こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
本日深夜に禁止改訂が実施されました!
パイオニアで《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》《傲慢な血王、ソリン》!
レガシーで《悲嘆》!
今回は、パイオニアとモダンの禁止改訂後の環境予想をしていきたいと思います!
パイオニア
《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》と《傲慢な血王、ソリン》の禁止により、アマリアコンボとラクドス吸血鬼は消滅しました。
《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》は最速3ターンキルの高速コンボだっただけでなく、アマリアのパワーが20になるのに対応してアマリアのパワーを21以上にしたり、アマリアに破壊不能を付与することで、強制的な引き分けを起こさせることができ、第4ゲームや第5ゲームに突入する場合もあり、トーナメントの進行に影響が出ていました。
そしてラクドス吸血鬼。《傲慢な血王、ソリン》から《血管切り裂き魔》を高速召喚するギミックを搭載したラクドスミッドレンジの進化系とも呼ぶデッキですが、こちらは単純に強すぎるがゆえの禁止です。プロツアーを制したラクドス吸血鬼は、そのまま他のすべてのデッキを駆逐し続け、アマリアと共にパイオニア環境の二強として君臨し、消えていくこととなりました。
さて、まずこの2つが消えて最も喜ぶのはイゼットフェニックス。
他フォーマットでは禁止されている《宝船の巡航》を使えるデッキであり、攻守に渡って優れ、安定感も抜群。
無限ライフされるだけで勝てなくなってしまい、《集合した中隊》や《戦列への復帰》で単体除去の上からコンボを決めてくる《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》、そして《血管切り裂き魔》が癌のラクドス吸血鬼。これらの二大巨頭に少し劣っており、これまではトップメタから陥落していました。
しかし、その2つはもう存在しません!そうなればイゼットフェニックス天下間違いなし!
そして忘れてはならないのが、ラクドス吸血鬼流行前はパイオニアの顔の1つだったラクドスミッドレンジ。
手札破壊と除去を連打して《鏡割りの寓話》で手札を整えつつ圧力をかけ、各種カードで1対1交換を取った後に《勢団の銀行破り》でリソースを回復したり、土地で攻撃するミッドレンジです。
必殺技のないラクドス吸血鬼という烙印を押されてしまいましたが、その必殺技は強すぎて禁止に。そうなれば再びラクドスミッドレンジが戻ってくるのは想像に易い。
ただ、ラクドスミッドレンジはイゼットフェニックスに弱かったデッキでもあります。
イゼットフェニックスを持ち込むプレイヤーが増えるのは明らかなので、そこをいかに意識できるかが鍵となるでしょう。《墓地の侵入者》や《真っ白》程度では止められないイゼットフェニックスですが、果たしてラクドスミッドレンジはそれを止めるデッキとなるのか。
はたまた、アマリアと吸血鬼に抑え込まれていた他のデッキが新たにメタゲームを支配するのか。
久しぶりに新しくなったパイオニア環境から目が離せませんね。
モダン
《有翼の叡智、ナドゥ》は半ば誰もが諦めていたと思います。禁止になって当然で、なぜこの期間放置されていたのか疑問になるレベルでした。
《手甲》との2枚コンボであり、そして《手甲》は《ウルザの物語》から探せるので、実質土地と《有翼の叡智、ナドゥ》の2枚コンボ。それもかかるマナは0+3の合計3マナ。3+4で7マナかかる双子コンボが禁止されているフォーマットでこれが許されるはずがありません。
しかもコンボを妨害しようと《有翼の叡智、ナドゥ》を除去したらリソースを取られる始末。モダンを遊んだ誰もが思ったでしょう。バントナドゥはやばすぎると。
そしてそれは結果として現れており、『モダンホライゾン3』発売以降の大型トーナメントのほとんどをバントナドゥは優勝し、トップ8に多数入賞しています。
更に《悲嘆》が禁止になりました。
こちらは『モダンホライゾン2』の問題児。《激情》禁止の要因となったラクドス想起の二大看板の1つで、《激情》は《悲嘆》の身代わりになったとも言われていましたが、後追いする形で禁止になりました。こう考えるとラクドス想起がプロツアーを制するのもむべなるかな、と言ったところですね。2枚の禁止カードを主軸に据えていたのですから。
エスパー御霊や黒単ネクロ、リビングエンドに影響が出ました。どちらのデッキも致命的なダメージを受けており、デッキパワーは各段に下がることでしょう。
エスパー御霊は《偉大なる統一者、アトラクサ》を《御霊の復讐》で吊り上げて《儚い存在》を打って場に定着させるデッキ。この《儚い存在》の使い道として《悲嘆》は最適でした。打ち消しや序盤の攻防でも《悲嘆》は必須で、《偉大なる統一者、アトラクサ》解決後のダメ押しにも活躍しました。
黒単ネクロは《ネクロドミナンス》で大量のカードを引くデッキ。ドローするデッキと《悲嘆》の相性は抜群でした。どれだけ手札を消耗しても、《ネクロドミナンス》と《一つの指輪》で取り返せますからね。《悲嘆》+《マラキールの再誕》の「スキャムコンボ」で手札を奪って《ネクロドミナンス》or《一つの指輪》のメイン勝ち手段がなくなってしまいました。
バントナドゥや黒単ネクロ、エスパー御霊にリビングエンドといったモダンの強デッキたちが消えて一番喜んでいるのは…
それはもうエネルギーでしょう!
《魂の導き手》《オセロットの群れ》《色めき立つ猛竜》《ナカティルの報復者、アジャニ》と『モダンホライゾン3』のカードをふんだんに取り入れたボロス(+α)のアグロデッキです。
バントナドゥ、黒単ネクロ、エネルギーの『モダンホライゾン3』産の三強のうち、ナドゥは消滅、ネクロも大幅な弱体化を余儀なくされました。そうなればエネルギー天下となるのは目に見えています。
元々エネルギーはバントナドゥを苦手としており、逆にそれ以外にはほぼ強い、夢のようなデッキ。
同型で強い《オークの弓使い》を採用したマルドゥ、《マネドリ》《イーオスのレインジャー長》《記憶への放逐》で相手の呪文へ干渉できるジェスカイなど、その強さゆえにバリエーションも豊か。
どの色のエネルギーが勝つのか?次の環境、エネルギーが活躍するのは間違いないでしょう!
もう1つ忘れてはならないのがルビーストーム。
こちらも『モダンホライゾン3』で登場した《モンスーンの魔道士、ラル》と《ルビーの大メダル》によって生まれたデッキ。最速2ターンキルもできる高速コンボ。(僕が書いた解説記事がありますので興味がある方はこちら)
ストームはエネルギーに強いデッキなので、エネルギーが活躍するのであればストームも上がってくること間違いなし!
《悲嘆》が消えたのもストームにとっては大きいですね。汎用性の高い手札破壊が消えたのは、ストームに限らず、コンボデッキ全般にとって喜ばしいことです。
新しいモダン環境はエネルギーとルビーストームから始まることでしょう!
もちろん、影響を受けなかったデッキは他にもたくさん!ナドゥに3キルされていたデッキたちの逆襲が始まります!