こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
本日は最新セット『ダスクモーン:戦慄の館』の発売日!
昨日に続いて、『ダスクモーン:戦慄の館』の新カードを採用したデッキを紹介していきます!
今回はモダン編!
マーフォーク
モダンリーグ:5-0 By LordMajicus
黎明期から存在し、その美しい容姿も相まって、マジック界でも屈指の人気を誇る海の戦士たち。かつてはレガシーで一線級のデッキで、今もモダンで時たま活躍しています。
ドラゴンや人間などと違い、マーフォークは毎セットにほぼいるというわけではないので、新セットで必ずアップデートされるわけではありませんが、最近はたびたび強化が入っています。
《マネドリ》は『ブルームバロウ』で入った強力なコピーカード。《アトランティスの王》《真珠三叉矛の達人》を並べて全体を強化していくアグロデッキなので、これらのロードをコピーするのが主な《マネドリ》の役割です。
『モダンホライゾン3』から加わった強力なマーフォークの《海の先駆け》も紹介しないわけにはいきませんね。《血染めの月》の《島》版を内蔵するマーフォーク、最初はマーフォーク使いたちの作ったオリカかと思いました。
《真珠三叉矛の達人》などのロードはマーフォークに島渡りを付与するので、他のデッキの使う多色土地対策の《海の先駆け》と違い、マーフォークたちがブロックされなくなるおまけつきです。
そして『ダスクモーン:戦慄の館』からは《フラッドピットの溺れさせ》が採用されています。
2マナ2/1瞬速で、戦場に出た時にクリーチャ―をタップして麻痺カウンターを置く。《マーフォークのペテン師》のようなクリーチャーですね。
更に2マナを支払うことでそのクリーチャーをライブラリーに戻せるので、実質除去として機能します。これまでのマーフォークが持っていなかった完全除去クリーチャーがついに登場したのです。
ライブラリーに戻してしまうので、エスパー御霊のようなデッキにはただ除去してしまうより強力。死んだら吊り上げられてしまいますからね。
マーフォークとしては珍しく警戒がついているので、麻痺カウンターを置く能力と合わせて、ライフレースを先行する上でとても重宝するカードでしょう。マーフォークは《島》を渡ってくる関係上、ノーガードの殴り合いになりがちですからね。
ついに確定除去まで手に入れたマーフォーク、エネルギーの海を泳ぐことはできるのでしょうか?
ゴルガリヨーグモス
《スランの医師、ヨーグモス》で不死クリーチャーを生け贄にして無限コンボで勝利する、クリーチャーによるコンボデッキ。
モダンリーグ:5-0 By Manas235
《若き狼》2体と《スランの医師、ヨーグモス》が戦場にいる状態で、まず《若き狼》Aを生け贄にし、今度は不死で戻ってきた《若き狼》Aに、《若き狼》Bを生け贄にマイナスカウンターを置く。するとプラスとマイナスのカウンターが相殺され、《若き狼》Aはまっさらな状態に。
同じように今度は《若き狼》Bのプラスカウンターを取り除き……これで自分のライフがある限り、《スランの医師、ヨーグモス》でドローし続けることができます。《血の芸術家》がいれば生け贄に捧げるたびにライフを得て相手だけ1点ずつ失うので、そのまま勝利。
《スランの医師、ヨーグモス》がコンボパーツでありながら、必要なカードを探しにいけるので、極度に《スランの医師、ヨーグモス》に依存したコンボ。それゆえに《召喚の調べ》とあわせた8枚体制で、絶対に戦場に《スランの医師、ヨーグモス》を出せるようにしています。
このデッキは《アガサの魂の大釜》で大幅なアップデートを受けました。今までは《スランの医師、ヨーグモス》が戦場にいる必要がありましたが、《アガサの魂の大釜》で《スランの医師、ヨーグモス》を追放すれば、+1カウンターが乗ったクリーチャーはすべて《スランの医師、ヨーグモス》の能力を持つので、カウンターの乗った不死クリーチャーが《スランの医師、ヨーグモス》になってくれます。
更にデッキのもう1つの強みだった「コンボを決めないで勝つゴルガリアグロパターン」も《アガサの魂の大釜》で強化されました。《アガサの魂の大釜》で《飢餓の潮流、グリスト》を追放することにより、プラスカウンターが置かれているクリーチャーがすべて《飢餓の潮流、グリスト》になるので、1ターンで大量のトークンを生み出していき、それだけでも勝てるマッチがあるぐらいでした。
そんなヨーグモスに今回入ったのが《永劫の活力》。自軍クリーチャーがすべて好きな色のマナを生み出せるようになるのですが、これによってコンボが更に容易になりました。
クリーチャーが大量に入っているので、ただ出すだけでも行動回数が増えますし、《絡み根の霊》は速攻を持っているので、戦場に出たターンでもタップしてマナを生み出せるようになります。
これがどういうことかというと、《スランの医師、ヨーグモス》によって生け贄に捧げて、不死で戻ってきた時にマナを出せるので、マナが全くない状態からでも《若き狼》《スランの医師、ヨーグモス》《絡み根の霊》で勝てるようになったのです。
《絡み根の霊》でマナを出して生け贄に捧げて不死で蘇り、再びマナを出してから《若き狼》を生け贄にしてカウンターを取り除き、再び《絡み根の霊》を生け贄に捧げる。先ほど説明したこの不死ループ中にマナを増やせるので、大量のドローで《血の芸術家》か《召喚の調べ》を引けばそのまま唱えられるようになりました。
これまではマナが一切ない状態では、大量ドローはできるが、その先がなく、手札をパンパンにしてエンドするしかなかったのですが、《永劫の活力》によってターンを返さずに確殺できるようになったのです。
《オークの弓使い》や不死クリーチャーなど、クリーチャーが横並びして除去されにくいデッキなので、それらからマナを生み出せる《永劫の活力》はうってつけ。しかも自身は死亡時にエンチャントとして戻ってくるので、とりあえず《スランの医師、ヨーグモス》で生け贄にしてリソースにしてもOKと至れ尽くせり。
新たな動きが可能になったヨーグモス、試してみたいですね。
イゼットウィザード
最後に紹介するのはイゼットカラーのコントロールデッキ。
モダンリーグ:5-0 By SvenSveeterSven
デッキのベースは打ち消しと除去とキャントリップで構成されたコントロール。それだけ見ればイゼットマークタイドのようですが、《ドラゴンの怒りの媒介者》や《濁浪の執政》は採用されていません。
その代わりに入っているのが《瞬唱の魔道士》と《稲妻罠の教練者》。先の2枚のように攻撃性能は皆無な可愛いやつらですが、フラッシュバックで除去やドローを使い回したり、ライブラリーを掘り進めていきます。これらがウィザードなので、《アノールの焔》との相性も良し。
そしてここに『ダスクモーン:戦慄の館』からの新戦力、《永劫の好奇心》が加わりました。
《永劫の好奇心》は様々なフォーマットで注目されているカード。クリーチャーがプレイヤーにダメージを与えるたびにドローするカードは、《タッサの二叉槍》など、その能力だけでも採用する価値があるほど強力。
にも関わらず、《永劫の好奇心》は瞬速と4/3のボディに加えて、死亡してもエンチャントとして戻ってくるのです。さすがに破格の性能すぎますね。
クリーチャ―の数こそ少ないこのデッキですが、デッキ内のクリーチャーはすべて戦場に出た時に一旦の仕事を終えているので、相手視点では除去したくありません。しかし、《永劫の好奇心》がある以上は倒さざるを得ない。
そうやってカードの交換を繰り返していけば、必然的に手札をどんどん増やしているこちらが有利になるという、古き良きマジックを楽しめる、そんなデッキ。
特にサイドボード後は相手はやりづらいでしょう。クリーチャーは数少なく、しかもどれも除去する価値がないのに、除去を抜けば《永劫の好奇心》でカードを引かれてしまいます。
このデッキを使用して5-0したプレイヤーは、「《永劫の好奇心》を2枚しか持っていなかったが、3枚目があれば入れたい」と言っていました。それほど《永劫の好奇心心》は強かったのでしょう。
スタンダードでも《永劫の好奇心》の姿を見かける機会は多いですし、もしまだお持ちでないなら、早めに揃えておいても損はないかもしれませんね!