前回までのあらすじ。
日曜日のスペシャル予選で4色弾薬を使用し、《無効》のヤバさに気が付いたゆうやんは、月曜日のスペシャル予選の予約をしつつ、新たなデッキについて思案を巡らせるのであった。
というわけで今回は、月曜日のスペシャル予選で使用したデッキの解説記事をお届けします。
イゼット大釜に勝つ2つのカギ
イゼット大釜というデッキは《アガサの魂の大釜》《迷える黒魔道士、ビビ》のコンボで勝つデッキ、というわけではありません。それはあくまでゲームプランの1つ。
最も強力なのは《略奪するアオザメ》《逸失への恐怖》《光砕く者、テルサ》によるプレッシャーと、それを後押しする《プロフトの映像記憶》。
1ターン目に出てくる《略奪するアオザメ》は《逸失への恐怖》《光砕く者、テルサ》でどんどん大きくなっていき、無視できないサイズになります。後続の《逸失への恐怖》は除去しなければすぐに昂揚を達成して爆発的な打点を叩き出してくるので、《略奪するアオザメ》を放置せざるを得ません。
すると今度は《光砕く者、テルサ》が飛んできます。速攻で《光砕く者、テルサ》が殴ってくると、《略奪するアオザメ》は既に4/4。《略奪するアオザメ》を除去らざるを得なくなり、《光砕く者、テルサ》のダメージが通り続けることになります。
ここに《プロフトの映像記憶》が加わると打点は更に上がります。《審判の日》で盤面をリセットした返しに《光砕く者、テルサ》+《プロフトの映像記憶》だけで5点、そこに《冬夜の物語》が加わったりするとあっという間にリーサルに。
昨日の記事でお話したように《無効》が強いのは、この相手の動きに対し、《逸失への恐怖》《プロフトの映像記憶》にたった1マナで触れることができるためです。
《略奪するアオザメ》スタートの相手にも2ターン目の《逸失への恐怖》をカウンターすればかなり楽になりますしね。当然《プロフトの映像記憶》を打ち消せば計算外の打点が飛んでくることもなく安心です。イゼット大釜相手には《無効》はあればあるだけ良いと思いました。
しかし、相手のビートダウンを抑えれば勝てるというわけでもありません。そう、最初にお話ししたゲームプランの1つである《アガサの魂の大釜》《迷える黒魔道士、ビビ》があるためです。
《アガサの魂の大釜》で《迷える黒魔道士、ビビ》を追放して、自軍クリーチャーたちから大量のマナを出し、《冬夜の物語》を連発してリソースを稼ぎ、最終的に見つけた《プロフトの映像記憶》で巨大なクリーチャーを作り、《竜航技師》の速攻でゲームを決める。長期戦も戦えるのがイゼット大釜です。
これに対して有効なのが墓地対策。イゼット大釜に墓地対策が効かないのではなく、単に《プロフトの映像記憶》によるビートダウンがメインプランなだけです。《プロフトの映像記憶》をしっかりと封じれば墓地対策はしっかり効果があります。
《逸失への恐怖》の昂揚、《冬夜の物語》の調和キャスト、そして《アガサの魂の大釜》と墓地を使うカードは多く、それらを封じることには大きな効果があります。とはいえ、《冬夜の物語》を手札からキャストとしてそのまま墓地からの調和を防ぐのは、《除霊用掃除機》や《魂標ランタン》といった生半可な墓地対策では無理です。
それなら墓地対策界隈のナンバーワン、《安らかなる眠り》を使うしかないでしょう!そして《無効》と《安らかなる眠り》を使えて、しかもビートダウンを止められるデッキとなれば。
そう、アゾリウスコントロールです!
アゾリウスコントロールにしようと決めたのが日曜日の夜。家に帰ってゲームをする時間はなかったので、脳内調整を行いました。今回はその脳内調整の結果できたリストです。
デッキリストとカード解説
《ミストムーアの大主》
アゾリウスコントロールがローテーションで失った中で最も痛いと感じたのは《完成化した精神、ジェイス》でした。
《マラング川の執政》《食糧補充》とドローが非常に強い今のアゾリウスコントロール。《マラング川の執政》は前兆で唱えた後にライブラリーに戻るため、後半になればなるほど《マラング川の執政》を引く確率が上がり、最終的には毎ターン《マラング川の執政》を繰り返し前兆することになります。
そうするとライブラリーを全部掘れるので、《完成化した精神、ジェイス》という絶対的なフィニッシャーに最終的にアクセスできます。
そのため、これまでのアゾリウスコントロールではメインに《完成化した精神、ジェイス》を2枚採用することで、クリーチャーで殴る必要がなく、そのためフィニッシャーは最低限で良かったのですが…残念ながらその《完成化した精神、ジェイス》が落ちてしまいました。
というわけでフィニッシャーが求められており、《ミストムーアの大主》はその中で最も攻撃的なカード。
8割ぐらい兆候でプレイします。調候中は除去で触られないのが結構強く、最終的に兆候明けたところに打たれた除去をカウンターしてそのまま殴り勝ちます。
《三歩先》のコピー先としても強く、この動きはよくやるので覚えておきましょう。
《マラング川の執政》
上で早速名前が挙がっていた《マラング川の執政》。前環境では最終的に《完成化した精神、ジェイス》を引き込む手段として強かったので4枚入っていましたが、今回のリストでは2枚です。
正直クリーチャーで出した時の性能が主にサイド後に強いので3枚以上入れたいのですが、後述する新たなドロースペルが強すぎるので、4マナが膨れてしまい、泣く泣く2枚になりました。
《マラング川の執政》として出すと6マナ6/7飛行とあまりにでかすぎる上に、2体バウンスと超強力。一気に盤面をひっくり返し、殴りにいけるようになります。
サイド後はクリーチャーとして出すことも多く、《ミストムーアの大主》と合わせてこのデッキのフィニッシャーとして活躍してくれます。《三歩先》のコピー先にもオススメ。
《跳ねる春、ベーザ》
フィニッシャーとしては少し不安ですが、実はゲームの多くを決めるのは彼(彼女?)。
なんといってもその軽さが魅力で、大体不利な場で出てきてライフを回復しながらチャンプブロッカーを生成します。ドローも先手ならまあまあしますね。
4ターン目はもちろん、《喝破》を構えつつ6ターン目に出すこともまあまああります。環境がイゼット大釜を中心に回っているので4/5というサイズがとても頼もしく、突破されにくい。
サイド後は《否認》を入れられるので《跳ねる春、ベーザ》がやはり通ることが多く、時間を稼いでくれます。
フィニッシャーではないためメインに入れていないリストも多いですが、僕は《跳ねる春、ベーザ》は必須だと思います。ライフゲインがメインに入っていないのはやはり怖いです。
《失せろ》
説明不要の除去。地図2枚をあげてしまうので《喝破》とはアンチシナジーですが仕方ありません。無条件で2マナでクリーチャーやエンチャントに触れるのは破格すぎます。
あげた地図をそのターン中に使われると、次の相手のドローの質がかなりよくなるので、ダメージを喰らってターン終了時に打つのが基本的な使い方です。序盤の2点はどうでも良いです。
《古代魔法「アルテマ」》で地図ごと巻き込むこともあるので覚えておきましょう。
《喝破》
ちょっと強い《マナ漏出》程度のカードでしたが、《アガサの魂の大釜》がここまで流行っている現状では、このオマケの追放がかなり効果的です。《迷える黒魔道士、ビビ》を《喝破》で打ち消せば《アガサの魂の大釜》で追放されませんからね。これが《マナ漏出》だったらえらいことになります。
アゾリウスコントロールは長期戦になりがちなので《喝破》は後半までとっておくと腐ります。あまり強くないカードでもとりあえず《喝破》で打ち消しておいた方が良い場合が多いです。
《星間航路の助言》
今回一番語りたいカードはこの《星間航路の助言》です。
このカードはあまりに強すぎる。《食糧補充》の強さにも衝撃を受けましたが、ことコントロールに限って言えば《星間航路の助言》は《食糧補充》を超えています。
《食糧補充》と比べて4マナで打った時は見る枚数は1枚少なく、追加で1マナと少し弱いですが、これでも《星間航路の助言》の方が強いケースがあるぐらいです。それはもちろん《星間航路の助言》がインスタントだからです。
コントロールデッキの《食糧補充》が難しい理由は、ソーサリーだからでした。《食糧補充》で見た5枚で、次の相手の動きと出てくるカードを想定し、それに構う必要があるか、あるいは放置した時にこちらはどんなアクションを次のターンにしていかなければならないかを予想して、その上で2枚をチョイスする必要がありました。
しかし、《星間航路の助言》を打つのは相手ターンの終了時です。次に迎えるのは自分のターンなので状況はさほど変わりませんし、最も今の状況に適した2枚を手札に加えるだけで良いのです。
例えば盤面に強力なクリーチャーが展開されていれば《失せろ》+何か、何も出てこなければ打ち消し呪文とドローといったように、インスタントだからこそ適切なカードチョイスが行えます。
そして2マナでキャストできるのも魅力です。6ターン目ぐらいにどうしても打ち消しが欲しい場面で6枚を見てそこから1枚を取ることも可能で、これは《食糧補充》にはできません。
更にゲーム後半には10枚から2枚を見るという《時を越えた探索》超えの凄まじいドロースペルになります。《星間航路の助言》を使っていてライブラリーが一巡することが何度もありました。
序盤・中盤・終盤いつ使っても強く、《食糧補充》は減らしたいと思った一方、《星間航路の助言》は強すぎるので絶対に4枚から動かないと確信しました。
コントロールデッキでは《星間航路の助言》が最強です。パイオニアやモダンの青いコントロールでも強いはずなので、スタンダードでは絶対に4枚です。信じてください。
《食糧補充》
というわけでアゾリウスコントロールにおける最強ドローランキングで玉座から陥落してしまった《食糧補充》ですが、まあ当然強いです。
3ターン目に打つのはいささか不安がありますが、5ターン目に唱えて《喝破》か《失せろ》を唱える動きが強力です。これは《星間航路の助言》にはできない《食糧補充》ならではのストロングポイント。
4枚入れていたのですが、少々ドローは過剰に感じました。少し回していればこの辺りは調整が入ったでしょう。もしもう一度このデッキで大会に出るとしたら3枚に減らして除去を増やしますね。
《三歩先》
3マナで打ち消して良し、5マナで打ち消しながらカードを引いても良し、クリーチャーをコピーしても良し。
《ミストムーアの大主》《マラング川の執政》とコピーしがいのあるクリーチャーが多いので、最近では《三歩先》のコピーモードをよく使います。特にマッチアップによってはコピーの方がドローより全然使うこともあるほど。
このリストはドロースペルが多いので、5マナで打ち消してドローするよりも、3マナで消しながら打ち消しを構える展開が結構あります。これはネガティブな意味合いではなくポジティブです。ドローをたくさん入れることにより、《三歩先》で無理して引かなくて済んでいます。
《審判の日》
最近は毎セット全体除去が刷られますが、最もシンプルな全体除去、《審判の日》を多めに入れることにしました。
《静寂のその先へ》の追放はかなり魅力的でした。《アガサの魂の大釜》で墓地のクリーチャーを食われませんし、ユウナデッキ相手にも追放は偉い。しかし、やはり5マナは重く感じました。
イゼット大釜との対戦を考えると4マナと5マナの差はかなり大きく、相手視点でも《審判の日》は割り切ってくることも多いので、刺さる場面はそれなりにありました。
追放に関しては《安らかなる眠り》をメインから入れることで解決し、《審判の日》を一番多くしました。
《安らかなる眠り》
メインに投入した理由は既に説明した通り。イゼット大釜とのメイン戦に勝つために《逸失への恐怖》の弱体化、《アガサの魂の大釜》の無効化、《冬夜の物語》のフラッシュバックを防ぐ《安らかなる眠り》を投入しました。
ユウナデッキや《陰湿な根》など墓地デッキもついでに対策できて便利です。
《星間航路の助言》《食糧補充》とドローが多く、カードを掘れるので、ゲーム中盤までに《安らかなる眠り》が見つかることが多く、それでも十分間に合うと思い、メインに入れることにしました。対ドレッジと違い、イゼット大釜との戦いでは2ターン目の設置がマストでないのが大きいです。
《縫い目破り》
思ったより使っていて便利だったカード。《ポータブル・ホール》より割られにくいのでイゼット相手に安心して置けますね。
イゼット大釜は3マナ以上のクリーチャーも多く、《縫い目破り》が腐る展開が嫌だと思っていましたが、実際負けパターンは序盤の《略奪するアオザメ》と《逸失への恐怖》《プロフトの映像記憶》、すべて2マナ以下なので、《縫い目破り》があればあるほど安定します。
もし次にトーナメントに出るなら《縫い目破り》はメインに3、サイドに4枚目を用意するでしょう。
《プロフトの映像記憶》を追放すると《洪水の大口へ》でドローされるので注意。《略奪するアオザメ》が一番対象として良いです。
《古代魔法「アルテマ」》
1枚ぐらいはアーティファクトもまとめて破壊できるカードを入れようということで投入。《アガサの魂の大釜》を吹っ飛ばすこともあり、ちゃんと強かったです。
フリースロットではあるものの、できれば全体除去を入れたいところです。《ピナクルの星檻》はダメです。理由は後述します。
《沈んだ城塞》
土地部分で一番悩んだのは《沈んだ城塞》の枚数です。
2種類の2色ランドが落ちたアゾリウスコントロールは、これまで2枚ほどの採用にとどめていた《不穏な投錨地》を2色ランドとして大量に入れています。が、この《不穏な投錨地》をとにかく起動しないのが今のアゾリウスコントロール。
なぜなら、大体の場合で《噴水港》を起動した方が強いからです。《噴水港》で魚や宝物を生み出してカードを引いていけば勝てるので、《不穏な投錨地》でライフを詰める必要がありません。
それなら《不穏な投錨地》と同じ2色ランド…よりは弱いですが、それに近い性能の《沈んだ廃墟》をたくさん入れたいと考えました。
1枚引けば《噴水港》の起動が楽になり、2枚あれば土地3枚から宝物生成とかなり便利なので、最終的には3枚採用し、《不穏な投錨地》は1枚のみになりました。
選んだ色しか出ないので2色ランドとしては《不穏な投錨地》より弱く、マナベースのことも考えてこのバランスです。カードの強さとしては《沈んだ城塞》を4にしてもいいほどだと思っています。
《無効》
ここからはサイドボード。
《無効》の強さについてはお話しした通り。イゼット大釜の《逸失への恐怖》《プロフトの映像記憶》《アガサの魂の大釜》に当たるカードで、殴るプランとコンボプランのどちらも咎めます。軽すぎるので後手でも構えられる素晴らしいカード。
4枚目を入れても良いかなと思ったぐらいです。
《勝利の楽士》
今回の最大の失敗は《勝利の楽士》でした。
当初はこのカード、イゼット大釜にサイドインする予定でした。カウンターが大量に入ってきて、《轟く機知、ラル》も出てくるので、盤面にプレッシャーがあるカードかつカウンターを無効化する《勝利の楽士》は強いと思ったのです。
しかし、これが大誤算でした。ラウンド1でイゼット大釜とゲームをしてみて、《勝利の楽士》が活躍する瞬間はまったくないと思いました。
打ち消しを構えなられない相手はタップアウトしてきてますし、その際に腐っているカウンターを《光砕く者、テルサ》などで捨てて有効牌に変えられます。
《勝利の楽士》のサイズは1/3なので、《逸失への恐怖》《光砕く者、テルサ》が立たれるだけで殴れません。《轟く機知、ラル》へのプレッシャーも無意味です。
このことに初戦で気づき、かなりがっかりしました。そもそも大会が始まる前に何も疑問に思わなかった自分を呪いたかったですね。
とはいえ、アゾリウスコントロールが増えてくるであろう今後は《勝利の楽士》は結構強いかもしれません。ミラーマッチはさすがにとんでもなく強いです。《失せろ》を持っていなければ大体ゲームセット。
イゼット大釜には入れませんが、青いコントロールには強いです。ディミーアミッドレンジにもサイドインします。
《否認》
ゲームが長引くので《呪文貫き》はダメです。《否認》を必ず入れましょう。
《鳴り渡る龍哮の征服者》
主にイゼット大釜を想定。《迷える黒魔道士、ビビ》《アガサの魂の大釜》が止まり、ついでに地図の起動ができなくなります。《失せろ》が万能除去になるのは意外と大きい。
イゼット大釜は《蒸気核の学者》型でない限り飛行はいないので空から殴り勝てます。
《ティシャーナの潮縛り》
なんだかんだ万能ですね。サイドインする相手はかなり多く、イゼット大釜にも入れます。
打ち消しをかいくぐれる小粒クリーチャーで殴られることが多いので、何か適当なカードを《ティシャーナの潮縛り》で打ち消しつつ盤面に3/2を出し、小粒なクリーチャーと相打ちを取るのが役目です。
《跳ねる春、ベーザ》
ビートダウン全般からイゼット大釜、アゾリウスコントロールミラーなどほとんどの相手にサイドインします。
メインはアグロだけに強いカードですが、サイド後はコントロール相手にも頼もしいカード。アグレッシブプランを取ってくる相手にも《跳ねる春、ベーザ》で粉砕できます。たとえばミラーの《勝利の楽士》などがそれに当たります。
《ミストムーアの大主》
こちらから攻める必要があるマッチやミッドレンジ全般にサイドインします。ディミーアミッドレンジに勝つにはまず《ミストムーアの大主》しかありません。
《別行動》
アグロデッキに追加の全体除去が欲しく、ただ《ピナクルの星檻》は入れたくなかったのでこちらに。《審判の日》を見せると4マナはケアされるので、1ターン速い《別行動》にしました。
アグロ対策であれば何でもよいですね。《縫い目破り》の追加とかでも良さそうです。
採用しなかったカード
《ピナクルの星檻》
《略奪するアオザメ》《逸失への恐怖》《アガサの魂の大釜》と色んなカードに触れるように見えて、アーティファクトなのですぐ割られてしまいます。
しかも割られた時に《逸失への恐怖》でカードを引かれるので、全体除去として不安定なだけでなく、リソースを取られる危険性もあり。
まったく有効活用できる気がしなかったので抜きました。
《嵐の討伐者、エルズペス》
前環境からこのカードは否定派で、いまだにその評価は変わっていません。
フィニッシャーとしては《ミストムーアの大主》に劣り、中盤に出すなら《跳ねる春、ベーザ》の方が強い。帯に短したすきに長し。
イゼットに単純に弱いカードなのもマイナスでした。ミラーマッチのサイド後とかは強そうですが。
イゼット大釜との戦い方
普段の記事ではこのあたりにTIPSとかを書くところなのですが、正直言ってこのアゾリウスコントロールは本当にシンプルな構成!
除去、カウンター、ドローしか基本的には入っていません。なので特別なプレイ指針などはなく、オーソドックスなアゾリウスコントロールです。
ただ、イゼット大釜の戦い方だけはしっかり知っておかないと負けてしまいます。なので今回は特別に対イゼット大釜についてだけ別項目で書くことにしました。
イゼット大釜に負けるパターンをまずは把握しましょう。
1.《略奪するアオザメ》から始まるテンポ展開
《略奪するアオザメ》《逸失への恐怖》《光砕く者、テルサ》と先手で回ってきた場合、こちらが対応できるのは相手の《光砕く者、テルサ》が最初です。そのため、2ターン目に2点、3ターン目に4点と喰らってこの時点で14。
ここで《逸失への恐怖》を除去しながら後続を対処できない展開は大体負けてしまいます。サイド後はこの展開を作られないために《無効》をサイドインしています。
2.《プロフトの映像記憶》+クリーチャー
《審判の日》をケアしてクリーチャーを1体ずつ展開し、《プロフトの映像記憶》で成長させてくる展開です。《冬夜の物語》でリソースを獲得しながらクリーチャーのサイズを上げてくるので、すぐに対処しなければならない上に、後続が次々と供給されてきます。
《プロフトの映像記憶》そのものに対処してしまえば除去をある程度は温存できるので、《プロフトの映像記憶》は場に残さないようにします。《失せろ》を使う場合もあります。ただし、手札に《プロフトの映像記憶》が腐っているパターンもあるので難しいところ。
《プロフトの映像記憶》を打ち消せる状態なら《プロフトの映像記憶》を割りにいくのもアリですが、相手から対消滅を気にせず1ドローをしに《プロフトの映像記憶》を出してくることの方が多いです。場と墓地で3枚見えたら割るぐらいの感覚でいましょう。
3.《アガサの魂の大釜》+《迷える黒魔道士、ビビ》
もちろんこれも負け筋の1つです。《迷える黒魔道士、ビビ》や手札から出すと《喝破》で追放されるので、よく《光砕く者、テルサ》や《冬夜の物語》で墓地に置かれます。
《迷える黒魔道士、ビビ》が出てくる→返しで2体ほど巻き込んで《審判の日》→返しで《アガサの魂の大釜》《迷える黒魔道士、ビビ》が決まる、という展開もあるので、《迷える黒魔道士、ビビ》を墓地に落とすのはある程度慎重に。
この3つがイゼット大釜に負けるパターンです。かなり頻発するので、それぞれの対応方法をしっかりと把握しておきましょう。
イゼット大釜との戦いではリソース勝負になると《冬夜の物語》が大暴れします。そのため、一度盤面をリセットして落ち着いたタイミングでほしいのは《安らかなる眠り》です。《星間航路の助言》や《食糧補充》で探しに行きたいのは6ターン目ぐらいということになります。
メインはシンプルですが、サイド後は相手が《呪文貫き》《軽蔑的な一撃》《轟く機知、ラル》とコントロールに強いカードたちを入れてくるので複雑なゲームになります。
特にほぼ100%入っている《呪文貫き》はケアできるので、徹底的に2マナを構えながら動きましょう。
サイド後も《プロフトの映像記憶》を最優先でカウンターしつつ、序盤からダメージを受けなければ良いので、ゲーム展開はさほど変わりません。《無効》が入ってこちらのゲームプランが取りやすくはなっています。
気を付けなければならない打ち消しですが、こちらは《審判の日》など重い全体除去を抜いているため、それなりに腐らせることができます。重いアクションを打ち消されてターンパスとなり、そこで速攻クリーチャー+《プロフトの映像記憶》などがよくある負けパターンです。
こちらのソーサリーアクションを打ち消される→返しのターンでアクションされながら打ち消しを構えられるという展開も敗北に直結します。そうならないためにソーサリーのドローである《食糧補充》を少しサイドアウトするのです。
相手が《光砕く者、テルサ》などを展開してきたらこちらも《跳ねる春、ベーザ》を通しやすくなるなど、相手の動きに合わせてこちらが対応していけば、徐々に相手は困っていきます。
基本的には相手のリソースを刈り取りつつ、ゲームを長引かせていけば、自動的に有利になっていきます。《冬夜の物語》のフラッシュバック、《逸失への恐怖》の昂揚を《安らかなる眠り》などで潰せば、手札は思うように増えず、急な打点も出ません。
《プロフトの映像記憶》はなるべく場に着地させないことを目指します。なんだかんだ一番負けるのはこのカードです。《プロフトの映像記憶》さえなければ相手のクリーチャーは小粒なので《跳ねる春、ベーザ》で止まりますし、そうすれば除去する必要すらありません。
こうやって相手のドローするカードのほとんどを無駄牌にすることで、こちらが有利になり、最終的にはリソース量で圧倒するのが勝ち筋です。相手の攻め手をさばき、リソースを潰し、大量にドローしていく。コントロール然とした立ち回りですね。
《安らかなる眠り》は《プロフトの映像記憶》《光砕く者、テルサ》の軸には無力ですが、《逸失への恐怖》《冬夜の物語》というリソース・勝ち筋にしっかりと刺さります。なので決して効かないわけではありません。
とはいえ、《安らかなる眠り》でデッキが機能不全するわけではないので、その点は注意が必要です。《安らかなる眠り》があるからといって土地が6枚の手札をキープするのはNGです。
インスタントタイミングで動くことを常に意識しつつ、即死を避ける立ち回りを続けてください!
サイドボーディング
せっかくなので改良したリストのサイドボーディングを貼ります!
VSイゼット大釜
サイドイン
サイドアウト
白白のアクションがかなり減るので、色マナカウントでもある《解体爆破場》をサイドアウト。正直他に抜くカードがあれば良いのですが、あまりに抜くものがなさすぎるので仕方なく無色土地を抜いています。
《ミストムーアの大主》は重いだけで強くないので抜きますが、相手がこちらのサイドボーディングを知っていると5点火力をサイドインされるので、その時は1枚ほどあった方が良い場合があります。2本目は上記サイドボードにして、3本目で調整します。《鳴り渡る龍哮の征服者》のために除去を多めに入れてきていたら、逆に《鳴り渡る龍哮の征服者》を抜いてしまいます。
VSディミーアミッドレンジ
サイドイン
サイドアウト
クリーチャーを全部入れてビートダウンするプランを取ります。
相手は《悪夢滅ぼし、魁渡》と《永劫の好奇心》で攻めてくるので受け展開は絶対に無理です。苦肉の策で攻めています。
メインでタップアウトすることが多く、またさほど長期戦を想定していないことから、《食糧補充》よりも《星間航路の助言》を優先して抜いています。
VSエスパーピクシー
サイドイン
サイドアウト
VSグルールアグロ
サイドイン
サイドアウト
VSユウナオーバーロード
サイドイン
サイドアウト
VSイゼット果敢
サイドイン
サイドアウト
VSミラーマッチ
サイドイン
サイドアウト
大会結果
イゼット大釜×○×
グルール昂揚×○○
イゼット大釜○○
アゾリウス合成機○○
イゼット大釜○○
赤単アグロ××
イゼット大釜○○
5勝2敗で終了…でしたがなんとオポで大まくりして8位滑り込み!超ラッキー!
最終戦前でほぼ無理だったので、プライズのために最後一応やっとくか…からの予選突破でかなりテンションが上がりました。
イゼット大釜ばかりであろう今週の予選にはアゾリウスコントロールがオススメです。イゼット大釜との戦いは難しいですが、適切なプレイをすれば勝てるはずです!
それではまた!