こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
7枚の禁止が発表されたスタンダードは赤アグロ天国から大ミッドレンジ時代に突入!
紹介デッキ
ディミーアミッドレンジ
スタンダードチャレンジ : 1位 By TheManLand

前環境で赤単アグロ・イゼット果敢・ドメインオーバーロードなどともバチバチにやりあっていたにも関わらず、なぜか今回の禁止改訂で一切の影響を受けなかったデッキ、ディミーアミッドレンジ。
《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》を一度に『ダスクモーン:戦慄の館』で手に入れ、しばらくは環境の王者として君臨していました。打ち消し、除去、そしてリソースが取れるクリーチャーで構成されており、万能なデッキということもあり、非常に人気がありました。
そんなディミーアミッドレンジでしたが、《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》といったアドバンテージ源を触ってくる、自分よりも早いエスパーピクシーが人気になりだしてから少し人気がなくなり、天敵の《コーリ鋼の短刀》出現後はほとんど見なくなっていました。
しかし、《望み無き悪夢》も《この町は狭すぎる》《コーリ鋼の短刀》はこの世にはもう存在しません!それならば当然ディミーアミッドレンジは王者に返り咲きます。
現に禁止改訂後のスタンダードチャレンジ(マジックオンライン上の大会)ではトップ8のうち7つを占めるほど。いかに《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》が強力かこれだけでわかるでしょう。
さて、そんなディミーアミッドレンジですが、現在のスタンダードは3年ローテーションということでクリーチャーの選択肢が無限にあります。《コーリ鋼の短刀》をメタるために《群青の獣縛り》なんかも使われていましたね。メタゲームに合わせて様々なクリーチャーを採用するディミーアですが、今最も意識するべきなのは当然ミラーマッチです。
そのため、赤全盛期では抜けていた《フェアリーの黒幕》が再びメインで多めに採用されるようになりました。ミラーマッチでは互いにインスタントで動けることも大事ですし、《悪夢滅ぼし、魁渡》《永劫の好奇心》でドローもするので、能力も重宝します。
メインからの《ティシャーナの潮縛り》も同型では《永劫の好奇心》を消したり、《悪夢滅ぼし、魁渡》の忍術に触れたりなど、何かと便利なクリーチャー。環境が遅くなれば必然的に《ティシャーナの潮縛り》が強くなるので、ディミーア以外にも刺さる相手は多いでしょう。
《フェイ花のいたずら》は厳密にはクリーチャーではありませんが、1/1飛行を2体出すインスタント。《永劫の好奇心》のためのクリーチャーを2体生成しつつ、相手のブロッカーを排除できるので、同型で特に強力です。飛行クリーチャーが《遠眼鏡のセイレーン》《大洞窟のコウモリ》《フェアリーの黒幕》とすべてタフネス1なので、《フェイ花のいたずら》は攻防で活躍してくれるのです。
ここまで紹介したクリーチャーはすべてインスタントタイミングでプレイできます。《フラッドピットの溺れさせ》も入っていますし、今のディミーアはとにかくマナを構えてきます。除去や打ち消しを構えながら、相手のアクションが大したものでなければクリーチャーを出せるので、非常に理にかなっています。
相手の動きによってこちらのアクションを決められる、いわゆる後出しじゃんけんが可能なリストは使いやすくて好印象です。《大洞窟のコウモリ》で相手の手札を除いてから動けますしね。
強くて使いやすい。これは強いデッキの条件の1つでもあります。再びスタンダードの頂に上ったディミーアミッドレンジを打ち倒すデッキは現れるのでしょうか。
ナヤユウナ
スタンダードチャレンジ : 2位 By McWinSauce

《豆の木をのぼれ》が禁止になり、大きな打撃を受けたのがドメインオーバーロード。
デッキ名になっている大主たちはすべてマナ総量が5以上ですが、兆候で軽く唱えることができる。それを利用して《豆の木をのぼれ》を何度も誘発させてアドバンテージを稼ぎ、大主たちを《永遠の策謀家、ズアー》で起こすコントロールデッキ、それがドメインオーバーロードです。
《豆の木をのぼれ》を失ってリソースが取れなくなったオーバーロードは、より早くゲームを終わらせるデッキになりました。それがこのナヤユウナ。
《スピラの希望、ユウナ》は《永遠の策謀家、ズアー》と同じく、大主と相性の良いカードです。墓地からエンチャントを吊り上げ、自分のターンは絆魂と護法を付与してくれます。墓地に落ちた大主を吊り上げて攻撃しつつ、ライフを回復していきます。
そんな《スピラの希望、ユウナ》と特に良相性なのが《ボイラービルジの大主》。好きな対象に4点を与えるこの大主は絆魂を持つので、一気に大量のライフを得ることができます。
《スピラの希望、ユウナ》は墓地からエンチャントを吊り上げるので、このデッキにはエンチャントを落とす様々な手段が用意されています。
《逸失への恐怖》《フェニックスのドミナント、ジョシュア》は手札を入れ替える便利なカードで、ディスカード手段としてだけでなく、必要なカードを引き込みにいける素晴らしいカード。《逸失への恐怖》は昂揚すれば大量の打点、《フェニックスのドミナント、ジョシュア》は変身してクリーチャーをリアニメイトするなど、どちらもドロー能力以外も強力。
《幻獣との交わり》は諜報2でエンチャントを墓地に落とします。自身もフラッシュバック能力を持っているので、ディスカードや諜報で《幻獣との交わり》自身が落ちるとお得です。
切削しつつ必要なカードを手札に加えられる《浚渫機の洞察》は当然4枚です。《スピラの希望、ユウナ》を手札に加えて大主を落として……なんてことが起きたらそれだけでゲームに勝てる場合があります。1点ゲインのオマケがついてくるので、対アグロにはしみてくるでしょう。
《浚渫機の洞察》より範囲は狭いですが、《魔導戦士、ティナ》も中々優秀です。拾えるエンチャントは《ボイラービルジの大主》に召喚カードたち、そして《浚渫機の洞察》です。切削も5なので結構掘れますし、変身すれば他のエンチャントをコピーでき、《ボイラービルジの大主》で一瞬でゲームが終わります。
このように様々なライフゲイン手段が用意されているので、ビートダウンは得意ですし、ミッドレンジに対してはスケールで勝利できます。《召喚:バハムート》や《召喚:ナイツオブラウンド》が5ターン目にぐらいに戻ってきてしまうと打つ手なしです。
これまでとはまったく違う顔を見せるオーバーロードデッキとなっているユウナオーバーロード。ドメインを使っていた方にオススメ!
ファイナルファンタジー好きな方にもぴったりですね!ユウナからバハムートを召喚して気持ち良くなりましょう!
ボロス召集
スタンダードチャレンジ : 1位 By LucasG1ggs

禁止改訂前の赤単やイゼット果敢は、スタンダードのみならずパイオニア級の強さを持っているデッキたちでした。
実際パイオニアで活躍する赤単アグロは《熊野と渇苛斬の対峙》と《変わり谷》以外すべてスタンダードのカードで、イゼット果敢もパーツのほとんどがスタンダードで構成されています。パイオニアで強いデッキがスタンダードで最強になるのは自明の理ですよね。
そしてこのボロス召集も、パイオニア級の強さを持つデッキと言われ、昨年のスタンダードでは恐れられていました。
《ひよっこ捜査員》《入れ子ボット》でアーティファクトを生成し、そこを対象に《上機嫌の解体》を打ち込み、トークンを生成。それらのトークンを召集コストに当てて《イーオスの遍歴の騎士》を高速召喚し、《イモデーンの徴募兵》を見つけて次のターンにトークンたちを強化してフィニッシュする、赤白のトークンデッキです。
回った時の強さは手がつけられません。2ターン目に《イーオスの遍歴の騎士》、3ターン目には《イモデーンの徴募兵》で大量のダメージを飛ばしてくるので、実質3キルのような場を作ってきます。《一時的封鎖》でも《イーオスの遍歴の騎士》が残りますし、2枚のカードを確保できているので、全体除去耐性もしっかりとあるのです。
トークンを並べるデッキなので《見捨てられた人形、アラベラ》と相性が良く、《門道急行の事件》《イモデーンの徴募兵》と共に1/1トークンの群れで殴りきるのが基本戦略です。《画家の仕事場+汚された画廊》はトークンを強化しながらリソースも稼げる、このデッキにぴったりのカード。
ファイナルファンタジーからは《「竜騎士」の両手槍》が加わりました。トークンを生成しつつアーティファクトを生み出せるので、《上機嫌の解体》の対象にぴったり。《「竜騎士」の両手槍》1枚で《上機嫌の解体》から1マナで《イーオスの遍歴の騎士》まで繋がるのが実に美しいですね。
ボロス召集の魅力はなんといってもそのメタりづらさです。アグロにも関わらず単体除去がほとんど効かないので、赤単対策などが無駄になります。《紅蓮地獄》などの全体除去がサイドボードに用意されていない環境なら無双間違いなしです。
しかも全体除去に対しては《イーオスの遍歴の騎士》がとにかく強い!条件なくすべてのクリーチャーを倒すには《審判の日》しかなく、軽い全体除去は《イーオスの遍歴の騎士》が残るので、大きなダメージを返しに受けることになります。最終的には《イモデーンの徴募兵》が控えるので、全体除去の返しに《イモデーンの徴募兵》で勝つこともしばしばあり、唯一の弱点ですらこのデッキは克服できているのです。
以前は除去が多いデッキには《ウラブラスクの溶鉱炉》で対策していました。除去に対しては強い一方、バウンスにめっぽう弱かったこのカードは、《この町は狭すぎる》《洪水の大口へ》の流行によってスタンダードで見なくなりましたが、今の環境でバウンスはほとんど見ないので、もしかしたらサイドボードで復活するかもしれませんね。
《ウラブラスクの溶鉱炉》がサイドに入ったボロス召集はかなり弱点が少ない隙のないデッキだという印象で、個人的にはかなり恐れています。
ブン回りもあり、粘り強さもしっかりあるボロス召集。人気が出てきそうな予感がするので、全体除去はしっかり入れておきましょう。ディミーアミッドレンジ使いの方は《ギックスの命令》をお忘れなく。