【週刊メタゲーム通信】今週はミッドレンジが大活躍!メルボルンではディミーアとラクドスのミッドレンジ対決!

【週刊メタゲーム通信】今週はミッドレンジが大活躍!メルボルンではディミーアとラクドスのミッドレンジ対決!

mtg Yuyan

こんにちは。

 

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

 

今回は、メルボルンと中国で行われた地域CSの結果から、最新のメタゲームを分析していきます。

 

メルボルン

優勝:ディミーアミッドレンジ
2位:ラクドスミッドレンジ
3位:オルゾフピクシー
4位:グルール昂揚
5位:イゼット果敢
6位:ジェスカイ眼魔
7位:イゼット果敢
8位:ジェスカイ眼魔

 

優勝を争ったのはなんとディミーアとラクドスのミッドレンジ対決!

 

ジェスカイ眼魔とイゼット果敢はトップ8の準々決勝で全員が破れ、ミッドレンジたちが勝ち上がりました。

 

ミッドレンジ界の頂点に立ったのはやはりディミーアミッドレンジ。

MTGアリーナ用インポートデータ

 

なぜミッドレンジ対決においてディミーアは強いのか?その答えは何と言っても《永劫の好奇心》です。

自軍クリーチャーの攻撃が通るだけで1ドローという性能を持つ4マナ4/3瞬速。それだけで脅威にもかかわらず、除去してもエンチャントとして戦場に残るので、完璧に処理するには追放か、除去+エンチャント破壊しかありません。

 

永劫の好奇心》を放置するには戦場のクリーチャーを根こそぎ処理するしかないのですが、そんなことは到底現実的ではありません。《遠眼鏡のセイレーン》《フラッドピットの溺れさせ》《大洞窟のコウモリ》などの小粒なクリーチャーから、《分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》《悪夢滅ぼし、魁渡》と、強力な生物まで揃っています。

ミッドレンジ対決はアドバンテージの稼ぎ合いとなるため、《永劫の好奇心》を採用できることこそ、ディミーアミッドレンジがミッドレンジ界の王たるゆえんなのです。


さて、そんなディミーアに決勝で敗れてしまったものの、大健闘を見せたのがラクドスミッドレンジ。

MTGアリーナ用インポートデータ

 

ミッドレンジの中でも少し攻撃的なミッドレンジといったところでしょうか。2ターン目から《大洞窟のコウモリ》で手札破壊をする他、《逸失への恐怖》《太陽の執事長、インティ》といった2マナでリソースを稼ぐ攻めカードが採用されています。

4枚採用されている《すりのチビボネ》は相手の墓地野パーマネント・カードを唱えられます。《強迫》で《不浄な別室+祭儀室》を落として奪ったり、クリーチャー同士の相打ちで墓地が溜まったところに出すと、1マナ域とは思えないプレッシャーになります。

とはいえ、所詮は1/1のクリーチャー。接死で相打ちを取るのが主な役割なのですが、このデッキではその《すりのチビボネ》を活かすことができます。

 

運命を笑う者、アリーシャ》によって。

このターンに攻撃していると誘発する強襲能力で、墓地から《運命を笑う者、アリーシャ》のパワー以下のマナ総量のクリーチャーを墓地から吊り上げることができます。戦場に出したターンは大体パワー2なので、2以下のクリーチャーをリアニメイトできるというわけです。

 

逸失への恐怖》《太陽の執事長、インティ》、《大洞窟のコウモリ》に《すりのチビボネ》とよりどりみどりです。

特に《すりのチビボネ》は相手も積極的に止めたいカードなので、墓地に落ちていることが多く、《運命を笑う者、アリーシャ》で何度も釣られるとうっとうしくて仕方がないでしょう。

1~2ターン目からクリーチャーを展開し、除去されたカードを《運命を笑う者、アリーシャ》で釣り上げると、まず《運命を笑う者、アリーシャ》がマスト除去になるので、釣ったクリーチャーは残ってくれます。1対1交換を繰り返して勝利を目指すミッドレンジの動きが攻撃的に行えるというわけですね。

ギックスに拾われし者、ミシュラ》と《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》のコンビを採用しているのも実に面白い!

ギックスに拾われし者、ミシュラ》はクリーチャーで攻撃するとライフをドレインできるので、クリーチャーがたっぷり入ったこのデッキではかなりのダメージが期待できます。


一方、リソースを稼ぐのが《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》。蘇生時に手札を捨てて3枚引くのが基本的な使い方なのですが、実は墓地から戦場に出ると能力が誘発するので、《運命を笑う者、アリーシャ》で墓地から戦場に戻しても良いのです。

マナ総量は3なので、《運命を笑う者、アリーシャ》に+1/+1カウンターが1つでも乗っていれば《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》をリアニメイトでき、非常に強力な動きとなります。

もちろんゲームが長引いて合体すれば、戦場に出た瞬間に盤面や相手の手札に干渉するので大体勝利です。

とても革新的なリストで、見事2位にまで上り詰めました!

 

中国

優勝:アゾリウス全知
2位:イゼット果敢
3位:オルゾフミッドレンジ
4位:イゼット果敢
5位:グルールアグロ
6位:赤単アグロ
7位:アゾリウス全知
8位:アブザンピクシー

 

一方、中国の地域CSではアゾリウス全知が優勝を収め、トップ8にも駒を進めています。

 

赤アグロはイゼット果敢が2人に赤単・グルールのハツカネズミ軍団たちも残り、大活躍と言ったところ。

 

単色・2色のデッキたちがトップ8を独占する中、一人息を吐いたのがアブザンピクシー。バウンス軸のデッキとして唯一の入賞です。

MTGアリーナ用インポートデータ

 

養育するピクシー》《陽光真珠の麒麟》の8枚のバウンスで、《望み無き悪夢》《逃げ場なし》《勢い挫き》を戻して再利用するセルフバウンス系統のデッキ。

一時的封鎖》まで採用されており、《一時的封鎖》で自分の《養育するピクシー》《望み無き悪夢》などを追放し、《陽光真珠の麒麟》で《一時的封鎖》を回収。すると自分で追放していた《望み無き悪夢》なども戻り、更に《養育するピクシー》で《陽光真珠の麒麟》を回収できるので、《一時的封鎖》を使い回し続け、《望み無き悪夢》《勢い挫き》などを何度もぐるぐる回せるようになります。

ここまではオルゾフピクシーと同じですが、アブザンは緑を足し、強力なクリーチャーたちを採用できます。

 

手札破壊を行うのが《絶縁の僧侶》。戦場から離れると、追放したカードのマナ総量分のサイズを持つクリーチャーを相手に献上しますが、《難題の予見者》のように相手にカードを引かせないのがポイントです。《絶縁の僧侶》が対処されても失った手札は回復しないのです。

デッキには大量に除去が入っていますし、トークンは《一時的封鎖》でまとめて処理できるのでさほど困りません。特にアゾリウス全知のような除去が効かないデッキに対しては、手札で除去が腐り続けるので、《絶縁の僧侶》から出たトークンを対処するのにぴったりです。

そしてアブザンピクシーを支える強力な4マナ域、《ヤサンの街道見張り》。カードを4枚切削してマナ総量が3以下のクリーチャー・カードを戦場に戻せるので、《絶縁の僧侶》で手札破壊を行ったり、余裕があれば《養育するピクシー》《陽光真珠の麒麟》を吊り上げて、《ヤサンの街道見張り》を回収し、更なる展開を望めます。

以前までのアブザンピクシーには《遊撃サイ》が入っていたスロットには、《名もなき都市の歩哨》が採用されています。

3/3/4のスタッツは《遊撃サイ》と同じですが、地図で4/5へサイズを上げたり、ドローの質を向上できるなど、ライフドレインの《遊撃サイ》に比べて、用途が広いのが《名もなき都市の歩哨》です。警戒なので攻守に渡って優れており、赤アグロの多い環境なら非常に強いカードです。

1枚採用の《カルシの帰還者》もセンスが光るチョイス。《名もなき都市の歩哨》の地図、《ヤサンの街道見張り》の切削と、墓地で誘発するカードには価値があります。《名もなき都市の歩哨》が《カルシの帰還者》の相続を受けたらもう勝ったも同然!1枚入れるだけで切削にバリューが生まれるので、アブザンピクシーを使うならぜひ1枚は採用したいですね。

決勝ラウンドでは振るわなかったものの、赤単・イゼット果敢キラーとして本トーナメントで活躍したアブザンピクシーは、これから数が増えてくるかもしれませんね。

 

先週末はミッドレンジが大活躍!果たしてここからスタンダードのメタゲームはどのように変化していくのでしょうか。

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