【今週のピックアップデッキ】イゼットアーティファクトラクドスサクリファイス/親和

【今週のピックアップデッキ】イゼットアーティファクトラクドスサクリファイス/親和

mtg Yuyan

こんにちは。

 

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

 

今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。

 

     

    イゼットアーティファクト

     スタンダードリーグ : 5-0 By Deathnote1999

    MTGアリーナ用インポートデータ

    スタンダードでたびたび話題になるカードと言えば《身代わり合成機》。マナ総量が3以上のアーティファクトが戦場に出るたびに構築物トークンを生み出すという派手なテキストは、スタンダードらしからぬ性能。

    身代わり合成機》の弱点は設置したターンがパスとなってしまうこと。現代のスタンダードにおいて序盤で何もせずフルタップする瞬間を作るのは死に等しく、それゆえに中々活躍できないのが実状でした。

     

    その弱点を克服したのが《団結の最前線》でした。同時に2枚のカードを戦場に出せるので、《身代わり合成機》を出しつつ《危険な罠》で妨害+トークン生成と、《身代わり合成機》の隙を埋めることができるのです。

    そんな《身代わり合成機》がまた新たな形でスタンダードに登場しました。

     

    今回のデッキは青赤。なので当然《団結の最前線》を入れることはできませ。それならどうやって《身代わり合成機》を出したターンの隙を埋めるのか?

     

    まずは《ピナクルの特使》。下環境で《オパールのモックス》と共に大暴れするのでは?と言われていたこのカードがなんとスタンダードでも躍動しています。

    アーティファクト呪文を唱えるたびに1/1の飛行トークンを生み出す、《練達飛行機械職人、サイ》を彷彿とさせる能力を持つこのカード。《練達飛行機械職人、サイ》はレガシーでも採用されていたほどのカードですが、更に《ピナクルの特使》にはワープ能力がついています。しかもたった1マナ。とりあえず1マナで出しておき、トークンをばらまきつつ、再び唱え直せるのです。

    このワープ能力と相性抜群なのが《身代わり合成機》。誘発条件はマナ総量3以上なので、《ピナクルの特使》を1マナでワープしても誘発してくれます。そのため3ターン目に《身代わり合成機》設置、4ターン目に《ピナクルの特使》ワープ+3マナのアーティファクトと動くと、その瞬間にトークン2体+1/1ドローンの場になるのです。他にアーティファクトが何もなくとも4/4×2と1/1飛行の恐ろしい場が完成します。

    身代わり合成機》のトークンのサイズを上げることにも《ピナクルの特使》は貢献しますが、それだけではありません。

     

    アーティファクトの親和を持つ《記録の守護者》もドローントークンを並べることで1マナになり、1マナで《身代わり合成機》を誘発させることができます。

    新カードの《大戦用ガンシップ》はアーティファクト分のダメージを与えるカードなので、アーティファクトの数はとても重要。《身代わり合成機》に依存することなくアーティファクトを増やせるため、アーティファクトの数を参照するカードを大量に入れられるようになっているのです。

    『久遠の終端』で登場した《氷魔法の秘宝》は非常に便利な潤滑油。この便利な生け贄用のアーティファクトを手に入れたことで《再利用隔室》を4枚採用できるようになりました。そして《再利用隔室》を3ターン目に置いて即起動するために《奇怪な宝石》まで採用されており、徹底的に《身代わり合成機》の隙を埋めようとしています。

    除去枠も《チェーンソー》《軍団の成形機械》《大戦用ガンシップ》《爆弾車》とすべてアーティファクトに統一されており、《ピナクルの特使》はもちろん、後半の2枚は《身代わり合成機》も誘発させてくれて、デッキ全体が強力なアーティファクトシナジーで構成されています。

    身代わり合成機》を使い方はぜひこのイゼットアーティファクトをお試しあれ。

     

     

    ラクドスサクリファイス

    パイオニアリーグ : 5-0 By Cdnewlon

    MTGアリーナ用インポートデータ

    パイオニアのサクリファイスデッキといえば《大釜の使い魔》《魔女のかまど》《波乱の悪魔》を採用したリストが定番で、最近では《清掃人の才能》《全てを喰らうもの、イグラ》で無限コンボが入っているのが主流です。

    が、今回紹介するサクリファイスはそれとはまったく別軸のデッキです。

     

    このデッキの主役となるのは《武器製造》。トークンでないアーティファクトが戦場に出るたびに《弾薬》トークンを生み出します。弾薬は戦場を離れると2点のダメージを好きな対象に与えるので、生け贄にする対象としてぴったり。《武器製造》さえ置けば生け贄には全く困らないばかりか、生け贄の際にダメージが入るようになるのです。除去されない《波乱の悪魔》のようなカード、それが《武器製造》です!

    このラクドスサクリファイスは《武器製造》を攻撃的に使う、バーンのようなデッキ構成となっています。

     

    上機嫌の解体》は弾薬を壊しつつトークンを生成します。実は並べたトークンをまとめて別のカードに変換できるので、ただのトークン3体ではありません。

    塔の点火》は除去、《命取りの論争》はドローとどちらも弾薬を生け贄にできるカードたち。

    アーティファクトの生け贄をコストに2マナ5点の破格のダメージを出す《爆片破》はこのデッキのためのカード。弾薬を生け贄にして7点で一瞬で相手のライフを詰めていきます。

    恒久的に弾薬を生け贄にする手段は《鬼流の金床》。弾薬を生け贄にしつつトークンを生成し、しかもライフドレインと、ラクドスサクリファイスを支えるカードです。弾薬と合わせて毎ターン3点を詰めていくため、あっという間にライフはなくなります。

    実験統合機》《発火器具》は1マナで《武器製造》を誘発させる便利なアーティファクト。《実験統合機》は出た時と離れたときにライブラリートップをプレイでき、《発火器具》は墓地に置かれた時にドローできるので、どちらもデッキの潤滑油として非常に優秀です。どちらも生け贄に捧げるだけで効果を発揮するのも素晴らしいですね。

    さあ、そしてラクドスアーティファクトの大ボスについても紹介しなければなりませんね。《腐敗口のバイパー》です!

    パーマネントを生け贄にした分だけ軽くなるので、5枚のカードを生け贄にすれば1マナで出すことができます。弾薬や各種アーティファクト、そして《上機嫌の解体》のトークンを生け贄にすれば1マナ6/6で出すのは容易です。

     

    そしてその能力も中々強烈。戦場に出るか攻撃時に自身にカウンターが乗り、そのカウンターの分だけ、パーマネントの生け贄かディスカードか4点ルーズを強要します。通常この場合は4点ルーズを選択されますが、このデッキはバーンのように相手のライフを詰めていくデッキなので、気軽に相手はライフを払うことはできません。《武器製造》から弾薬をばらまいて高速召喚される《腐敗口のバイパー》はどのデッキにとっても悪夢です。

    武器製造》で気持ち良くなりましょう!!

     

    親和

    モダンゴールドリーグ : 5-0 By joaoclaudioms

    スタンダードでも紹介した《ピナクルの特使》ですが、やはり真価を発揮するのは下環境。とりわけ0マナアーティファクトを大量に使用できるモダンやレガシーで活躍しそうなカードでしたが、やはり期待通りの輝きを見せてくれています。

    この親和はこれまでにも存在していたアーキタイプでしたが、今回《ピナクルの特使》が加わったことで、恐ろしい回りができるようになりました。

     

    1ターン目に《ピナクルの特使》ワープ、《オパールのモックス》でトークン生成しつつ、《モックス・アンバー》、《ミシュラのガラクタ》プレイ。これでトークン3体、《オパールのモックス》、《ピナクルの特使》とあるので1マナで《河童の砲手》、更にトークン生成。

    1ターン目にして《河童の砲手》と飛行トークン4体という恐ろしい場が完成します。

     

    これまでの親和は気軽にトークンを生成する手段がなく、《河童の砲手》や《思考の監視者》といったアーティファクトを参照して軽くなるカードたちが動き出すのは3ターン目か4ターン目がほとんど。少しスピードは遅いですが、そこから爆発的な展開量で追いつき、そのまま《河童の砲手》でフィニッシュを決めるデッキでした。。

    それが《ピナクルの特使》で大きく変わりました。このカードを1ターン目にワープしつつ展開していくと2ターン目には《思考の監視者》《物読み》がキャストでき、《河童の砲手》に繋がります。もちろんドローが続かなくとも《河童の砲手》が2ターン目に出ればただそれだけで勝ててしまうでしょう。

    これまでには中々起こらない、《河童の砲手》を出した後に《ウルザの物語》を起動するという、とんでもないスピード展開が可能になったのです。

    河童の砲手》《思考の監視者》を2ターン目に出せるようになったことで、親和が最も苦手としていた《空の怒り》にも強くなりました。《ウルザの物語》と0マナアーティファクトがまとめて2ターン目に流されてしまうため、《空の怒り》はこのデッキにとって天敵。それを躱す手段は、《空の怒り》を打たれる前にマナ総量の大きいクリーチャー、すなわち《河童の砲手》《思考の監視者》を展開することだったのですが、これらのカードを唱えるためにはアーティファクトを大量に出す必要があり、そこに《空の怒り》を打たれてしまうのです。

    空の怒り》を打たれて、キャストできない《河童の砲手》を抱えて負けるというのがよくある負け方でした。

    しかし、《ピナクルの特使》があれば相手が《空の怒り》を打たれる前に展開していくことができます。トークンは《空の怒り》で流されてしまいますが、《河童の砲手》は戦場に残りますし、《ピナクルの特使》から《河童の砲手》を出してその後展開できていれば、ドローンによって《河童の砲手》のサイズが上がるので、ほとんど2ターンでゲームが終わります。《河童の砲手》がとても出しやすくなったことで、天敵に対して耐性がついたのです。

    河童の砲手》以外の打点がほとんどなかった弱点も《ピナクルの特使》は克服しています。《ピナクルの特使》を出して《物読み》《思考の監視者》で大量にカードを引き、引いたカードをばらまいているだけで、勝手に飛行トークンが増え、そのまま勝利できます。これはレガシーの8 Castの《練達飛行機械職人、サイ》でも証明されていますね。

    1枚のカードで勝ちパターンが大量に増えた親和、モダンで流行になること間違いなし。《ピナクルの特使》、ホンモノです!

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