こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
さあ、今週末はビッグマジックさん主催のBig Magic Openがありますね!メインイベントのレガシーと恒例のチームモダンが行われます。
チームモダンは1チーム3人で構成されます。3対3で戦い、2勝したチームの勝利となります。
同名カードを3人の内1人しか使用することができないという構築制限があり、プレイヤーAが《聖なる鋳造所》を使ったらプレイヤーBとCは《聖なる鋳造所》を使用できません。そのため、3人全員がボロスエネルギーを使えません。そのフォーマットで最も強いデッキを全員が選ぶことができないのが、チーム構築の面白いところです。
ということで今回は、現環境におけるモダンで最適解となるデッキの組み合わせをご紹介していきます。
モダンを定義するカードを探せ
「今の環境で最も強いデッキは何か?」その問いに答えるのは、フォーマットに精通していればさほど難しくはないでしょう。
しかし、最も強いカードは何かと聞かれると、簡単には答えられないのではないでしょうか?普段の構築戦では、このフォーマットで最強のカードについて考える機会はさほど多くありません。(新しいデッキを組む際に、最強のカードから構築するという手法はあります)
チーム構築のデッキを組むにあたって大事なのは、強いカードをいかにたくさん使うか、最上位のカードたちを使えるかだと僕は考えています。
そこで今回はモダンの強いカードランキングをご紹介していきます。
1位《火の怒りのタイタン、フレージ》
現モダン環境において最強のカードは何と言っても《火の怒りのタイタン、フレージ》です。
3点ゲイン+除去に加え、《栄光の闘技場》による一撃必殺など、ほぼ《自然の怒りのタイタン、ウーロ》、なんならウーロより強いとまで言われているこの恐ろしいクリーチャー。フェッチランド+諜報ランドが基本となるモダンでは諜報でぽろっと《火の怒りのタイタン、フレージ》が落ちてそのまま勝利なんてこともあります。この《火の怒りのタイタン、フレージ》をめぐって墓地対策を打ちあうほどで、ボロスエネルギーがたくさんの禁止を出してもメタゲームの最前線に居座ることができているのは、《火の怒りのタイタン、フレージ》が禁止にならないからです。
2位《ウルザの物語》
次に強いカードは《ウルザの物語》。
『モダンホライゾン2』から既に4年が経過していますが、それでもまだモダンで最強の一角でもある土地。土地から5/5ぐらいのサイズのトークンが2体出ながらカードをサーチするのはやはりおかしい。デッキによっては《ウルザの物語》だけで負けてしまうこともあるほど。
しかも《ウルザの物語》はルール変更によって強化されました。2章の状態で《血染めの月》などを置かれると、以前は能力を失って墓地に置かれましたが、今は戦場に残り、しかも2章のトークン生成能力を持ったままになります。これにより《ウルザの物語》の価値は上昇しました。
《オパールのモックス》が解禁されたのも《ウルザの物語》によっては追い風です。生成するトークンのサイズはアーティファクトの数に依存するため、《オパールのモックス》を使うアーティファクトデッキとの相性が良いのです。3章のサーチで《オパールのモックス》をサーチすれば《ウルザの物語》分のマナも補填できます。
3位《超能力蛙》/《コジレックの命令》
いずれも『モダンホライゾン3』のカードたちです。《超能力蛙》はそのあまりの強さにディミーアをモダンのトップメタに押し上げたほどで、先手2ターン目に出てきた時の圧力はピカイチ。エネルギーにはブロッカーとして立ちはだかり、コンボ相手には不要なカードを捨てて速やかなクロックになりつつ、打ち消しを供給してくれます。
どのマッチにおいても活躍するスーパーカードで、《超能力蛙》をよく引くディミーアはトーナメントで優勝する可能性が高いと言われるほど。
そんな悪魔の蛙と肩を並べるのが《コジレックの命令》。
これまでインスタントタイミングのアクションも除去もドローも少なかったエルドラージが、突然そのすべてを手に入れました。墓地対策のオマケもつき、マナコストはなんと破格の2マナ+X。エルドラージは《ウギンの迷宮》《エルドラージの寺院》と、土地1枚から2マナを捻出できるため、速いターンにキャストすることができます。
以上が今のモダンにおけるトップ3(4枚)だと考えています。これらのカードをなるべく多く使用して、デッキを組んでいきましょう。
《火の怒りのタイタン、フレージ》デッキ
《火の怒りのタイタン、フレージ》を使うデッキとしてまず考えられるのはボロスエネルギーです。
モダンの王道にして最強のデッキ。《色めき立つ猛竜》《湧き出る源、ジェガンサ》《一つの指輪》を失ってもまだ強いとは実に恐ろしい。
《オセロットの群れ》は1マナ域ながら単体でゲームに勝利してしまうほどの強さを持つとんでもない猫。《魂の導き手》と組み合わせてライフレースを壊し、ゲームも壊します。かつて最強の1マナ域だった《敏捷なこそ泥、ラガバン》は、もはやこのデッキにおいては2番手3番手です。
妨害されなければ4ターンキルとそこそこ速いアグロでありながら、諜報ランドと《火の怒りのタイタン、フレージ》、そして《歴戦の紅蓮術士》《鏡割りの寓話》で中盤戦も強力と、様々なレンジで戦えるのが魅力的です。
赤白2色のためカードのかぶりも少なく、《火の怒りのタイタン、フレージ》を使うデッキとしてまず考えられるのがボロスエネルギーです。
ドメインズーも《火の怒りのタイタン、フレージ》を使う強力なデッキ。
《ギルドパクトの力線》+《ドラコの末裔》コンボを内蔵するビートダウンデッキで、回った時はボロスエネルギーをも凌ぐ破壊力を誇ります。
《力線の束縛》は万能除去、《頑固な否認》もコンボに対して強力で、ボロスエネルギーよりも対応力が高いデッキです。
5色ゆえにチーム戦に向かないと思われがちですが、入っているショックランドは《血の墓所》《聖なる鋳造所》《蒸気孔》《寺院の庭》なので、意外と他のデッキと共存できます。
ただ、他に青いデッキを入れる場合は《記憶への放逐》が使えないので、その点がネックですね。
《ウルザの物語》デッキ
《ウルザの物語》を使うデッキは比較的コンボが多め。その中でも繁殖鱗コンボは同時に《コジレックの命令》も使用できて、強いカードをたくさん使えてお得です。
《日を浴びる繁殖鱗》と《血の長の刃》による2枚コンボにエルドラージを組み合わせたこのデッキ。《コジレックの命令》はコンボを探しにいくもよし、《日を浴びる繁殖鱗》と《血の長の刃》で無限マナを決めた後のフィニッシャーとしても強く、このデッキのキーパーツです。
コンボ自体は最速3ターンキルで、《のたうつ蛹》《まばゆい肉掻き》によるエルドラージ軍団によるビートダウンもあり、それなりに多角的な攻めが可能。オススメのデッキの1つです。
アミュレットタイタンはモダンの最速コンボの一角。2ターンキルも可能な恐ろしいデッキです。
《ウルザの物語》以外のカードは緑関連のカード(《耐え抜くもの、母聖樹》や《溜め込み屋のアウフ》など)しか使わないため、チーム構築戦において優秀なデッキです。
《精力の護符》を置いて《風景の変容》を打つだけで勝てるようになってしまったアミュレットタイタン。正しくプレイするのが難しいとされているデッキなので、ある程度の練習は必要ですが、一度物にすればしばらくアミュレットだけで飯が食えます。
親和は《ウルザの物語》《オパールのモックス》のペアを同時に使用できるデッキ。イゼットコーリもこの2種を使えますが、爆発力は親和の方が上です。
《河童の砲手》はモダンでもかなり触りづらく、2~3ターン目に出てくればそのままゲームが終わります。《ピナクルの特使》という相性の良いカードも登場し、そろそろ暴れてくれるかもしれませんね。
《超能力蛙》デッキ
超能力蛙デッキの代名詞と言えばディミーアマークタイド。というかこのデッキの主役は《濁浪の執政》ではなく《超能力蛙》な気がするのですが、どうしてデッキ名はディミーアマークタイドなのでしょうか。
青黒らしく大量の打ち消しと除去、そして少量のドローで構築されたデッキで、コンボに対しては特に高い勝率を誇ります。
トップメタであるエネルギー、そして《火の怒りのタイタン、フレージ》こそ苦手なものの、それ以外の弱点はさほどなく、強力なデッキです。
《御霊の復讐》で《偉大なる統一者、アトラクサ》を吊り上げるリアニメイトデッキ、エスパー御霊。《偉大なる統一者、アトラクサ》を墓地に落とす目的で入っている、いわゆる共鳴者枠の《超能力蛙》は、共鳴者としてはあまりに強すぎます。
リアニメイトは墓地対策で簡単に止められてしまいますが、《超能力蛙》+打ち消しか除去のフェアプランでサイド後は戦うことができ、《超能力蛙》はエスパー御霊で最も強いカードなのです。
《御霊の復讐》で釣った《偉大なる統一者、アトラクサ》を明滅させる目的で採用されている《儚い存在》は、《量子の謎かけ屋》が加わったことで対象が広がりました。《儚い存在》のバリューが更に上がったこのリストは中々オススメです。
《コジレックの命令》デッキ
繁殖鱗コンボを除けば《コジレックの命令》を使うのはやはりこのデッキしかありません。
《ウギンの迷宮》《エルドラージの寺院》で2ターン目にX=2で打つこともでき、《衝動のタリスマン》が絡めばX=3で2ターン目にドローとトークン3体を生成。3ターン目にして8マナを確保できます。
その爆発力はコンボデッキも真っ青になるレベルです。
《記憶への放逐》というキラーカードこそ環境に存在していますが、それでもモダンの最上位たちと肩を並べる存在です。
上位カードを使わない強力なデッキ
モダンはどのデッキも強く、上位のカードたちを使わない強力なデッキがいくつもあります。
ベルチャーはその中でも随一と言って良いでしょう。カードのかぶりも《記憶への放逐》以外はほぼ心配いりません。チーム戦において大変優秀なデッキですね。
両面土地を並べて《ゴブリンの放火砲》を起動するだけ…と非常に簡単そうに見えるデッキですが、実は難しく、練習が必要です。回った時は相手のカードを打ち消しながら4ターン目に《ゴブリンの放火砲》起動と、最強のデッキに見えます。
《記憶への放逐》を使ってしまうので青いデッキはベルチャーだけになってしまうでしょうが、逆に言えば2人が青くなければ、最後の1人はベルチャーがオススメですね。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》《ベイルマークの大主》擁するオルゾフ・エスパーブリンクもまた、上位カードを使わずに組める強いデッキです。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》で《ベイルマークの大主》を明滅させてアドバンテージを稼いでいき、《孤独》で盤面に触れたり、《ちらつき鬼火》で妨害したりなど、速度こそさほどありませんが、粘り強く戦って相手を倒すデッキです。
エスパーブリンクは《超能力蛙》か《量子の謎かけ屋》のどちらかが入っているのが最近の流行です。《超能力蛙》も使えば強いカードも使えてちょっとお得ですね。《量子の謎かけ屋》は前述のエスパー御霊でも採用されている《儚い存在》シナジーを仕込めますね。
組み合わせサンプル
最後に、まとめとして構築サンプルをご紹介します!
サンプルA
ボロスエネルギー
ディミーアマークタイド
エルドラージ
サンプルB
ドメインズー
繁殖鱗コンボ
オルゾフブリンク
サンプルC
ボロスエネルギー
エスパー御霊
アミュレットタイタン
サンプルD
・サンプルD
ボロスエネルギー
繁殖鱗コンボ
ベルチャー
サンプルE
ボロスエネルギー
親和
エルドラージ
こうして見ると、《火の怒りのタイタン、フレージ》を使うデッキとしてはやはりボロスエネルギーは優秀ですね。《記憶への放逐》を使わなければドメインズーも大体のデッキに組み込むことができます。
《ウルザの物語》はほぼどの組み合わせにも入りますね。使わない選択肢はあまりないでしょう。
青いデッキを他に用意しないのであればベルチャーはかなり良いデッキです!
チーム戦のデッキに迷っている方はぜひ今回の記事を参考にしてみてください!