イゼット大釜とディミーアミッドレンジだけじゃない!スタンダードの有力デッキ

イゼット大釜とディミーアミッドレンジだけじゃない!スタンダードの有力デッキ

mtg Yuyan

こんにちは。

 

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

 

スタンダードは相変わらずイゼット大釜が絶好調!どのトーナメントでも常に複数人が入賞し、最強の名を欲しいままにしています。

 

ディミーアミッドレンジはそんなイゼット大釜に次ぐ二番手で、この2つのデッキを攻略できるかどうかはカギとなっています。

 

そして今回はこの二強に続いて最近好成績を上げているデッキたちをご紹介していきます。

 

     

    ボロスハツカネズミ

     スタンダードチャレンジ : 3位 By deleon91

    MTGアリーナ用インポートデータ

    最高の1マナ域である《心火の英雄》と、《多様な鼠》とあわせて20点近いダメージを叩き出していた《巨怪の怒り》。

    このキーカードが2種消えてしまったハツカネズミ主体の赤単アグロですが、今はボロスとなって環境に生き残っています。この最強格の2枚を失ってもまだ勝てるのですから、とんでもないオーバーパワーでしたね。

     

    さて、ボロスカラーは実は今のスタンダードで非常に組みやすい2色となっています。《戦場の鍛冶場》が落ちてしまったものの、『久遠の終端』で《聖なる鋳造所》が再録され、これが《サンビロウの境界》のための土地タイプカウントも満たすので、マナベースとしてはむしろ強化されました。

    心火の英雄》を失った1マナ域を埋めるのはその白いカード。《花足の剣豪》は1マナ1/2とスタッツこそ並ですが、新生能力を持っていて、3マナで出すと2体に広がります。

    そしてその能力も強烈。自身が呪文や能力の対象になった時に、それが1回目なら、ハツカネズミが+1/+0修正を受けます。つまり《多様な鼠》で二段攻撃を付与すると、ハツカネズミが全体強化されるのです。新生で出した分を含めて2体の《花足の剣豪》が対象になれば全体に+2修正が入り、凄まじい打点を叩き出します。

    他の低マナ域にはかつての赤単のエースたちが並んでおり、《雇われ爪》、《熾火心の挑戦者》、《多様な鼠》は腕を組んでいます。《熾火心の挑戦者》と《多様な鼠》が存在する限り、赤いアグロが環境から消えることはないのでしょう。早いクロック、リソース、爆発的な打点、それらをすべて持つのがこのコンビです。

    最強の3マナ域、《叫ぶ宿敵》の横にいるのは《岩山炎の後継者、メイブル》。ハツカネズミを全体強化するだけでなく、戦場に出た時に装備品《岩山炎》を生成します。

    この装備品は装備クリーチャーに+1/+1、警戒、トランプル、速攻を付与するなかなかの優れもので、伝説ではないため2枚は置けませんが、それでも十分強力。

    岩山炎の後継者、メイブル》自身がロードなため対処しなければならず、倒したとしても装備品によって後続が強くなる、中々厄介なクリーチャーです。そして当然装備品も能力なので、《花足の剣豪》を誘発させてくれます。《岩山炎の後継者、メイブル》と《花足の剣豪》は非常に相性が良いカードです。

     

    4マナ域の《髭谷の先駆け》は初めて見たという方も多いのではないでしょうか?

    こちらもハツカネズミ。《心火の英雄》たちと同じく雄姿能力を持っており、マナ総量が3以下のクリーチャー・カードをライブラリーの上5枚から戦場に出すことができます。出すクリーチャーはハツカネズミに限らずなんでもOKなので、《叫ぶ宿敵》を呼び出せます。

    場に出さない選択もでいるので、全体除去に対して手札に速攻クリーチャーを温存したり、手札に加えて新生で出すことも可能と、ハツカネズミの事情にぴったりなクリーチャーです。低マナ域から高マナ域まで、対処しなければ終わりなクリーチャーが揃っているのがこのボロスハツカネズミ。

     

    白の利点である《幽霊による庇護》も採用しているので対アグロ性能もバッチリ。イゼット大釜ばかりを意識していると、ハツカネズミに蹂躙されることになりますよ。

     

     

    赤単ドラゴン

    スタンダードチャレンジ : 6位 By numberonenoob

    MTGアリーナ用インポートデータ

    続いて紹介するのも赤単のアグロデッキ!なのですが、こちらはなんと《熾火心の挑戦者》《多様な鼠》のハツカネズミの力は借りていません。

    その代わりにもっと巨大な者たちの力を借りています。

     

    そう、それがドラゴンです。

     

    ドラゴンと言えば思い浮かぶ人間がタルキールには一人いますよね?ええ、ドラゴンを愛する男、サルカンです。《龍へと昇る者、サルカン》はドラゴンデッキで輝く1枚。

    戦場に出た時にドラゴンの後見を受けていると宝物を生成し、ドラゴンが戦場に出るたびに強くなり、ターン終了時まで飛行を得る。ドラゴンを出すためのマナを作りながら、ドラゴンが出ると強くなる。《龍へと昇る者、サルカン》はそんなカードです。

     

    発売直後から注目されていたカードではありましたが、ネックだったのはそのドラゴンによって強くなる部分でした。ドラゴンは基本的にどれも重く、《龍へと昇る者、サルカン》が強くなるのが遅かったので、能力を上手く生かせませんでした。

     

    「《龍へと昇る者、サルカン》を出した次のターンに出せる強いドラゴンがあれば」と言われていました。

     

    そんなプレイヤー、そしてサルカンの望みを『久遠の終端』が実は叶えていました。これまで世界のどこにもなかったサルカンとぴったりの相性のドラゴンは宇宙にいたのです。

     

    その名は《新星のヘルカイト》。5マナ4/5飛行、速攻とドラゴンらしいサイズと能力を持ち、戦場に出た時にクリーチャーに1点を与えてくれます。そして《新星のヘルカイト》が持つ能力がワープ。

    3マナで戦場に出て速攻で攻撃し、その後5マナで出し直すことができるのが《新星のヘルカイト》。これが《龍へと昇る者、サルカン》と最高の相性だったのです。

     

    2ターン目に《龍へと昇る者、サルカン》を出して《新星のヘルカイト》を公開して宝物を生成。次のターンにワープで《新星のヘルカイト》を唱えて、サルカンが成長して7点。次のターンに宝物を生け贄に《新星のヘルカイト》をプレイすると8点。ワープの次のターンに宝物のおかげで《新星のヘルカイト》を通常キャストできるのです。

     

    もちろんドラゴンが《新星のヘルカイト》だけでは《龍へと昇る者、サルカン》は真価を発揮しませんが、そこは安心。除去である《双つ口の嵐孵り》、そして『ファウンデーションズ』で再録された《雄牛のやっかいもの》のおかげでドラゴンの枚数は合計で10枚になっています。

    双つ口の嵐孵り》と《雄牛のやっかいもの》だけでもドラゴンの数自体は担保できたかもしれませんが、《新星のヘルカイト》がないと《龍へと昇る者、サルカン》を使う気にはならないでしょう。それぐらいこの2枚の相性は抜群です。

    今後《黄金架のドラゴン》クラスのカードが出れば《龍へと昇る者、サルカン》は更に価値が上がるでしょうし、《新星のヘルカイト》は《龍へと昇る者、サルカン》と一緒にずっと使われるはず。このコンビには今後も目が離せません。

     

    ジャンドコーナ

    スタンダードリーグ : 5-0 By bolov0

    MTGアリーナ用インポートデータ

    パーマネントを手札から踏み倒せる、夢がたっぷり詰まったカード、《救助のけだもの、コーナ》。ただしその条件として、パーマネントを出す能力は生存達成時、つまり第二メインフェイズの開始時に、《救助のけだもの、コーナ》がタップ状態で戦場にいなければなりません。

    第二メインフェイズにタップ状態であるということは、通常は《救助のけだもの、コーナ》が攻撃し、無事に生き延びて戦闘が終わることを意味します。4ターン目に《救助のけだもの、コーナ》を出したとすると最速で5ターン目。除去もブロックもされずに能力を持たない4/3が生き延びるのはスタンダードではまず不可能です。

     

    そう、普通ならば。

     

    しかし《救助のけだもの、コーナ》の生存を特殊な方法で満たせるなら話は別です。生存の条件は該当クリーチャーがタップ状態であること。何も攻撃だけが生存を達成する方法ではないのです。

     

    まずは搭乗です。機体を動かすためにはクリーチャーを寝かせる必要があり、これで生存達成となります。採用されている機体は《重厚な世界踏破車》。

    戦場に出た時と攻撃した時に土地を伸ばせるので、《救助のけだもの、コーナ》で踏み倒すカードを手札から普通に唱えることもできるようになり、とてもデッキと噛み合っています。生存達成する《救助のけだもの、コーナ》を除去すると《重厚な世界踏破車》に殴られ続け、《救助のけだもの、コーナ》を残せば踏み倒されてしまいます。

     

    そして『久遠の終端』で登場した新たな能力、配備。こちらはクリーチャーをタップすることでカウンターが乗り、一定以上の個数が溜まるとすごい起動型能力が使えるというもの。土地枠で《救助のけだもの、コーナ》をタップして生存能力を起動できるようになったのです。

    目覚めの安息地、エヴェンド》はクリーチャー分だけ緑マナを生む《ガイアの揺籃の地》になり、《記念の星、カヴァーロン》は土地を生け贄にロボットを生成し、その後全クリーチャーにパワー修正と速攻を付与します。どちらも単に《救助のけだもの、コーナ》の生存のためだけでなく、条件達成後の能力も非常に強力です。

    さて、これで《救助のけだもの、コーナ》の生存が容易であることがわかりました。肝心の踏み倒すカードはというと、《全知》のような一撃必殺カードは採用されていません。

    このデッキは《救助のけだもの、コーナ》の生存を意識はしていますが、決して依存していないのが特徴。《重厚な世界踏破車》からのマナ加速だけで出せるようなクリーチャーばかりです。

     

    4枚採用されているのは《宝物庫生まれの暴君》。《不屈の独創力》でもお馴染みの恐竜で、自身やパワー4以上のクリーチャーが戦場に出た時に3点ゲインと1ドロー。更に死亡時にトークンになり帰ってくるので、除去2枚が必要となる上に2ドローで、1枚でとんでもないリソース差をつけてくれます。

    デッキで一番重い《恐怖を喰うもの、ヴァルガヴォス》はさすがに手札から出すより《救助のけだもの、コーナ》から踏み倒したいカード。《逃げ場なし》が環境から消え気味な今、この護法は輝きます。

    面白いのは《早駆ける業火、カラミティ》。騎乗したクリーチャーのコピーを2体生成する乗騎なのですが、《宝物庫生まれの暴君》との相性は抜群です。

    宝物庫生まれの暴君》で騎乗して《早駆ける業火、カラミティ》が攻撃すると、まず最初に《宝物庫生まれの暴君》トークンが生まれて1ドローとゲイン、そして2体目のトークンが出てきてそれぞれが誘発し、2ドローと6ゲインが入ります。

    峰の恐怖》をコピーすれば瞬殺ですし、大型クリーチャー同士のシナジーがとても気持ち良いデッキです。

    救助のけだもの、コーナ》の他にも踏み倒し手段として《密輸人の驚き》が採用されています。手札からクリーチャーを2体出したり、4枚切削した中からクリーチャーを加えるこのインスタントは、クリーチャーを拾う手段、踏み倒しの両方に使えて便利です。

    幻獣との交わり》を採用しているおかげで切削も活きる可能性があります。墓地からフラッシュバックすると4/4の英雄譚になり、次のターンに緑を2つ生成してくれて、5ターン目に7マナを生み出します。

    7マナと言えばもちろんこのデッキのエース、《宝物庫生まれの暴君》。実に様々な手段で《宝物庫生まれの暴君》を出し、そこから暴れるこのデッキは、最早ジャンド暴君と呼ぶべきかもしれませんね。

    強さと楽しさを兼ね備えたジャンドコーナ、今後数が増えていきそうな予感がしています。とても良いデッキなのでぜひお試しください。

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