【デッキガイド】満潮になった島が生み出すチェインコンボ!ハイタイド解説

【デッキガイド】満潮になった島が生み出すチェインコンボ!ハイタイド解説

mtg Yuyan

こんにちは。

 

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。


先週末はパウパー神挑戦者決定戦に参加していました!

 

結果はトップ4で負け。あれ…デジャヴかな?

 

というわけで今回はパウパー神挑戦者決定戦で使用したハイタイドのお話になります。

 

    ハイタイドとは

    このターンの間だけ、《》から青マナが追加で出るというインスタント《満潮》。これを使い、爆発的なマナを生み出すコンボデッキです。

    古くは《満潮》を打って《転換》や《時のらせん》で土地を起こして最終的に《天才のひらめき》を相手に打ち込むハイタイドモマから、《パリンクロン》との2枚コンボなど、下フォーマットでとにかく活躍していたカードでしたが、パウパーではこれまで見ることはありませんでした。

    そう、《満潮》はパウパーでずっと禁止されていたカードだったからです。

     

    ロータスコンボ愛好家の僕は、土地を何度もアンタップして大量のマナを出す《満潮》ももちろん大好物。しかし、これまで使った経験はありませんでした。ハイタイドモマなどをマジックの先輩やwikiで見て、羨ましがることしかできなかったのです。

    そんな《満潮》を使える機会とあって、久しぶりにパウパー神に出ることに決めたのです。

     

    とりあえず勝っているリストを適当にコピーしてマジックオンラインで遊んでいる内に、ちょっとずつデッキの解像度が上がり、このデッキが僕にぴったりのチェインコンボだということをすぐに理解しました。

     

    満潮》を打って、マナを少しずつ伸ばしながらドローを重ねていき、コンボパーツを揃えて無限マナを出して勝利する。僕の好きな要素である、決まった瞬間に勝ちが確定するわけではないチェインコンボそのものだったのです。

     

    ハイタイドの基本

     さて、このデッキはどうやって動くのか。基本的な動きから解説していきましょう。

    1.前提知識

    まずハイタイドがコンボをスタートさせるために必須なのは2つ。《満潮》と《精神のくぐつ》です。

    満潮》は冒頭でもお話したように、《》から追加の青マナが出るインスタント。複数枚打つとその分だけ青マナが追加で出るので、《満潮》を3回打てば《》1つから青が4つ出ます。《ウルザの塔》も真っ青です。

    一方、《精神のくぐつ》は土地をアンタップするインスタント。通常キャストでは2マナで1枚しか起こせない《ぐるぐる》の下位互換なのですが、連繋がついており、その際は1マナになります。

    秘儀呪文を打つ際に手札から《精神のくぐつ》を見せて1マナ払うだけで《》を起こせるので、何度も再利用できる《ぐるぐる》というわけです。つまり《ぐるぐる》の上位互換!手の平ぐるぐるになりました。

    満潮》で《》から出るマナを増やし、《》を繰り返し《精神のくぐつ》で起こす。これによってドロー呪文を打ち続けて、マナと手札を増やしていくのがハイタイドというデッキです。

     

    まずコンボを開始するには、《満潮》2枚と《精神のくぐつ》が必要となります。理由は後述します。

     

    2.コンボパーツを集める

    各種ドロースペルでコンボパーツを集めていくことになるのですが、その際に便利なのが《商人の巻物》。

    青いインスタントしかサーチできない、少し不器用なサーチ呪文なのですが、このデッキのキーとなる《満潮》《精神のくぐつ》がいずれも青のインスタント呪文なので、なんとサーチできるのです。このデッキでは《商人の巻物》は《悪魔の教示者》となります。

    商人の巻物》はもちろん、様々なドロースペルを駆使して《満潮》2枚と《精神のくぐつ》をかき集めていきます。《深遠の覗き見》などの秘儀呪文も温存することなく使用して構わないですが、気を付けてほしいのは《留まらぬ発想》です。

    このカードだけは使ってはいけません。3ドローと魅力的に見えますが、ターン終了時に3枚捨てるデメリットが重すぎます。

     

    土地が3枚余っていたとしても《渦まく知識》で戻せますし、基本的にディスカードする余裕はハイタイドにはありません。《留まらぬ発想》以外のドローでパーツを集めていきましょう。

     

    3.コンボ始動

    》4枚、《満潮》2枚、《精神のくぐつ》、そして秘儀呪文が揃ったらコンボが始められます。

    1枚目の《満潮》を打ち、2枚目の《満潮》を打つと、この時点で浮きマナは青のみ。そして2つの《》から青が3つずつ出るので計7マナ。この7マナから勝利していくことになります。

     

    この時点で《留まらぬ発想》と《深遠の覗き見》は《精神のくぐつ》連繋で実質0マナ、《霧中の到達》を打つと青が1マナ増える状態になっています。

    ドローを繋げていき、《満潮》か《精神のくぐつ》が増えれば、これらの秘儀呪文を唱えるたびにどんどんマナが増えていくことになります。これを繰り返し、自分のライブラリーを引ききるか、30マナほど生み出すのが目標です。

    まずコンボを開始して引き込みたいのは追加の《精神のくぐつ》か《満潮》です。マナを増やすには秘儀呪文も必要ですが、マナを増やす手段を優先した方がコンボ成立率が高まります。《ロリアンの発見》のような重いドローも運用できるようになりますからね。

    3枚の土地からでもコンボは始められますが、その際は4マナしか残りません。4マナは《留まらぬ発想》+《精神のくぐつ》で3マナ使うことを考えると、1マナしか余らないので、《パズルの欠片》などを途中で引いた時に、キャストできません。《満潮》2枚、《精神のくぐつ》1枚だと土地3枚からコンボを決めるのにはリスクがあります。

     

    満潮》3枚、《精神のくぐつ》1枚の場合は変わります。一見すると浮くのは4マナ出る《》1枚のみなので、状況は変わっていないように思えますが、《》から出るマナが1つ多いので、《留まらぬ発想》《深遠の覗き見》+《精神のくぐつ》で3マナ使い、《》が起きて、1マナずつ増えていきます。

    精神のくぐつ》を連繋するごとに1マナ増えていくので、秘儀呪文を打つたびに各種ドロースペルを打つ余裕が生まれてきます。《満潮》3、《精神のくぐつ》1なら3キルを狙えます。もちろん《満潮》2、《精神のくぐつ》2でも3キル圏内です。

     

    とはいえ、大体の状況では4ターンキルを狙っていくので、《》4枚からスタートしたいです。

     

    4.勝ち手段

    満潮》《精神のくぐつ》を集めきってマナと手札がモリモリになってきたら、いよいよ勝ちにいきます。このデッキのフィニッシャーとなるのが《思考の流れ》です。

    プレイヤー1人が4枚切削し、その後自分の墓地からカードを4枚デッキに戻せる1マナのソーサリー。複製付きです。

     

    お察しの言い方は既に答えが分かったと思いますが、最終的にはこの《思考の流れ》を相手に打って、複製をたくさんしてライブラリーアウトに追い込みます。

     

    しかし、基本的に最初は《思考の流れ》を自分に打ち続けることになります。手札に《深遠の覗き見》か《ロリアンの発見》か《留まらぬ発想》を保持した状態で自分のライブラリーを《思考の流れ》で0枚にすることが、実質勝利条件となっています。

    手順を説明しましょう。まず《思考の流れ》でライブラリーを0枚にします。そして墓地から《思考の流れ》《深遠の覗き見》《深遠の覗き見》《留まらぬ発想》を選んでデッキに戻します。

    手札から《深遠の覗き見》(《ロリアンの発見》《留まらぬ発想》でもOK)をキャスト。以下の流れは《深遠の覗き見》のパターンです。3ドローを使った場合でも全く変わらないので安心してください。

    4枚の中から《留まらぬ発想》を選んでそのままキャスト。ライブラリーを全部引ききる。今引いた《思考の流れ》をもう1度打ち、先ほどと同じパイルをもう1度組みます。

    留まらぬ発想》と《深遠の覗き見》を打つたびに《精神のくぐつ》で2マナが増えるはずなので無限マナが発生します。最終的に相手に《思考の流れ》を打ち、ライブラリーを0枚にして、《綿密な分析》で引かせて勝ちです。

    溶岩の投げ矢》が入っているデッキにはライブラリーアウトだと負けてしまう可能性があるので、その際は《思考の流れ》を相手に打たず、《綿密な分析》を打ち続けて相手にデッキを全部引かせるライブラリーアウトパターンもあります。

    手順としては、先ほどのパイルとほとんど変わりません。

     

    無限マナを作った時点で好きなカードを手札に加えられているはずなので、《留まらぬ発想》を手札に加えておき、《思考の流れ》で《思考の流れ》《綿密な分析》《留まらぬ発想》の3枚を積み、手札の《留まらぬ発想》でこれらすべてを引き、《綿密な分析》を相手に打ち、《思考の流れ》でまた同じパイルを作ればOKです。(この《綿密な分析》の部分を他のカードにすれば、そのカードが手札に入るので、サイド後に《青霊破》を4枚手札に加えたい時などはこのパイルを作って《青霊破》を4枚集めてください)

    この際注意が必要なのが、相手にライブラリーのカードをすべて引かせてしまう関係上、インスタントタイミングによる妨害です。そこでメインに入っている《万の眠り》が活躍します。

    無限マナを決めた後に《万の眠り》で相手の土地をすべて寝かせれば、《綿密な分析》による無限ドローで動かれる心配がなくなります。相手に引かせて勝つ場合は必ずやってください。

     

    デッキリストと一部解説

    パウパー神で実際に使用したリストはこちら。元々ハイタイドには固定パーツが多すぎるので、部分的に解説します。

    Hareruya Prosの平山くんが最終的に送ってくれたリストからサイドボードを1枚だけ変えました。ちなみに平山くんに言われるまで《綿密な分析》で相手を倒せることを知りませんでした。いつもお世話になっております。

    思案》と《渦まく知識

    レガシーでも最強のドローとして活躍している《渦まく知識》。パウパーのハイタイドでも一般的なリストでは《渦まく知識》が4枚採用されていますが、フェッチランドのないパウパーにおいては《渦まく知識》は《思案》より弱い場合があります。シャッフル手段が《ロリアンの発見》以外に《商人の巻物》しか入っていませんからね。

    特にハイタイドは《》15+《ロリアンの発見》4の19枚しか土地が入っていないので、土地1キープがよく起きます。土地1で《渦まく知識》でキープするよりは《思案》の方が良いですからね。

    僕個人としては、《》が溜まる展開が負けパターンの1つで、そういった展開で《渦まく知識》が強いので、《渦まく知識》4枚を推奨していましたが、一長一短なのも事実。スプリットするという平山くんの構築が一番良いと思いました。

     

    洞察力の花弁》不採用

    洞察力の花弁》があると無限マナが簡単に発生します。

     

    満潮》を3回打った状態で《洞察力の花弁》に《精神のくぐつ》を2枚連繋すると、7マナ使って《精神のくぐつ》2枚で《》が2つアンタップします。《満潮》3発により《》から4マナが出るので1マナ増えます。《洞察力の花弁》は3ドローを選ばなければ手札に戻るので無限マナになり、3枚見て下に送る行為を無限に繰り返せるので、フィニッシャーの《思考の流れ》を引き込んでそのまま勝利できます。

    揃った瞬間に即コンボが決まるので、ライブラリーを全部掘り進める必要がなく、かなり好みだったのですが、これも平山くんは不要と断定。そして正しかったです。

     

    そもそも《洞察力の花弁》の無限条件の《満潮》3枚《精神のくぐつ》2枚ですが、ここまで揃えばまずコンボが止まることはほとんどありません。

    更に僕は、《洞察力の花弁》を使わない際はライブラリーをすべて掘りきる必要があると思っていましたが、それは実際には違いました。大量のマナを出して《思考の流れ》を複製しまくることで自分のライブラリーを0枚にできるので、実際には20~30マナを溜めて《思考の流れ》を自分に打てば勝利だったのです。

    このカードを不採用にしたのはさすがだと思いました。必要な場面は1回もありませんでした。

     

    見えざる糸

    コンボ中に秘儀カードを引かないとマナがどんどん減っていってしまうのですが(後述)、そういった場合もまあまああります。《定業》や《パズルの欠片》などを連打する展開ですね。

    秘儀から連繋していくには3~4マナ必要となりますが、ドローの連打で2マナしかなくなる場合もあります。そういった時に《見えざる糸》が1枚あると便利です。

     

    ただし、複数枚採用したいとは思いませんでした。所詮使い切りのマナ加速で、ハイタイドはとにかくドローを途切れさせるわけにはいきません。マナは基本回復していく前提なので、マナを増やすカードを必要以上に入れたくはありませんでした。

     

    0枚か1枚。ここはフリースロットだとは思います。個人的には《精神のくぐつ》をサーチできる《交錯の混乱》でもいいかなと。

    ボーラスの占い師

    赤単相手にドロースペルを打ち続けているだけでは負けてしまうので、ブロッカーになるドロースペルとしてサイドボードに入っています。

     

    元々平山くんはメインに《ボーラスの占い師》を入れているリストを使用していたようで、メインでの感触はさほど良くなかったものの、対アグロの信頼性は買っていたようでした。

     

    僕は《ボーラスの占い師》型を回したことがなかったので使用感はわかりませんが、信じて入れることにしました。実際は場に出したゲームが0回でしたが、脳内では良さそうなので、次にパウパーを遊ぶ機会があれば4枚にしそうです。


     

    プレイガイド

    ・マナ加速とドロースペル

    このデッキはドローとマナ、両方が必要になります。

    満潮》2枚、《精神のくぐつ》からコンボを始めるとマナが増えずにただデッキを掘り進めることになるので、言わば自転車操業です。そのため、マナを増やす《満潮》《精神のくぐつ》の追加がマストです。

    しかし、マナを増やす手段を優先してしまうと今度はドローが途切れる可能性があります。

    マナを増やすことを選んでドローが尽きることがありますし、その逆も然り。そうならないために、しっかり何をいつどのように使うか考える必要があります。

     

    まずマナが欲しい時。要するに《満潮》《精神のくぐつ》が欲しい場合は、最優先で打つべきカードは《商人の巻物》です。大体の場合で《満潮》《精神のくぐつ》が欲しいので、コンボ中にどこかで手札に来たらまず打つカードということになります。

    テキストに書いてある通りなのですが、《商人の巻物》は青のインスタントしか持ってこれないので、《留まらぬ発想》や《ロリアンの発見》のように、カードを複数枚ドローすることはできません。《深遠の覗き見》をサーチできますが、これも手札が増えないので、ドローカードとしては弱めです。

    一方で《満潮》《精神のくぐつ》を確実にサーチできる唯一無二のカードです。マナを増やすカードは速いうちに手札に持っておきたいので、《商人の巻物》があって他に秘儀スペルがある場合は、まず《商人の巻物》で《精神のくぐつ》をサーチしましょう。

    それなら《深遠の覗き見》も最優先で打つべきかというと、実はそういうわけではありません。5枚見て1枚加えるため、ある程度欲しいカードが手に入るのが《深遠の覗き見》の特徴なので、《満潮》《精神のくぐつ》を手に入れるという目的で打つことはよくあるのですが、このカード自体が秘儀を持っているので、《精神のくぐつ》で連繋する対象になるのです。

    複数枚の《精神のくぐつ》を連繋させてマナを増やしたいので、他のドローで《精神のくぐつ》を先に引いた場合を考えて、《深遠の覗き見》は後に打ちたいカードです。

     

    そこで、他のドロースペルがある場合はやはりそちらを優先します。秘儀呪文はなるべく《精神のくぐつ》の後引きを考慮し、ギリギリまで打たないでおきましょう。

     

    ・カードのプレイ順

    もう少し詳しくプレイの順番を掘り下げましょう。

     

    満潮》2枚、《精神のくぐつ》でコンボを始めて、手札に《商人の巻物》がある場合。真っ先にまずは《精神のくぐつ》をサーチすべきだと先ほどは言いましたが、これも時と場合によります。

    手札に《定業》《思案》《渦まく知識》など1枚しかドロースペルがない場合は、先に《定業》などから打ちましょう。《商人の巻物》で《精神のくぐつ》をサーチしてもどうせ《定業》には連繋できないのでマナが増えませんからね。

    このように秘儀以外のドロースペルを打つ場合は、《商人の巻物》のサーチを後回しにしがちです。ただし、複数枚のドロースペルがある時は《商人の巻物》で《満潮》をサーチします。

    なぜなら複数のドロースペルを打つ場合、それを唱えるために新たに《》を寝かせる可能性があるためです。

    基本的には、《精神のくぐつ》の2枚目と《満潮》の3枚目では、《精神のくぐつ》の方がマナが増えます。《精神のくぐつ》の2枚目をサーチすることで起きる《》の数が1つ増え、《満潮》を打つと1マナ増えるため、前者の方が増えるマナ総量は大きいのです。

    しかし、秘儀呪文以外のドロースペルを打つ際には《精神のくぐつ》ではマナは増えません。その点、《満潮》は《》を寝かせた際にマナが増えるので、秘儀以外のドロースペルが多い時は、《満潮》をサーチしてマナを増やす方向にしましょう。大体《》は2枚ほど立っているはずなので、少しお得です。

    満潮》で《》自体から出るマナを増やしておけば、後で《精神のくぐつ》の2枚目を引いた場合にマナの心配から完全に開放されます(《留まらぬ発想》+《精神のくぐつ》2枚で4マナ増える計算になります)。《満潮》の3枚目を先に打っておくのは全く悪いことではありません。

     

    そして大量のマナが生み出せる状態になれば、《ロリアンの発見》も打ち放題になるので、ほとんどのカードがライブラリーを掘り進める手段になります。

    最終的には手札に3ドローか《深遠の覗き見》がある状態でライブラリーを《思考の流れ》で0枚にしたら勝ちなので、大量のマナを出せると、20枚ぐらいのライブラリーを一撃で吹っ飛ばしてそのまま勝利できます。マリオカートのショートカットのようなものですね。マナがたくさんあればデッキを引ききる必要すらなくなります。

    というわけで、とにかくマナは最優先。ただし、ドロースペルが1枚しかない場合は、マナを増やすかは保留し、ドローから打ち、その結果で判断。これが大体の場合における優先順位です。

     

    ただし、《商人の巻物》《深遠の覗き見》しかない状態は、《商人の巻物》で《精神のくぐつ》を持ってきておき、最初の《深遠の覗き見》からマナを増やしていくことを推奨します。

    深遠の覗き見》で《深遠の覗き見》が見つかれば、キャストしてプラス4マナなので《ロリアンの発見》も打てるようになるかもしれませんからね。どうせ《商人の巻物》はドロースペルとして使った場合は二流ですから、《精神のくぐつ》をサーチしてマナを増やせることが確定しているなら、先に使って問題ないです。

    霧中の到達》はただの1ドローなので全く信用できません。なのでこの場合は先に《霧中の到達》でドローしてから、《深遠の覗き見》を使いましょう。

     

    ・残すマナの量

    秘儀呪文を打たないとどんどんマナが減っていきます。どこまでなら秘儀呪文を我慢して他のドロースペルを打って良いのか。難しいところですよね。

    基本的には残したいのは4マナです。4マナ余らせておくと良いですね。《留まらぬ発想深遠の覗き見》+《精神のくぐつ》で3マナ、2枚目の《精神のくぐつ》だと4マナ必要です。

    精神のくぐつ》の追加を引くために基本的にはドローを打つはずなので、残りマナが3マナになってしまうと、せっかく2枚目の《精神のくぐつ》を引いても連繋できません。そのため、4マナを余らせましょう。

     

    ただし《霧中の到達》があれば3マナで2つの《精神のくぐつ》を連繋できるので、3マナまで使ってOKです。手札に《霧中の到達》がある時は動きやすくなります。

    ・ドロースペルの順番

    ドロースペルを打つ際は、なるべく軽いカードから消化するのがオススメです。

    たとえば4マナが余っていて、《パズルの欠片》と《定業》がある場合は、《定業》から打ちます。《定業》で《思案》や《渦まく知識》、《定業》を引けば《パズルの欠片》でめくった枚数以上を見た上で1マナ浮きます。《商人の巻物》が見つかれば、そのままキャストして《満潮》《精神のくぐつ》に繋げられますからね。

    3マナしか余っていない場合は、《定業》で土地や《ロリアンの発見》などつながらないカードしか引けない可能性を考慮して、《パズルの欠片》からいくようにしています。

    これはあくまで手札に《パズルの欠片》と1マナのドロー(《定業》《渦まく知識》《思案》)しかない場合です。《定業》と《思案》の両方があるなら、当然1マナを連打します。その方が見れる枚数が多いですからね。

    軽いカードから基本的には打っていくと覚えましょう。

     

    ・《思考の流れ》を途中で打つ時

    フィニッシャーとなる《思考の流れ》ですが、既に説明したように、途中で引いた場合に一気にライブラリーを削れる便利なカードです。

     

    とはいえ、マナが大量に余っている状態ならドローが繋がって結局デッキを全部掘れるので、ショートカットモードにこだわる必要も実はありません。なので途中で引いたからといって手札に温存しなくても構わないです。

     

    よくあるのが、秘儀呪文を途中で使いすぎてしまった場合です。

    満潮》2、《精神のくぐつ》のみの自転車操業で何度も《深遠の覗き見》《留まらぬ発想》を打ち続けていると、デッキから秘儀がなくなっていきます。秘儀呪文を引けないと《精神のくぐつ》が途中で増えてもマナがほとんど増えなくなってしまうので、秘儀が減るのはピンチです。

    そこで《思考の流れ》です。薄くなったライブラリーに秘儀呪文が4枚復活するのは大きいので、墓地を見て秘儀が何枚デッキに残っているかを把握し、必要ならデッキに戻していきましょう。

    パズルの欠片》《ロリアンの発見》などを打つ前に《思考の流れ》で秘儀を戻しておくことをオススメします。

     

    ・マナ計算まとめ

     《満潮》2枚、《精神のくぐつ》1枚の場合は2マナの秘儀呪文で±0。

    満潮》2枚、《精神のくぐつ》2枚の場合は同条件で+2。

    満潮》3枚、《精神のくぐつ》1枚の場合は同条件で+1。

    満潮》3枚、《精神のくぐつ》2枚の場合は同条件で+4。

    基本は《満潮》2枚、《精神のくぐつ》2枚を目指し、次に《満潮》か《精神のくぐつ》3枚を目指しましょう。(《精神のくぐつ》3枚でも+4マナなので実は変わりません)

     

    ちなみに《精神のくぐつ》は秘儀呪文なので《精神のくぐつ》に連繋できるのも一応覚えておきましょう。秘儀呪文がなくなってドロースペルが余っている場合にたまにやります。

     

    マリガンについて

    このデッキのマリガンは実は簡単です!

     

    ハイタイドはコンボ始動に《満潮》2枚、《精神のくぐつ》を必要とし、その上土地も3~4枚、ドロースペルも必須です。そのため、キーカードを求めてマリガンしている余裕なんてありません。

    つまり、ほとんどの初手をキープすることになります。土地がなくてまともにカードが使えない初手以外はほとんどキープします。初動が《パズルの欠片》だろうと気にせずキープします。

    土地1枚の手札は《定業》《思案》《渦まく知識》がなければマリガンしたくなります。《霧中の到達》ではちょっとキープしがたいですね。《渦まく知識》の場合は少し怖いので、他の手札が弱い場合はマリガンしてしまいますが。《満潮》《精神のくぐつ》《留まらぬ発想》あたりが揃っていると始めたくなりますね。

    土地が2枚以上ある初手は大体キープです。土地3は少し多めに感じますが、マリガンしている余裕はありませんし、ハイタイドは4ターン目まではセットランドを続けたいデッキなので、キープしてOKです。このデッキの《》は大量のマナを生み出すので、土地ストップはコンボ成立を阻害する要素なのです。

    というわけで大体の初手をキープしましょう。そして何もできず赤単にサンドバッグにされて泣くのもお約束です。

     

    サイドボーディングガイド

    VSバーン

    こちらが先手の時

    +3《青霊破
    +3《ボーラスの占い師
    +2《断絶

     

    -1《綿密な分析
    -1《見えざる糸
    -1《万の眠り
    -1《ロリアンの発見
    -2《渦まく知識
    -1《パズルの欠片
    -1《霧中の到達

    当然ながらきついですね。当たり前です。こっちは必死にパーツ集めて4ターンキルなのに、相手は普通に4ターンキルしてきますからね。こっちがマグロなのが悪いのですが。

     

    ケッシグの炎吹き》があると《溶岩の投げ矢》が2点火力になるので、《思考の流れ》で相手のライブラリーを全部削ると負け確になる場合があります。その際は《綿密な分析》による無限ドローで勝ちましょう。

    ただし、無限ドローだと《火炎破》のリスクもあります。

    サイド後は《綿密な分析》を抜いてしまいますが、代わりに《青霊破》をコンボの最後に構えられるので、ライブラリーを削り切っても大丈夫です。

    ちなみにライブラリーを0枚にしてターンを返して《青霊破》を構える際は、一度エンドすることになるので、《留まらぬ発想》のディスカードが発生します。ループを《留まらぬ発想》で組んでいると手札が0枚になって《青霊破》を構えられなくなってしまうので、無限マナ後に《ロリアンの発見》を組み込み、《留まらぬ発想》のディスカードの数以上の手札を用意するようにしておきましょう。

    青霊破》を3枚しか入れていないのは、ハイタイドというデッキの特性です。コンボに関係のないカードばかり入れると、コンボが止まる原因にもなりますし、そもそもコンボを始められません。

     

    断絶》はコンボ中に実質《見えざる糸》としても機能するバウンスですし、《ボーラスの占い師》は壁になりつつ、カードを供給してくれます。

    もし次に使うなら《青霊破》を減らすと思います。

     

    VS青単テラー

    +2《万の眠り
    +2《払拭

     

    -1《思案
    -1《見えざる糸
    -1《思考の流れ
    -1《渦まく知識

    超不利です。勝てるわけないです。早いクロックと打ち消し。パウパーでこんな強いデッキが許されて良いのでしょうか?

    万の眠り》で全部寝かせてコンボといきたいところですが、現実的には1~2枚の《》をカウンターで防がれて、その立っているマナでカウンターを構えられて負けます。

    そのため、《万の眠り》をコンボターンに合わせるだけではなく、事前に使っていってカウンターをある程度引き出させていくことをオススメします。

     

    たとえば《パズルの欠片》を打ちたいと思った時に、相手のエンドに《万の眠り》を打ち、1マナだけ残してきたところに《パズルの欠片》を通すといった感じです。1マナなら《被覆》以外で打ち消されませんからね。《対抗呪文》を上回る濃厚な手札を確保する必要があるので、《パズルの欠片》は重要です。

    相手が《トレイリアの恐怖》のために積極的に自分のライブラリーを削ってくることから、《思考の流れ》の複製は少なめで相手のライブラリーを削りきれます。無限ループの必要はないので、1枚サイドアウトしています。

    しかし、1枚しかデッキに残っていないので、《パズルの欠片》で落ちた場合は必ず拾わなければなりません。

     

    VS親和

    +1《綿密な分析
    +2《払拭


    -1《見えざる糸
    -2《渦まく知識

    大量の《紅蓮破》が入ってくるのと、ドロー関連の多くがインスタントなので《払拭》はサイドインします。

    リソース勝負になりがちなので《綿密な分析》を追加します。相手が結構遅いのでそれなりに有利だとは思っています。

     

    VSブラッドバーン

    +4《青霊破


    -1《見えざる糸
    -1《万の眠り
    -1《思案
    -1《霧中の到達

    赤単と違い地上クリーチャーが《ヴォルダーレンの美食家》しかいないのでブロッカーとしての役割が薄い《ボーラスの占い師》はサイドインしません。

    ライブラリーアウトで《青霊破》を構えてターンを返すとアップキープに血を生け贄にしてマッドネスで《血管の施し》を捨てられて負けるので、自分のターン中に勝たなければならないため、《綿密な分析》が必要です。

    青霊破》自体は《信仰無き物あさり》《目標の強奪》《街道筋の強奪》に当たるので強いです。

     

    VSエルフ

    +3《断絶


    -1《万の眠り
    -1《綿密な分析
    -1《見えざる糸

    基本的には墓地対策以外の妨害をしてこないので有利ですが、普通に4ターンキルしてくるので悠長に構えている余裕はありません。

     

    特に《森林守りのエルフ》を絡めた打点がカギになるので、《断絶》でしっかり妨害しておきたいです。

    断絶》はバウンスつきの《見えざる糸》なので、コンボ中でもそれ以外でも便利ですが、《巨森の蔦》を喰らうと土地が起きないので注意が必要です。

     

    VSスパイ

    +3《断絶


    -1《綿密な分析
    -1《見えざる糸
    -1《思案

    キルターンは少しこちらが早めですが、《催眠の悪鬼》で妨害されたりします。《催眠の悪鬼》で《満潮》を取られるのが負け筋なので、《商人の巻物》で《満潮》をサーチしてターンを返すのは少し考えもの。とはいえ、仕方のない時もありますが。

    欄干のスパイ》からコンボを決めるにはクリーチャーの頭数が必要(《戦慄の復活》のために)なので、《断絶》で妨害できます。《催眠の悪鬼》に打つことも考えればフル投入で問題ないでしょう。

     

    VSボーグル、白単

    +3《断絶


    -1《綿密な分析
    -1《見えざる糸
    -1《万の眠り

    軍旗の旗手》を出された時のために《断絶》は必須です。

     

    VSグルールランプ

    +2《万の眠り


    -1《綿密な分析
    -1《見えざる糸

    楽園の拡散》でマナを伸ばしてくるので《万の眠り》をアップキープに打つと結構効きます。土地を並べながら相手のビッグアクションのターンに土地を攻めたり、エンド時に赤マナを全部寝かせて《紅蓮破》をケアしましょう。

    赤マナがほとんどないので、たとえば赤が2つしかない場合は、それらの2枚に《万の眠り》の複製もぶつけましょう。こうすれば《紅蓮破》で片方を守られることはなくなります。緑が立っていても何もされないので無視してOKです。

     

    終わりに

    今回はハイタイドの紹介でした。

     

    ハイタイドはかなり好きな部類のコンボデッキで、回していく内にどんどん愛着がわいてきました。

     

    留まらぬ発想》と《ロリアンの発見》を余裕で打てるマナがあり、さすがに100%勝ったかと思いきや、5枚連続土地を引いて、6枚目で《定業》を引き込み、その《定業》からドローが繋がった時に、このデッキを回すために自分が生まれたのだと確信しました。

    ヒカルの碁の名シーン「神はこの一局をヒカルに見せるため私に千年の時を長らえさせたのだ。」の時の藤原佐為みたいな感じになりました。伝わる人にだけ伝わってほしいです。

     

    とにかく面白いコンボなので、お好きな方はぜひ回してみてくださいね。

     

    それではまた。

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