。

 アゾリウス眼魔の《忌まわしき眼魔》やスペルカウント4以上の《傲慢なジン》にも当たったりします。

 ソーサリータイミングと言えども範囲の広さおよび追放は魅力。

 白単色なのでこういったいわゆる「丸い」カードを入れざるを得ない、とも言えてしまいますが……

やらせはしない

 追加の《エルズペスの強打》枠。《突き通し》との選択になりますが、こちらは2マナの代わりにどんなにサイズが大きくても関係なく追放します。

永劫の好奇心》《叫ぶ宿敵》にも効果的であることからこちらにしました。

 アグロ系、各種ミッドレンジに加えてアゾリウス眼魔、シミックテラーなどにも。 

安らかなる眠り

 スタンダードの白が誇る屈指の墓地対策。

 シミックテラー、アゾリウス眼魔、もがく出現など墓地を利用するデッキ全般に対して完全にシャットアウトします。ティムールカワウソにも効果は薄いですが一応……

 とはいえ《世話人の才能》と同じエンチャントで、この対策カードがまとめて刺さってしまうため過信は禁物です。

石の脳

 不利マッチであるティムールカワウソへの対応策として採用しました。

 対戦してて一番嫌だったのがエンジンの中核およびこちらの《失せろ》などをかわされる《この町は狭すぎる》で、これを抜くと結構楽になったことから採用しました。

 テンポおよびアドバンテージ損をしてしまうデメリットはあれど、もともとアドバンテージを獲得するのが得意なデッキですのである程度補えると考えています。

 ティムールカワウソ以外だとミラーマッチやシミックテラー等の特定のカードに体重が乗っているデッキに対して入れます。

 ミラーマッチでは基本的に《世話人の才能》指定ですが、タッチ青であればどうしょうもない負け筋である《完成化した精神、ジェイス》を指定します。

 シミックテラーの場合、ティムールカワウソと同じくエンジンである《この町は狭すぎる》を指定します。

 このカードがあるだけで《世話人の才能》レベル3で攻めようとしてもバウンスで大きくテンポロスしますし、《太陽降下》も《渦泥の蟹》《トレイリアの恐怖》を戻されてされてしまうからです。

別行動

 メインボード解説でも先述した通り、赤アグロに対して間に合っていない《太陽降下》の代わりに入れる軽量の全体除去枠です。

 ディミーアミッドレンジやシミックテラーなどのクリーチャーでのビートダウンをメインとするデッキにも入れますが、ティムールカワウソには入れないようにしましょう。

 なぜならば永劫の活力》によってタップされてしまい、アンタップ指定が絶対通らないからです。入れて痛い目を合うのは私だけで十分です。

ウルザの酒杯

 ティムールカワウソに対してまとめて吹き飛ばせる《告別》がとても欲しく、何かないかな……と探したら見つけたのがこれです。こちらの《世話人の才能》もまとめて吹き飛ぶ諸刃の剣ですが。

 しかもこれも《この町は狭すぎる》でかわされる危険性があるため、《失せろ》などで打たせておく必要もあります。

 X=2を指定することでこちらの《世話人の才能》を残したまま一掃できる《カーンの酒杯》も選択肢として上がりましたが、こちらはタップインによるラグが難点。

 このようにティムールカワウソへのろくな有効策がなく、こうして頭を悩ませています。

 いっそ元々不利なティムールカワウソのことは割り切ってしまうという選択肢もありなのかもしれませんね……

太陽降下

 上記でも記載した通り、《別行動》と入れ替えた4枚目の枠ですね。

 各種ミッドレンジなどにサイドインします。

検討したカード群

一時的封鎖

 《心火の英雄》の死亡誘発をさせない点は優秀なものの、サイドインされる《脚当ての陣形》に《世話人の才能》と一緒に刺さってしまうので不採用としています。
 とはいえメインボードであればエンチャント破壊は少ないため、1-2枚ほど採用する価値はあるのかもしれません。

 直近だとアゾリウスアーティファクトがスタンダード神決定戦を優勝されており、これに対して非常に効果的な一枚なのでこちらを入れる理由にもなります。

《加護をもたらす戦乙女》

 飛行・先制攻撃・絆魂とコンバットに全振りしたカードですが、入れたい赤アグロに対してはやはり《脚当ての陣形》が刺さってしまうため《一時的封鎖》と同じような理由で入れていません。

 ディミーアミッドレンジに対しても《フラッドピットの溺れさせ》《悪夢滅ぼし、魁渡》の麻痺カウンターで寝かされてしまいますし、《跳ねる春、ベーザ》に対して《喉首狙い》をある程度残すでしょうから定着もしません。

 総じて一番入れたい赤アグロに対しては回答をしっかり用意されており、他のデッキにはあまり入らないことで候補から外れました。

《完成化した精神、ジェイス》

行き届いた書庫》4枚をタッチし、《沈んだ城塞》と《噴水港》の宝物トークンで青を用意して《完成化した精神、ジェイス》を連打して勝つという別角度の勝ち筋を用意できるのが利点です。

 白単トークンvs白単t青トークンのミラーマッチはこの《完成化した精神、ジェイス》を入れているタッチ青の方が冗談抜きで9割勝ちます。

 が、テーブルトップでは後述する様々な理由によって白単トークンを使う方はあまりおらず、ミラーマッチは考慮しなくて良いと考えたため、不採用としています。

行き届いた書庫》のタップインもかなり痛く、これによって有利である赤アグロに落としてしまうマッチがいくつかあったのも一つの理由です。

キープ基準

人参ケーキ》は2回の占術によってその都度欲しいカードを探し出しつつ、壁役としての1/1を出してくれるので即キープ。

 また、この環境において赤アグロとディミーアミッドレンジに対する軽量除去は欠かせません。《軍備放棄》《失せろ》といった除去も同様にキープに繋がるカードです。

跳ねる春、ベーザ》もクリーチャーデッキに対して強いため、これも同様にキープ判断で大きな助けになるでしょう。

 土地3枚ほどで《人参ケーキ》+各種除去であればまずキープと考えて差し支えありません。これに加えて《永劫の無垢》《世話人の才能》などがあれば100%キープです。

 キーカードである《世話人の才能》が絶対的なキープ基準になるかと言えばそうでなく、トークン生成手段がないとただ何もしない置物になってしまいがちです。

 先述した《人参ケーキ》、もしくは《噴水港》《跳ねる春、ベーザ》などのトークン生成手段があれば是非キープしたい一枚です。

 とはいえ《軍備放棄》《失せろ》《世話人の才能》《太陽降下》《平地》×3といった、干渉手段が多い初手であれば、除去で対応できつつ、合計14枚あるトークン生成手段か《太陽降下》のための土地2枚を引ければ良いのでキープに値します。

 その一方で《永劫の無垢》は単体でも2/1絆魂という最低限のスペックを持ち合わせているため、《世話人の才能》とは異なり単体でもキープする要因になります。 

 実は《太陽降下》はキープ基準になり得ません。

 今のスタンダード環境において序盤に干渉できるかどうかが大事で、5マナのソーサリーである《太陽降下》はその要件に満たさないためです。

 よってこの《太陽降下》が複数枚ある初手は大体マリガンしてしまいます。

別行動》は3マナの軽さもあり逆にキープしやすい一枚であるため、この面も含めて1枚《別行動》と《太陽降下》をメイン・サイドで入れ替えているというわけですね。

最大の欠点

 さて、ここまで白単トークンのカードなどを解説してきましたが、ここからが本題です。

 赤アグロに対して強いという明確な利点を持っているにも関わらず、テーブルトップで使う方が少ない最大の理由が……時間が足りないからです!!

 なぜ時間が足りないのかというと、既に何度も説明のように、このデッキが相手の脅威を全て除去し続けることによる勝利を目指すだからです。

 除去、ドロー、ライフゲイン。この三点が白単トークンの主な内訳で、ゲームを終わらせるフィニッシャーがほとんど入っていない状態です。

 つまり……物理的にゲームが終わりません。

 相手の心が折れて投了してくれるならまだしも、粘り強いミッドレンジやティムールカワウソなどとの戦いはひたすら泥沼のような戦いを繰り広げることになります。
 これは紛れもない事実で、アゾリウスコントロールで慣れているはずなのに最初に参加したプレミアム予選では3-1からそのまま3-1-3というおぞましい結果を残してしまいました。(引き分けの内訳は4cズアー、ティムールカワウソ×2)

 最後はジャッジの方が20分ほど横に座ってご見学されていましたが、そこでも引き分けに終わってしまいました。

 その時にジャッジの方に確認した際、「プレイ速度はまったく問題なかったですね……」とやや悲しげな顔をされていたのがとても印象的でした。

 が、さすがに3回の引き分けはいただけません。同じことを繰り返さないためにも対策を講じることにしました。

時間切れにならないために

 これは白単コントロールに限った話ではありませんが、自分のターンにかける時間を出来る限り短くすることに尽きます。

 これまで説明してきた通り、このデッキはひたすらゲームを引き延ばす性質上、物理的に時間がかかります。そうすると必然的にターン数も多くなりますね。

 これらのターンにかかる時間を少しでも短くしていくことで、トータルで短縮した時間も多くなるという考え方です。いわゆる「塵も積もれば山となる」ですね。

 このかかる時間を短くする工夫についてまとめていきます。

トークン関連

 まず着手したのはトークン関連。

 デッキ名を冠するだけあり、トークンの種類は非常に多様です。

 ・《噴水港》《跳ねる春、ベーザ》の魚トークン
 ・《噴水港》《跳ねる春、ベーザ》の宝物トークン
 ・《人参ケーキ》の兎トークン
 ・《忠義の徳目》の騎士トークン
 ・《太陽降下》の培養トークン
 ・《失せろ》の地図トークン
 ・《大天使エルズペス》の兵士トークン
 ・《ミストムーアの大主》の昆虫トークン
 ・《人形作家の店+陶磁器ギャラリー》の玩具トークン


 ……なんと9種類!!

 同じくトークンを多用するジェスカイ召集ですら7種類ほどなので、これがどれだけ多いかおわかりでしょう。トークンを探すだけでも一苦労です。

 たださえトークンを出す機会が多いデッキなのに、トークンを出す際に時間を取られてしまっては時間も切れてしまうもの。

 そこでこのトークンに関する時間を以下に短縮できるかを検討し、色つきスリーブで分けることを思いつきました。

 当初は各トークンごとに透明スリーブにまとめていましたが、これを色付きスリーブで分けることにしました。(培養トークンは両面のため従来通りの透明スリーブ)
 手持ちスリーブの関係で昆虫トークン・騎士トークン・宝物トークンは同じ赤色ですが、この3種は比較的使用頻度が低いためひとまとめにしています。

 この効果はてきめんで、出す際に色がついていることで目的のトークンをすぐ探し出すことができ、除去されて片付ける際にもすぐまとめられるようになりました。

 試合終了後にまとめ直す時も非常にやりやすくなり、ストレスが大きく軽減されました。

 何よりスリーブがついていることで裸のカードよりも取り扱いやすくなるメリットもあり、今後も他のデッキでもトークンをスリーブに入れていこうと思えるほどでした。

優先権を先に渡してからトークンを出す

 例えば《跳ねる春、ベーザ》で魚トークンを出す際、

1.トークンカードから魚トークンを探す
2.盤面に魚トークンを出す

 という動作が発生します。

 《太陽降下》でも

1.培養トークンを探す
2.盤面に培養トークンを出す
3.除去した枚数を数えてサイコロを乗せる

の動作がありますね。

 丁寧にやるならば全ての効果を解決してから優先権を渡すわけですが、フルタップもしくは他にすることが無い場合、カードの効果を解決した時点で先に相手へ優先権を渡し、その間にトークンを出すように心掛けています。

 相手が考える・アクションをするまでの間にトークンを出すことで、その分だけ時間短縮になります。

 もちろん何らかのスタックで介入することが考えられる盤面であったり、《世話人の才能》《永劫の無垢》のドロー誘発が絡む場合はトークンをしっかり出してから優先権を渡すなど、臨機応変に対応する必要もあります。

世話人の才能》《永劫の無垢》のドローを一連の流れにする

 スタンダード環境でこれらの誘発効果に対してスタックで動くカードとしては打ち消せる《ティシャーナの潮縛り》、ドローを咎める《フェアリーの黒幕》ぐらいでしょうか。
 これらが入らないデッキではトークンが出た時点でドローは確定するため、トークンを生成した時点で「《世話人の才能》《永劫の無垢》が誘発します」という確認を省略することが出来ると考えられます。

 ただし、このドローによって回答を引かれる前に誘発スタックで動いてくるケースがあるため、相手がフルタップなどで介入手段がない時に限り省略するようにしています。

 この動作の省略を行う際は対戦相手としっかり確認を取り、合意を取るようにしましょう。ちゃんと解決までやってほしい、と言われたらそれに従いましょう。

 マジック:ザ・ギャザリングは対戦相手とのコミュニケーションによって成り立つカードゲームですからね。

 上記の工夫をしてきたことで、これ以降のプレミアム予選ではなんと引き分けが0回と改善しました! 大成功です!!

 1回の動作がたかが数秒でも、これらの積み重ねでトータルの短縮した時間は数分以上にもなります。

 コントロールデッキは己との戦いの一面もあります。少しずつこれらの精度を上げていくのも楽しみ方の一つですね。

サイドボーディング解説

VS赤アグロ

 メイン・サイド共に有利なマッチアップです。

 ただしメインでは後手かつキープした初手によってはブン回られると負けてしまうこともしばしばあり、油断できない相手です。

 有利と言えどもライフを詰められたところに《叫ぶ宿敵》に《噴出の稲妻》を合わせられてゲインを禁止されると、そのまま挽回する前に削り切られてしまうことも。

 場合によっては1マナが浮いている《叫ぶ宿敵》に対して《軍備放棄》で《噴出の稲妻》を誘い、その上から《失せろ》《魂の仕切り》を合わせることを意識しましょう。

▼キーカード - 《軍備放棄》《跳ねる春、ベーザ

 とにかくライフを高く保つように除去しつつ、《失せろ》《魂の仕切り》を構えて《巨怪の怒り》を効果的に打たせないように立ち回っていくのが大事なのですが、これを後押しするのが1マナの《軍備放棄》。

 先述してきた通り《心火の英雄》に対する最高の回答であり、3点受けてしまうとはいえ3ターン目に唱えてきた《叫ぶ宿敵》にも有効な除去でもあります。

 こうして序盤を凌いだ後は《巨怪の怒り》でないと突破できない《跳ねる春、ベーザ》でライフゲインしつつ突き放すのが赤アグロに対するゲームプランとなります。

▼サイドアウト

-3《太陽降下
-3《世話人の才能
-1《人形作家の店+陶磁器ギャラリー

▼サイドイン

+2《領事の権限
+2《エルズペスの強打
+1《救済の波濤
+1《やらせはしない
+1《別行動


 間に合っていない《太陽降下》、攻撃しないといけない《人形作家の店+陶磁器ギャラリー》を抜きます。

 単体では何もしない《世話人の才能》も同様に抜きますが、除去した後に捲っていく手段として1枚だけ残す形としています。

 サイド後では不要牌が全て効果的なカードになるため、元々有利な相性がさらに有利へ傾きます。

 《救済の波濤》はダメージ軽減のみならずパーマネントにも呪禁を付与するため、《領事の権限》への《脚当ての陣形》を回避できる点を覚えておきましょう。

VSディミーアミッドレンジ

 メイン微有利、サイドでは微不利という印象です。

 メインでは打ち消しの枚数が少なく、こちらのアクションの通りがよい点と除去で攻め手を捌ける点などから微有利としています。

 《フェアリーの黒幕》で《永劫の無垢》《世話人の才能》のドローをただ乗りされてしまうため、マスト除去の一つとなっています。

 とはいえ除去手段も限られるため、割り切って《フェアリーの黒幕》を出させてから《軍備放棄》で対処するなど後手に回ってでも対処していきます。

 《悪夢滅ぼし、魁渡》は定着してしまうと非常に危険。《失せろ》《魂の仕切り》は絶対これに合わせたいところです。

▼キーカード - 《世話人の才能

 エンチャントである《世話人の才能》は一度定着してしまえば対処不可であるため、じっくりと除去しつつアドバンテージ差をつけていくプランの中核になります。

 最近は同型意識で《ティシャーナの潮縛り》がメインから採用されているケースが多いため、《世話人の才能》レベル3を打ち消されて大きくテンポロスをさせられないように気を付けましょう。

 

▼サイドアウト

-1《太陽降下
-1《大天使エルズペス
-2《跳ねる春、ベーザ

▼サイドイン

+2《エルズペスの強打
+1《やらせはしない
+1《別行動

 一方でサイドでは相手が《否認》《ティシャーナの潮縛り》《強迫》など効果的なカードが入ってきてクロックパーミッションとしての完成度が上がったのに対し、こちらは特にこれといったカードが入りません。

 白単色の弱みであり、このデッキそのものの弱みでもありますね。もちろんゲームプランも変わっていません。

 インスタントタイミングでの仕掛けおよびハンデス・カウンターでの撹乱アグロが通りやすくなってしまい、こちらはより窮屈な動きを強要されてしまいます。
 的確に脅威に対して除去を合わせつつ、どこか隙を見て《世話人の才能》を通してアドバンテージを地道に取っていくしかありません。

 ただ《人形作家の店+陶磁器ギャラリー》はディミーアミッドレンジに対して有効な一枚で、2マナの軽さからカウンターを掻い潜って着地させやすいです。

陶磁器ギャラリー》の解放は《祭儀室》などとは異なり誘発が発生しないため《ティシャーナの潮縛り》すらも無視します。

 地道にトークンを産み出しながら《陶磁器ギャラリー》で一気に決着をつけるという動きが再現性の高い勝ち方でしたので、このデッキを意識するなら2枚採用するとよいかもしれません。

VSティムールカワウソ

 はっきり言って不利です。

 《嵐追いの才能》《豆の木をのぼれ》《この町は狭すぎる》の組み合わせて延々とアドバンテージ・テンポ両方を取ってくる上、《永劫の活力》《渓間の洪水呼び》による無限コンボもあるためこちらは攻める側にならねばなりません。

 しかし白単トークンはこれまでに何回も言及してきた通り、ゲームレンジを後半に寄せており攻めていく手段に乏しいデッキです。

 悠々とコンボパーツを集められ、こちらの《世話人の才能》レベル3による攻めは《この町は狭すぎる》でかわされてしまい、《永劫の無垢》も《塔の点火》で追放……と、最悪のマッチの一つと言ってもよいでしょう。

▼キーカード - 《失せろ

失せろ》は《嵐追いの才能》《渓間の洪水呼び》をインスタントタイミングで対処できる貴重な手段。

この町は狭すぎる》を回収するための《嵐追いの才能》レベル2に合わせて《失せろ》でテンポロスさせるなどを狙っていきましょう。

 相手の勝ち手段を的確に潰しつつ、アドバンテージを獲得しながらチャンスを伺っていきましょう。

▼サイドアウト

-1《軍備放棄
-2《跳ねる春、ベーザ
-2《エルズペスの強打
-1《大天使エルズペス
-1《太陽降下

▼サイドイン

+2《石の脳
+2《悪魔祓い
+1《ウルザの酒杯
+2《安らかなる眠り

 サイド後も依然として不利の認識です。

 どうにかして《石の脳》を通し、《この町は狭すぎる》を抜いてしまえば《世話人の才能》《永劫の無垢》によるスケール勝負に持ち込むことができます。

安らかなる眠り》は正直言って効果があまりないものの、敗着の一つである《嵐追いの才能》レベル2を無効化できるだけでも《エルズペスの強打》よりはマシです。

 この際、《永劫の無垢》も追放されてしまうため戦場から戻らない点は注意です。

悪魔祓い》は《永劫の活力》《豆の木をのぼれ》《嵐追いの才能》《蒸気サウナ》などターゲットが多いものの、《この町は狭すぎる》によってかわされるリスクは念頭に置くべきでしょう。

VSアゾリウス眼魔

 メイン・サイド共に有利と認識しています。

 ただ飛行クリーチャーが《ミストムーアの大主》によって出てくる昆虫トークンしか存在しないため、得意とするトークンによるチャンプブロックができません。

 そのため早期に《傲慢なジン》《忌まわしき眼魔》が出てきた場合、捌き切れずに殴り切られてしまうパターンも存在しますが、やはりここは1マナの追放除去である《軍備放棄》が非常に効果的です。

▼キーカード - 《軍備放棄》《太陽降下

救いの手》《再稼働》による再利用を許さない追放除去は的確に当てたいところです。

 あちらも《魂の仕切り》《送還》でかわすことを意識しますが、総枚数としてはこちらの方が上です。

 2マナ重くさせる《魂の仕切り》もアゾリウス眼魔は土地を切り詰めており、5マナ出すにも一苦労なのでほぼ追放除去として機能します。

 再度唱えてきたところに《軍備放棄》《太陽降下》をお見舞いしてやりましょう。

 このようにクリティカルな対応手段が多いため、構造的に有利と言えるでしょう。

▼サイドアウト

-3《跳ねる春、ベーザ
-2《エルズペスの強打
-1《大天使エルズペス

▼サイドイン

+2《悪魔祓い
+1《やらせはしない
+2《安らかなる眠り
+1《別行動

 このアゾリウス眼魔には《安らかなる眠り》が強烈に突き刺さる上、《悪魔祓い》《やらせはしない》など追放除去が増えることでより有利になります。

 サイドでは《僧院の導師》が入ってきますが、これもやはり《軍備放棄》で対応可能。

否認》《軽蔑的な一撃》のカウンターが入ってくるとはいえ、こちらの追放除去の量を乗り越えるほどではありません。

 どんどん追放してあげましょう。

最後に

 白単トークンについて紹介させていただきました。

 白が誇る除去、ドロー、ゲイン。これらを余すことなく堪能できるよいデッキです。ただ何度も言及してきた通り、時間が最大の敵です……

 時間短縮のコツをいろいろと書きましたが、それでもやはり引き分けは発生してしまうでしょう。当たり前ですが、引き分けないために最も必要なのはデッキに慣れることですね!

 持ち時間制であるアリーナやMOであればこの時間はそこまで気にならなくなるので、是非デジタルで一度回してみてはいかがでしょうか?

 そして目指せ《時間の名人》!

 ここまで読んでいただきありがとうございました。

 またお会いしましょう!

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