こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
今回は以前予告した通り、最近僕がハマっているモダンのコンボデッキ、ぐるぐるロータスについて書いていきます!
このデッキを使用してモダンオープン優勝をはじめ、現在21勝3敗と絶好調!
とても強くて楽しいデッキなので、一人でも多くの方にぐるぐるロータスの魅力を届けていきたいと思います!
ぐるぐるロータスとは?
その名前の通り、《ぐるぐる》と《睡蓮の原野》を使用したコンボデッキ、それがぐるぐるロータスです。《ぐるぐる》は土地などをタップ・アンタップすることのできるインスタント呪文。このカードで《睡蓮の原野》をアンタップすると、3マナを生み出すことができるので、《ぐるぐる》は1マナで3マナを生み出す呪文となります。
それを利用して大量のマナを出し、《死の国からの脱出》+《秘本掃き》のコンボを決める……というのが昔のぐるぐるロータスでした。それがたった1つのカードによってデッキを凶悪なものへと変化させました。
その名は《一つの指輪》。アグロ・コンボ・コントロールのすべてに採用されているこの恐ろしいカードですが、このぐるぐるロータスでは唯一無二の性能を発揮します。なぜか?その答えは簡単。《ぐるぐる》で《一つの指輪》をアンタップできるからです。つまり《一つの指輪》を出してカードを引き、《ぐるぐる》で《一つの指輪》をアンタップすると次は2枚。もう1回アンタップすると3枚と、《ぐるぐる》を起こすごとに引けるカードの枚数が増えるのです。
《見えざる糸》なら《一つの指輪》と《睡蓮の原野》を同時にアンタップできるので、実質「1マナ増やしながら指輪を起動できる」恐ろしいカードに変貌します。
このデッキは《睡蓮の原野》や《一つの指輪》を《ぐるぐる》でアンタップさせて、マナや手札を大量に増やすデッキ。デッキのキーとなるのは《ぐるぐる》なのです。
ぐるぐるロータスの魅力
現モダン環境におけるコンボデッキと言えば、まず頭に浮かぶのはルビーストーム。最近では青単ベルチャーなんかもありますが、前者は《モンスーンの魔道士、ラル》《ルビーの大メダル》、後者は4ターンキルには《睡蓮の花》が必須と、それぞれパーマネントに依存しています。特に《モンスーンの魔道士、ラル》は、エネルギー跋扈する今のモダンにおいては生き残るのが困難。
一方、ぐるぐるロータスは勝つための事前準備がほとんど必要ありません。コンボルートはこの後詳しく説明しますが、《睡蓮の原野》さえ着地させてしまえば、そこから必要な準備が非常に少ないので、相手にとっては干渉手段が限られます。メイン戦においては、ほぼ妨害されることなくぐるぐるロータスはコンボに入ることができるのです。《一つの指輪》に対して《静牢》という回答こそあれど、《一つの指輪》を置いたターンに勝利できることもあったり、そもそも《一つの指輪》を必要としないコンボパターンもあり、干渉は困難です。
その上で更に速度も持っているのがぐるぐるロータス。
青単ベルチャーは《睡蓮の花》が絡めば4ターンキルですが、基本は打ち消し呪文などによる妨害を駆使した5ターンキル。
一方、ぐるぐるロータスは3ターン目に勝利、もしくは実質勝利(3ターン目に《一つの指輪》設置から4ターン目勝利)と、キルターンも早めです。
相手に干渉されづらく、かつ比較的速度のあるコンボであることが、ぐるぐるロータスの魅力!
そして回していてめちゃくちゃ楽しい!!
デッキリスト

《一つの指輪》
このデッキの核となるカード。《一つの指輪》がなければぐるぐるロータスがトーナメントで勝つことは難しいでしょう。
《睡蓮の原野》をアンタップすることしかできない《ぐるぐる》はただの《暗黒の儀式》ですが、《一つの指輪》が存在することで、《Ancestral Recall》にもなります。《一つの指輪》によって《ぐるぐる》は《Ancestral Recall》と《暗黒の儀式》を兼ねるカードになり、カードの強さが何倍にもなりました。
その性能は今更言うまでもありませんね。出たターンにプロテクションを得るので多くのデッキに対して無敵になり、帰ってきたターンと合わせて3ドローが確定。ここに《ぐるぐる》が絡んで勝利となります。
モダンで最強のカードと名高い《一つの指輪》を最も強く使えるのがぐるぐるロータス!
《ぐるぐる》《夢の掌握》
ここまで《ぐるぐる》の名前が何度も出てきましたが、実はこのデッキには《ぐるぐる》は2枚しか採用されていません。
というのも、《夢の掌握》は《ぐるぐる》のほぼ上位互換だからです。能力は同じですが、《夢の掌握》は追加で1マナを支払うことでタップとアンタップを同時に行えます。相手の土地を寝かせながら《睡蓮の原野》を起こせたりするので、ちょっと《ぐるぐる》より強いのです。
とはいえ、ほとんど変わりはありません。これらのカードは先ほど説明した通り、《暗黒の儀式》であり《Ancestral Recall》。1マナで唱えて《睡蓮の原野》を起こすと実質2マナが増えることになるので、これは《暗黒の儀式》であり、カウンターが2つ乗った《一つの指輪》を起こせば1マナ3ドローなので《Ancestral Recall》。褒めちぎりましたが、《見えざる糸》も含めて10枚入っていれば十分です。《一つの指輪》が戦場にあれば何枚でも欲しいカードですが、ただ《ぐるぐる》だけあっても仕方ないですからね。
《見えざる糸》
《ぐるぐる》《夢の掌握》と違い、2マナかかる点とソーサリーであることが弱点。逆に言えばそれ以外、特に《睡蓮の原野》と《一つの指輪》を同時にアンタップできる唯一無二のカードなので、多くの場合で、デッキ内最強のアンタップ呪文です。
2マナかかってしまう点も、戦場に《睡蓮の原野》と他の土地があれば解決します。これなら2マナ払って4マナが使えるので増えるのは2マナ。《ぐるぐる》と同じマナの増え方です。
この2マナが気になるのは《睡蓮の原野》1枚しか戦場にない場合。「それならほとんど弱点とは呼べないのでは?」と思うかもしれませんが、それはぐるぐるロータスのことを知らない証拠です。結構頻発するんですよね、これが。
とはいえ、常に引きたいカードなので4枚以外はありえません。
《砂時計の侍臣》
2マナでサイクリングしてパーマネントをアンタップできるナイスガイ。《ぐるぐる》と比べてマナ効率は悪いですが、ドローできるのがポイント。《一つの指輪》《願い》《死の国からの脱出》などのフィニッシャーが既にあれば《ぐるぐる》で良いですが、引き込みにいきたい場合は《砂時計の侍臣》に軍配が上がります。
それでいてマナ加速自体も一応行えるので、何かと使い勝手が良いカード。
特に3ターン目に《睡蓮の原野》を起こしてターンエンドして《朦朧への没入》を構える動きが強力で、それを無理なく行えるのが良いポイントですね。
特に減らす理由もなく4枚です。
《定業》《考慮》
便利なキャントリップ呪文たち。《睡蓮の原野》設置後は《ぐるぐる》かフィニッシャーのいずれかが必要になるので、それを探してきてくれます。
どんどん連打して墓地を貯められるので、後述する《死の国からの脱出》との相性も良好。デッキの必須パーツと言って良いカードたちです。
《願い》
フィニッシャー枠となるカード。
持ってくるカードの9割は《死の国からの脱出》です。マナと墓地に余裕があれば、そのまま《死の国からの脱出》設置→《願い》を脱出で再キャスト→《秘本掃き》をサーチして勝利。まさしくフィニッシャー。
マナが足りない時は仕方なく《一時的封鎖》を持ってきたりしますが、これが決まり手でエネルギーに勝つこともしばしばあります。
このデッキでは《願い》を打つだけでゲームに勝てるので当然4枚!
《死の国からの脱出》
《願い》《一つの指輪》と合わせてフィニッシュ手段となるカード。というか勝つ時の6割は《死の国からの脱出》が絡むので、このデッキはぐるぐるブリーチと呼ばれていたりもするほど。
《秘本掃き》《ぐるぐる》《睡蓮の原野》《死の国からの脱出》が揃うと、自分のライブラリーを0枚にすることができ、最終的に《タッサの神託者》で勝利できます。詳細な解説はこの後に。
《一つの指輪》と《死の国からの脱出》だけで勝つことも多く、《見えざる糸》を脱出して《一つの指輪》と《睡蓮の原野》を起こし続けるだけで一瞬で勝利します。
当然メインに4枚……と言いたいところなのですが、《願い》でサーチしたいので泣く泣く3枚です。
《記憶への放逐》
エルドラージ対策としてサイドボードに4枚入ることの多いカウンターですが、このデッキではメインです。なぜなら実質マナ加速として機能するからです!
MTGアリーナでヒストリックをプレイしていた方ならご存じかもしれませんね。《睡蓮の原野》の戦場に出た時の誘発型能力を《記憶への放逐》で打ち消すことができるのです。2枚の土地を生け贄にしなくて済むので、実質マナ加速。2ターン目に《睡蓮の原野》を置いて《記憶への放逐》で打ち消して3ターン目に5マナからコンボを決める場合もあり、3ターンキルの際には重要なカード。
もちろん、干渉手段としても機能します。エルドラージ相手はもちろん、《忍耐》《力線の束縛》《静牢》など打ち消したい誘発型能力はたくさんあり、《睡蓮の原野》とセットで持っていてもあえて使わずに構えることもあるほど。サイド後は《減衰球》などの致命的なスペルも打ち消せますし、入ってくるかもしれない相手のサイドカードに対処しつつ、能動的に有効活用できるという素晴らしいカードです。
コンボの始動には絡まないので3枚にとどめていますが、特にエルドラージ相手には何枚でもほしいので、サイドに追加を入れています。
《探検の地図》
《睡蓮の原野》をサーチするカード。先手ならとりあえず1ターン目に置いて無事に2ターン目に起動にこぎつけますが、後手では触られる可能性もあるのでいささか不安です。
《睡蓮の原野》が既に手札にある場合は《さびれた寺院》をサーチしますが、不要な場面も多く、《ぐるぐる》系と土地関連だけを引いて負けてしまうのが嫌なので、適正枚数は3枚程度。
4枚目を入れていましたが、抜きたいカードが《記憶への放逐》か《考慮》ぐらいしかなく、そのどちらも《探検の地図》より好感触でした。
《朦朧への没入》
相手の呪文やパーマネントをバウンスできる便利なスペルにも関わらず、アンタップインで置ける青マナ。そんなのあり?って思うぐらい強いです。さすがモダホラ3。
3マナがちょうどよく、《睡蓮の原野》1枚で構えられるのが素晴らしい。3ターン目に《さびれた寺院》か《砂時計の侍臣》で《睡蓮の原野》を立ててターンを返し、相手のアクションを《朦朧への没入》で防ぎ、返しのターンでコンボを決める流れは美しさすらあります。
かなり強いので4枚目を検討しましたが、諜報ランドと色マナの価値も高く、フェッチランドを優先しました。
《さびれた寺院》
《睡蓮の原野》を1マナで起こせるので、ほぼコピーいらずの《演劇の舞台》。出る総マナは1つ減りますが、準備がいらないのですごい。
《見えざる糸》があるとマナが大フィーバーします。パイオニアのロータスコンボを彷彿とさせますね。
《睡蓮の原野》と同時にあれば大量のマナが出ますが、先置きでも意味があります。3ターン目に《睡蓮の原野》を置いた時に、生け贄に捧げる前に《睡蓮の原野》をアンタップすることで、そのターンに《睡蓮の原野》を動かせるのです。そこから《砂時計の侍臣》で1マナを増やして《一つの指輪》を設置するもよし、ターンを返して《朦朧への没入》を構えても良いでしょう。
かなり強い土地ですが、無色マナなので《定業》《考慮》が打てない点、そしてコンボに必ず必要なわけではないため、3枚にとどめています。先述のように、フェッチランドは白マナと諜報ランド、双方の事情から枚数をある程度確保しておきたいのです。
《沈黙》
このターン、相手の呪文を封じるすごいカード。打ち消しと対峙する際にはほぼ必須。まずはこのカードから仕掛けて、相手にカウンターを引き出させることになります。
コンボミラーでは相手のターンを飛ばす役割もあるので、青いデッキとコンボどちらにもサイドインできます。
キッカーで攻撃されなくなるおまけつきの《オアリムの詠唱》もありますが、個人的には《沈黙》推しです。《一つの指輪》を張られてしまうと《オアリムの詠唱》は唱えられなくなりますが、《沈黙》はキャスト可能だからです。これがどんなシチュエーションで起きるか考えてみましょう。ジェスカイコントロールが手札に《否定の力》を構えながら4ターン目に《一つの指輪》。この返しにこちらもコンボを仕掛けたいと思いませんか?次のターンに相手にもう2枚カードを引かれて、5マナフルオープンで帰ってきたら、全部打ち消されてしまいそうな気がしますからね。
攻撃不可も対リビングエンドなど強い場面があること自体は否定しませんが、《一つの指輪》を置かれて使えなくなる方が個人的には嫌だと感じました。
《洪水の大口へ》
万能バウンス。《減衰球》《魔道士封じのトカゲ》《ドラニスの判事》《耳の痛い静寂》どんなカードが相手から飛び出してくるかわかりませんが、これ1枚で全部解決。あまりに強すぎるバウンスです。
とりあえず困ったらゲーム2で入れてみて様子を見ます。単に延命するだけでも十分なので、クリーチャーデッキにはまずすべて入れています。
《海の先駆け》を出されて《睡蓮の原野》を《島》として置いた後に《洪水の大口へ》で戻すと良い顔をされます。
《一時的封鎖》
エネルギーに対して最も強い1枚。
《減衰球》《魔道士封じのトカゲ》《ドラニスの判事》など定番のサイドカードすべてを吹っ飛ばしてくれるだけでなく、相手の速度を大幅に落とせます。エネルギーはぐるぐるロータスに対して基本は余力を残して展開してくることはありませんから、手札と場を一瞬ですっからかんにできます。
《願い》からサーチ用に残したいところですが、経由すると6マナかかりますし、3ターン目にプレイするとほぼゲームに勝てるので、全部サイドインしてます。
《ドラニスの判事》
主にルビーストームとリビングエンドを意識しています。サイドインせずに《願い》からのサーチ用とするのがおすすめ。
瞬間的にマナを伸ばせるので、《願い》から直接唱えるのは比較的早いターンでも行えます。それならサイドインする必要はありません。
《死の国からの脱出》《タッサの神託者》
《願い》からの勝ち手段要因です。
《秘本掃き》
こちらも《願い》から持ってくる勝ち手段要因ですが、一応コンボについて説明しておきましょう。
《死の国からの脱出》下で《秘本掃き》を自分に唱えて5枚を切削し、その切削した内の3枚を脱出コストに《秘本掃き》をもう1度自分に。これで合計7枚のカードが墓地に落ちます。その後、《ぐるぐる》を脱出して墓地を3枚追放して《睡蓮の原野》をアンタップ。この状態で《秘本掃き》を脱出で唱えると、最初と同じ状態に戻りますが、墓地が1枚だけ増えています。
つまり、ライブラリーが0枚になるまで《秘本掃き》を打ち続けることができるのです。最後は《願い》から《タッサの神託者》をサーチしてゲームエンド。これが《死の国からの脱出》《秘本掃き》のコンボです。
お手軽コンボですが、《一つの指輪》でプロテクションを得ていると《秘本掃き》を自分に打てません!注意しましょう。
《前駆軟泥、エーヴ》
サイド後は《死の国からの脱出》を意識した墓地対策がよく置かれます。こうなってしまうと《願い》が勝ち手段ではなくなってしまうので、しっかりとサイド後も《願い》を強く使えるように、サイドボードに採用しています。
《ぐるぐる》でマナを伸ばして《願い》を打てばストームが勝手に溜まるので、致死量の《前駆軟泥、エーヴ》を並べるのは容易いこと。
青い相手も《願い》は通してその次のスペルを打ち消してくるので、《前駆軟泥、エーヴ》で相手の目玉を飛び出させましょう。
回し方
《睡蓮の原野》を置いて、《ぐるぐる》でマナを増やして《一つの指輪》。
もしくは《願い》から《死の国からの脱出》と《秘本掃き》でコンボを決める。
過程はともかく、最終的な着地点はとてもシンプルです。
まず覚えるべきは、それぞれのコンボにどれだけのコストがかかるかです。
《一つの指輪》を唱えた後に《睡蓮の原野》を《ぐるぐる》で起こして次のアクションを取りたいなら、5マナ以上必要になります。《願い》から最終的に《死の国からの脱出》《秘本掃き》ルートなら、まず《願い》の3マナ。サーチする《死の国からの脱出》で2マナ。設置して《願い》を脱出するのに3マナと墓地3枚。《秘本掃き》を打つ1マナ。最後に《ぐるぐる》でもう1マナ。合計で10マナが必要になります。
この《願い》ルートの場合、《死の国からの脱出》を設置した後は墓地に落ちているであろう《ぐるぐる》を使えるので、合計こそ10マナですがハードルは意外と高くありません。
6マナあれば《願い》→《死の国からの脱出》→《ぐるぐる》までこぎつけて、そこからもう1回《ぐるぐる》を脱出すれば5マナ出せます。5マナなら《願い》から《秘本掃き》→《ぐるぐる》でデッキをすべて掘れるので、最初の6マナと、2回の《ぐるぐる》と《願い》の脱出コストである9枚の墓地(もちろん《願い》と《ぐるぐる》を除いて)さえ用意すれば、《願い》1枚で勝利できるというわけです。このように、勝つために必要なマナさえ覚えておけば、後は手札のカードで何マナ作れるかを計算するだけでOKです。
《睡蓮の原野》下でそれぞれがどれだけのマナを生み出せるか暗記してしまいましょう!
《ぐるぐる》《夢の掌握》=2マナ
《見えざる糸》=1マナor2マナor3マナ
《睡蓮の原野》だけなら1マナ、横に土地があれば2マナ、《さびれた寺院》があれば3マナ増えます。
《砂時計の侍臣》=1マナ
《さびれた寺院》=2マナ
これらを覚えて足し算すればOK!
手札に《ぐるぐる》《夢の掌握》《見えざる糸》があって場に《睡蓮の原野》《島》なら、合計で10マナ!つまり《願い》を引けば即勝ちというわけです。(正確には、《願い》の脱出コストが必要になるので、後1枚墓地にカードが必要です)
マリガン
《睡蓮の原野》・《探検の地図》がない手札はほとんどマリガンします。《ぐるぐる》系の10枚、《砂時計の侍臣》、《死の国からの脱出》、《願い》、《記憶への放逐》は《睡蓮の原野》がないと何もしないカードです。つまりデッキの大半のカードが、《睡蓮の原野》ありきなのです。
《睡蓮の原野》がない手札をキープする時は、《睡蓮の原野》を探せるキャントリップの枚数、そして途中で《睡蓮の原野》を引いた時に即コンボに移行できるかで考えます。
《定業》《考慮》は《睡蓮の原野》を探せるカードたち。これらが合計で3枚あって、土地に《さびれた寺院》フェッチランド(or諜報ランド)とある場合は、それなりにキープできる手札です。ここに《一つの指輪》が加われば悩まずキープします。道中でどうせ《ぐるぐる》を拾えているはずなので、何度目かのキャントリップで《睡蓮の原野》を見つけて即設置→アンタップして《一つの指輪》まで見えてますからね。
逆に《睡蓮の原野》がある初手はある程度ゆるふわなキープが許容されます。このデッキは一度《睡蓮の原野》を着地させれば、受け入れが広いデッキです。
《一つの指輪》と《願い》は大体の場合で勝利し、《死の国からの脱出》もキャントリップをある程度回せば《願い》か《一つの指輪》に辿り着けるので、実質11枚のカードが受けになるのです。《睡蓮の原野》を設置できるが《ぐるぐる》系しかない初手は悩まずキープしましょう。《睡蓮の原野》のないキャントリップと指輪だけの手札よりよっぽど強いですよ!
TIPS
《ぐるぐる》をうまく使おう!
《暗黒の儀式》であり《Ancestral Recall》でもある《ぐるぐる》ですが、実は他の使い道もあります。そう、このカードはアンタップだけではなくタップもできるのです。相手の土地をアップキープに寝かせてそのターンを実質パスさせてもよし、クリーチャーを寝かせてダメージを防ぐこともできますし、打ち消しを構えている相手の青マナをターン終了時にタップしたりなんかも。
コンボだけでなく相手の妨害にも使えてしまう。《ぐるぐる》はすごいカードなのです。
だからこそ、手札の総マナ量を計算することは重要です。勝つためのマナが十分なら《ぐるぐる》を妨害で使う択が取れますからね。盲目的に《ぐるぐる》を「《睡蓮の原野》か《一つの指輪》をアンタップするもの」とは思わないでおきましょう。ちなみに《三なる宝球》はタップ状態になると能力が消えます。《ぐるぐる》でタップすると無効化できるので覚えておきましょう。
タップ状態にするカードを普段あまり使わないと思うので見逃しがちですが、《虚無の呪文爆弾》や《トーモッドの墓所》などのアーティファクトは、タップが必要な起動型能力です。つまりこれも《ぐるぐる》で寝かせることで起動できなくなります。
スタックで起動されても今唱えた《ぐるぐる》は墓地に残りますし、《死の国からの脱出》《秘本掃き》コンボを決める際には大量の墓地が必要なわけではないので大丈夫です。
青い相手にうまく立ち回ろう!
ぐるぐるロータスは1ターンでたくさんのマナを使えるデッキです。青い相手に毎ターン《一つの指輪》《願い》を投げつけて《対抗呪文》で打ち消され続けては、デッキの強みを生かせません。勝負のターンまで座して待ちましょう。手札が6~7枚ほどあるコントロールに対しての理想は、妨害2回を受けられる、つまり3枚のフィニッシュ手段。後はすべてマナ加速です。
相手がマナをフルオープンし続けているなら、《見えざる糸》を使って相手の土地をタップしましょう。スタックでマナを出されるので、やる時は必ず第一メインフェイズかつ自分がマナを使いきれる状態です。これで《対抗呪文》1枚分を封じます。
そこから2回妨害を投げ続け、これらが《対抗呪文》《否定の力》されると想定しているので、3枚のフィニッシュ手段が必要なのです。《願い》《一つの指輪》《死の国からの脱出》が全部あるなら、《死の国からの脱出》を最後にしましょう。そのまま打ち消されたカードを脱出できますからね。《否定の力》で打ち消された方は脱出できないので、最初に《願い》から投げて《対抗呪文》で打ち消してもらいましょう。
これらの3枚のフィニッシュ手段は3+4+2。それに加えて《ぐるぐる》で起こしたりする必要もあるのでプラス2マナほど。合計で11マナほどかかります。先に《見えざる糸》を相手に打つなら更にプラス2マナ必要です。
かなりマナが必要になりますが、青相手はじっくりと土地を並べられるので問題ありません。《記憶への放逐》で《睡蓮の原野》を着地させて《さびれた寺院》を置けば、4ターン目にして場の土地だけで7マナありますからね。これは相手がカウンターをたくさん持っていて、かつ構え続けてきた場合に限ります。実際は《否定の力》と除去だらけと《一つの指輪》で、仕方なく2マナを立てて《一つの指輪》。エンド前に《ぐるぐる》で青マナのうち1つを寝かせて《対抗呪文》を念のためケアしつつ、返しで《否定の力》を乗り越えて勝利なんてこともよく起きます。
もちろんこれは一例であって、必ずしも絶対にこうすべきということではありません。手札に《一つの指輪》が溜まっているなら順番にカウンターを使わせるために連打する場合もありますからね。
ぐるぐるロータスは1ターンでたくさんのマナを使えるのが強い!あくまでデッキのストロングポイントの一つとして頭に入れておいてください。
・セットランドを考える
3ターン目は《睡蓮の原野》を置きたくなるターンですが、少し考えてみましょう。たとえば場に《島》と《さびれた寺院》があって迎える3ターン目。ここで《睡蓮の原野》を置くと《さびれた寺院》がなくなってしまい、次のターンのセットランドで使える合計マナは4マナ。
ここで違う土地を置いて《朦朧への没入》を構え、4ターン目に《睡蓮の原野》をセットしましょう。青マナ2つを出してそれらが生け贄になり、《さびれた寺院》で《睡蓮の原野》がアンタップするので合計4マナ。実はどっちの順番で置いても3、4ターン目に使えるマナは共に同じなのです。
それなら《さびれた寺院》が戦場にあった方が良いのは明白です。《見えざる糸》で増えるマナの量が違いますからね。
《島》《島》から3ターン目に《さびれた寺院》か《睡蓮の原野》を置く時は、このセットランド方法を知っているかで大きな差があります。《睡蓮の原野》から置けば次のターンに5マナを使えますが、その代わりに3ターン目はフルタップになってしまいます。
次のターンに5マナがどうしても必要なら《睡蓮の原野》からいっても良いですが、何かしらの妨害手段を持っていて、次のターンに出るのが4マナでも良いのなら、《さびれた寺院》から置きましょう。
ぐるぐるロータス対策カード
《減衰球》★★★★★
※★は危険度です。
最も効くのはなんだかんだ《減衰球》です。《睡蓮の原野》を置いた返しに貼れば一気にマナが無色1つだけになりますし、《減衰球》を《洪水の大口へ》でバウンスしようにも青マナが必要になります。
なので、ぐるぐるロータス側としては《減衰球》を気を付けた立ち回りをする必要があります。《減衰球》はなるべく《睡蓮の原野》の返しに置きたいと相手も思っているので、こちらは《睡蓮の原野》を置いたターンで一気にコンボを決めにいくか、もしくは《減衰球》を対処できるカードを構えてターンを終了しましょう。
この時、《睡蓮の原野》から出る青マナで《洪水の大口へ》を構えるのは得策ではありません。《減衰球》のスタックでマナを出さなければならないため、相手がそのターンにもう1度キャストできてしまうからです。島など普通の青マナを立ててターンを返しましょう。
《徴用》★★★★★
最近気づいたのですが、このカードがぐるぐるロータス側はめちゃくちゃキツいです。
《一つの指輪》を奪われるのが最悪ですが、他にも《オアリムの詠唱》を奪われてこのターンにコンボにいけなくなるのも非常に悪い。《減衰球》クラスに効くカードです。
しかもこのカードはぐるぐるロータス側がケアできません。どう考えてもケア不可能なカードでした。青単ベルチャーにも入っていますし、今後このカードが増えそうならサイドボードに2枚ほど対策カードを入れる必要がありそうです。《神秘の論争》か《苛立たしいガラクタ》、もしくは《防御の光網》のどれかにします。
《虚空の杯》★★★★★
最近ほとんど見なくなりましたが、ぐるぐるロータスにはかなり効きます。
X=1で置くとキャントリップ2種、《ぐるぐる》、《夢の掌握》が止まる上、《洪水の大口へ》も使えなくなるので、デッキの大半のカードが死んでしまいます。
キャントリップ2種が打ち消されるのが致命的で、《一つの指輪》や《願い》からの対策カード、《朦朧への没入》にアクセスするのが難しくなってしまいます。
速いデッキが置いてくる分には《一時的封鎖》で巻き込めますが、そうでない相手が使い始めたら恐ろしいですね。
ちなみに《虚空の杯》の打ち消す能力は誘発型能力なので、《記憶への放逐》を複製で唱えて、本体は消えますが複製側でその能力を打ち消すことができます。《洪水の大口へ》でバウンスできるので、一応覚えておきましょう。
《血染めの月》★★★★☆
ボロスエネルギーなど、アグロデッキが置いてくる分には結構効きます。
《洪水の大口へ》でバウンスできるので劇的ではありませんが、《島》もさほど枚数が入ってるわけではないので、《定業》などが連打しづらく、探しにいってる間に殴られて負けます。
《一時的封鎖》で巻き込まれない対策なのも良いですね。
速いデッキ以外が使う《血染めの月》はあまり効きません。とにかく速いクロックが目の前にないと、バウンス自体は結構入っているので、その内引かれてしまいますからね。
《オアリムの詠唱》★★★☆☆
それなりにうざい対策カードです。《ぐるぐる》などでマナ加速したところを狙われたり、《死の国からの脱出》に合わせられると非常に厄介です。
入っているデッキがミラーとエネルギーぐらいで、ミラーはほぼケア不可能ですが、エネルギーの場合は起きているマナが少ないので、エンド時に《ぐるぐる》で寝かせるなどして、《オアリムの詠唱》を唱えられないようにしたいです。構えているのがわかりやすいカードではあるので、相手の動きが変だと思ったら頭の片隅に入れましょう。
突然負けるカードではあるので注意は必要です。
《外科的摘出》★★☆☆☆
《願い》を抜かれてフィニッシャーがなくなって一発負けがあるカード。
ケアは簡単で、《タッサの神託者》をサイドインすれば良いだけなのですが、どのデッキから飛んでくるかがわからないのが難しい。盲目的に全マッチでサイドインするわけにはいかないですからね。
《瞬唱の魔道士》が入っているデッキには《外科的摘出》が入りやすかったり、ディミーアなら1枚入ってるかもしれませんが、ゲーム2ではひとまずサイドインしないようにしています。
《願い》以外のカードを抜かれた時は比較的どうでも良いですし、《願い》が墓地になければそもそも狙われないので、《一つの指輪》からデッキを全部掘って勝ったり、《沈黙》から入ることもできます。意外と《タッサの神託者》をサイドインしなくても、《願い》を墓地に落とさないプレイをすればケア可能です。
《ドラニスの判事》★★☆☆☆
ルビーストームにはかなり効く対策カードですが、ぐるぐるロータスとしてはどうでもいいカード。出されてもあまり効果ありません。
《死の国からの脱出》と《願い》は止まりますが、《一つの指輪》には無力ですし、《一時的封鎖》を入れるマッチアップでは他のクリーチャーやパーマネントに巻き込まれてついでにいなくなります。
《一時的封鎖》をサイドインしない相手が出してくる《ドラニスの判事》は対処が少し面倒ですが、とはいえ《洪水の大口へ》《朦朧への没入》《天上都市、大田原》(+それをサーチできる《探検の地図》)とかなりの枚数が入っているので、効き目としては弱めです。
《未認可霊柩車》《虚無の呪文爆弾》★★☆☆☆
墓地対策は《死の国からの脱出》に効果はあるものの、それだけのカード。《ドラニスの判事》とほとんど変わらないですね。
《ぐるぐる》で寝かせて機能不全にしてから《死の国からの脱出》《秘本掃き》ルートにいけますし、《一時的封鎖》でも巻き込めます。
墓地対策は他のデッキにも効果的ですし、サイドボードに入っていればインするとは思いますが、ぐるぐるロータス相手には期待しない方が良いでしょう。
《魔道士封じのトカゲ》★☆☆☆☆
《ドラニスの判事》より更に意味のない対策カード。《死の国からの脱出》も《願い》も止まりません。
《一つの指輪》でプロテクションをつけてそのターン無効化もできますし、もちろん《ドラニスの判事》と同じで《一時的封鎖》で巻き込めます。
このカードが出てくると安心します。
《海の先駆け》★☆☆☆☆
《睡蓮の原野》が《島》に変わるカードですが、《血染めの月》と違い効果はかなり弱め。
《洪水の大口へ》《朦朧への没入》《天上都市、大田原》(+それをサーチできる《探検の地図》)と触るカードがたくさんあるので、生け贄にする誘発が消えた《睡蓮の原野》を並べて、マナが十分出たところでバウンスされるのがオチです。
《三なる宝球》★☆☆☆☆
《ぐるぐる》で寝かされて機能不全になっちゃいます。このカードはダメです。下手したらサイドインしない方が良いまであるかもしれません。
いや、さすがにもっと不要牌を抜いているはずなので、そんなことはないですね。とにかく全然効かないのでご注意ください。
サイドボーディングガイド
全体的に《砂時計の侍臣》を抜くマッチが多めです。マナ加速としては弱めでカードを引ける点を評価してメイン採用しているので、役割としては少しふわっとしており、サイドアウト候補の筆頭となっています。
《考慮》も1枚抜く場合が多く、《砂時計の侍臣》を4枚抜くなら《考慮》1:《砂時計の侍臣》3のバランスにするといった程度。《砂時計の侍臣》は《一つの指輪》をアンタップできるので《考慮》より強い場合も多く、かといって《砂時計の侍臣》は掘る枚数が《考慮》より少ない。要するに一長一短なので、軽いカードである《考慮》を優先しつつ、どちらも少しずつ抜きます。妨害手段の少ない相手には《願い》《死の国からの脱出》《一つの指輪》だとフィニッシュ手段が過剰になるので、《願い》を抜くことがあります。こういったマッチでは《願い》・《考慮》を抜いた後に、残りを《砂時計の侍臣》で調整しています。
対エネルギー
ー4《砂時計の侍臣》
ー1《記憶への放逐》
ー1《考慮》
※ボロスエネルギーには《オアリムの詠唱》が入っている場合が多いので、エンド前に《ぐるぐる》で白マナを寝かせるのが効果的。
対青単ベルチャー
対ジェスカイコントロール
+3《沈黙》
ー3《砂時計の侍臣》
対ディミーアマークタイド
※《海の先駆け》を相手がサイドインしていないなら《洪水の大口へ》は不要。《砂時計の侍臣》を残しましょう。
《海の先駆け》をサイドインしているかどうかは相手のフェッチランドのサーチの仕方で想像できます。フェッチから沼を積極的に持ってきているならサイドインしています。
対エルドラージ
対リビングエンド
ー4《砂時計の侍臣》
対ドメインズー
対ルビーストーム
ー3《砂時計の侍臣》
ー1《考慮》
※《ドラニスの判事》はサイドボードにおいて《願い》からのサーチに。
対アミュレットタイタン
対エスパー御霊
ー4《砂時計の侍臣》
対ティムールブリーチ
最後に
今回はぐるぐるロータスの解説をお届けしました!
とても楽しくてやりこみがいのあるデッキなので、気になった方はぜひ使ってみてください!
現在ラスベガスは深夜3時。これから寝る……前にぐるぐるロータスを一人回ししようと思います!
それでは!