【週刊メタゲーム通信】最新のモダンは眼魔・ブリーチ・エネルギーの三強時代に突入!

【週刊メタゲーム通信】最新のモダンは眼魔・ブリーチ・エネルギーの三強時代に突入!

mtg Yuyan

こんにちは。

細川 侑也(@yuyan_mtg)です。

今回は、マジックオンラインの結果やモダンの大型大会から、最新のモダンのデッキをご紹介していきます!

 

 

 

 

    ディミーア眼魔

    モダンチャレンジ : 2位 By TSPJendrek

    今やエネルギーと並んでモダンにおける二強の一角となったディミーア眼魔。

    致命的な一押し》《対抗呪文》で相手の攻め手を妨害しながら、《超能力蛙》《忌まわしき眼魔》を展開し、速やかに相手のライフを削りきるデッキです。

    リソースを稼ぐカードは《超能力蛙》しか入っていないため、コントロールというよりはクロックパーミッションに近いデッキです。

    レガシーでは禁止されてしまった《超能力蛙》。当然モダンでもその力は脅威的で、今モダンで一番強いカードと言っても過言ではありません。手札からカードを捨てるだけで強くなり、攻撃が通れば1ドロー。更には飛行を付与するオマケと、《サイカトグ》のリメイクにしてはやりすぎです。

    そんな《超能力蛙》と相性の良いクリーチャーが《忌まわしき眼魔》。スタンダードやパイオニア、そしてレガシーでも姿を見かけるカードですが、最初に注目されたのはモダンでした。《忌まわしき眼魔》を墓地に送って《発掘》で釣り上げるのがこのディミーア眼魔の勝ちムーブの1つであり、《超能力蛙》で手札から墓地に送り込むことができます。

    忌まわしき眼魔》を直接ライブラリーから墓地に送る手段として《思考掃き》と《考慮》も採用されています。これらの墓地を肥やすキャントリップ呪文で手札から《忌まわしき眼魔》を出すためのコストを支払うことも可能ですし、《濁浪の執政》のキャストにもつなげられます。

    探査で召喚する《濁浪の執政》と《忌まわしき眼魔》、一見すると相性の悪い2枚ですが、実はそんなことはありません。

    忌まわしき眼魔》の戦慄予示で1枚が墓地に送られ、もう1枚が場に出ます。そのカードが除去られれば墓地は増えていきますし、《忌まわしき眼魔》が生き残れば毎ターン墓地が勝手に肥えていきます。《忌まわしき眼魔》で墓地が0枚になっても瞬く間に《濁浪の執政》が出てくるのです。

    濁浪の執政》を出した後に《忌まわしき眼魔》を唱えるのは少し大変ですが。

    非常に速いデッキなので、手札を増やす手段が《超能力蛙》しかないにも関わらず、《否定の力》が大量に採用されています。《超能力蛙》《忌まわしき眼魔》《濁浪の執政》は打点が非常に高く、これらを展開して次のターンに勝てるようにしつつ、《否定の力》を構えることが多いためです。

    知りたがりの学徒、タミヨウ》の採用は珍しいですが、これは追加のリソース獲得手段なのでしょう。《思考掃き》《考慮》があるので《知りたがりの学徒、タミヨウ》の変身は比較的容易です。

    発掘》が手札に余る展開もあるので、なるべく釣れる対象は多い方が良いと考えての採用なのかもしれません。《知りたがりの学徒、タミヨウ》は攻める時は強いカードではありませんが、生き残るだけで手がかりを作っていき、変身すれば大きなプレッシャーになるので、単純なパワーカードです。

    以前まではエネルギーに少し不利なデッキでしたが、《湧き出る源、ジェガンサ》《一つの指輪》《色めき立つ猛竜》の3種が禁止されたことによる弱体化で、今は良い戦いができるようになりました。その上でコンボデッキにめっぽう強いため、ディミーア眼魔は今モダンで最強のデッキの一角と言われています。

    超能力蛙》から《忌まわしき眼魔》を出して《対抗呪文》を構えたり、2ターン目に《忌まわしき眼魔》を出してそこから妨害連打など、青黒とは思えない速度でゲームに勝利することもあり、回っている時のディミーア眼魔は最強という言葉が実に相応しい。

    モダンの大会に出るならば必ず意識しなければならない相手です!

    ティムールブリーチ

    モダンチャレンジ : 優勝 By  Slasher21

    禁止改訂によって解禁された4枚の中で最も今活躍しているのは《オパールのモックス》でしょう!ティムールブリーチをトップメタまで押し上げてくれました。

    ティムールブリーチは《死の国からの脱出》と《研磨基地》を使用したコンボデッキです。

    研磨基地》はアーティファクトを生け贄にすることで、自分か相手どちらかを3枚切削できるカード。これを使って0マナのアーティファクトを生け贄にし、自分に切削3を行います。

    その後、《死の国からの脱出》を唱えて、墓地から今生け贄に捧げた0マナのアーティファクトを脱出コストでキャストします。これにより《研磨基地》がアンタップし、再度そのアーティファクトを生け贄に自分に切削し、その切削した3枚を超すとにアーティファクトを再び戦場に戻し……これで自分のライブラリーを0枚にできます。

    最終的にはライブラリーが0枚になり、《タッサの神託者》を脱出で唱えて勝利となります。

    生け贄にするアーティファクトが《モックス・アンバー》か《オパールのモックス》であればマナがどんどん増えていくので、フルタップで《研磨基地》と《死の国からの脱出》を唱えた場合でも瞬殺コンボに移ることができ、2マナと2マナによるコンボで、《研磨基地》側は事前に先に設置しておけるので、3ターンキル可能な非常に速いコンボデッキとなっています。

    3ターンキル可能…どころか3ターンキル自体は割と安定しています。《邪悪鳴らし》は《死の国からの脱出》《研磨基地》にアクセスしつつ、落とし子を用意できるので、3ターン目に4マナの状況を簡単に作ってくれるのです。

    それだけでなく、《死の国からの脱出》さえあれば《研磨基地》側は墓地から脱出で唱えても問題ありません。他にも墓地を肥やす手段はあり、《研磨基地》を墓地に送るのはさほど難しくないため、実質《死の国からの脱出》1枚コンボになっているのです。

    オパールのモックス》の登場によってこのデッキは2ターンキルも現実的となりました。1ターン目に《知りたがりの学徒、タミヨウ》をキャストして《モックス・アンバー》、《オパールのモックス》と置いて2ターン目に《知りたがりの学徒、タミヨウ》が殴って手がかりを出せば、《オパールのモックス》が金属術を達成するので4マナが用意でき、《死の国からの脱出》《研磨基地》で2ターンキルです。

    ティムールブリーチの軸となっている《知りたがりの学徒、タミヨウ》《湖に潜む者、エムリー》は、《モックス・アンバー》と非常に相性の良いカード。いずれも1マナで唱えられる伝説のクリーチャーなので、早いターンから《モックス・アンバー》が《Mox Sapphire》になってくれるのです。

    知りたがりの学徒、タミヨウ》は攻撃して手がかりを出すため、《オパールのモックス》の金属術も助ける素晴らしいカード。コンボパーツを集めるために手がかりを生み出し続けても良いですし、変身して大マイナスを狙う展開も可能です。サイド後は墓地対策などヘイトカードを喰らうので、変身する機会は非常に多いです。

    湖に潜む者、エムリー》も器用なカード。墓地を4枚肥やしつつ、《ミシュラのガラクタ》などを戻して手札を増やしたり、《仕組まれた爆薬》《魂標ランタン》《上天の呪文爆弾》を使いまわして相手を妨害していきます。

    この2種は絶対に放置できないクリーチャーなので、相手は除去を抜くことができません。それがこのデッキと戦いづらいポイント。《死の国からの脱出》《研磨基地》のコンボにクリーチャーは絡まないので、除去を抱えてキープして、始まったコンボを指を咥えてただ見ている…なんてことも。

    コンボパーツを探せる《ウルザの物語》から出るトークンがとにかく大きいのもティムールブリーチの魅力。しかも2種のモックスによって2ターン目の起動も可能ですからね。サイド後は墓地対策を無視して構築物トークンで殴っていくことも多いです。

    高速コンボにも関わらず複数のゲームプランが取れるティムールブリーチ。対策必須の強デッキです。

    マルドゥエネルギー

    モダン神挑戦者決定戦 : 優勝 By 高橋 太朗

    あれ?エネルギーは禁止改訂によって消えたはずでは…?

    湧き出る源、ジェガンサ》《一つの指輪》《色めき立つ猛竜》の3種を失ってもまだ強いエネルギー!そう、展開力とリソース確保、そして相棒を失っても、エネルギーの根幹は生き残っています。『モダンホライゾン3』がいかに恐ろしいセットだったかわかりますね。

    エネルギーを稼ぎながらライフを得て、最終的には自軍クリーチャーに飛行と修正を与える《魂の導き手》。

    その《魂の導き手》と相性の良い、トークンをどんどん生成していく《オセロットの群れ》。

    1枚で2面展開するだけでなく、《ゴブリンの砲撃》との組み合わせで一撃でライフを削り取ることもある《ナカティルの最下層民、アジャニ》。

    そして《栄光の闘技場》との組み合わせも強力な《火の怒りのタイタン、フレージ》。

    この4種が使える以上、エネルギーというデッキが消えることはありません。

    とはいえ、《色めき立つ猛竜》の禁止により、エネルギー要素はかなり減っています。デッキリストをよく見ると《魂の導き手》以外にエネルギーと書かれたカードは1枚も採用されていません。

    以前までは4枚確定だった《電気放出》。1ターン目に除去しつつ、エネルギーを少し残せるので、2ターン目に《色めき立つ猛竜》を出した時に、3マナ以上のカードを唱えることが可能でした。

    色めき立つ猛竜》がなくなった今、エネルギーを使うことそのものが減ってしまったため、エネルギーを貯めることのバリューが減ったのです。《電気放出》は1マナで《濁浪の執政》を除去できる可能性のあるカードでしたが、《超能力蛙》を倒しづらい欠点もありました。決して1マナの万能除去というわけではなく、《色めき立つ猛竜》との相性などを加味して採用されていたのです。

    電気放出》が抜けたことで、エネルギーの維持が難しく、《静牢》も自然とデッキから抜けていきました。そこで最近では《岩への繋ぎ止め》の採用率が非常に上がっています。マルドゥでは《致命的な一押し》が使えますが、ボロスでは良い1マナ除去がないので、《岩への繋ぎ止め》が4枚投入されていることも。これによりディミーア眼魔のすべてのクリーチャーに触れるようになりました。

    さて、今回モダン神挑戦者決定戦を制したリストで最も特徴的なのが《ベイルマークの大主》です。

    大主サイクルの中ではスタンダードで最も姿を見ない《ベイルマークの大主》ですが、このデッキでは凄まじいリソース源となります。切削しながら墓地からカードを拾う2マナのカードと、モダンレベルではないように思えますが、その2マナのカードに5/5のサイズと、攻撃時の誘発のオマケもついてきたら話は別です。

    それを可能にしているのが《溌剌の牧羊犬、フィリア》。攻撃時に兆候状態の《ベイルマークの大主》を追放すると、戻ってきた時には兆候が解けています。しかも追放領域から戻ってきた時にも切削と回収を行うので、攻撃もできれば3枚のカードを回収でき、《一つの指輪》級のリソースを獲得できます。

    切削が嬉しいのもデッキと噛み合う部分。《火の怒りのタイタン、フレージ》が4枚採用されていますからね。《ベイルマークの大主》でクリーチャーを拾いつつ、《火の怒りのタイタン、フレージ》まで落ちれば、もうその時点で勝ったも同然です。

    ベイルマークの大主》と《溌剌の牧羊犬、フィリア》の組み合わせはマルドゥエネルギー以外でも、オルゾフブリンクなどで活躍しており、今後もよく見かけることになるでしょう。

    一つの指輪》を失ってからのエネルギーは、《スカルドの決戦》や《歴戦の紅蓮術士》など、様々なカードでリソースを稼ぐ努力をしてきましたが、マルドゥでは《ベイルマークの大主》が定番となるかもしれませんね。

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