こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。
ホロウフェニックス(モダン)
モダンリーグ:5-0 By CarlosMoreno

かつてモダン界を激震させたデッキ、ホロウワン。
1ターン目に2体の《虚ろな者》が並び、墓地から《炎跡のフェニックス》が飛び出してくるそのブン回りは、モダンが次のステージに進んでしまったことを体感させられました。
そしてそのホロウワンが、新たなフェニックスと共に帰ってきました。
基本構造は変わらず。《燃え立つ調査》や《ゴブリンの知識》でカードを3枚捨てて、3回捨てたことで0マナになる《虚ろな者》を高速展開していきます。
今回お供となるのは《探偵のフェニックス》。手札から唱えた時は並スペックですが、墓地から証拠収集で授与した時が超強力。僅か1マナで授与でき、エンチャント先に+2/+2と飛行・速攻を付与します。瞬く間に《虚ろな者》が6/6飛行で殴ってくるのです。
証拠収集6を満たすのは難しくありません。《通りの悪霊》と《虚ろな者》はいずれも5マナなので、後1マナで達成します。
《太陽の執事長、インティ》もホロウワンを強化した1枚。生き残った後に《燃え立つ調査》や《ゴブリンの知識》を打ってしまえば、カードを使いきれなくなってしまうほどでしょう。《虚ろな者》にトランプルを付与できるのも地味に強力ですね。
ランダムディスカードの楽しさはこのデッキの醍醐味。《ゴブリンの知識》で《虚ろな者》が手札に残り、《探偵のフェニックス》が落ちた日はあなたがトーナメントの優勝者となるでしょう!
マルドゥファクト(モダン)
モダンリーグ:5-0 By fayden07

『モダンホライゾン3』の衝撃凄まじく、パイオニアですら見ることのなかったエネルギーを、最早モダンで見ない日はなくなりました。
そのエネルギーカードたちの中でもとりわけ注目されているのが《電気放出》。普通に使用してもインスタントの1マナ3点。もしエネルギーが3つ余っている状態で使用すれば1マナ6点と、ほぼ1マナでどんなクリーチャーでも倒せる万能除去です。《剣を鍬に》クラス。
しかもエネルギーを使う手段は他にもあるので、そう考えればただの除去である《剣を鍬に》を超えていると言っても過言ではありません。
その他の手段として定番なのは《不安定な護符》や《魂の導き手》ですが、このデッキでは《激震の目覚め》を更に採用しています。
1マナでアーティファクトやクリーチャーを墓地から吊り上げられるソーサリー。エネルギーを消費することで、どんな重いアーティファクトでも戦場に戻せます。
そして重くて強いアーティファクトと言えば?そう、《ボーラスの城塞》です。
この《ボーラスの城塞》を墓地に落とす手段として《ゴブリンの技師》も採用されており、釣る気満々です。
《ボーラスの城塞》でライブラリートップから呪文を唱えると《不不安定な護符》でダメージが入るため、実はこの2枚は非常に相性が良い!置いたターンにそのまま勝ってしまうかも。
《激震の目覚め》は《ボーラスの城塞》を釣るコンボパーツとしての側面もありながら、普通に《オセロットの群れ》や《魂の導き手》など、残れば強力なクリーチャーを復活させながらエネルギーを供給してくれるナイスカード。
《ボーラスの城塞》を置く快感は格別です。ぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
ディミーアオーメン(パイオニア)
パイオニアチャレンジ:14位 By CuteChandra19

突然ですが、マジックはマナがとても重要なゲームです。
呪文を打つ回数には制限のないこのゲーム。7枚の初手が配られて毎ターン1枚供給されるので、序盤から手札がなくなることはありません。しかし、置ける土地の枚数は1ターンに1度です。
だからこそ、マナを生み出すカードの価値は高い。それが最序盤ならなおさら。1マナで唱えることができ、タップでマナを生み出す《ラノワールのエルフ》は古のカードですが、未だパイオニアで現役ですし、今年発売の『ファウンデーション』で再録が決定しましたが、スタンダードでもまず5年使い倒すこと間違いないでしょう。
閑話休題。
今回紹介するデッキでは、《ラノワールのエルフ》を超える1マナで破格の2マナを生み出すことのできるカードをなんと2種類使っています!
まずは紹介しましょう!《お告げの行商人》です!
そして《奇怪な宝石》です!
1マナで2マナを生み出せるカードといえば《太陽の指輪》。パイオニアどころかモダン、いやレガシーですら使用できない最強のマナアーティファクト。そんなヴィンテージ級のカードをパイオニアで使用できるのです。
「そもそもそんな強いカードがどうして今まで使われていなかったのか?」もっともな疑問です。
よく見ると、これらのカードは自由に使える2マナを生み出せるわけではありません。2マナは呪文を唱えるためではなく、能力を起動するためにのみ使用可能です。
がっかりしないでください。それならば、能力起動をたくさん行うデッキで使用すれば、実質《太陽の指輪》8枚体制のデッキということになるではありませんか。
このデッキには、大量の「能力起動」のカードが採用されています。
まずは《群れネズミ》。3マナ起動で手札を捨てると自身のコピーを生み出し、どんどんサイズが上がっていくカード。かつてはリミテッドで「2ターンキルカード」として有名で、スタンダードでも4枚採用されていたカードです。
この《群れネズミ》の起動を実質1マナで行うことで、増やしながら打ち消しや除去を構えることが可能となります。
また、その打ち消し呪文にも一工夫が施されています。《鏡殻のカニ》は魂力で呪文や能力を打ち消すカード。そう、魂力も立派な起動型能力なので、ここにも2マナを注ぎ込めます。実質1マナで打てる《マナ漏出》です!
《勢団の銀行破り》のドローにあてたり、《サメ台風》を大きくサイクリングしたりなど、このデッキのマナの使い道は無限大!
他にも相性の良いカードがあるかも?(実質)《太陽の指輪》を使い倒しましょう!