こんにちは。
細川 侑也(@yuyan_mtg)です。
今週のピックアップデッキでは、ちょっと珍しいデッキを、軽い解説を交えて紹介していきます。
紹介デッキ
イゼット果敢
スタンダードチャレンジ : 5-2 By ScreenwriterNY

スタンダードからヴィンテージまで使われているすさまじいドロースペル、《食糧補充》。
これまで3マナソーサリーのドロースペルは、2ドローの《予言》すらスタンダードで採用実績があり、3枚引く《強迫的な研究》は一時代を築き、パイオニアでも5枚から2枚のインスタント・ソーサリーを加える《パズルの欠片》もパイオニアのイゼットフェニックスに採用されるほどでした。
こうして3マナドロー呪文の歴史を振り返ると、いかに《食糧補充》が異常な性能かわかりますね。3マナで5枚見て好きなカード2枚を取れるなんて、ほぼ《時を越えた探索》みたいなものです。
さて、本日紹介するデッキもそんな《食糧補充》を4枚採用しています。
《僧院の速槍》《熾火心の挑戦者》は共にクリーチャー以外の呪文を唱えることでサイズが上がる果敢を持ち、《精鋭射手団の目立ちたがり》はインスタント・ソーサリーに反応してパワーが2つ上がります。
たくさんの呪文を1ターンで唱えることで大ダメージを与えることができるこれらのクリーチャーと火力で相手のライフを削りきる、そんなコンセプトのデッキがこのイゼット果敢。
《稲妻波》は1マナ3点とハイスペックな火力で、《精鋭射手団の目立ちたがり》を出して《稲妻波》を打つだけで6点を削れます。そこに《ショック》が絡み、更に《巨怪の怒り》まで持っていたら、一瞬で15点も削れてしまいます。
この手の果敢デッキで悩みなのが、クリーチャーのサイズを上げる呪文が尽きてしまうこと。そうならないように果敢デッキでは、1マナでカードを引けるようなキャントリップ呪文を採用するのが定番です。ドロースペルなら、サイズを上げながら次の呪文を探しにいけますからね。
しかし、このデッキではキャントリップ呪文は《手練》の2枚しか採用していません。なぜなら、ガッツリと手札を増やすカードが入っているからです。
そう、《食糧補充》です!これにより状況に応じて適切な呪文を手札に加え、次のターンからの攻撃を始められます。
クリーチャーがいないなら、5枚の中からクリーチャーを探したり、本体火力だけで詰め切れる場合は火力をもらったり、更なるリソースを確保したりと、様々な仕事をやってのけます。
特に《精鋭射手団の目立ちたがり》はこのデッキで輝きます。2ターン目に計画しておき、3ターン目に《食糧補充》を唱え、準備ができたところで4ターン目に《精鋭射手団の目立ちたがり》でワンショットキル……なんてことも。
相手は《精鋭射手団の目立ちたがり》に対して除去を構えるため、アクションせずにターンを返してきます。そういった状況で《食糧補充》は最も強いカードと言えます。相手の1ターンを無駄にして、こちらは攻撃の準備を大幅に前進させることができますからね。
果敢と言えば、もちろんこのデッキにも《嵐追いの才能》は採用されています。レベルアップして《食糧補充》を拾えるので、1枚で2つの仕事をやってのけるすごいカードです。
青を採用することで《食糧補充》によるリソース確保と《呪文貫き》を手に入れ、これはどちらも《精鋭射手団の目立ちたがり》と噛み合っています。
《精鋭射手団の目立ちたがり》計画→《食糧補充》で《呪文貫き》を確保→打ち消しを構えながら《精鋭射手団の目立ちたがり》発射の流れは美しい流れです。このデッキの《精鋭射手団の目立ちたがり》は本当に強いですね。
《食糧補充》を攻撃的に使いたいならイゼット果敢で決まり!
カワウソローナコンボ
パイオニアリーグ : 5-0 By Traft

パイオニアでたびたび話題になるコンボ、《侵攻の伝令、ローナ》。カードを引いて捨てるルーター能力を持つ軽くて便利なレジェンドで、スタンダードでも活躍していたカードですが、パイオニアでは「伝説の呪文を唱えるたびにアンタップする」というテキストを悪用されることが多いです。
いわゆるローナコンボは、《侵攻の伝令、ローナ》《モックス・アンバー》《撤回のらせん》による3枚コンボです。《撤回のらせん》を《侵攻の伝令、ローナ》を対象に唱え、《侵攻の伝令、ローナ》をタップしてバウンス能力を《モックス・アンバー》に使用します。戻した《モックス・アンバー》を唱え直すと、伝説を唱えたので《侵攻の伝令、ローナ》がアンタップ。
この工程を無限に繰り返せるので、手札に戻る前に《モックス・アンバー》からマナを出しておけば、無限青マナ・無限にスペルカウント稼ぎが可能になります。
以前はこれが《ジェスカイの隆盛》コンボに組み込まれていました。先ほどの3枚が揃ってもただ無限にマナが出るだけですが、《ジェスカイの隆盛》があれば+1/+1が発生するので、そのままローナを変身させて無限パワーとなったトランプルの《トレイリアの抹消者、ローナ》で殴ったり、そもそも《ジェスカイの隆盛》で無限にライブラリーを掘れるので、他のフィニッシュ手段にアクセスできます。
しかし、今回紹介するのはなんと青単!《ジェスカイの隆盛》はついに不要になりました。
なぜならクリーチャーに実質《ジェスカイの隆盛》がいるからです。それが《渓間の洪水呼び》。
+1/+1修正とアンタップが発生するのはカエルやカワウソや鳥やネズミのみですが、それでも《ジェスカイの隆盛》に変わりはありません。《渓間の洪水呼び》に《撤回のらせん》を打っても、やはりコンボになります。
1.《渓間の洪水呼び》に《撤回のらせん》を唱える。
2.《渓間の洪水呼び》をタップして《モックス・アンバー》を手札に戻す。
3.《モックス・アンバー》を唱える。《渓間の洪水呼び》がアンタップして+1/+1。
4.以下繰り返しで《渓間の洪水呼び》が無限に+1/+1修正を受ける。
《侵攻の伝令、ローナ》と違って無限マナは発生しませんが、無限パンプで一撃で相手を屠れます。
また、《渓間の洪水呼び》は他のカワウソもアンタップさせるので、《カワウソボールの精鋭、キッツァ》がこのコンボの際に場にいれば、無限ルーターも発生します。
《カワウソボールの精鋭、キッツァ》は伝説なので《モックス・アンバー》からもマナが出て、無限マナ+無限ルーターとなり、最終的に無限マナから《この町は狭すぎる》《嵐追いの才能》のコンボで無限にカワウソトークンを出せるようになるので勝利となります。
このデッキに内蔵されているコンボをまとめると、
《侵攻の伝令、ローナ》+《モックス・アンバー》+《撤回のらせん》
→無限青マナ
《渓間の洪水呼び》+《モックス・アンバー》+《撤回のらせん》
→無限カワウソ+1/+1
この2つが基本となり、無限青マナルートではゴールは《嵐追いの才能》+《この町は狭すぎる》。
《渓間の洪水呼び》ルートでは《カワウソボールの精鋭、キッツァ》など、伝説のクリーチャーがいれば無限マナに、そうでなくともカワウソ1体のダメージが通れば即勝利となります。
最終的に《撤回のらせん》は相手のブロッカーを排除できるので、実はこの無限パワーによるアタックは成立しやすいです。
さて、忘れてはならないのが《変わり谷》。このどう見てもただの土地もカワウソなので、《渓間の洪水呼び》がしっかり反応してくれます。
《変わり谷》をクリーチャー化しておけば、《渓間の洪水呼び》の能力でアンタップするので、呪文を唱えると無色マナのオマケがついてきます。《撤回のらせん》《渓間の洪水呼び》《モックス・アンバー》のループで無限に無色マナが出るというわけです。《嵐追いの才能》のレベルアップをする場面もあるでしょう。
スタンダードで暴れ回る《嵐追いの才能》《この町は狭すぎる》パッケージはこのデッキにも採用されています。
前述のように、無限マナが発生してからの勝ち手段としても有用なだけでなく、《嵐追いの才能》のカワウソトークンは《渓間の洪水呼び》でサイズが上がってビートダウンを敢行できますし、レベル2で《食糧補充》を拾ってコンボパーツを揃えたり、《この町は狭すぎる》のループで無限に妨害を構え続けます。
《この町は狭すぎる》は無限マナ後の勝ち手段であり、それ自体で無限を形成することはできません。しかし、《渓間の洪水呼び》《モックス・アンバー》《嵐追いの才能》など揃った時は、1ターンに大量に呪文を唱えることができ、《渓間の洪水呼び》の複数回誘発から一瞬で勝つことができます。
たとえば《変わり谷》、《島》4枚、《渓間の洪水呼び》、今出したばかりの《カワウソボールの精鋭、キッツァ》、《嵐追いの才能》、《モックス・アンバー》とあるとしましょう。
まず《変わり谷》を自身をタップしてクリーチャー化し、《モックス・アンバー》と《島》から《この町は狭すぎる》を、《モックス・アンバー》と《嵐追いの才能》にキャスト。これでカワウソがすべて+1/+1しつつ《変わり谷》がアンタップ。
《変わり谷》から無色マナを出し、《モックス・アンバー》をキャスト。《変わり谷》がまたアンタップしてマナを出すと、無色2が浮きます。(+2/+2)
《モックス・アンバー》から《嵐追いの才能》をキャスト。《変わり谷》が再びアンタップ。(+3/+3)
《変わり谷》から再び無色を出し、合計で無色3。無色全部と《島》を使って《嵐追いの才能》のレベルをアップ。《この町は狭すぎる》を拾って唱えて、再び《モックス・アンバー》と《嵐追いの才能》を場から回収。もう一度その2枚を唱えると合計で+6/+6の修正が入り、十分に致死量になります。
仮にこの状況で《変わり谷》が複数枚あれば無色マナは大量に出るので、《食糧補充》も実質青1マナだけで打つことができ、そこから《モックス・アンバー》の2枚目などがあれば、更にもう1回《この町は狭すぎる》《嵐追いの才能》ループが可能で、《渓間の洪水呼び》による修正が計4回入り、《変わり谷》1体が12/12になります。もちろん、《撤回のらせん》を引けばそこから無限ルートへ入れます。
コンボパーツ自体は《モックス・アンバー》《撤回のらせん》が必ず絡むことになりますし、除去で妨害できるため、そう簡単には決まってくれませんが、《食糧補充》でパーツをかき集めたり、《嵐追いの才能》《渓間の洪水呼び》によるカワウソビートダウンが魅力のデッキです。
アグロもできるコンボデッキが好きな方なら気に入ること間違いなし!
青単タイムワープ
モダンリーグ : 5-0 By majak47

「ずっと俺のターン」カードゲームプレイヤーなら誰しも憧れますよね?
モダンでそれがやりたいなら、このデッキしかありません。
初代タイムワープこと《時間のねじれ》は、5マナで追加ターンを獲得できるソーサリー。ターンを得るという行為は、そのターン中に別の強いアクションがなければ、あまり効果は高くありません。よく言われるのが、戦場に何もない状態で打つ《時間のねじれ》はただの《探検》というやつです。追加ターンでカードを引いて土地を置くだけなら、1ドローして追加セットランドできる《探検》と変わらないからです。
そんな追加ターンと相性の良いカードと言えばプレインズウォーカー。マナを使わずに1ターンに1回、忠誠度能力を使用できますからね。《精神を刻む者、ジェイス》を置いて《時間のねじれ》を打てば、0連打で大量のカードを手札に加えられるでしょう。そこから《時間のねじれ》が連鎖していけば、ループは止まらなくなります。
《知りたがりの学徒、タミヨウ》も変身すれば《時間のねじれ》中にどんどん忠誠度を増やせます。しかも《老練の学匠、タミヨウ》のマイナス能力で《時間のねじれ》を回収できるので、単に大マイナスする以外にも使い道があります。というかこっちがメインと言っても良いでしょう。-3で忠誠値を1残して《時間のねじれ》を回収してキャスト。次のターンに+2しながら他の手段で追加ターン。更にその次のターンにもう一度《老練の学匠、タミヨウ》のマイナスを使えるので、《時間のねじれ》を再び回収できます。
2種類目のタイムワープとなるのが《時間の熟達》。通常キャストは7マナの《時間のねじれ》ですが、奇跡で唱えるとたった2マナと破格。6マナあって《時間の熟達》奇跡+《精神を刻む者、ジェイス》で突然ウィンコンディションになります。
奇跡を起こすためにはライブラリーのトップに《時間の熟達》を積み込み必要がありますが。その手段が実に豊富。
既にご紹介した《精神を刻む者、ジェイス》はもちろん、《脈打つ知識》も手札から自由にライブラリートップにカードを置けるので、人為的な奇跡を起こせます。
そしてなんといっても《コジレックの命令》でしょう!エルドラージでお馴染みのこのカードは実は奇跡と相性抜群。占術Xをした後に1ドロー、しかも相手のターンでも可能なので、大量のマナか唱えてトップに《時間の熟達》を積んでドローし、そのまま奇跡で追加ターンに入れます。
トークン生成能力もこのデッキには強力です。《時間のねじれ》+《精神を刻む者、ジェイス》には9マナかかってしまいますが、エルドラージ4体+5マナなら早いターンでも可能です。このデッキと対峙すると、エンド前に突然トークンが出てきて、そこから自分のターンが永遠に来なくなります。恐ろしいですね。
《コジレックの命令》を強く使うために《エルドラージの寺院》と《ウギンの迷宮》が入っているので、相性の良い《虚構漂い》も採用されています。《虚構漂い》の滅殺も1回なら大したことありませんが、《時間のねじれ》や《時間の熟達》で何度も滅殺されれば致命的となるでしょう。
《精神を刻む者、ジェイス》を使い倒して大量のターンを得ていくので、このデッキを回せば脳汁が出ること間違いなし!気持ちよくなりたい方はぜひお試しあれ!