「マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY」ドラフト・アルティマニア

「マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY」ドラフト・アルティマニア

Akira Kobayashi

 こんにちは! へいか(@enzyutuheika)です。

 今回の新セットである「マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY」ですが、ドラフトが非常に楽しい環境です!


 アーキタイプ毎の特色も分かりやすいだけでなく各々のカードの役割も明確で、これに加えてファイナルファンタジーというフレーバー満点なセット。個人的に最も好きな環境と断言できるほどです。


 主にアリーナで楽しんでいますが、終わってしまってもおそらく紙で楽しみ続けることになりそうです。それぐらいには好きになってしまいました。

 

 たびたび言及する勝率については17landsという統計サイトを参考にしています。(リンク

 

 なお、本記事はMTGアリーナにおけるドラフトの攻略記事となります。卓内のプレイヤーと対戦するテーブルトップのドラフトは想定しておりませんので、ご注意ください。(とはいってもまったく紙のドラフトで参考にならないわけではありません!)

 

     

     

    ▼環境理解 - アーキタイプ環境

     まず大前提として、この環境のコモン・アンコモンはシナジーやアーキタイプごとの戦略を意識したカードが多く、アーキタイプ環境です。


     霊気走破の緑のように突出した色もなく、総じて色のバランスがいい環境と言えるでしょう。

     改めてアーキタイプごとにまとめていきましょう。

     青白:アーティファクト/工匠(シド)
     青黒:コントロール/アーティファクト
     青赤:4マナ以上非クリーチャー呪文
     青緑:街ランプ
     白黒:サクリファイス/アーティファクト
     赤白:装備品アグロ
     緑白:横並べ/英雄譚/チョコボ
     赤緑:上陸/チョコボ
     黒赤:黒魔術士バーン
     黒緑:墓地利用/ランプ

     上記の通り、一つのアーキの中でもいくつかのシナジーがあることが分かるかと思います。


     これらのシナジーによってカード毎の点数が大きく変わる事はこの環境で非常に重要な部分ですので、これは必ず意識する必要があります。

     

    ▶環境のサイズ・速度感

     まずこの環境において2マナパワー3はレア含めてもなんと《コーネリアの騎士、ガーランド》のみ。後は上陸込みのチョコボトークンぐらいしかいません。

     2マナのジョブ選択装備品はいずれもパワー2であり、《サハギン族》《ガードスコーピオン》《パシュハウ沼のグゥーブー》などの2マナタフネス3に価値が生じることにも繋がります。


     こういったタフネスが高い2マナ域から3ターン目《チュートリアルバトル》に繋げるとアドバンテージを得つつ、非常に硬くなれるので鉄板の組み合わせとなっています。

     また先手が強い環境でもあります。


     17landsによるデータでも表れており、先手勝率は53%に近い数値。これに加えてこれまでの環境の中ではやや早めな速度感となっています。


     この理由としてはやはりジョブ選択装備品が挙げられます。

     英雄トークンを生み出しつつ装備させる装備品ですが、この装備品を重ねることで打点を縦に伸ばしやすく、ブロッカーを突破するのが容易になっています。


     そうすると先に動ける先手側が優位に立ちやすく、結果的に先手環境になっていると推測できます。


     環境の速度感としても歴史を見てもだいぶ早く、17landsでは決着ターンが平均8.9ターンとなっており、これまでの環境の中でも速くなっています。これらの要因から押し付けが強い環境であると言えそうです。

     ドラフトにおける2マナ域は重要と古事記にも書いてありますが、今回は先述した通り先手が強いことに加えてジョブ選択の装備品が2マナに集中しているのも大きく、攻めるにしても受けるにしても特に2マナが重要になっています。

     上記の理由からピック・構築時は2マナアクションの数を意識した方がよい、という話に繋がります。

    ▶FF環境における飛行

     さて、基本サイズの話をしたところで、ここでこの環境の飛行について言及せねばなりません。

     まず飛行を阻む到達持ちが非常に少ないという特徴が挙げられます。コモンで到達を持つカードは《東アルテバ砂漠のサボテンダー》《「吟遊詩人」の弓》《岩巨人》の三枚しかありません。


     さらに言えば《「吟遊詩人」の弓》以外の2枚はいわゆるアンプレイアブルなため、実質1枚しかないとも言えます。

     ではアンコモンはどうかというと、《バレット・ウォーレス》《グ・ラハ・ティア》《ダイヤウェポン》とこれもまた3枚しかありません。

     《ダイヤウェポン》はどちらかというとフィニッシャーであるため、序盤~中盤の飛行に対するブロッカーとしては期待できません。


     《バレット・ウォーレス》もただの4/4到達になりやすく、カードパワーが低いのもマイナス点。実際17landsでも52.2%と非常に低い数値です。


     《グ・ラハ・ティア》は5マナとやや重く、同じくブロッカーとしての運用はどうかと言われると……サクリファイスシナジーのある白黒以外のアーキタイプだと弱めなのも厳しいところですね。

     このようにアンコモン含めても序盤で使用に耐えうる到達持ちは《「吟遊詩人」の弓》1枚しかないということになります。

     一方で飛行クリーチャーは3/2/1飛行でありながら1/1英雄トークンを出す青のトップコモンである《竜騎士の飛竜》、2/2/1飛行で攻撃時に諜報1と凄まじいカードパワーを持つ《イル・メグのピクシー族》。


     裏返る必要があるとはいえ、一回裏返ってしまえば搭乗1かつ4/4飛行の機体となる《サブクエスト:カードコレクション》も強いですね。

     

     白にもアーティファクトが2枚あるだけで3/3飛行警戒と素晴らしいカードになる《ゲイラキャット》、実質2/2/1飛行であり装備することで+1/+0と飛行も付与してしまうトップアンコモン《「竜騎士」の両手槍》もいます。


     この《「竜騎士」の両手槍》含めた装備品を持ってこれながらパワー3の飛行でもある《レターモーグリ》、2-3章で飛行を付与する《召喚:蛮神ガルーダ》と粒揃いです。

     これに加えてジョブ選択の装備品も多いため、これらの飛行に装備しパワーを上げて殴る飛行ビートが成立しやすい環境でもあります。

     このように飛行を持つ青と白はテンポよくライフを削るというプランを立てやすく、色自体が強い理由の一つです。

    ▶レアに対する対抗策は用意すべし

     どのリミテッドでも言える事ではあるのですが、今回はボーナスシートである継承史カードも含めて試合を動かすレアが多くなっています。

     17landsでも勝率60%前後であるレアの数は多く、数字的にも証明されていると言えるでしょう。

     こんなレアへの対抗策としては下記の通りになると考えます。

     

    1.《中略》《リバイアサンの腹のなか》といったカウンター

     

     レアをそもそも解決させないカウンターがまず思い浮かびますね。


     これは数字にも表れており、17landsでは《中略》が57.5%、《リバイアサンの腹のなか》が59.9%と高い勝率を記録しています。

     

     もちろんボーナスシート(継承史カード)のカンスペこと《対抗呪文》も58.6%と高い勝率を記録しています。

     これはレアが強い環境であるからこそ、これへの完全回答になり得るカウンターの価値が上がっているのはもちろんですが、同時に構えるインスタントが強いのも一因になっていると思われます。

     青単色だけでも《ラグナの記憶》や3マナ瞬速のタップオーラである《祈り子の間での捕縛》、バウンスの《氷魔法》や《緊急脱出》も同時に構える選択肢が豊富ですね。


     黒でも《ヴェインの鬼謀》《オーバーキル》《セフィロスの介入》と優秀な各種除去、赤では《雷魔法》《火魔法》……といった具合で、いわゆる構え損になりづらいというのもこれらカウンターの強さを支えていると推察できます。

    2.デッキ自体のゲームレンジを短くする

      ゲームが延びれば延びるほどボムレアを出される確率は高くなっていくため、速やかにゲームを畳めるような構築を意識せねばなりません。

     赤白アグロなどはその筆頭で、2マナを中心とした軽量クリーチャーを次々と展開していきながら6-7ターン辺りの決着を狙っていく構築が17landsでの7勝デッキでちらほらと見かけます。

     ここまで極端ではないにしろ、強いレアがないデッキではちゃんと飛行+装備の組み合わせなどゲームを畳む手段を用意していることが多いですね。


     逆に除去が多くてもフィニッシャーが少ないデッキだと結果的に相手のボムレアによって敗北してしまうというケースが多見されました。

     もちろんこちらがボムレアを複数あるのであれば逆にゲームを長引かせ、ボムレアを引き込んで連打していくという構築の方が勝率高くなるというケースもあるでしょう。

     攻める側、受ける側。アーキタイプも含めてどの立場に立った方がいいのかをよく考えて構築していく必要があります。

    ▶英雄譚・クリーチャーについて

     一時的に力を貸してくれる召喚獣を最終章まで行ったら墓地に落ちる英雄譚・クリーチャーとして表現したのは見事以外の何ものでもありません。


     正直この発想はなく、MTGにはまだまだデザインの幅はあるのだと思い知らされましたね。

     さて、そんな英雄譚・クリーチャーですが、最終章まで行ったら墓地に落ちる関係上、3章の英雄譚・クリーチャーは1回しか殴れない点には留意したいところです。(1章では召喚酔い、2章では攻撃できるものの3章で墓地に落ちるため)

     ただ、ブロック面で言えば1章、2章の2ターンはブロッカーとして運用できるため、受ける側のデッキとしてはありがたいと言えます。


     3章までしかない英雄譚クリーチャーは英雄譚側の効果を目当てにしつつ、ブロッカーの運用として考えたほうがよいでしょう。

     これについてはデザイナーチームも意識しているのか、《召喚:シヴァ》《召喚:蛮神ガルーダ》など3章の英雄譚は盤面に干渉する効果を持つ事が多くなっています。

     一方で4章まである《召喚:モーグリ&チョコボ》《召喚:デブチョコボ》《召喚:G.F.イフリート》は攻撃するクリーチャーとしての運用ができるということにもなりますね。


     特に《召喚:デブチョコボ》は1賞で2/2チョコボトークンを出すことで1枚で2枚になりつつ、2~4章は全体にトランプル付与と緑とかなり噛み合う性能となっています。緑の強コモンですね。

     攻める側も受ける側もこの英雄譚クリーチャーの特性をきちんと理解しておきたいところです。

     

    ▼ピックの方針

    前半はカードパワー重視

     これはシンプルですね。


     空いている色に座る事は非常に重要です。「どの色にも入れるようにする」ために前半ではそのパックの中で一番強いカードをピックする事になります。


     そのためには各色ごとの強いカードは覚えておく必要があります。


      色単体の強さは青≧白>黒>緑≧赤

     

     これはあくまでも色単体での強さとしての個人的な評価です。


     また、先述した通り色の強さにそこまで差はありませんが、緑に関してはレアが絡まないと弱いと感じます。


     ただレアは強く、他の色のレアもマナサポートによって強く使えるため「色単体での強さ」としては4番手としています。


     コモン・アンコモン限定で見れば緑は最下位と言っても差し支えないと考えています。

     

     最下位である赤も攻めるカードと受けるカードが二極化している上、またいわゆるボムレアが《燃え上がるニブルヘイム》《サイファー・アルマシー》《親衛隊長、ギルガメッシュ》ぐらいしかないのも「色単体での強さ」で最下位としている理由の一つでもあります。


     その一方で特定アーキタイプでは強くなるカードも多々あり、アーキタイプとしての完成度を高くできる点は評価できます。

     先述した通り、アーキタイプとしての完成度が重要になってくるというわけですね。

     その上でカードパワーの高いアンコモンやコモンを色ごとに簡単にまとめていきます。

     

    パックの前半~中盤辺りに流れてきたら取るカードTOP5

     前半はアンコモンを中心に、このアンコモンが枯れてくる中盤でコモンをTOP5形式で見ていきます。


     左から点数および優先度が高い順となっています。

     

    ▶白

     いずれもまっすぐ殴っていくという方向性で統一感があり、これによってデッキの完成度が高くなりやすい利点があります。


     先手環境でもあるためテンポよく攻めていける白が一番強いという見方もありますね。

     

     《白聖石》はパーマネントを追放しつつもアーティファクトシナジーを満たし、さらにマナも産み出すトップコモン。


     《「白魔術士」の杖》も2マナながら+1/+1修正とタフネスも上がるため、1/1に止められない点が素晴らしいですね。

     《「竜騎士」の両手槍》は全アンコモンでもトップクラスの強さ。17landsではなんと61.6%とレア並の勝率が出ています。


     2/2/1飛行でありながら後から出たクリーチャーにも+1/+0と飛行をつけることでフィニッシャーに様変わり。先述してきたように飛行が強い環境であるため、この装備品の価値も大きく上がっています。

     

    ▶青

     《サハギン族》と4マナ以上の非スペル、クリーチャー+《チュートリアルバトル》との組み合わせなど青単色内で完結する流れが多いため完成度が高くなりやすいのが利点です。


     個人的に生物の質が環境に合っている上にアドバンテージも取れ、カウンターもありと器用に対応できるのもあってかなり好きな色です。

     青の2/1/3はリミテでよく見かけて大体弱い傾向にありますが、今回の《サハギン族》は別格。17landsでは58.4%と非常に高い勝率を誇っています。


     先述した通り2マナ域のクリーチャーはほぼ受け止められるため、2/1/3というスタッツが環境的に良いというのがまず挙げられますね。

     《サハギン族》を複数拾えている場合、4マナ以上の非クリーチャー呪文の点数は大きく上がるのでここの繋がりは是非意識しておきたいところですね。

     《迷惑なタコ、オルトロス》は《氷魔法》の4マナモードと組み合わせることで2枚ブロッカーをどかせる押し付け最強カードです。


     デッキの中核としても働くので見かけたらピックしておきたい一枚ですね。


    ▶黒

     除去が強く、アンプレイアブルなカードが他の色と比べて少なく安定しているのが特徴と言えます。


     ちなみにコモン・アンコモンの勝率TOP5が《サブクエスト:モブハント》《セフィロスの介入》《ビッグブリッジの死闘/致命的な一押し》《ヴェインの鬼謀》《黒魔道士の襲撃》と全て除去となっています。

     《ヘクトアイズ》については《「黒魔術士」の杖》・《隠された真実》・《神羅の援軍》などと悩みましたが、ディスカードによる安定したパフォーマンスと生贄に捧げやすい点で5番手としました。

     《サブクエスト:モブハント》は特に強力で、確定除去のオマケに宝物トークンを産み出しつつ、3個になると5/6のフィニッシャーに様変わり。1-1でも強いレアがなければピックするレベルです。

     

    ▶緑

     上で紹介したような単色内で完結するシナジーや強力な動きがないため、コモン・アンコモンだけで入るような色ではありません。


     緑の強い動きとしてはマナサポートで補助しつつランプ先を用意するようなイメージです。ですのでレアから入るのがよいように思います。


     そういう意味では戦略と噛み合っている青緑、緑黒は割と強めな印象がありますね。

     《チョコボキック》はキッカーで二倍のダメージを与えられる点、上陸シナジーとも噛むなどの複数の要因によってトップコモンとなっています。


     《町の歓迎者》は黒緑や青緑では是非欲しい一枚ですね。 

     先述した通り緑はコモンやアンコモンから中核を据えるにはあまりしたくない色ではありますが、構築級の強さを持つ《召喚:フェンリル》であれば話は別です。


     これが早くない巡目に流れてくるなら上は間違いなく緑をやっていないというサインになりますし、多色化によってレアの受けも広くなるためです。

     

    ▶赤

     カード単体で見ると強いカードは少なく、シナジーによって強さを発揮する事が多いです。


     このシナジーを発揮してしまえば他の色のコモンよりも強い動きをする事が多く、色の相方としてはよき相棒になれる色と言えます。

     《猛火のボム》に関しては青赤専用カードです。青赤では勝率59.1%と高勝率を誇りますが他の色では最高でも黒赤の53.3%と非常に極端な数字を残しています。


     よってパックの後半などでこれが流れてくる時点で青赤をやっている人は少ないという情報を得る事が出来ます。(もちろん他のカードとの兼ね合いで取らなかった可能性もありますが)


     逆に青赤の席に座っているのであれば、これが流れてきやすくなるのでより完成度が高くなるという好循環が産まれることになりますね。

     《チョコメット》と《「侍」の刀》の2枚がかなり抜けており、これらは是非ピックしたいところです。


     5番手の《魔女の野望》に関しては《猛火のボム》と同じように青赤・黒赤専用カードとなっており入るデッキは少ないのですが、これらのデッキで1枚あるだけでも太さが違うので評価をやや上げています。

     

    ▶マルチ

     ほぼ全てのマルチアンコモンはアーキタイプを大きく支える性能であるため、どれも前半に流れてきたらピックしたいですね。

     中でも《過激な淑女、シャントット》はレア級で別格の性能です。


     1-1で普通以下のレアであればこれを取って青赤への布石を打つことも検討するレベルです。

     

     各色の強カードについてはここまでにして、次から具体的なピック指針に移ります。

     

    エスパーカラーを少し意識

     エスパーカラーは色の強さで言えばいずれもTOP3に入ると考えており、かつこれらはアーティファクトシナジーが少しだけ繋がっている点は留意したいところです。

     例えば黒ですと《ヴェインの鬼謀》《魔列車》などはクリーチャーだけでなく、アーティファクトも生贄に捧げることでボーナスがかかります。


     クリーチャーとアーティファクトが両方出る装備品との相性が良いのは見逃せません。そういう意味では無色の《「モンク」の拳》は悪くないカードです。

     

    《アルベド族のサルベージャー》もアーティファクトが墓地に行くと1点ドレインであり、サクリファイスシナジーとの相性がよい一枚です。

     アーティファクト(親和)の《ヘリガンナー》を擁する青はもちろんですが、4/3/3飛行で他のアーティファクトが出るたびにルーティングをする《オートタレット・ルーク》はややカードパワーが低めなのは注意。

     また、《「白魔導士」の杖》《「竜騎士」の槍》《「ナイト」の盾》といずれも強力な装備品が白には多く、意識せずともアーティファクトが集まっているというパターンが多々あります。


     これらの装備品をサーチしてくる《レターモーグリ》も強力ですね。白が分かりやすく強いとされている理由もここです。


     いずれのカードも「殴っていく」という一貫性があり、カードパワーに従ってもアーキタイプ毎に求められているカードが自然と集まるためです。

     

    赤緑はボムレアを複数拾えた時以外は極力入らない

     理由はシンプル、デッドカラーだからです。


     17landsの統計でもダントツの勝率最下位となっています。


     弱い色同士の組み合わせになり、赤緑というカラーは攻めていきたいのですが攻めるのに不向きなカードが多いというのも一つの理由でしょうか。

     上陸シナジーもこれといった強力なものがなく、ただただシンプルにアーキタイプとしてのパワーが低いという悲しい理由です。

     ただ《燃え上がるニブルヘイム》《原始のタイタン》といった強力なボムを複数ピックできており、かつ《チョコメット》《召喚:フェンリル》といった強アンコモンが流れてくるなど赤緑が空いているのであれば話は別。


     これらのボムを強く使えるように構築していきましょう。


     (大半のケースで緑青タッチ赤の方が強いという悲しい現実もありますが)

     

    青赤は入れるなら入りたい。マルチアンコが流れてくるならピック

     一方で青赤は17landsの統計でも勝率最上位となっており、入れるなら入りたい組み合わせになります。


     《猛火のボム》《「戦士」の剣》など青赤では強力なものの、他のアーキタイプでは点数が落ちるカードが多いのも特徴です。

    青赤・黒赤専用カード筆頭

     

     また、赤は単体で見るとパワーが低いように見えるカードも多く、特に《狂気の嘲笑》《ラグナの記憶》《魔女の野望》といったコントロール寄りのカードは敬遠されがちな傾向にあります。(《チョコメット》《「侍」の刀》といったパワーカードは例外ですが)


     そうすると必要なカードが集まりやすく、結果的にアーキタイプとしての完成度が高くなりやすいのも勝率最上位である理由と言えます。

    とんでもないやつら

     

     マルチアンコモンである《パラメキア皇帝》《過激な淑女、シャントット》は相当なパワーカードであり、これあるなしでは青赤としての完成度が桁違い。


     1パック目の前半で流れてきたら是非ピックしたいところです。

     

    空いている色に座るのが重要

     ここで意識しておきたい事としては、アーキタイプ毎に点数が大きく変わるカードが多いということです。


     先述してきた通り、今回の環境はアーキタイプ環境。


     霊気走破の緑ほど突出している色もなく、いかに競合せずに完成度の高いアーキを作り上げられるかどうかが重要になってきます。

     

     例えば1-5辺りから流れてきたパックの中で唯一の青である《チュートリアルバトル》などを取っていき、下家に対して青がないという情報を渡し続けて「俺は青をやるぞ」と色を主張することも効果的と考えられます。

     もちろんこれは上家も同じことが言えます。


     ここで「このカードが流れてくるなら上はこのアーキタイプはやっていない可能性が高い」と判断できるように、カード単体でアーキタイプごとの評価・点数を覚えておく必要があります。

     

     具体的な例としては、《コヨコヨのUFO?》が挙げられます。


     2/0/4飛行のタップ起動で手札の土地を出しつつ、3マナ起動で街の数と同等のパワーになるというカードです。


     一見するとただの2/0/4飛行ですが、街をかき集め土地を伸ばしていって《キキルンの商人たち》《世界をめぐる旅》《心を持たぬもの、オメガ》といった街を参照する街ランプ・コントロールデッキでは点数が高いカードとなります。

     

     2/0/4飛行の防御的なスタッツで序盤を支え、マナなしの起動能力で手札から土地をセットすることでマナ加速に貢献し、最終的には3マナの起動能力で戦力にもなる……と、街ランプ・コントロールにとってほしい要素が全て詰まっており80点~90点のカードと言えるでしょう。

     一方で街参照シナジーがなく、街自体もないとなると本当にただの2/0/4飛行になってしまいます。


     例えば赤白などの攻めっ気の強いデッキではほぼ0点、いわゆるアンプレイアブルなカードに成り下がります。

     このようにアーキタイプ毎に点数が大きく変わる事はご理解いただけたかと思います。
     ではこの《コヨコヨのUFO?》が1-8辺りで流れてきたらどうでしょうか。


     街ランプ/コントロールでは評価の高いこのカードがこの巡目になっても流れてくるということは、このアーキタイプに参入している人が卓にいない可能性が高くなりますね。

     これが「空いている席を見極める」ということになります。このように流れてくるカードには卓の状況という情報が詰まっていますので、意識しましょう。

     よって空いた色に座りつつ、かつピックしたカードを強く使えるような構築をする事が重要という方針にも繋がると考えます。

     

    ▼アーキタイプごとに点数が上がるカード・ゲームプランの立て方

     ここではアーキタイプごとに点数が上がる、つまり評価が高くなるカード群とゲームプランの立て方をまとめていきます。


     前提として、マルチアンコモンはそもそも入るので例外とします。

     また、デッキリストについては基本的にミシック帯かつ7勝です。

    青白 - アーティファクト・飛行ビート/高速~中速

    ▶点数↑
     各種ジョブ選択装備品(特に白)
     《ゲイラキャット》
     《ガードスコーピオン》
     《竜騎士の飛竜》
     《武器屋》

     

     ゲームプランとしては赤白ほど早くはないため中速寄りですが、主に飛行ビートによって早めにゲームをたたむ事を意識することになるでしょう。


     そのため飛行系統およびアーティファクトシナジーも満たす各種ジョブ装備品の点数は高めになってきます。


     《ガードスコーピオン》も地上を止めつつ、アーティファクトシナジーも満たすので《ゲイラキャット》との相性は〇。


     そういった意味でも継承史カードですが《帝都アルケイディス/前兆の壁》も地上の壁として相性がいいとも言えます。

     《武器屋》もこのアーキタイプとは相性がよく、上記の装備品を1マナで飛行につけて殴っていくというプランを取ることができます。

     《独創的な革新者、シド》をピック出来ている場合、常在効果を活かすために対象となる英雄トークンを出すカードやアーティファクトクリーチャーの点数が高くなりますね。


     これも各種ジョブ装備品で英雄トークンが出るため、やはり装備品を集めていきたいという話になってきます。


     また、《武器屋》は《独創的な革新者、シド》との工匠シナジーも存在するので忘れないようにしたいところです。

     ちなみに継承史の《第三の道のロラン》《最高工匠卿、ウルザ》も実は工匠だったりします


     再現性は皆無に近いですが、万が一揃ったなら紙で気づく方は皆無と言ってもよいです。ドシャクりましょう。

     

    青黒 - コントロール/中速~低速

    ▶点数↑
     カードパワーが高いカード全般

     身も蓋もないかもしれませんが、事実です。


     青黒に関しては明確なシナジーはなく、青と黒の強カードをかき集めた結果強い青黒が出来上がるという印象が強いです。

     下記にミシック帯7勝リストを並べると共に、シナジーも記載します。

    ★テンポ型
    ・《サハギン族》《迷惑なタコ、オルトロス》+4マナ以上非クリーチャー呪文
    ・《サハギン族》《イル・メグのピクシー族》+《チュートリアルバトル》

    ★低速寄りの中速型
    ・《「黒魔術士」の杖》が重なった上で優秀なスペル群が揃う

    ★低速型
    ・カウンター・除去と街を集めて《世界を巡る旅》のコントロール+ボム

     このように強いカードをかき集めるだけでなくシナジーを発揮させつつ、どういった速度感やゲームレンジで行くのかを意識しながら構築されているのが分かるかと思います。


     ピックしていく上でアーキタイプが目指すゴールが定まっていない分、ある意味では腕が一番問われるアーキタイプなのかもしれませんね。


    青赤 - 4マナ以上非クリーチャー呪文/中速~低速

    ▶点数↑
     《猛火のボム》
     《サハギン族》
     《戦士の剣》
     《幻獣を奪取せよ》
     《山チョコボで冒険》
     《ラグナの記憶》
     《狂気の嘲笑》
     《魔女の野望》
     《緊急脱出》

     

     青赤は4マナ以上非クリーチャー呪文によって強化する《猛火のボム》《サハギン族》が欲しくなってきます。特に青赤濃厚時の《サハギン族》は早めの巡目でもピックを検討するレベル。


     2/1/4で相手を止めやすい《ガードスコーピオン》も個人的には評価が高いカードです。

     

     それから4マナ以上非クリーチャー呪文の要件を満たしつつクリーチャー枠にもなれる《戦士の剣》《幻獣を奪取せよ》《山チョコボで冒険》も青赤では点数が高くなりますね。


     特に《幻獣を奪取せよ》《山チョコボで冒険》はフラッシュバックもあり、1枚で2枚分のクリーチャーかつ4マナ以上の誘発を2回させることができ、青赤で使った時の強さはコモンとは思えない性能です。《山チョコボで冒険》についてはそもそもカードが強いですが。

     使いやすいドローソースである《ラグナの記憶》はもちろん、他のデッキではあまり入らない《狂気の嘲笑》もフラッシュバックで4マナ以上の要件を満たします。


     ルーティングも青赤に多いフラッシュバックを持つカードを捨てるとアドバンテージにも繋がるので他のアーキタイプよりも強く使う事ができます。

     《魔女の野望》は青赤以外だと黒赤しか使わないカードですが、フラッシュバック持ちであれば追放されたソーサリー・インスタント呪文も回収することができます。 


     自身もフラッシュバックを持つためこれで得られるリソースは凄まじく、中盤~長期戦にかけて4マナ以上の非クリーチャー呪文を連打していけるため青赤とかなり噛み合っています。

    ブチヂレると普通にパワー7とかで殴る

      ゲームプランとしてはまず《猛火のボム》《サハギン族》《パラメキア皇帝》《過激な淑女、シャントット》などの4マナ以上の非クリーチャー呪文でボーナスのかかるクリーチャーを展開していく事になります。


     そこから《緊急脱出》《氷魔法》《雷魔法》といった4マナ以上の除去でボーナスを達成しつつ殴っていくという流れが多くなりますね。

     この動きを補助するリソースカードも欲しく、先述した《ラグナの記憶》《狂気の嘲笑》の他にも3マナですが《猛火のボム》《サハギン族》などとの相性がいい《チュートリアルバトル》もあるとなおいいですね。

     これらの動きをしていくためには土地が4枚以上であることは必須であり、その点《山チョコボで冒険》は山サーチによって確実に土地を伸ばせるので青赤が最も強く使えるカードと言っても過言ではありません。

     クリーチャー・スペルの質もさることながらフラッシュバックも多いためマナフラッド・長期戦にも強く、総じてアーキタイプとしての完成度が高い色と言えるでしょう。
     個人的にはこの青赤がトップティアと考えています。

     

    青緑 - 街ランプ/低速

    ▶点数↑
     各種街土地
     《キキルンの商人たち》
     《世界をめぐる旅》
     《パシュハウ沼のグゥーブー》
     《コヨコヨのUFO?》
     《地平線への到達》
     《光曜の指輪》
     各種除去
     《ガードスコーピオン》
     《バラムのアルケオダイノス》
     《闘技場のベヒーモス》
     各種ボムレア

     街土地および街シナジーカードは当然ながら、序盤を支えるカード群および土地を伸ばした先のゴールは必須と言えます。

     

     特にゴール部分がないと画竜点睛を欠くと言っても過言ではありません。少なくとも3枚ほどのゴールがあるとよいでしょう。


     街土地によって多色化は容易なため、流れてきたボムレアたちをありがたく拾っていきましょう。色が合わなくてもライブラリーをサーチするマナ加速などで必要な色を揃えればいい話なので拾いましょう。

     また、他のアーキタイプでは点数が低くなる《天晶堂に向かうプリッシュ》《地平線への到達》《光曜の指輪》は青緑であればゲームプランを成立させるマナ加速になります。《ブリッツボール》もいいですね。


     《光曜の指輪》は1点支払う必要があるとはいえ、タップさせて確実に時間を稼いでくれる点も◎。


     ただ、出る色も無色でカード単体としては弱めなカードではあるので23枚目の候補として考えた方がいいでしょう。

     ゲームプランとしては序盤を支えるカード群、マナ加速でフィニッシャーに繋げてスケール差で勝つというシンプルなアーキタイプです。


     よって《中略》といった実質除去になれるカウンターは重要ですし、《ガードスコーピオン》《キキルンの商人たち》といったタフネス4による肉壁も必要になるというわけですね。


     とにかく序盤を凌いでマナを伸ばす事を意識します。マナさえ伸びてしまえば後はこちらのものです。

     

     フィニッシャーも多種多様で、緑であれば《闘技場のベヒーモス》《心を持たぬもの、オメガ》の他にも《古代の災厄、ジェノバ》《グラディオラス・アミシティア》《スピラの罰、『シン』》《召喚:バハムート》……


     他の色ではちゃんとマナサポートがあるのであれば《イフリートのドミナント、クライヴ》《ナイツオブラウンド》あたりもいいですね。

     とにかく卓にあるフィニッシャーたちをガメていきましょう。

     

    白黒 - サクリファイス/中速

     ▶点数↑
     各種ジョブ選択装備品
     《魔列車》
     《アルベド族のサルベージャー》

     こちらはサクリファイスというシナジーが存在します。

     《魔列車》や《アルベド族のサルベージャー》両方ともアーティファクトも適用されるため、1枚で2枚になる各種ジョブ選択装備品の点数が高くなります。


     比較的安く流れてくる《モンクの拳》はその筆頭で、上記のミシック7勝デッキでも3枚入っています。

     

     ただ他のサクリファイスを行うカードである《アーリマン》《ナマズオ族の商人》に関してはカード単体のパワーが低く、勝率自体も平凡です。


     よって、サクリファイスに絡まず強いカードをかき集めたグッドスタッフ的なデッキになる場合も多々あります。


     この場合は《プルート隊隊長、スタイナー》や《ゲイラキャット》+ジョブ選択装備品など、白単色内でも完結するシナジーを優秀な黒の除去で補助していくという動きになる事が多いです。

     そういう意味では青黒と同じくアーキタイプに囚われず、柔軟にその都度のシナジーを考えていく必要があると言えます。

     

    赤白:装備品アグロ/高速

     ▶点数↑
     各種ジョブ選択装備品
     《ゲイラキャット》
     《さんごの剣》
     《光の一閃》
     《ブルメシアの竜騎士、フライヤ》

     

     こちらはとにかく速度が命。1~2マナアクションを詰め込みつつ、《雷魔法》《白聖石》などの除去でどかしていくゲームプランを狙います。


     そのため1~2マナアクションは非常に重要で、装備コストが軽く縦の打点を伸ばしやすい《モンクの拳》も立派な戦力になります。

     

     マルチアンコモンである《ドワーフの王、ジオット》も装備品が出ることでルーティングする能力に加え、装備品自体と相性のいい二段攻撃で一点突破を狙っていくことになります。

     先述してきた通り、赤のカードは攻めるカードと受けるカードで二極化になっているため、赤よりもカードパワーの高い白のカードを集めていくケースが多くなります。


     そうすると優秀な白のカードをかき集めた上で、《雷魔法》《「侍」の刀》など赤の強いカードをつまんだタッチ赤のような形になりやすいアーキタイプでもあります。

     

     上記の7勝デッキなどはほぼ白のカードになっているのでわかりやすいですね。


     特に白のジョブ選択装備品は優秀なものが多く、ピックすることが多くなることから自然とアーティファクトの数が増えるため、《ゲイラキャット》の点数も同様に上がっていきます。


     速めの決着を目指すゲームプランとも合致していますが、赤白に限らず白中心にピックを進めている時は《ゲイラキャット》も拾っておく意識をしておくとよいでしょう。

     

    緑白:横並べ/高速~中速

     ▶点数↑
     《アーロンの鼓舞》
     《召喚:チョコボ&モーグリ》
     《魔導兵器の歩兵》

     

     マルチアンコモンへの依存度がかなり高いように感じます。7勝デッキを見てもいずれもマルチアンコモンがほぼ入っていました。


     逆に言ってしまえばマルチアンコモンが無いとあまり勝たないアーキタイプとも言えそうです。

     《魔導兵器の歩兵》《エアリス救出作戦》などで展開しつつ、《リノア・ハーティリー》や《召喚:チョコボ&モーグリ》で横並べ戦術を後押しする形ができるとよいでしょう。
     そこに《アレクサンドリアの王女、ガーネット》で《召喚:チョコボ&モーグリ》《召喚:デブチョコボ》を使いまわすコンボも組み合わせると完成度が高くなりますね。

     例にもれず、白を中心に集めていく中で緑の強い所だけ入れるという形になりがちです。白の優秀さがよくわかりますね。

    赤緑:上陸/中速

     正直組んだことがないので何とも言えません……申し訳ございません。


     上陸シナジーカードは正直弱く、赤と緑がガラ空きで強いカードを集められた結果勝てるというようなデッキが多いように見受けられます。


     7勝デッキを見てみてもアーキタイプとしての完成度はそこまで高くなく、レアのカードパワーで押し切っているというような印象が強いです。

     上記にも記載した通り、複数のボムレアを引いて空いているなら仕方なく入るぐらいの立ち位置と考えます。


     その場合はちゃんと強いカードをかき集め、グッドスタッフ的にするか街を集めて街ランプといった形になるかと思います。

     

    黒赤:黒魔導士バーン/中速

     ▶点数↑
     《「黒魔術士」の杖》
     《黒魔道士の襲撃》
     《黒魔紋の力》
     《ミシディアの長老》
     《魔女の野望》

     黒赤は独特な組み方となっており、ウィザード・トークンを中核としたバーンチックな構築にすると勝率がよくなる傾向にあります。


     ウィザード・トークンによるバーンダメージによって試合を速やかに終わらせることができるのが大きな理由と考えられます。

     上記のミシック帯トロフィーデッキでも《「黒魔術士」の杖》4枚、《ミシディアの長老》3枚、《黒魔道士の襲撃》1枚で8枚もあります。


     これに加えて屈指のボムである《ジェノムの魔術師、クジャ》もあり優秀な除去も山ほどあるため黒赤の到達点と言えるでしょう。

     このウィザード・トークンを出す《「黒魔術士」の杖》、《黒魔道士の襲撃》《ミシディアの長老》などはいずれもコモンであり、黒の席に座れると自然と集まりやすいです。

     《黒魔道士の襲撃》でダブルシンボルが多くなるので黒を中心にピックしつつ、赤の強いカードをつまんで黒タッチ赤というような流れが理想的と言えそうですね。上記のミシック帯トロフィーデッキはほぼ黒単ですね。

     サクリファイスが多いため、通常であればアンプレイアブルな《予想外のお願い》が強く使えるデッキとなっています。

     ゲームプランとしてはやはり《「黒魔術士」の杖》や《黒魔道士の襲撃》などから出てくるウィザード・トークンによるバーンダメージを活かしたダメージレース。


     重なれば重なるほど強くなるため、これらウィザード・トークンを出すカードの点数は高くなっていきます。


     もちろん誘発させるためのスペルも重要で、そういう意味では後続のスペルを引き込みつつウィザード・トークンも出す《黒魔紋の力》も黒赤にピッタリな一枚です。このターン限定とはいえ絆魂もつくためダメージレースに貢献するのも◎。

     ほぼ青赤・黒赤専用カードである《魔女の野望》も《黒魔道士の襲撃》や《黒魔紋の力》などを使いまわしたりと強く使える一枚となっています。

     ウィザード・トークンを出しつつ、相手の脅威を優秀な除去で対応しながらバーンダメージでダメージレースを制しましょう!

     

    黒緑:墓地利用/中速~低速

     ▶点数↑
     《町の歓迎者》
     《神羅の援軍》
     《戦うものたち》
     《邪悪の再覚醒》
     《ダイヤウェポン》

     こちらは墓地を肥やしつつ、回収やリアニメイトもこなす墓地利用デッキでグッドスタッフ的な面もあります。いつもの黒緑ですね。

     

     特にマルチアンコモンの墓地にあるパーマネント分-X/-Xの除去を内蔵している3/3飛行の《暗闇の雲》はアンコモンの中でもトップクラスの勝率で下手なレアより高い60.2%を記録しています。


     《「無」の暗黒魔道士、エクスデス》も墓地のパーマネントを参照する変身持ちであり、変身も終了ステップの開始時と即効性があります。3点のライフゲインも非常に頼もしく、勝率58%と高めの勝率です。

     これらマルチアンコモンとの兼ね合いもあり墓地を肥やすカード全般の評価が高くなり、これに伴い墓地を回収したり利用するカードの評価も同時に高くなっているというわけですね。

     黒緑の理想形としては《町の歓迎者》《神羅の援軍》の墓地肥やしに加えて《召喚:フェンリル》といったマナ加速がありつつ、《簒奪者、アーデン》といったド級クリーチャーを安定して唱えることもできるデッキでしょう。


     墓地に落ちてしまってもリアニメイトの《邪悪の再覚醒》、墓地回収の《戦うものたち》で利用できると隙が無くなります。

     《簒奪者、アーデン》ほどのボムがなくとも《闘技場のベヒーモス》《モルボル》でもいいわけですし、優秀な除去で脇を固めるとより盤石なものになります。


     黒が誇る質の高い除去で相手の攻めを挫きつつ、デカブツで押し切る。まさしくグッドスタッフです。

    ▼Tips

    《ゼル・ディン》《チョコボキック》《ロザリアの心、アンブロシア》の土地を戻す効果で再利用

     《ゼル・ディン》《チョコボキック》《ロザリアの心、アンブロシア》は土地を戻す効果を持ちます。通常ならばデメリットとなる効果ですが、各種出来事土地および《冒険者の宿》を戻すことで再利用することができます。

     特に緑の《古の大都市、ザナルカンド》は6/6以上が確約されており、強力な組み合わせとなっています。レア同士ですが《ゼル・ディン》で毎ターン唱えたら勝ちますね。


     《ゼル・ディン》によって《冒険者の宿》で毎ターン2点ゲインするのも強力です。

     

    《グルメなク族、クイナ》のトークンは他の効果で育つ

    《グルメなク族、クイナ》によって出るカエルトークンは《古の大都市、ザナルカンド》《幻獣を奪取せよ》によって+1/+1乗る効果が適用されます。

     

     《古の大都市、ザナルカンド》《幻獣を奪取せよ》は「クリーチャー・トークン1体を生成する。それの上に+1/+1カウンターを置く」という説明文になっています。


     《グルメなク族、クイナ》による置換効果により、「トークン1体と1/1のカエル・クリーチャー・トークン1体を生成する。それの上に+1/+1カウンターを置く」という効果になり、カエルトークンにも+1/+1が置かれるというわけですね。

     特に《古の大都市、ザナルカンド》とは緑単色での組み合わせになるため、覚えておいて損はないです。

     

    《モーグリの商人、スティルツキン》のあれこれ

     自分がコントロールしていてこれでないパーマネントを相手に押し付けることで1ドローする効果を持ちます。


     これについて直感的でない結果になる事もあるので下記に記載します。

     

    1.戦闘時、ブロッカーを対象に起動


    →戦闘自体がなかったことになり、そのまま相手のコントロールになります。


     例えば4/4に対して1/1でチャンプブロックした後に対象にすると、その1/1は倒されずに相手の盤面に移ります。

     

    2.対戦相手がコントロールしているものを対象とする除去に対応して起動

     

     例えば《白聖石》でこちらのクリーチャーを対象にされ、それにスタックで起動するとそのクリーチャーは相手のコントロール下へ移ることになります。


     その後《白聖石》の誘発を解決することになるのですが、この時点で「対戦相手がコントロールしているパーマネント」ではなくなり、対象不適正になるため追放されません

     《召喚:蛮神ガルーダ》も「対戦相手がコントロールしていてタップ状態であるクリーチャー」なので同じ結果になります。


     強いクリーチャーだとそのまま敗北に直結することもあるので、その際は大人しく除去された方が正解なパターンもあります。気を付けましょう。

     

    《シーンドライブ、ライトニング》の2倍ダメージは次ターンまで持続する

     

      実はこのターン中ではなく次のターンまでです。

     

     なので相手のターンでこちらがブロックしてもダメージが二倍になります。とんでもない強さ、さすがライトニングさんだぜ!

     

     ちなみにこれに二段攻撃を付与して2回ダメージが通ると2倍の誘発が2回発生し4倍になります。

    《マザークリスタル、ハイデリン》の破壊不能付与効果は次ターンまで持続する

    《星の意思、ヴェーネス》が裏返った《マザークリスタル、ハイデリン》は+1/+1を乗せつつ破壊不能を一時的に付与する効果を持ちます。


     こういった効果は「ターン終了時まで」であることが多いのですが、実は次のターンまで持続します。なので破壊不能のブロッカーとして立たせておくことも可能になります。

     私はこれに気付かず破壊不能のブロッカーにやられた経験があります。テキストはちゃんと読みましょう。

    《ザックス・フェア》はカウンターだけでなく装備品もつける

     

     例えばこちらのクリーチャーの数が多く、かつ+6/+6ほどになっている《「機工士」の装備》があるといったパターン。


     この時に《ザックス・フェア》に装備させ、全員で攻撃した後に《ザックス・フェア》を生贄に捧げる事でブロックされなかった方に《「機工士」の装備》を付け替えてリーサルというケースがあります。

     これもテキストを読めば済む話ではあるのですが、こういったテクニックは覚えておいて損はないでしょう。

    《キスティス・トゥリープ》はインスタントタイミングでも墓地からソーサリーを唱えられる

      《リミットブレイク:ヴィセント》などでインスタントタイミングでETB能力を発動させると、インスタントタイミングであってもソーサリーを唱える事が出来ます。


     《ヤ・シュトラ・ルル》によるブリンク効果でも同様ですね。

     

    《光の召喚獣、バハムート》3章の破壊効果を対象不適正にすると戦場に戻らない

     3章の効果は「パーマネント1つを対象とする。それを破壊する。これを追放し、その後、これを戦場に戻す」。


     対象となったパーマネントを破壊などで対象不適正にすると追放する効果まで解決されず、戦場に戻りません。


     その後に《光の召喚獣、バハムート》は3章になったことから英雄譚の状況起因処理によって生け贄に捧げられ墓地に行くことになります。

     変身されて3章まで行っている時点でほぼ負けのようなものですが、3章を対象不適正にすることで勝ちそうな場面もあるかもしれないので覚えておいて損はありません。

     

    《SeeDの傭兵、スコール》と《ブリッツボール》

     

     《SeeDの傭兵、スコール》に二段攻撃を付与し、1回目の戦闘ダメージを与えた際の誘発にスタックで《ブリッツボール》を生贄に捧げる事で誘発解決時に《ブリッツボール》を戦場に戻す事が出来ます。


     その後二段攻撃による2回目の戦闘ダメージを与えた際も同様に生け贄に捧げる事で再度戻り、0マナ4ドローというとんでもない動きをします。


     ここからさらに生け贄に捧げれば6ドローになります。

     

     スコール、ビサイド・オーラカに入らないか?

     

    《「黒魔術士」の杖》を絆魂クリーチャーにつける

      「あなたがクリーチャーでない呪文1つを唱えるたび、このクリーチャーは各対戦相手にそれぞれ1点のダメージを与える」という効果を持つため、絆魂クリーチャーに装備すると1点飛ばしつつ絆魂によって1点回復します。


     《エアリス・ゲインズプール》《白魔導師、ミンウ》などの組み合わせは意識しておきたいところですね。

     

    おわりに

     長くなってしまいましたが、以上となります。


     本当に楽しい環境なので本記事をご参考にいただき、ドラフトをお楽しみいただけると嬉しいです!

    最新記事はこちら

    他の記事を見る