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【週刊メタゲーム通信】エネルギーに立ち向かうコントロールとエルドラージ

Modern ピックアップ

2024.09.25

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今週はモダンの最新メタゲームを追っていきます! エネルギー環境にやってきたコントロール 先週末もモダンの大会はエネルギーが勝ち組に。特にこの週は純正2色のボロスエネルギーがチャレンジを4連続で優勝(!)しており、バントナドゥを思わせる勝率の高さです。この要因の1つは、環境的に《血染めの月》《一つの指輪》が強くなってきたことがあげられるかもしれません。エネルギーメタとしてジェスカイなどの多色コントロールが増え、それらに強い《血染めの月》《一つの指輪》をメインから採用できるボロスが勝ち上がったのではないでしょうか。特に《血染めの月》はアミュレットタイタンなどの土地コンボ、《ウルザの物語》が入った3色のティムールブリーチなど、様々な相手に強く、先週最も強い1枚だったかもしれません。 ジェスカイコントロール さて、まず紹介するのは既に名前も挙がったジェスカイコントロール。 モダンチャレンジ:2位 By MarcoBelacca95 ベースとなるのはプロツアー・モダンホライゾン3でハビエル・ドミンゲス選手がトップ8入賞を果たした、ピッチスペルを大量に採用した型。 既に3か月経過して未だにこの時のリストがベースなのですから、完成度の高さがわかりますね。2種類のインカーネーションに《否定の力》の合計11枚のピッチ呪文と《空の怒り》《電気放出》のエネルギー除去で盤面をコントロールし、《一つの指輪》でリソースを回復するというのがこのジェスカイコントロール。アドはンテージを取る手段は《一つの指輪》に頼り切っている……どころか他にドロースペルはほぼ入っていません。ジェスカイエネルギーコントロールの定番だった《語りの調律》すら0枚です。こうなると《一つの指輪》が引けない時が怖いのですが、それを解決する手段は土地にあります。そう、《記念碑的列石》です。ライブラリーの上から5枚を見て歴史的なカードを手札に加えられるので、《一つの指輪》を探しにいけるのです。ちなみに《火の怒りのタイタン、フレージ》や《水辺の学舎、水面院》も拾えます。《呪文嵌め》は今最も強力な打ち消しの1つかもしれません。ボロスエネルギーの強力なアクションは《色めき立つ猛竜》《ナカティルの最下層民、アジャニ》《ゴブリンの砲撃》と2マナに集中しており、特に後手で《呪文嵌め》を持っているかはかなり重要なのです。……2マナのアクションが強いと言いましたが、《魂の導き手》《オセロットの群れ》《敏捷なこそ泥、ラガバン》も十分ですがね。ボロスエネルギー、やはり強さがおかしい。とはいえ、《呪文嵌め》をケアして1マナを並べてきたら《空の怒り》がありますし、ジェスカイコントロールは《オセロットの群れ》を比較的苦にしないデッキではあります。除去、打ち消し、フィニッシャーのすべてが超一流のジェスカイコントロール。メタが完璧に固まった今こそ、手に取る時が来たかもしれません。 エレメンタル軍団、来る さて、お次も分類上はコントロールですが、ジェスカイから1色足しただけでだいぶ見た目の変わったデッキ。 4cエレメンタル モダンチャレンジ:2位 By RespectTheCat いわゆる4cオムナスというものですが、そこに更に《発現する浅瀬》が入り、エレメンタルシナジーが強くなっています。《発現する浅瀬》はエレメンタルが戦場に出るたびにライブラリ―トップを見て、それが土地なら場に、そうでなければ手札に加えられるすごいクリーチャー。《緻密》《孤独》を0マナで唱えると手札を消耗しますが、《発現する浅瀬》が戦場にいればカードを供給してくれるので、実質打ち放題(?)です。アドバンテージ獲得手段として《発現する浅瀬》は優秀なので、《一つの指輪》への依存度が気になる方は、こちらのリストもおすすめです。面白いのは《記憶への放逐》のメイン採用。 流行のエルドラージに対して完全回答なだけでなく、想起で唱えたエレメンタルの誘発型能力を打ち消すことで、そのまま戦場に残すことができます。手札は大量に使いますが、最速1ターン目に《孤独》が着地することも。 手札をかなり消耗するのでまずこのプレイはしませんが、《発現する浅瀬》が戦場にある時はやる場合もあります。 ジェスカイコントロールでも、手札から唱えた《火の怒りのタイタン、フレージ》に《記憶への放逐》を打って場に残す使い方ができますね。 かつてモダンを席巻していた《創造の座、オムナス》は、最近は鳴りを潜めていましたが、今の環境では強いのかもしれません。エネルギーに対して生き残ればまず勝つでしょう。《電気放出》で倒されてしまうのだけは残念ですが、それでもドローとライフゲインを兼ね備えるこのカードは、アグロからしてみれば悪夢そのものです。 先ほどのジェスカイと同様、11枚のピッチスペルが入っている4cエレメンタル。この2つのデッキを見ると、今のモダンがいかに早い環境か伝わってきます。0マナで対応するカードがないと、コントロールは最早成立しないと言っていいかもしれません。同じピッチスペル大量のデッキなら、個人的にはジェスカイより4cエレメンタルの方が好みかもしれません。やはり《一つの指輪》にリソース手段を頼り切ってしまうのは不安ですし、相手もプレイやサイドボードが簡単になってしまいます。ジェスカイと戦う際は多少コントロールされてしまっても、《一つの指輪》にさえ対処すれば段々と手札は枯渇していきます。そのため非常に攻めやすいですが、この4cエレメンタルに対しては除去を何枚残すか、除去を構えてターンを返すかなど、要所でプレイが難しくなります。それになんといっても《発現する浅瀬》はとても気持ちいいカードですからね。スタンダードの時にお世話になった方も多いのではないでしょうか?オムナスの強さを久しぶりに体感するにはぴったりのデッキかもしれませんね。 進化を続けるエルドラージ そして最後を飾るのは、何度か話題に出ていたエルドラージランプ。最近のエルドラージはなんとトロンランドを採用していません。 エルドラージランプ モダンチャレンジ:優勝 By Gerardo94 マナ加速できる土地は《エルドラージの寺院》と《ウギンの迷宮》のみなので、従来のエルドラージに比べて入っている呪文は全体的に軽め。昔あったエルドラージ系アグロとランプの中間といったところでしょうか。とはいえ、エルドラージならではの早いターンからのビッグアクションも健在です。《ウギンの迷宮》から1ターン目にタリスマンでマナ加速、2ターン目に4マナから《まき散らす菌糸生物》というブン回りが特に強力。同じムーブをするために《楽園の拡散》が採用されています。1ターン目に《楽園の拡散》から2ターン目の《エルドラージの寺院》で《まき散らす菌糸生物》が出せるのです。このデッキの良いところはなんと言っても、エルドラージ対策として機能していたサイドカードたちをほとんど無視できることです。《黒曜石の焦がし口》《減衰球》はほとんど効きません。《血染めの月》《海の先駆け》にも多少の耐性があります。普通のトロンと違って全体のマナ総量が低めなので、「《血染めの月》でマナがなくなって手札のカードを満足にプレイできない」事案がそこまで頻繁には発生しません。とはいえ、無色マナを出す手段が限られてしまうので、効かないわけではないのですが。《衝動のタリスマン》や《邪悪鳴らし》で出たトークンなどを有効活用する必要があります。《記憶への放逐》だけは本当に刺さってしまうのですが、それはもうエルドラージである以上仕方ないでしょう。同型において《記憶への放逐》以上のカードは存在しないので、このリストも青をタッチして採用してしまっているぐらいですからね。《エルドラージの寺院》《ウギンの迷宮》《衝動のタリスマン》《楽園の拡散》とこのデッキにはマナジャンプ手段が大量にあり、《邪悪鳴らし》で必要なカードにもアクセスでき、このエルドラージランプは非常に安定した動きができます。《三なる宝球》や《虚空の杯》など特定の相手に効くカードや、ただ土地だけを探す《探検の地図》も入っておらず、一貫性のある動きができるのも魅力の1つ。マナを伸ばして《まき散らす菌糸生物》《世界を壊すもの》で足止めして《一つの指輪》から最終的に《約束された終末、エムラクール》という流れは美しさすらあります。これまで抱いていたエルドラージへのイメージが大きく変わるかもしれませんね。

【新セットレビュー】『ダスクモーン:戦慄の館』各色トップ3

ピックアップ

2024.09.18

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 9月27日発売の最新セット『ダスクモーン:戦慄の館』、全カードが公開されました。 というわけで今回も各色の注目カードトップ3をご紹介していきます! 白トップ3 第3位 《墓所のタイタン》が帰ってきた!戦場に出るか攻撃するたびに能力を誘発させる『基本セット2011』のタイタンサイクルは大人気で、スタンダードはタイタン同士の争いとなっていました。《原始のタイタン》は今でもモダンで現役なほどです。そのタイタンサイクルと同じ能力を持つのが今回の大主サイクル。各色の神話レアで、戦場に出るか攻撃するたびに能力が誘発し、更に本来のコストとは別に、兆候コストで軽く出すことができます。兆候時は、自分の終了ステップに時間カウンターが取り除かれていき、時間カウンターが乗っているかぎり、クリーチャーではありません。つまり、兆候で唱えてまずは戦場に出た時の能力が誘発し、攻撃時の能力はおあずけというわけです。序盤に引いた場合は4ターン目に兆候でとりあえずトークン、中盤以降は7マナと、元祖タイタンとは違った使い方ができます。トークンが2/1飛行なので、その点では《墓所のタイタン》より強力です。《墓所のタイタン》は登場後のスタンダードで大活躍だったカード。《ミストムーアの大主》にも期待してしまいます。兆候カードは《リッチの騎士の征服》と相性が良いので遊んでみたいですね。兆候で並べて生け贄にして一気にリアニメイトしたら熱そうです!   第2位 最初に読んだ時に「え?マジ?」って思いました。強すぎてびっくり。《忘却の輪》のような一時追放エンチャントで、自分のクリーチャーにエンチャントするオーラなため、除去されやすい分1マナ軽い…のですが、エンチャント先に護法(2)がつくので、普通に除去されづらい。更に+1/+0に絆魂と強化もまずまず。ビートダウン対決ではアタッカーを一時的に追放しながらライフを回復できます。しかも《運命に導かれし者、ケイリクス》との相性は抜群。相手のブロッカーを《幽霊による庇護》で排除して、《運命に導かれし者、ケイリクス》の能力で《幽霊による庇護》をコピー。《運命に導かれし者、ケイリクス》にエンチャントすれば除去が難しくなります。《運命に導かれし者、ケイリクス》と《幽霊による庇護》でまずはデッキを組んでみたいですね!   第1位 今回各色に存在するレアの光霊サイクル。かつてあったカードたちが現代版に調整されたとも言うべきでしょうか。最初はクリーチャーですが、死亡するとエンチャントとして戦場に戻ってきます。とてつもなくアッパー調整されたのがわかりますね。その中から最も強力だと思ったのがこの《永劫の無垢》。パワーが2以下のクリーチャーが戦場に出るたびに1ドローは、条件が緩すぎます。1ターンに1回という制限はありますが、《ミレックス》や《噴水港》など相手ターンにも1/1を作る手段があるため、1ターンの間に2枚引けることもザラです。そもそも同じ能力を持つ《歓迎する吸血鬼》は少し前のスタンダードで使われていたぐらいです。戦場に残れば膨大なアドバンテージを生み出す能力なため、まず生き残りませんでした。しかし、《永劫の無垢》は除去してもエンチャントとして帰ってくるので、《歓迎する吸血鬼》のようにはいきません。このカード、普通にめちゃくちゃでは? 青トップ3 第3位 全国10万人の青ファンの皆様!お待たせしました!ついに《対抗呪文》がパイオニアにやってきましたよ!え?全然《対抗呪文》じゃないって?想像してみてください。パイオニアでよく起きていたことを。《ドビンの拒否権》を構えていて《墓地の侵入者》を出されたことはありませんでしたか?でも《ドビンの拒否権》を入れないと《鏡割りの寓話》が通って負けるので、入れざるを得ない。こんな苦悩があったはずです。でももう安心。《今のうちに出よう》はクリーチャーと《鏡割りの寓話》をどっちも消せます。しかももう1つのバウンスモードもなかなか。《海の神のお告げ》を戻してもよし、《一時的封鎖》を2枚戻してその内1枚で全部を巻き込めば、《一時的封鎖》を1枚回収できます。青青とマナシンボルまで《対抗呪文》なのが玉に瑕なので、アゾリウスコントロールでの採用は厳しそうですが、もっと青が濃いデッキでは選択肢になるかもしれませんね。 第2位 エンチャントが戦場に出たり、部屋1つを完全に開放することを違和感と呼びます。このカードは違和感で1ドロー。つまり《アルゴスの女魔術師》、いわゆるエンチャントレス系の1種です。自身が瞬速を持っているのは大きく、相手がフルタップになって除去を構えられなくなった隙に唱え、そこから大量にドローできます。今回はクリーチャー・エンチャントも多いので、思わぬ組み合わせで引けるかも?まずはエンチャントで検索しましょう! 第1位 部屋は新たに登場したエンチャントのタイプ。分割カードのようにいずれかのマナを支払って場に出て、その支払った側の部屋が開放され、能力が発揮されます。戦場にある部屋のうち、開放されていない方を、マナ・コストを支払って開放できるので、1枚で2度美味しいカードです。《鏡の間》は自分がコントロールしているクリーチャーのコピーを生成するカード。3マナのコピーは標準的なスペック。とはいえ構築で使われるレベルではありません。しかし、部屋のもう一方が強力なら話は別です。コストこそ重いですが、開放すればパーマネントの誘発型能力が倍に!この手の誘発倍カードは重く、手札でダブつくのが課題でしたが、《鏡の間》なら軽く、コピー能力は汎用性も高いので、デッキに比較的組み込みやすい。使ってみたい1枚ですね。 黒トップ3 第3位 踏み倒したい系デーモン。普通に唱えるのは9マナとまず無理なので、パイオニアなら《不屈の独創力》あたりで出してみたいですね。土地以外3つという膨大な護法があるので、一度戦場に出れば触るのは難しい。しかも能力でそれらのカードを追放でき、使用可能となるため、護法を払わせて除去を打ち消した場合は、その瞬間に相手の吹っ飛ばした3枚のパーマネントをこちらが唱える、奇跡の0対7交換が行われることになるのです。スタンダードなら普通にリアニメイトで墓地から釣りましょう。それだけでもかなりのプレッシャーになること間違いなし。   第2位 生存は、第二メインフェイズ開始時にそのカードがタップ状態である時に能力を発揮します。第二メインフェイズでタップ状態ということは攻撃した後が普通なので、戦闘を生き残った…というフレーバーなのでしょう。しかし、実は生存する方法は他にもあります。その内の1つが乗り物に乗ること。すなわち機体への搭乗です。安全に生存したいなら機体なのです。そしてその機体を主軸に据えたデッキと言えば、《パルヘリオンⅡ》を《大牙勢団の総長、脂牙》で墓地から吊り上げるアブザンパルヘリオン。墓地に《パルヘリオンⅡ》を落とす手段として《冷笑的な一匹狼》はぴったり!こんなにアブザンパルヘリオンと相性の良いカードが出るとは。墓地に落とすカードはなんでも良いので、フラッシュバックを持つ《未練残り》やリアニ先となる《大牙勢団の総長、脂牙》など、状況に応じて様々なカードをチョイスできるのも魅力。これまでは《パルヘリオンⅡ》《エシカの戦車》《領事の旗艦、スカイソブリン》が定番でしたが、更に限定的な状況でのみ強い機体なども入ってくるかもしれません。 第1位 クリーチャーを破壊して、それをこちらの戦場に戻して、終了ステップに生け贄に捧げる。要するに《脅しつけ》に近いカードですが、生け贄手段を必要としないのがメリット。速攻がつかないのがデメリットというわけですね。《脅しつけ》は生け贄手段があるデッキ専用のカードでしたが、《望まれぬ復活》はとりあえず打って良しの除去なので、かなり強そうです。出た時に何かを行うカードは「除去耐性がある」とされていますが、《望まれぬ復活》だとその戦場に出た時の能力がしっかり誘発するので、相手だけ美味しい思いをさせることはありません。特に《偉大なる統一者、アトラクサ》を除去した時の気持ちよさは格別でしょうね。かなりスタンダードで暴れることを想定し、メタカードを作ったのでは?と思うほどです。 赤トップ3 第3位 タップするだけで次に唱えるインスタント・ソーサリーのコピーを生成できる強力なアーティファクトだが、インスタント・ソーサリーを唱えるたびにカウンターが乗り、7個以上のカウンターが乗ると20点が自分に入るデメリットつき。主な使い方はリソース手段です。除去をコピーしても良し、ドロースペルを2倍使うのもいいでしょう。計画であらかじめカードを追放しておけば、呪われた録画を置いたターンのラグも困りません。 7個目が乗ると20点を喰らいますが、その前に《削剥》で割るなどしておけば問題ないでしょう。それまでに膨大なアドバンテージを稼げていますからね。 第2位 大主サイクルの赤は戦場に出た時と攻撃するたびに4点。一見大したことない能力に思えますが、このカードは素で唱えるコストが6マナと軽い!《業火のタイタン》と同じにするとは。赤いミッドレンジにはとりあえず4枚入るのではないでしょうか?《リッチの騎士の征服》からのワンパン勝利にも貢献してくれそうですね。 第1位 《ボロスの反攻者》を思い出す性能。《叫ぶ宿敵》がダメージを受けると好きなところにダメージを飛ばす能力ですが、これによって対戦相手がダメージを受けると、そのプレイヤーはライフが得られなくなります。しかもこのゲームの間能力は継続するので、一度でも喰らわせれば《跳ねる春、ベーザ》もだいぶ抑えられます。自身がダメージを喰らうと同ダメージを好きな場所に飛ばせるので、実質的にチャンプブロックを無効にしてくれます。2/2でブロックしたら2点分を本体に飛ばせてしまいますからね。 このカードの強さは《ボロスの反攻者》をスタンダードで相手にしたプレイヤーには伝わるはず。その《ボロスの反攻者》が速攻を持つとどうなるか、今から対峙するのが恐ろしいです。 緑トップ3 第3位 ライブラリーから土地が落ちるたびに、その土地をタップ状態で戦場に出す機体。攻撃しながら切削するので、殴って土地を伸ばしていきます。土地が戦場に出る能力自体は、切削とは関係ないので、あらゆる手段でデッキから墓地に土地を落としてガンガン土地を伸ばしていくデッキができそうです。モダンにはなってしまいますが、《面晶体のカニ》とのコンボが話題。自分に対象を取って3枚を削り、その中に土地があれば《面晶体のカニ》の能力が誘発し、その切削で土地が落ちれば…ループしていきます。面白い使い道が他にもあるのでしょうか。いろいろ考えてみたいカード。 第2位 大主サイクルの中でも兆候コストが3マナと軽く、その能力は5色出る土地トークンを場に出すという、先祖である《原始のタイタン》に比べたらマイルドなもの。とはいえ、3マナで土地を伸ばしつつ、6/5が控えるだけでも結構なプレッシャー。《装飾庭園を踏み歩くもの》も以前のドメインではエースでしたからね。出せる土地がすべての基本土地タイプを持っているのも地味に嬉しい。これによって《力線の束縛》は1マナになりますし、《ニショーバの喧嘩屋》のようなカードも使いやすいでしょう。《装飾庭園を踏み歩くもの》は基本土地サーチなので、意識してデッキを構築しないとすぐにサーチするものがなくなりましたが、《ホーントウッドの大主》ならばその問題もありません。スタンダードのドメインにその席はあるのでしょうか。せめてトランプルなどがあれば……とは思いましたが、贅沢な希望かもしれません。 第1位 クリーチャーが全員《極楽鳥》になるエンチャント、《謎の石の儀式》は僕の大好きなカード。それが今回光霊となって帰ってきました。本体サイズが3/3で警戒持ちと、攻撃もできてマナもできる素晴らしいクリーチャーです。すぐに思いつくのはパイオニアの緑単ニクソスでしょうか。《炎樹族の使者》を大量に入れて信心を稼ぎつつ、《永劫の活力》で爆発的なマナを生み出す、なんて使い方ができそうです。本人も緑のダブルシンボルで信心はバッチリですからね。 多色トップ3 第3位 戦場に出た時にリソースを稼ぐカード、嫌いな人はいないでしょう。《希望の光、ニコ》が産み落とす破片トークンは強化版手がかりです。破片はエンチャントなため、違和感を2回達成してくれます。先に紹介した《精体の追跡者》でとりあえず2ドローは誰もが考え付くでしょう。パーマネントの数が即3つ増えるので《威厳あるバニコーン》との相性も良好。更に破片を《威厳あるバニコーン》に変えるなんて使い方もできますね。《威厳あるバニコーン》で攻撃しつつ、相手の攻撃は2つの破片(《威厳あるバニコーン》》で守る、なんてシーンもあるかもしれません。書いてあることは地味かつマルチカラーですが、アグロやミッドレンジなどその居場所はたくさんある、便利なカードに見えます。 第2位 初代《漆月魁渡》と似た能力ですが、こちらはより攻撃的なプレインズウォーカー。忍者を自前で用意して、除去から逃げて、コツコツとアドバンテージを稼ぐ《漆月魁渡》と違い、《悪夢滅ぼし、魁渡》は積極的に殴りながらリソースを確保します。その居場所はやはりディミーアミッドレンジでしょうか。《遠眼鏡のセイレーン》や《フェアリーの黒幕》など、ダメージの通しやすい飛行クリーチャーで忍術を行い、0能力を使いながら攻撃していくのが基本的な使い方となるでしょう。4/5にしてしまえば大体のブロッカーは突破できますし、目の前に立ちはだかるクリーチャーを見てから、プラス能力で紋章を得て殴りにいけるので、思ったより《悪夢滅ぼし、魁渡》はずっと攻撃し続けられる印象です。プラス能力の紋章が機能するデッキだとその破壊力はマシマシ。パイオニアで忍者デッキは成立するのでしょうか?もちろん名誉忍者の《変わり谷》もアップを始めています。   第1位 手札の枚数分のダメージを与えたり、終了ステップにカードを引ける部屋。除去とアドバンテージを兼ねる素晴らしい部屋だと思います。コントロールでぜひ使いたいカード。先に5マナで設置しておいて後から除去としても使えるため、思った以上に使い勝手が良いのではないかと思っています。また、マナ総量の合計が7であるため、《巨智、ケルーガ》を相棒に指定しているデッキに組み込めるのも注目ポイント。《巨智、ケルーガ》デッキの除去の選択肢の一つとなるでしょう。 アーティファクト 第2位 コンボ好きな皆さんの玩具が登場!《パラジウムのマイア》と《ピリ=パラ》がいれば無限マナになりますが、すべて場に揃えなければならないので、《アガサの魂の大釜》でコンボを決めるよりハードルは高そう。ただ、《アガサの魂の大釜》が入るデッキとの相性が恐ろしく良いのは間違いありません。起動型能力を持つクリーチャーが多く採用されているということですからね。真っ先に思いつくのは鱗親和でしょうか。戦場に残るどのクリーチャーの能力を得ても強いので、フリースロットに入れてみたい。イラストも名前もフレイバーテキストも怖い!   第1位 1マナのアーティファクトというだけで、モダン以下のプレイヤーは注目してしまいますよね。そう、《ウルザの物語》でサーチできるからです。そしてこの《除霊用掃除機》は破格の性能。タップで墓地の好きなカードを追放できるので、最低限の墓地対策としての役割は持ちつつ、重要なのは下の能力。6マナを支払い、これを生け贄に捧げることで、《除霊用掃除機》で追放したクリーチャーを、1/1にはなりますが戦場に戻すことができるのです!《ウルザの物語》からサーチできるカードがこんなに強くて良いのでしょうか?びっくりしました。これまで《ウルザの物語》でサーチするカードは、モダンでは《バネ葉の太鼓》《モックス・アンバー》などのマナ加速や、《地獄料理書》などのコンボ用カード、リソースを取る《ミシュラのガラクタ》《ミシュラの研究机》、そして《影槍》が定番でした。レガシーでは、マナさえあれば非常に強力な《改良式鋳造所》がありますが、この《除霊用掃除機》はそれと同じぐらいのインパクトを持つカードだと思います。墓地対策で定番の《魂標ランタン》の代わりに、とりあえず1枚だけメインに入れてみたいと思います。相手の《偉大なる統一者、アトラクサ》や《残虐の執政官》を追放してみたくないですか? 土地 同率1位 新たな友好色土地、そのあまりの強さに驚きました。こんな強い2色ランドは久しぶりに見たかもしれません。まず条件などなくアンタップイン。そしてタップで色マナが出て、もう片方の色が出る条件も緩い。何度もスタンダードに再録されていた《陽花弁の木立ち》などの通称チェックランド(またはM10ランド)の上位互換です。条件なく片方の色マナは出るので、たとえば《グルームレイクの境界》であれば、青マナは更に出しやすくなります。1ターン目に青いカードを唱えるディミーアミッドレンジなどは更に色が安定しますね。逆に1ターン目に《強迫》を打つ際にはこの土地は寄与しません。黒い1マナのカードが大量に入っているラクドスミッドレンジのようなデッキには《ブレイズマイアの境界》はうってつけというわけです。アンタップインの強力な土地が増えるということは、それだけアグロデッキが強くなることを意味します。2色のビートダウン、とりわけグルール果敢は現スタンダード環境でも活躍していますが、この土地の登場でマナ基盤が非常に強固なものとなります。これまでは色マナが不安定だったために枚数が押さえられていたカードたちも、採用枚数が再考されるかもしれません。《亭主の才能》や《蛇皮のヴェール》は強力なカードなので、もう少し枚数が増えるのではないでしょうか。フェッチランドから諜報ランドを持ってくるのが定番の動きとなっているモダンでは、この土地はほぼデュアルランド。ディミーアマークタイドなんかには1枚ぐらい入ってもおかしくないのでは?スタンダードやパイオニアのあらゆる友好色デッキが更に安定するようになりましたが、果たして対抗色サイクルは登場するのでしょうか。   総合トップ5  そして全色を含めたトップ5はこちら! 《咆哮する焼炉》を4枚採用した青赤系コントロール、早速組んでみたいです!また、GOOD GAMEでは現在『ダスクモーン:戦慄の館』の各種ブースター・パックを予約販売中!この機会にぜひご予約ください!(ご予約ページはこちら)  

【今週のピックアップデッキ】ゴルガリ上陸/エスパーパルへリオン/感染

Modern Pioneer Standard ピックアップ

2024.09.13

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。 ゴルガリ上陸(スタンダード) スタンダードチャレンジ:5位 By HouseOfManaMTG ゴルガリといえば《裏切りの棘、ヴラスカ》+《亭主の才能》の即死コンボを採用したタイプや、《自由放浪団の見張り》+《玉虫色の蔦打ち》の悪事上陸コンボなど、様々な形のミッドレンジが現スタンダード環境にはありますが、今回紹介するのは更にコンボに特化したタイプ。その名はゴルガリ上陸です。デッキの構造は前環境のティムールランプに似ています。《脱出トンネル》と《寓話の小道》でデッキから土地をサーチし、《事件現場の分析者》でそれらを場に戻してマナ加速。ここに《復活した精霊信者、ニッサ》が絡むと大量のマナが出て、《洞窟探検》が絡むと更にマナを生み出していきます。《洞窟探検》と《復活した精霊信者、ニッサ》が揃った時は脅威。4枚の《寓話の小道》や《脱出トンネル》が墓地にあって、それらが場に戻るとまず4マナ、そしてそれぞれが基本土地をサーチして更に4マナ、場に出てきた基本土地4枚で4マナの計12マナが出てくることになります。ここに更に《無慈悲な殺戮》が加わることでループが始まります。《無慈悲な殺戮》を唱えて場に出ているすべての土地を生け贄にして大量にドロー、その中に《事件現場の分析者》か《森の轟き、ルムラ》が見つかれば、再び唱えて大量のマナを生成。たくさん引いた中に《無慈悲な殺戮》があればループが発生します。これだけでは勝利できませんが、《玉虫色の蔦打ち》をループ中に引けば、唱えて《森の轟き、ルムラ》か《事件現場の分析者》で勝利というわけです。《森の轟き、ルムラ》は新たに加わった強力なクリーチャー。《事件現場の分析者》と同じく墓地から土地を場に戻すカードで、しかもエレメンタルなため、《復活した精霊信者、ニッサ》の能力で手札に加えることができるのです。フィニッシャー枠として採用されている《玉虫色の蔦打ち》はコントロール相手には1ターン目に積極的に唱えられるのも強力。毎ターン攻撃しつつ上陸するだけであっという間に相手のライフを削ります。これまでは上陸した後に大量のマナから勝つ必要があったため、赤をタッチして《世界魂の憤怒》を採用していましたが、《玉虫色の蔦打ち》のおかげでその必要がなくなりました。デッキの性質上、大量の墓地に落ちる土地(《寓話の小道》《脱出トンネル》)とそのサーチ先である基本土地が採用されていますが、《泥干潟村》は数少ないバリューランド。戻すカードは《玉虫色の蔦打ち》だけですが、それで十分です。《事件現場の分析者》や《森の轟き、ルムラ》で、生け贄にした《泥干潟村》も戻ってくるので、序盤に出してダメージを数点出した《玉虫色の蔦打ち》を、ほぼタダで回収することができます。ティムールランプが好きな方はこのデッキを気に入ること間違いなし!ちなみに僕も最近はこのデッキがお気に入りですが、《眠らずの小屋》ではなく《地底の遺体安置所》を採用しています!特定のカードを引き込みたいコンボデッキなため、諜報はこのデッキに合っていて、土地を墓地に落とすことで《事件現場の分析者》で場に出せる数が増えるので、好感触です。《玉虫色の蔦打ち》でダメージを与えている時の《眠らずの小屋》も非常に強いので悩みどころですが、ぜひお試しください! エスパーパルへリオン(パイオニア)   墓地に《パルヘリオンⅡ》を落として《大牙勢団の総長、脂牙》で吊り上げるコンボデッキ、アブザンパルヘリオン。 白黒は確定として、残りの1色として、墓地に《パルヘリオンⅡ》を落としつつ《大牙勢団の総長、脂牙》を手札に加えられる《忌まわしい回収》や追加の機体である《エシカの戦車》が使える緑を使うのが定番でしたが、このリストでは青を採用しています。 パイオニアリーグ:5-0 By Kaberb 青採用のメリットはまずはドローです。《考慮》は墓地にカードを送り込みつつドローするだけですが、《染みついた耽溺》と《信仰の繕い》は2ドローしてカードを捨てるので、《大牙勢団の総長、脂牙》を引き込みつつ《パルヘリオンⅡ》を墓地に送り込めます。掘る枚数は《忌まわしい回収》より少ないものの、5枚から土地かクリーチャーしか拾えないより、2ドローの方が価値が高い場合ももちろんあります。《思考囲い》などが欲しい場合がありますからね。更に青を採用することで打ち消しを採用できるのもメリットです。メインから《頑固な否認》がしっかり採用されており、サイドにも《軽蔑的な一撃》や《ドビンの拒否権》で、しっかり青を利用しています。クリーチャーがほとんど入っていないので、コントロールプランを取りやすいのもメリットです。アブザンパルヘリオンは《エシカの戦車》や《忌まわしい回収》などが入っていることから、持久戦はできても、全体除去で盤面をコントロールするプランを取るのは難しい。しかし、エスパーパルへリオンはドロースペルと《パルヘリオンⅡ》と除去で構成されているので、サイド後は全体除去を増やしてエスパーコントロールのように立ち振る舞えます。特にラクドス果敢のような早いデッキにはこのプランは効果的でしょう。アブザンとは一味違った魅力があるエスパーパルへリオン、見た目がとにかくいいですね! 感染(モダン) ナドゥの3ターンキルやルビーストームの2ターンキルなど、『モダンホライゾン3』ではキルターンの早いコンボデッキが生まれてきましたが、実はそれ以前からずっと2ターンキルデッキはモダン環境に存在していました。それが感染です! SCG CON Tampa:12位 By Quinn Reed しかも難しい手順は一切なし!1ターン目に《ぎらつかせのエルフ》を唱えて2ターン目に《厚鱗化》を打って《古きクローサの力》を打つだけ。これでイージーに毒10個達成となります!モダン黎明期から活躍し続けている感染は、『モダンホライゾン3』のカードをメインボードに1枚も採用していない構成で、懐かしさすら感じます。中でも目を引くのは4枚採用されている《ファイレクシアの十字軍》。このカードの真価が発揮されるのは何と言ってもエネルギー相手でしょう。プロテクション赤・白なのでデッキのどのカードでもブロックできず、除去れず、出されたら後はダメージレースを挑むしかなくなります。感染側はただ《ファイレクシアの十字軍》のパワーを10にするだけで勝てるので、対エネルギーの最終兵器と言えるでしょう。ジェスカイコントロールも《空の怒り》以外でこのクリーチャーを触れませんし、《ファイレクシアの十字軍》が現環境に突き刺さっていることが、感染の強みかもしれません。《強大化》や《変異原性の成長》などが入っている印象でしたが、前者は墓地が肥えてないと使えないため序盤に打ちにくく、後者は修正値が低く、このリストでは未採用。その代わりに相手の除去を回避する《巨森の蔦》《顕在的防御》に加え、《強迫》まで採用されており、これまでの感染よりも除去対策が多い印象です。感染をまたモダンで遊んでみたい方はぜひお試しあれ!

【週刊メタゲーム通信】頂点に立つナドゥを脅かすコンボとコントロール

Modern

2024.08.20

mtg Yuyan

こんにちは。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 毎週、最新のメタゲームをデッキリストと共にお届けするこの記事。今回は大型トーナメントやマジックオンラインの結果から、モダンの最新情報を分析! モダンで吹き荒れる赤い嵐 マジックオンライン上の大会では、近頃ルビーストームの入賞率が急激に上昇しています。 ルビーストーム モダンチャレンジ:5位 By danro さて、まずはルビーストームについて簡単に解説しましょう。ルビーストームは、赤をメインカラーに据えた、最速2ターンキルも可能な超高速のコンボデッキです。《ルビーの大メダル》や《モンスーンの魔道士、ラル》でマナを軽減し、《レンの決意》《無謀なる衝動》でライブラリーを次々と追放していき、《捨て身の儀式》《発熱の儀式》でマナ加速。こうしてライブラリーを掘り進めながらマナを増やしていき、最終的には《願い》から《ぶどう弾》や《タッサの神託者》で勝利します。メインボードに入っているカードは赤のみですが、サイドから《夏の帳》を入れたり、《火の怒りのタイタン、フレージ》を採用したりなど、カラーバリエーションも様々。『モダンホライゾン3』発売当初に大流行したものの、ありとあらゆるカードで意識され続けた結果、プロツアーでは凄まじく低い勝率を叩き出し、その後メタゲームから消えた…と思われていましたが、近頃また活躍し始めています。その大きな要因として、まず1つがエネルギーアグロの躍進にあるでしょう。エネルギー系のデッキはルビーストームを大の苦手としており、サイドボードに少し対策カードは入っているものの、メイン戦はほぼ敗北してしまうため、マッチ単位で見た時の勝率がかなり厳しい。対策を増やせば改善はできますが、エネルギーが見なければならないもう1つの相手にナドゥが存在します。ナドゥに《過酷な指導者》などで枠を割かれており、他にもミラーマッチやトロンなどを考えると、ストームに割けるスロットはそう多くはないのです。そして2つ目は、バントナドゥに対して少し有利である点です。《モンスーンの魔道士、ラル》か《ルビーの大メダル》を2ターン目に出して場に残ればそこそこの確率で3ターンキルできるため、バントナドゥに対してそれなりの勝率を担保できます。バントナドゥに不利ではなく、エネルギーに有利。これがルビーストームの復活した要因と言えるのではないでしょうか。 なお、ルビーストームに関しては僕もかなり回しているので、今週解説記事をアップする予定です! そちらもお楽しみに! モダホラ3で強化されたコントロール 参加者200名を超える大型モダントーナメント、MXPLAでは、バントナドゥがトップ8に4名と圧倒的な勝率でした。 そしてそのトーナメントで惜しくも2位とはなったものの、トップ8に2人を輩出したのが、ジェスカイコントロール。 ジェスカイコントロール MXPLA:2位 By robert seder 『モダンホライゾン3』の恩恵を大きく受けたデッキであり、《電気放出》と《空の怒り》によって、凄まじいコントロール力を見せます。特に《空の怒り》はコントロール待望の1枚。《ウルザの物語》や各種クリーチャーをまとめて、たった2マナで倒せるという破格の全体除去。これまでの他の除去にはなかった《対抗呪文》を構えながらの全体除去を行えてしまうのです。そしてフィニッシャーとして採用されているのは《火の怒りのタイタン、フレージ》。墓地から帰ってきて、クリーチャーに触りながらライフを得て、そのまま相手を殴り倒すその様はまるで《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を見ているよう。というかフレージはほぼウーロなんです。コントロールのウーロは殴ってドローし、その引いた除去で盤面を制圧していきます。フレージはドローする代わりに除去しているので、ほとんどやっていることが変わらないのです。《火の怒りのタイタン、フレージ》の登場でコントロールデッキは《一つの指輪》が更に使いやすくなりました。最早、《一つの指輪》のダメージに怯える必要もなくなったのです。バントナドゥに一矢報いる力があることは、このトーナメントで証明されました。先週は勝ち組となりましたが、今週末は果たして。 最強のデッキは今週も大型大会を制す そして同大会を制したのは、前述の通りバントナドゥ。 バントナドゥ MXPLA:優勝 By Paul Green もうどのリストもほぼ固定になっており、細部の1枚や《邪悪鳴らし》の有無程度しか違いがありません。最強のデッキは、行き着くところまで到達したということでしょう。「明日モダンのトーナメントで勝ちたいならバントナドゥを使うべきか?」そう訊ねられたら、「YES」と答えるしかない。それぐらい支配的な強さです。さて、リストに関するお話です。《邪悪鳴らし》を採用する場合は、昂揚を達成しやすいので《変容する森林》の枚数が2枚になっています。1枚差しにたまに採用されている《造物の学者、ヴェンセール》は、《召喚の調べ》で相手の致命的な呪文やパーマネントを戻す際に使用できるだけでなく、無限コンボを決めた後のフィニッシャーとしても活躍します。(最終的に相手のパーマネントがすべて手札に戻る)サイドボードの《巻き添え》は同型対策として今最も注目されているカード。《裂け目掃き》もたまに採用しているリストがありますね。こちらは《石の脳》などのナドゥを追放された際の対策となっています。今週使用するのであればストームが多そうなので、《ドラニスの判事》と《魂なき看守》に加えて《耳の痛い静寂》や《減衰球》もオススメです!

GOOD GAMEメディア、始まります

ピックアップ

2024.07.10

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皆様、初めまして。 細川 侑也(@yuyan_mtg)です。 このたび、トレーディングカード専門店「GOOD GAME」は新たにGOOD GAMEメディアを立ち上げることとなりました。 GOOD GAMEメディアでは、当店で取り扱っている製品「マジック:ザ・ギャザリング」の様々な記事を掲載していきますので、ぜひ当サイトに足を運んでいってください! GOOD GAMEとは GOOD GAMEは、流山おおたかの森駅から徒歩1分にあるトレーディングカード専門店です。 マジック・ザ・ギャザリング、ポケモンカード、Flesh and Bloodを取り扱っており、通販サイトではマジック・ザ・ギャザリングをメインに販売しています。 ウェブサイトはこちら あなた、誰ですか? ライターを務める僕の自己紹介も必要ですよね。 僕は細川 侑也。マジック界ではゆうやんと呼ばれることが多いですね。 ※画像は公式サイトより引用   マジックを始めたのは、親和が大暴れした初代『ミラディン』。僕が初めて組んだデッキも親和でした。競技大会での実績は グランプリ名古屋2018:準優勝 グランプリ横浜2019:トップ8 グランプリ千葉2019:トップ8 The Final 2019:トップ8 The Last Sun 2022:準優勝 プレイヤーズコンベンションオープン2022:準優勝 チャンピオンズカップファイナル:準優勝 コンボとコントロールが好きで、ビートダウンが嫌いなプレイヤーです。《ドミナリアの英雄、テフェリー》大好き!《ヴェールのリリアナ》は勘弁してください! 面白いデッキを開発したり使うのが好きで、人気のあるデッキを選ばない傾向にあります。そんな競技シーンに20年近く身を置いている僕が、様々な記事をお届けしていきます。 どんな記事があるの? やっぱり気になるのは記事の内容ですよね。というわけで、今後の記事の更新予定をカレンダーに記載しました! 一つずつ、内容を紹介していきます。 週刊メタゲーム通信 週末に行われた大会結果をまとめ、メタゲームに関する考察を行う記事です。 主にパイオニアやモダンを想定しており、時期によってはスタンダードの記事も上がります。 週刊メタゲーム通信を読んで、その週の大会に備えてみてはいかがでしょうか? デッキ解説記事 僕が普段使用しているデッキを紹介・解説する記事です。軽いデッキ紹介から個々のカード選択、基本的なプレイに関するお話などをしていきます。解説してほしい記事があれば、リクエストしてください!全部にお応えすることはできませんが、リクエストからもデッキをチョイスします! 今週のピックアップデッキ 珍しいデッキや新しいデッキを3つほど紹介する記事です。基本的にはそれぞれ違うフォーマットからチョイスする予定です。様々な大会結果から探すので、もしもあなたが珍しいデッキで平日大会を勝ったら、ご紹介させていただくことになるかもしれません! その他 上記以外にも、様々な企画を立案中です!マジックをプレイする時間があまり取れない人向けの効率的な練習方法や、初心者が上達していく道筋など、単なる攻略情報以外もお届けしていきます! 初回の記事は明日から! 早速GOOD GAMEメディアの最初の記事が明日アップされます。「こんな記事を読みたい」「このデッキを紹介してほしい」などの要望がございましたら、ぜひ僕のX(@yuyan_mtg)までお声がけください!それでは皆様、末永くよろしくお願いいたします!